27 0 0 0 OA 動物園の科学

著者
村田 浩一
出版者
日本野生動物医学会
雑誌
日本野生動物医学会誌 (ISSN:13426133)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.35-40, 2015-06-30 (Released:2018-05-04)
参考文献数
17

学会創立20年を経て動物園にアカデミックな基盤が構築されたかというと,残念ながら未だに不十分な状態にあると言わざるを得ない。この現状を打開するために『動物園学(Zoo Science)』を興す必要があると考えている。動物園学とは,動物園に関連する理系のみならず文系の学問分野を相互に連関させることで構築される総合的な学問体系である。この新たな学問領域をアカデミアに認知させ,本邦の文化として定着させることができれば,動物園が科学の場であることが当然のように受け入れられるであろう。日本の動物園を進化させるためにも,動物園における学術研究の日常的努力を怠ってはいけない。
著者
永田 浩一 田尻 久雄 光島 徹 歌野 健一 高林 健 渡辺 直輝 赤羽 麻奈 加藤 貴司 平山 眞章
出版者
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
雑誌
日本消化器内視鏡学会雑誌 = Gastroenterological endoscopy (ISSN:03871207)
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, pp.435-444, 2013-03-20
参考文献数
33

【目的】大腸3D-CTを用いて日本人とアメリカ人の大腸の長さを比較した.<BR>【対象】50歳以上の日本人とアメリカ人650名ずつ,合計1,300名を対象とした.<BR>【結果】全対象における全大腸の長さの平均は日本人とアメリカ人でそれぞれ154.7cm,158.2cm,(<I>p</I>値:0.003,効果量:0.17),S状結腸と直腸を合計した長さの平均はそれぞれ63.3cm,62.5cm,(<I>p</I>値:0.23,効果量:0.07)であった.世代別では,50歳代で全大腸の長さの平均は日本人とアメリカ人でそれぞれ153.2cm,155.6cm,60歳代で155.2cm,159.3cm,70歳代で161.8cm,165.2cmで,日米ともに世代が上がるにつれて有意に長くなった.<BR>【結論】日本人とアメリカ人の大腸の長さの差に実質的効果はみられずほぼ同等である.一方,日米ともに世代が上がるにつれて全大腸の長さは長くなる.
著者
大坪 庸介
出版者
日本社会心理学会
雑誌
社会心理学研究 (ISSN:09161503)
巻号頁・発行日
vol.30, no.3, pp.191-212, 2015-03-20 (Released:2015-06-07)
参考文献数
126
被引用文献数
2

This article attempts to obtain a better understanding of human reconciliation processes by integrating the social psychological perspective with an evolutionary perspective. The evolutionary literature on reconciliation suggests that benefits accruing from one’s association with a partner (relationship value) and uncertainty about the partner’s intention (intentional ambiguity) are two crucial determinants of reconciliation processes. Empirical evidence confirms the importance of these two factors. First, research on forgiveness from the victim’s perspective showed that relationship value increases forgiveness, whereas intentional ambiguity (i.e., whether the perpetrator intends to exploit the victim again) decreases forgiveness. Second, research on apology perception from the victim’s perspective showed that costly apologies, as compared to no-cost apologies, reduce intentional ambiguity and thereby effectively convince the victim of the perpetrator’s benign intent. Third, research on apology-making from the perpetrator’s perspective revealed that relationship value and intentional ambiguity (i.e., whether the victim intends to continue/terminate the relationship) increases the probability of costly apology-making. These three lines of research provide support for evolutionary hypotheses about human reconciliation processes.
著者
田中 圭子
出版者
同志社大学
雑誌
社会科学 (ISSN:04196759)
巻号頁・発行日
vol.80, pp.43-58, 2008

日本の球体関節人形は、1960年代に澁澤龍彦、瀧口修造らシュルレアリストたちによって紹介されたハンス・ベルメールの人形写真との邂逅に始まる。人形には「人形としてのかたち」があるという発見から生まれた四谷シモンの人形は、それまでの叙情的で愛らしい創作人形の概念を覆すものであった。70年代の四谷シモン、土井典らの活躍によって、球体関節人形は工芸の一部としては収まりきらないものとの認識が高まり、新たな文脈の中で独自の発展を遂げてゆく。80年代、天野可淡、吉田良らが制作した耽美で幻想的な人形作品と写真集は、その後の人形表現に大きな影響を及ぼし、多くの追随者を生むこととなった。また、球体関節人形に関する出版物の増加、人形教室の開設などにより、球体関節人形制作は短期間で全国に波及し、多くの作家を輩出していった。近年では、西欧のビスクドールに影響を受けた恋月姫の登場以降、玩具性やファッション性を重視する傾向が強まり、球体関節人形文化はサブカルチャーと係わりあいながら新たなひろがりを見せている。
著者
鈴木 久男 伊東 史朗 天納 聖佳
出版者
京都産業大学
雑誌
京都産業大学論集. 人文科学系列 (ISSN:02879727)
巻号頁・発行日
no.47, pp.492-466, 2014-03

勝林院は大原北東部の山麓に位置する天台宗の寺院である。周辺には、三千院や後鳥羽天皇陵を始め、勝林院を管理する実光院や宝泉院などがある。勝林院は、平安時代に寂源によって中興されたといわれる寺院とされ、また天台声明の根本道場としても著名である。そして、鎌倉時代に浄土宗の法然は、ここ勝林院において談義を行ったため、浄土宗の信者からも厚い信仰を集めている。 平成二十四年秋、京都産業大学むすびわざ館ギャラリーは、平成二十五年に中興して千年という大きな節目を迎える勝林院の歴史や文化財の展示を計画した。そこで京都産業大学日本文化研究所は研究活動の一環として、勝林院本尊の阿弥陀如来像の調査を勝林院の協力を得て実施した。さらに平成二十五年には勝林院に所蔵されている文化財の整理作業を関係者のご理解により実施することができた。 本報告は平成二十四年度に実施した阿弥陀如来像の調査と平成二十五年度に行った整理作業のなかで明らかになった成果の中間報告である。なお執筆の分担は文末に( )で表記した。
著者
西村 俊範
雑誌
人間文化研究
巻号頁・発行日
vol.37, pp.91-118, 2016-12-10
著者
手塚 治
出版者
奈良医学会
雑誌
奈良医学雑誌 (ISSN:04695550)
巻号頁・発行日
vol.11, no.5, 1960-10

博士(医学)・第88号・昭和36年2月7日
著者
佐伯 覚 蜂須 賀明子 伊藤 英明 加藤 徳明 越智 光宏 松嶋 康之
出版者
一般社団法人 日本脳卒中学会
雑誌
脳卒中 (ISSN:09120726)
巻号頁・発行日
pp.10668, (Released:2019-08-08)
参考文献数
36
被引用文献数
1

要旨:若年脳卒中患者の社会参加,特に復職は重要なリハビリテーションの目標であり,ノーマライゼイションの理念を具現化するものである.国際生活機能分類の普及に伴い,社会参加の重要性が再認識されている.また,政府が主導している「働き方改革」に関連した「治療と就労の両立支援」施策の一つとして,脳卒中の就労支援が進められている.しかし,脳卒中患者の高齢化・重度化,非正規雇用労働などの労働態様の変化は脳卒中患者の復職に多大な影響を与えており,若年脳卒中患者の復職率は過去20 年間,40%に留まっている.脳卒中患者の復職は医療だけでなく福祉分野とも関連し,職業リハビリテーションとの連携,さらには,復職予定先の企業等との調整など様々なレベルでの対応が必要であり,医療福祉連携を超える高次の連携が必要となる.
著者
田中 邦明
出版者
日本理科教育学会
雑誌
理科教育学研究 (ISSN:13452614)
巻号頁・発行日
vol.42, no.3, pp.1-9, 2002-06-17
参考文献数
39
被引用文献数
2

我が国の現行の中学校理科教科書には,両生類の呼吸方法について,「オタマジャクシはえら呼吸し,カエルは肺呼吸(一部は皮膚呼吸)する」と記述されている。一方,カエル幼生の呼吸機能分担に関する最近の研究によれば,ヒキガエル類を除くカエル類のオタマジャクシ(無尾目の幼生)は,後肢が発達する変態期以前からすでに肺呼吸を始めており,オタマジャクシの肺呼吸は嫌気的水中で生き延びるのに役立っているという。また,系統進化の観点から,オタマジャクシの肺呼吸はセキツイ動物の肺の獲得と進化にかかわる痕跡的な行動とみられている。さらに,ふ化直後のオタマジャクシではエラ呼吸よりも皮膚呼吸の方が重要な役割を果たしていると考えられている。したがって,少なくとも「オタマジャクシはえら呼吸する」という見解は,厳密な意味では,誤りを含む一種のミスコンセプションとみなされる。オタマジャクシの肺呼吸は,すでに1931年にヨーロッパで発見され,1982年にはウシガエルの幼生で,肺と皮膚がエラとともに呼吸分担機能をもつことが明らかにされていた。しかしながら,オタマジャクシの呼吸についての不正確な扱いは,我が国の教科書や一部の専門書だけでなく,海外の生物学の専門書にもみられることが報告されている。このようなミスコンセプションが発生するメカニズムには,誤った教育時報の関与も考えられるが,魚類のような水生動物はエラ呼吸し,高等な陸生動物は肺呼吸するという,現生の脊椎動物についての認識から,両生類も水中生活のオタマジャクシはエラで呼吸し,陸上生活期のカエルは肺で呼吸するに違いないという演繹的推論が生まれやすいことも関与しているものと考えられる。このようなミスコンセプションを克服するためには,教育情報の訂正のほかに,オタマジャクシの呼吸生理実験を取り入れた教育プランの活用が必要と考えられる。

27 0 0 0 OA 酒ほがひ

著者
吉井勇 著
出版者
昂発行所
巻号頁・発行日
1910
著者
山本 雄大 佐藤 潤美 大渕 憲一
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
vol.85, no.2, pp.121-129, 2014 (Released:2014-06-25)
参考文献数
33

The present study examined the negative evaluations and discrimination against smokers among the Japanese. In Study 1, 52 students rated one of four target-persons differentially depicted in terms of gender and smoking habit using scales to measure coolness, sociability, intellectuality, and earnestness. The results showed that participants rated smokers more negatively than nonsmokers except for sociability. Those who perceived smoking as controllable rated smokers’ earnestness even more negatively, suggesting that the negative evaluations are partially moderated by the perceived controllability of smoking. To examine a hypothesis that negative evaluations of smokers would mediate discrimination, in Study 2 we measured how participants (96 students) responded to target persons asking for a loan or a job, as well as their ratings of the targets on the Big Five personality dimensions. The results support the hypothesis of mediation.

27 0 0 0 OA 海軍艦砲操式

出版者
軍港堂本店
巻号頁・発行日
1912