著者
岩本 明憲
出版者
日本マーケティング学会
雑誌
マーケティングジャーナル (ISSN:03897265)
巻号頁・発行日
pp.2020.001, (Released:2019-12-25)
参考文献数
38

本研究の一義的な目的は,価格戦略理論の一画を成す価格変更に関連して,既存研究の問題点を整理・指摘したうえで,短期の値上げ及び値下げに加えて,その延長線上に実現する長期の高価格戦略及び低価格戦略を全般的な価格変更戦略として包括し,これらの多様な価格引き上げと引き下げを識別・整序する包括的な理論的フレームワークを提示することである。この目的を果たすべく,まずは価格変更に関する既存研究をレビューすることで本研究の射程がこれまでの価格変更研究をベースとしながらも,それを拡張・発展させる内容であることを確認する。次にプロスペクト理論を用いて,短期と中期の価格変更を識別し,長期かつより高次の価格変更戦略として,高価格戦略と低価格戦略を位置づける。それを踏まえて,留保価格と販売価格の差異,そして価格変更のためのコスト及びそれらの変化に着目し,四つの短期・中期の価格変更及び長期的に実現する八つの高/低価格戦略を分類・識別する理論モデルとそれに該当する事例を提示する。
著者
上田 祥平 平林 真伊 清水 美憲
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会年会論文集 38 (ISSN:21863628)
巻号頁・発行日
pp.491-492, 2014-09-13 (Released:2018-05-16)

STEM教育は,科学・技術・工学・数学を統合的に扱うことで,21世紀型能力等,これからの社会に求められる力の育成を目指す.学校数学の立場からこのSTEM教育をみると,理数系教育の新たな取り組みとして今後の展開が期待される一方,他分野と統合的に扱われるなかで数学の内容が後退するという問題点も挙げられる.本稿では,重要な数学の内容が含まれる活動として紹介されていたSTEM教育の活動の実践例を分析し,STEM教育での生徒の探究活動において数学化がどのような役割を果たしているのかを考察する.
著者
田中 優子 楠見 孝
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.55, no.4, pp.514-525, 2007-12-30 (Released:2013-02-19)
参考文献数
21
被引用文献数
8 1

本研究では, 大学生を対象とし, 目標や文脈という状況要因が批判的思考の使用に関わるメタ認知的判断に及ぼす影響を検討することを目的として, 研究1では, 批判的思考が「効果的」な文脈と「非効果的」な文脈を収集した。研究2では, 収集した文脈の分類を行い, それぞれの特徴を抽出した。2つの文脈にはそれぞれ異なる特徴がみられた。研究3では,「正しい判断をする」「物事を楽しむ」という2つの目標と文脈を独立変数として, 批判的思考をどの程度発揮しようとするかというメタ認知的な判断に及ぼす影響を検討した。その結果,「物事を楽しむ」という目標よりも「正しい判断をする」という目標においてより批判的思考を発揮しようと判断すること, 同じ目標であっても文脈によって批判的思考の発揮判断が変化することが明らかになった。さらに, 批判的思考の発揮判断は, 目標や文脈を考慮するものの全体的に批判的思考を発揮しようとするタイプ, 効果的な文脈で非常に高く批判的思考を発揮しようとするタイプ, 非効果的文脈では目標に関係なくほとんど発揮しようとしないタイプという3タイプによって特徴づけられることが示された。
著者
西應 浩司 材野 博司 松原 斎樹 藏澄 美仁 森田 孝夫
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.66, no.547, pp.169-176, 2001-09-30 (Released:2017-02-04)
参考文献数
23
被引用文献数
5 5

An experiment was done in one area with grid shaped street pattern and in another area with irregularly twisted street pattern. There were two ways to memorize forms in the experiment: a real walk and CG animation presented walk through a fixed pathway. After learning the course, the subject walked the pathway by themselves. Originally the subjects were 25 males and 15 females. The results were analysed based on gender difference-14 male and 14 female subjects. Analysing errors in the abstract distance and abstract angle errors on the cognitive maps, it was recognized that the drawn street lengths are shorter than the actual distances for both genders. Concerning a real walk through the irregularly twisted street the females' errors in the abstract angles were smaller than the males' errors. However both gender's found the irregularly twisted street more legible than the grid shaped one.
著者
Makoto Morinaga Junichi Mori Takanori Matsui Yasuaki Kawase Kazuyuki Hanaka
出版者
ACOUSTICAL SOCIETY OF JAPAN
雑誌
Acoustical Science and Technology (ISSN:13463969)
巻号頁・発行日
vol.40, no.6, pp.391-398, 2019-11-01 (Released:2019-11-01)
参考文献数
15
被引用文献数
6

We have been developing an aircraft model identification system that uses a convolutional neural network (CNN). The assumption is that this identification system would be used to estimate the number of flights to create noise maps. In our previous study, we used the CNN model to classify five aircraft comprising three rotorcraft, one turboprop, and one jet aircraft, and the accuracy reached 99%. In the present study, to examine whether this method is also effective for identifying the sound sources of jet aircraft, we conducted two case studies using frequency characteristics of aircraft noise obtained from field measurements around Osaka International Airport and Narita International Airport. Targeting 7 and 18 types of sound source at Osaka and Narita, respectively, an identification rate of 98% was obtained in both cases. This suggests that the present system can estimate the number of jet aircraft flights for each engine type or each aircraft model with very high accuracy.
著者
菅野 大 清水 いと世 舟場 正幸 松井 徹 友永 省三
出版者
日本ペット栄養学会
雑誌
ペット栄養学会誌 (ISSN:13443763)
巻号頁・発行日
vol.22, no.Suppl, pp.suppl_33-suppl_34, 2019-06-30 (Released:2019-07-24)
参考文献数
2

市販されている維持期のネコ用総合栄養食(各10種のドライ製品とウェット製品)および5種の一般食(ウェット製品)におけるタウリンおよびメチオニンの充足・過剰を検証した。充足・過剰の判定はAAFCO養分基準(2016)に基づいて行った。総合栄養食では、すべてのフードにおいてタウリンとメチオニンは充足していたが、1つのウェット製品においてメチオニンが過剰であった。一般食では、タウリン不足のフードが認められ、メチオニンはほとんどのフードで過剰であった。メチオニン含量および表示されている(粗)タンパク質含量は正の相関を示したことから、メチオニンのアンバランスは生じないため、その過剰の問題はない可能性がある。総合栄養食であるドライ製品の一部を一般食に置きかえることを想定しても、タウリンは不足しないことが示唆された。
著者
織田澤 利守 大平 悠季
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.75, no.5, pp.I_1-I_15, 2019 (Released:2019-12-26)
参考文献数
74
被引用文献数
1

社会資本整備のマネジメントサイクルの確立に向けて,事後評価の充実が重要な課題の 1 つに挙げられる.事後評価では,ストック効果の発現状況を多面的に捉え,統計データを有効に活用しながら,可能な限り定量的・客観的に効果を把握することが求められる.インフラ整備によってもたらされるストック効果を適切に評価するためには,実務で一般的に行われている単純な前後比較では十分とは言えない.本稿では,昨今,様々な分野で広く活用されるようになった統計的因果推論について,その手法を概説したのち,交通基盤整備効果の推定を行う既往研究をレビューする.その上で,交通基盤整備評価への適用に向けた論点整理を行うとともに展望について述べる.
著者
田坂 仁正 高山 真一郎 岩本 安彦
出版者
一般社団法人 日本糖尿病学会
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.41, no.11, pp.1039-1043, 1998-11-30 (Released:2011-03-02)
参考文献数
7

正月前後の血糖コントロールと体重の変化を検討するために, 初診来院し糖尿病外来通院中の66名をat randomに選び, 10月より翌年の6月まで5月を除き毎月のHbA1cならびに体重の変動を2年間継続追求した. 対象は男性38名 (年齢56±2歳), 女性28名 (54±2歳) で治療はインスリン注射16名, 経口薬25名, 食事療法単独25名である. 次のような成績を得た.(1) 10月を起点としてすでに11月よりHbA1cは有意に上昇しこの上昇は半年にも及んだ. HbA1cは2月に平均0.35%増加した.(2) 体重は3月との比較でもなお0.6kgの高値を認めた. これらの傾向は2年目においてもほぼ同様であった.(3) 男女の比較では女性ではHbA1cが男性に比し早期に前値に復帰した.(4) 治療法による差はなかった. 以上の所見より血糖コントロールの長期にわたる厳格な正常化には正月前後の血糖値の正常化が極めて重要である.
著者
三原 麻実子 原田 萌香 岡 純 笠岡(坪山) 宜代
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.66, no.10, pp.629-637, 2019-10-15 (Released:2019-11-09)
参考文献数
21

目的 避難所生活での食事状況の改善は喫緊の課題である。避難所における栄養改善のための新たな要因を探索する目的で,弁当等の食事提供方法の有用性について解析した。方法 宮城県による「避難所食事状況・栄養関連ニーズ調査」の結果を2次利用解析した。2011年3月に発生した東日本大震災から約2か月後(216避難所)と約3か月後(49避難所)における弁当の提供有無とエネルギー・栄養素提供量,食品群別提供量等の関係について解析した。また,炊き出し回数との関連性についても解析した。結果 発災約2か月後では弁当の提供有無によってエネルギー・栄養素提供量に有意差がみられたが,発災約3か月後では有意差は認められなかった。発災約2か月後では,弁当の提供が無い避難所に比べ弁当を提供した避難所では,エネルギー,たんぱく質,魚介類,油脂類の提供量が有意に高値を示した。一方,弁当を提供した避難所ではビタミンB1,ビタミンC,いも類,野菜類の提供量が低値を示した。発災約2か月後に炊き出しが有る避難所では,いも類,肉類,野菜類の提供量が有意に高値を示した。結論 発災約2か月後において,避難所での弁当の提供は,エネルギー・たんぱく質や,避難所において不足するといわれている魚介類の提供量も増やす可能性がある一方,ビタミンB1やビタミンCの提供量は低くなる可能性が示唆された。これらの結果から,エネルギーやたんぱく質の提供が求められる発災後の早い段階で弁当を提供することは食事状況改善につながると考えられる。しかしながら,弁当の提供のみでは提供できる栄養素に限界があるため,炊き出し等を柔軟に組み合わせて食事提供をすることが望ましい。
著者
赤松 大輔
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.65, no.2, pp.265-280, 2017 (Released:2017-09-29)
参考文献数
64
被引用文献数
15

本研究では, 高校生723名を対象として, 英語の学習観と学習方略および学業成績の関連を検討した。因子分析の結果, 教科共通の学習観として学習量志向と方略志向, 教科固有の学習観として伝統志向と活用志向, 間接的方略としてメタ認知的方略と社会的方略, 直接的方略として体制化方略, イメージ化方略, 反復方略, そして音声記憶方略が見いだされた。パス解析の結果, 学習観においては教科共通の学習観が教科固有の学習観を規定し, 学習方略においては間接的方略が直接的方略を規定するというように, 学習観内と学習方略内にそれぞれに規定関係があることが確認された。また, 学習観と学習方略の間には, 教科共通の学習観が間接的方略を予測する教科共通の学習プロセスと, 教科固有の学習観が直接的方略さらには学業成績を予測する教科固有の学習プロセスがあることが明らかになった。この結果を踏まえ, 学習行動全体を改善するためには教科共通の学習プロセスに注目し, 英語学習における学業成績を改善するためには教科固有の学習観に注目するというように, 学習観と学習方略の関係を教科共通と教科固有の両観点から捉える必要性が示唆された。
著者
根岸 洋・長谷川 綾子
出版者
公立大学法人 国際教養大学 アジア地域研究連携機構
雑誌
国際教養大学 アジア地域研究連携機構研究紀要 (ISSN:21895554)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.65-79, 2019 (Released:2019-06-28)

1973 年に重要無形民俗文化財に登録された「男鹿のナマハゲ」は、秋田県を代表する観光資源であり、2018 年に「来訪神:仮面・仮装の神々」の一つとしてユネスコの無形文化遺産に選ばれ世界に知られることになった。反面、若者によって担われてきた本行事は少子高齢化による後継者不足に悩まされており、観光客や外国人等の外部参加者の受け入れを始めた地区もある。本稿では、男鹿半島各地の集落に伝わる伝統行事であったナマハゲが、観光資源としての「なまはげ」に変容してきた経緯を振り返る。他方、昭和・平成に実施されたアンケート調査の比較を通じて、伝統行事としての諸要素が時代の要請に応じて変容したことを論じる。外国人留学生も受け入れている椿・双六での聞き取り調査を紹介し、無形文化遺産としての真実性を何に求めるべきか考察を行う。
著者
Satomi Ishihara Rika Kawakami Maki Nogi Kaeko Hirai Yukihiro Hashimoto Yasuki Nakada Hitoshi Nakagawa Tomoya Ueda Taku Nishida Kenji Onoue Tsunenari Soeda Satoshi Okayama Makoto Watanabe Yoshihiko Saito
出版者
The Japanese Circulation Society
雑誌
Circulation Journal (ISSN:13469843)
巻号頁・発行日
pp.CJ-19-0620, (Released:2019-12-26)
参考文献数
30
被引用文献数
8

Background:Countermeasure development for early rehospitalization for heart failure (re-HHF) is an urgent and important issue in Western countries and Japan.Methods and Results:Of 1,074 consecutive NARA-HF study participants with acute decompensated HF admitted to hospital as an emergency between January 2007 and December 2016, we excluded 291 without follow-up data, who died in hospital, or who had previous HF-related hospitalizations, leaving 783 in the analysis. During the median follow-up period of 895 days, 241 patients were re-admitted for HF. The incidence of re-HHF was the highest within the first 30 days of discharge (3.3% [26 patients]) and remained high until 90 days, after which it decreased sharply. Within 90 days of discharge, 63 (8.0%) patients were re-admitted. Kaplan-Meier analysis revealed that patients with 90-day re-HHF had worse prognoses than those without 90-day re-HHF in terms of all-cause death (hazard ratio [HR] 2.321, 95% confidence interval [CI] 1.654–3.174; P<0.001) and cardiovascular death (HR 3.396, 95% CI 2.153–5.145; P<0.001). Multivariate analysis indicated that only male sex was an independent predictor of 90-day re-HHF.Conclusions:The incidence of early re-HHF was lower in Japan than in Western countries. Its predictors are not related to the clinical factors of HF, indicating that a new comprehensive approach might be needed to prevent early re-HHF.
著者
紙屋 牧子
出版者
日本映像学会
雑誌
映像学 (ISSN:02860279)
巻号頁・発行日
vol.100, pp.32-52, 2018-07-25 (Released:2019-03-05)
参考文献数
37

【要旨】 本稿は最初期の皇室映画(天皇・皇族を被写体とした映画)に焦点をあてる。昭和天皇(当時は皇太子)が1921年に渡欧した際、国内外の映画会社・新聞社によって複数の「皇太子渡欧映画」が撮影され、それが画期的だったということは、これまで皇室研究またはジャーナリズム研究のアプローチから言及されてきた。それに対して、映画史・映画学のアプローチから初めて「皇太子渡欧映画」について検討したのが、拙論「“ 皇太子渡欧映画” と尾上松之助―NFC 所蔵フィルムにみる大正から昭和にかけての皇室をめぐるメディア戦略」(『東京国立近代美術館 研究紀要』20号、2016年、35-53頁)であった。この研究をさらに発展させ、「皇太子渡欧映画」(1921年)以前に遡ってリサーチした結果、「皇太子渡欧映画」に先行する映画として、有栖川宮威仁(1862-1913)が1905年に渡欧した際に海外の映画会社によって撮影された映画が存在すること、それらには複数のバージョンがあり、そのうちの1 本がイギリスのアーカイヴに所蔵されていることが判明した。本稿では、これらの映画がつくられた背景について明らかにすると同時に、この映画が皇室のイメージの変遷の中で持つ歴史的意味について考察した。その結果、「有栖川宮渡欧映画」は、「皇太子渡欧映画」への影響関係もうかがえるものであり、戦前期の「開かれた」皇室イメージの形成への歴史的流れを考えるうえで、きわめて重要な参照項となり得る映画であるという結論に至った。
著者
井出 陽子 向井 国昭
出版者
日本ソフトウェア科学会
雑誌
コンピュータ ソフトウェア (ISSN:02896540)
巻号頁・発行日
vol.28, no.4, pp.4_108-4_113, 2011-10-25 (Released:2011-11-30)

高階述語の呼び出しなどに便利な無名述語(λ項の拡張)の構文および意味を標準のProlog意味論に基づいて定義し,SWI-Prologの上に実装した.無名述語の呼び出しに標準の単一化がそのまま使えるほか,パラメータを持つ無名述語も扱える.無名述語をコンパイル時に通常の述語として展開するので,通常の述語呼び出しと実行効率は同じである.実行時に動的に生成された無名述語に対しては専用のインタプリタで対応する.使用実験の結果,無名述語の利便性や記述力の高さ,安定性が確認できたので,標準環境として使えるように無名述語機能をパッケージ化した.
著者
山崎 克之
出版者
一般社団法人 電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会 通信ソサイエティマガジン (ISSN:21860661)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.44-51, 2012-06-01 (Released:2012-09-01)
参考文献数
2
被引用文献数
1
著者
Seiichi SUDO Koji TSUYUKI Junji TANI
出版者
The Japan Society of Mechanical Engineers
雑誌
JSME International Journal Series C Mechanical Systems, Machine Elements and Manufacturing (ISSN:13447653)
巻号頁・発行日
vol.43, no.4, pp.895-900, 2000-12-15 (Released:2008-02-18)
参考文献数
11
被引用文献数
20 26

This paper describes detailed wing morphology of some kinds of insects. The structural properties of dragonfly, fly, and mosquito wings were studied. Microscopic observations on the insect wings were examined with a scanning electron microscope. The surface roughness of the insect wings was measured by a three-dimensional, optical shape measuring system. The roughness distribution on the wing surface was presented for some kinds of insects. Some functional principles underlying insect wing design were revealed by the measurements of surface roughness and microscopic observations.