著者
長崎 弘 小谷 侑
出版者
藤田医科大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2016-04-01

本研究では、マウスES細胞から分化誘導した視床下部組織を解析することで、成熟視床下部に内在する神経幹細胞の維持機構および神経新生機構の解明を目指した。ES細胞の分化誘導過程で、視床下部幹・前駆細胞マーカーであるRax遺伝子の発現をモニターしたところ、神経・グリア細胞の分化後も少数のRax陽性細胞が残存することを見出した。これらの細胞は遺伝子発現、細胞形態、増殖活性などの特徴から、成熟視床下部の神経幹細胞に類似することが分かった。さらにRax発現を指標とした培養条件の検討から、形態形成シグナルの一種であるヘッジホッグシグナルが、神経幹細胞の維持および分化抑制に働いている可能性が示唆された。
著者
石村 大輔 馬場 俊孝 近貞 直孝 山田 圭太郎
出版者
東京都立大学
雑誌
挑戦的研究(萌芽)
巻号頁・発行日
2020-07-30

人類の多くは沿岸低地に居住しており,津波リスクにさらされている.中でもフィリピンが面する南シナ海の周辺人口は数億人にのぼり,東南アジアの主要都市が立地している.しかし,南シナ海の津波リスク把握のための基礎的情報が圧倒的に不足しており,実証的なデータ(津波堆積物)に立脚した津波リスク評価は喫緊の課題である.そこで本研究では,南シナ海における津波リスク評価の高度化を目指して,ルソン島の海岸に分布する巨礫を対象にし,1)空撮画像による巨礫の大きさ・分布の把握,2)巨礫を運搬させうる津波の数値計算,を行う.そして,過去に南シナ海を襲った津波の規模と波源の推定を行い,津波リスクを評価する.
著者
南 英治
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2018-04-01

木質バイオマスの熱分解ガス化により可燃性ガスを生産すれば、高効率のガスタービン発電が可能になる。しかし、タールやコークの副生が長年の課題になっている。本研究では、グロー放電や誘電体バリア放電による低温プラズマを用い、タールやコークを抑制したクリーンガス化を目指した。グロー放電プラズマでは固体バイオマスを完全にガス化できたが分解速度は遅かった。一方、セルロース熱分解物を気相にて誘電体バリア放電処理すると、低電力で容易にガス収率を改善できることを示した。
著者
渡辺 崇人
出版者
徳島県立農林水産総合技術支援センター(試験研究部)
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2016-04-01

ゲノム編集技術を用いて、コオロギのHox遺伝子に最小化プロモーターの下流にeGFP遺伝子を配置したベクターをノックインした結果、予想される発現パターンで蛍光が観察され、エンハンサートラップ系統を作製することに成功した。ノックインの方向及び結合部位を正確に組み込む方法として、MMEJの経路を用いたノックイン技術の導入を試み、標的遺伝子の終止コドン上にeGFP遺伝子を正確に組み込み、その発現を観察することができた。また、PacBioRSIIを用いたRNA-seq解析を行った。抽出したmRNAを分画し、4cellずつシークエンス解析を行った結果、合計で76万リード、2.25Gbの配列が得られた。
著者
渡辺 崇人
出版者
徳島大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

非相同末端結合によるノックインを試みた結果、フタホシコオロギにおいて初めてノックインに成功し、マーカー遺伝子をゲノムに組み込むことができた。現在コンディショナルノックアウト実現のためにpiggyBacのコンポーネントが組み込まれたノックインベクターを作製し、コオロギゲノムへ導入している。また、次世代シークエンサーのPacBio RSIIを用いてゲノム解析を進めており,これまでに約5Gbのシークエンスデータが得られ,Gap closing解析を行っている。
著者
洲崎 敏伸 橘 裕司 吉村 知里
出版者
神戸大学
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2011-04-01

ミドリゾウリムシは細胞内に共生クロレラを持つ。3-D電顕解析により、ホスト細胞のミトコンドリアがクロレラの定着に重要であることがわかった。プロテオーム・トランスクリプトーム解析により、クロレラ包膜のタンパク質を網羅的に解析した。さらに、この生物が放射性セシウムを蓄積する能力を持つことを見出した。嫌気性原虫Entamoeba属はマイトソーム(DNAを失ったミトコンドリア)をもつ。赤痢アメーバから単離したマイトソームを同一種に、またE. nuttalliとE. invadensに移植することができた。一部の移植されたマイトソームでは、レシピエント由来のマイトソームタンパク質が共局在した。
著者
蓑島 伸生 清水 厚志 佐々木 貴史
出版者
慶應義塾大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2001

ヒトゲノムには低頻度反復配列(Low Copy Repeat;LCR)と呼ばれる塩基配列が存在する。LCRは通常の反復配列ではなく、遺伝子や偽遺伝子等の様々なユニットからなっており、進化の過程でそれらのユニットが周囲の非LCR領域も巻き込みながら、重複や逆位、欠失等の大規模変化を繰り返して形成されてきたと考えられる。LCRは、遺伝子数やDNA断片コピー数の多型(CNV;Copy Number Variation)の生成原因の一つである。CNVのうち、規模の大きなものは、DiGeorge症候群、Smith-Magenis症候群のような欠失・重複による疾患の原因ともなる。それらの疾患の原因領域にはLCRが存在している。CNVは他の遺伝性疾患や、ある種の精神疾患にも深い関連があると考えられ、昨今俄に研究が進展している。 LCRは、その複雑さ、長さのためにゲノム塩基配列のギャップの原因ともなっている。このようにCNVとそれを生じさせているLCRの研究は今後のゲノム研究の中で重要な位置を占める。本研究では、7q11.23Williams症候群領域(WBSCR)と8p23.1duplication症候群領域のLCRの構造解析を行った。これらの領域のNCBI build36のデータを用いて、詳細なコンティグマップを作成し直し、 LCRユニットの位置、長さを確定し、さらにそれぞれのLCRに含まれる遺伝子、偽遺伝子の詳細な解析を行った。ヒトと類人猿ゲノムの詳細な解析により、上記どちらの疾患ゲノム領域でもコアとなるユニットが最初に存在し、進化に伴って転移を繰り返す際に転移先周辺の配列を巻き込みLCR化させる現象が明瞭になった。また、build36でWBSCR内にあるとされたギャップは見かけ上のもので、実際にはCNV多型を持つ二つのアリルの混在によるミスアセンブルであり、同ギャップは存在しないことも強く示した。なお、本研究の成果について、研究期間終了後以下の発表を行った。[論文]Nature431:931,2004; BMC Genomics5:92,2004; Nature439:331,2006,[学会発表]国内5件
著者
内ヶ崎 善英
出版者
桐蔭横浜大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

国際司法裁判所における証拠法は、国際法としての独自の発達を十分に遂げておらず、裁判官も研究者もその基礎的素養となっている出身国の証拠法を無意識に適用しがちである。英米法と大陸法では裁判所観が大きく異なるため、証拠法に関しても一致しないシーンが多くなっており、各国の国内法による証明責任法理と証拠法の比較検討のみでは、国際社会に十分な法理を提供することができないため、国際法としての意識的な立法作業が必要であること。また、その際には、国際社会の裁判所としての国際司法裁判所に特有な問題-とくに国際公益の実現-が、国内法の証拠法には存在していない対応策-裁判所主導の証拠収集など一を必要としていると言える。
著者
別府 哲
出版者
岐阜大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2004

高機能自閉症の子どもに、佐久間ら(2000)、Hobson & Lee(1998)をもとにした、自己認識の半構造化面接を行った。その自己認識の回答をカテゴリーに分類し、健常児の結果と比較検討した。その際、従来臨床的に自閉症児の問題として指摘されている、他者との関係での自己認識をあらわすものとして、人格特性としての協調性(「だれとでも仲良くできる」、あるいは「いじめられている」など、他者との親密な関係について自己認識するもの)と、人格特性としての外向性(「友だちの中に自分から入っていく」、あるいは「一人でいるのが好き」など、他者と関わりを持とうとするかどうかで自己認識するもの)を指標として取り上げた。その結果、協調性、外向性のいずれの反応を示した高機能自閉症者の割合も、佐久間ら(2000)で示された健常児における反応者の割合よりは少ないこと、一方、高機能自閉症児における発達的変化を検討すると、外向性の反応を示した者の割合は、小学校高学年から中学生になるところで有意に増加することが明らかとなった。これは、高機能自閉症児が、健常児と比較した場合、他者との関係で自己を理解することに弱さを持つが、しかし小学校高学年から中学生になるところで、その弱さを発達的に改善していくことを示すものとなった。それでは、他者との関係での自己認識を促進するためには何が必要なのか。事例研究や実践分析により、仮説として、他者との情動共有経験(感覚を含め、他者と一緒に快の情動を共有できる経験)、他者との認知的共有経験(高機能自閉症児の気持ちを大人が代弁することにより、高機能自閉症児独自の思いを認知的に共有できる経験)の重要陛が示唆された。あわせて、認知的共有経験を生み出すために、高機能自閉症児自身に、自他関係を射程にとらえた自己認識(他者と違うところもあれば、同じところもある、かけがえのない自分)を形成することの実践的意味も明らかにされた。
著者
前田 照夫 續木 靖浩 磯部 直樹
出版者
広島大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2000

現在中国全土におけるジャイアントパンダ(パンダ)の生息数は約1,000頭,この数は年々減少しており,やがては絶滅の可能性がある。このパンダ絶滅を回避するため,本研究は,パンダの人工繁殖に関する現在の問題点を整理し,パンダの人工繁殖に関する国際学術研究(日中共同研究)の企画を行うことを目的として,パンダの人工繁殖に取り組んでいる日本および中国における代表的な施設を調査した。その結果,(1)自然交配における雄と雌の相性と自然交尾不成立の問題(2)精液採取法の問題(3)精液の凍結保存法の問題(4)雌の発情鑑定の問題がパンダの人工繁殖における重要な点であると考えられた。先ず(1)に関して,複数の雄雌を飼育している場合でも,自然交配がうまくいかず,ましてや1ペアしか飼育していない動物園等の施設では自然交尾が成立する可能性が極めて低く,人工授精の必要性が明確となった。(2)については,現在雄に麻酔を施し,電気刺激法で精液を採取する方法が採用されているが,今後は人工膣を装着した犠牝台の改良も含め,雄にストレスを与えない形での精液採取法の開発が必要であると考えられた。(3)については,依然として古典的な精液保存液が使用されており,斬新な凍結保存液の採用が必要であると考えられた。(4)に関して,雌の発情回数が極めて少なく(通常1年間に1あるいは2回)また,交尾可能な発情期間が短い(2日程度)ため,自然交配あるいは人工授精適期が判断できないところに問題であることが明確となり,性ホルモンのアッセイを含め今後の改良が期待されている最大の問題点であると考えられた。以上の調査結果を基に,国際学術研究の企画書(科学研究費補助金(海外学術調査)を含む)を準備し,応募する予定である。
著者
松本 絵理子
出版者
神戸大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2017-04-01

日常生活場面において複数の情報処理を並列して行うことが多々ある。マルチタスクとは、文字通り複数の課題を同時に遂行する事態を指し、従来の心理学研究では、二重課題(dual task)や課題の切り替え(task-switching)などのパラダイムを用いて検討が行われてきた。脳イメージング研究では,マルチタスクの遂行には両側の頭頂側頭ネットワークを含む広範な領域が関与しており,タスク間の認知資源の調整やワーキングメモリの負荷が要求されることが示されてきている。本研究課題では、マルチタスク環境下における注意配分とその個人差を検討するために、課題目的非関連かつ予期せずに与えられる刺激への注意捕捉を手がかりとして検討を進めてきた。平成29年度は視覚課題の認知的負荷を操作し、課題非関連の聴覚刺激への気付きについて予告のない状況での実験を行った結果、ワーキングメモリ容量の個人差が気付きと相関があり、回帰分析の結果、ワーキングメモリ容量の高さが気付きの失敗を予測することが示された。平成30年度はこの課題非関連聴覚刺激への気付きの失敗が予期の有無に依るのかを検討するために、あらかじめ教示され学習を行った場合の効果とワーキングメモリの個人差について検討を重ねた。また、同一モダリティの非関連刺激の抑制に関連する脳波実験では、注意制御に関わる成分に着目して実験データ収集と解析を進め、国際学会にて発表した。令和元年度以降は、課題非関連刺激の予告と学習との関連について、非注意性聞き落としのパラダイムを用いた検討を行った。更に,音刺激の種類や呈示頻度を操作して、ワーキングメモリ上の負荷を増すことによる聞き落としへの影響を調べた。この結果は令和2年度に実施される日本心理学会にて発表を行った。令和3年度は国際学会への発表を行うと共に,これまでの成果の再解析と投稿準備を進めた。
著者
上田 正人 目崎 拓真
出版者
関西大学
雑誌
挑戦的研究(萌芽)
巻号頁・発行日
2022-06-30

サンゴ礁は破滅的な状況にあり,多岐にわたる専門家がその保全に取り組んでいるが,有効な打開策は確立されていない。従来の延長線上にない革新的な切り口が必要である。研究が飛躍的に進んでいる領域の知見を転用・活用することが有効である。医療分野では組織から単離した細胞の利用がパラダイムシフトをもたらせた。サンゴでは水温上昇など環境が悪化すると,そのストレスにより軟組織のポリプがベイルアウト(剥離・脱離) する。ネガティブな現象であるため,それをサンゴ礁再生に利用する発想はなかった。本研究では,そのベイルアウトを人工的に誘発し,サンゴ片から採取したポリプを起点にサンゴを増殖する手法を確立する。
著者
大川 智子
出版者
横浜市立大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2015-04-01

本研究は、アトピー性皮膚炎におけるコラーゲントリペプチドの効果を検討した。申請者はこれまで、乾燥肌モデルマウスにおいてコラーゲントリペプチドが真皮のヒアルロン酸のヒアルロン酸産生を促し、乾燥にともなう痒みを改善することを明らかにした。その機序を明らかにするために本研究では、炎症性サイトカインであるIL-13、TNF-α、IFN-γを添加したヒト表皮角化細胞にコラーゲントリペプチドを添加し、TARC、TSLPの産生を測定することにより、コラーゲントリペプチドが炎症時の表皮角化細胞に与える影響について解析を行った。TARCの産生をRT-PCRで測定した結果、コラーゲントリペプチドを添加していない表皮角化細胞と比べて、TARCの産生が抑制されていた。また、TSLPについても同様の結果が得られた。ELISA法でTARCの蛋白定量を行った結果、コラーゲントリペプチドにより表皮角化細胞のTARCが低下する傾向がみられたが、有意差はみられなかった。同様に、TSLPをウエスタンブロット法で確認したところ、コラーゲントリペプチドの添加によりTSLPのタンパク量が減少することが明らかになった。さらに、13人のアトピー性皮膚炎患者に対して、コラーゲントリペプチド(7人)、コラーゲンペプチド(6人)を12週間投与し、SCORAD、角質水分量、痒みの評価、血清中のTARC、IgE、LDHおよび好酸球数を測定した。その結果、コラーゲントリペプチド投与群でのみ、内服投与開始前と比べて皮疹面積、SCORAD、TEWLが改善していた。コラーゲントリペプチド群では投与前と比べてTARCの減少がみられた。血清中のIgE、LDHおよび好酸球数についてはいずれの群でも投与前後で有意差は認めなかった。
著者
則竹 香菜子
出版者
東京大学
雑誌
若手研究
巻号頁・発行日
2019-04-01

現在、世界で最も乱用されている違法薬物である大麻の主要活性成分Δ9-テトラヒドロカンナビノール(THC)には、認知機能障害や心筋梗塞などの心血管疾患の発症リスクがあることが報告されているが、それらのメカニズムは明らかとなっていない。本研究では、大麻草由来のTHCを用いて、THC毒性の分子機構を明らかにすることを目的とする。合わせて、申請者がこれまで研究対象としてきたアルコールは、大麻と併用して摂取されることが多いことから、THCの毒性との相互作用についても検討を行う。
著者
鈴木 真二 土屋 武司 柄沢 研治
出版者
東京大学
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2003

事故や故障が発生した場合の航空機の安全な自立的誘導制御技術を研究するとともに、飛行試験を模型航空機で実験する方法の研究を推進するのが本研究の目的である。事故や故障が発生した場合に、機体の姿勢を自動的に安定化する方法に関しては、本年度はニューラルネットワークによるフィードバック誤差学習法を研究し、シミュレーションならびに実機飛行試験によってその有効性を確認した。その結果は、飛行機シンポジウム(日本航空宇宙学会)、交通・物流部門大会(機械学会)において発表し、H18年8月開催予定の誘導制御シンポジウム(米国航空宇宙学会)で講演する。模型飛行機実験に関しては、ラジコン機の製造・飛行を実施し、指定したウェイポイントを自動で飛行する自律飛行試験に成功した。また、携帯電話回線を利用したデータ通信による飛行制御にも成功した。その成果は新聞、TVでも紹介された。模型飛行機の製作と実験に関しては、教育的効果も高いので、他の研究室、専攻も参加する研究科内の研究会プロジェクトを立ち上げ、活動を開始し、本年度は第1回全日本学生室内飛行ロボットコンテストを日本航空宇宙学会の主催により開催した。
著者
塙 晴雄 柏村 健 小澤 拓也
出版者
新潟大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

心不全の症例は、貧血や鉄欠乏になることが知られている。しかし、その機序はよくわかっていない。一方、最近ヘプシジンという肝臓から分泌されるホルモンが鉄の代謝に対して重要な役割を持つことがわかってきた。心不全になると、肝臓ではうっ血が起こる。我々は心不全で肝うっ血がおこり、このためにヘプシジンの分泌に影響がおよび、鉄欠乏、貧血をきたすのではないかと推測した。そこでラットで肝うっ血をきたすモデルを作成し、ヘプシジンの産生、貧血、鉄欠乏について調べたところ、ヘプシジンの不適切な過剰分泌が生じて、貧血、鉄欠乏に関係することが示され、一部のヒトの貧血をもつ心不全症例でもその機序が示唆された。
著者
Cabral Horacio 垣見 和宏 内田 智士
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2020-04-01

We will first develop a series of T-cell targeted mRNA-loaded nanocarriers. These nanocarriers will be optimized for stability, targeting and protein production in vitro.Promising formulations will then be tested in vivo. to determine the targeting efficacy to the CD8 T cells, the production of CAR T cell in situ and the antitumor activity against models of leukemia and solid tumors. Finally, we will check the toxicity of the treatments.
著者
新川 智佳子 欠畑 誠治 伊藤 吏 小泉 優
出版者
山形大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2015-04-01

4~8kHzのバンドノイズを130dBの大きさで3時間モルモットに暴露することにより、持続的な高度難聴を示す内耳障害モデルの作製した。この内耳障害モデルに、障害翌日にマイクロカテーテルを用いてMuse細胞の移植を行った。10,000細胞移植した群では、移植後6週から12週まで、4kHzと8kHzにおいて、コントロール群に比べて、有意に聴力の回復を認めた。また移植後12週の時点で外有毛細胞の消失率を検討したところ、8kHzの担当周波数領域において、対象群ではコントロールに比べ有意に外有毛細胞の消失率が低いことが判明した。現在はMuse細胞のコルチ器への遊走や生着について検討中である。
著者
浅野 豊美 池田 慎太郎 金 敬黙 李 鍾元 木宮 正史 磯崎 典世 山内 康英 太田 修 林 夏生 吉澤 文寿 西野 純也 金 敬黙 小林 玲子 藤井 賢二 長澤 裕子
出版者
中京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2006

日韓米三国の資料からなる『日韓国交正常化問題資料集』を刊行し、また新規公開資料を利用した最初の本格的な実証研究を、法政大学出版局から『歴史としての日韓国交正常化』上・下、2分冊として、日本学術振興会の出版助成により刊行することが確定した。さらに、研究成果の社会的還元のため、「日韓国交正常化の現代的意味」と題した公開シンポジウムを、東京大学において朝日新聞・東亜日報の後援を得て開催した。また、2008年日本国際政治学会年次大会日韓合同部会の正式企画を担当・運営し、新たな問題提起と専門研究者との討論を行った。国外の国際学会であるアメリカアジア学会(AAS)では韓国の研究協力者と合同しパネルを組織し、日韓米三国の研究者による討論の場を作って報告した。
著者
室田 一雄
出版者
統計数理研究所
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2020-04-01

「離散凸解析」は,凸関数と離散構造と併せて考察する最適化の理論であり,連続世界の凸解析に匹敵する理論を離散世界に構築することを目標とした提唱された,連続と離散を繋ぐパラダイムである.本研究では,離散凸解析の双対理論を軸に据えて,離散資源の公平配分問題に関する理論とアルゴリズムを構築する.この問題に対して,コンピュータの負荷分散,グラフ理論における向き付け問題,経済学・ゲーム理論における不可分財の公平配分などの様々な文脈において個別の成果が得られているが,離散凸解析に基づく一般的な枠組を作ることによって,離散凸解析の特徴である「分野の横断性」をより発展させる.