著者
安岡 孝一
出版者
京都大學人文科學研究所
雑誌
東方學報 (ISSN:03042448)
巻号頁・発行日
vol.83, pp.349-360, 2008-09-25

This is a report of the proceedings of the research seminar "Constructing Kanji (漢字) Informatics", which was held from 2004 to 2008, coordinated by Yasuoka Koichi. The seminar started out with considering a hierarchical model for representing digital text using a model consisting of four layers as follows : image layer, text layer, syntax layer and semantic layer. To better understand the relationship of the image and text layer, we spent some time analyzing and trying to understand the rules for vertical layout of complex text in Japanese and other East Asian languages, including the handling of pronounciation guides (so called 'ruby') The next step was to invert the direction and try to identify characters on the image representation of a text, in the same way an optical character recognition program procededes. This turned out to be not so easy, especially with stone rubbings that exhibit a irregular layout of the characters, but worked reasonably well for characters in a regular grid. In moving to the syntactic and semantic layer, the final topic for the seminar was to consider methods for adding punctuation marks (dots) to a Chinese text without any punctuation. After trying a number of different statistical approaches, like looking at characters that appear before or after punctuation dots in already punctuated texts, 2-grams, or even rhyme patterns it became evident that a purely statistical approach would not give the desired results, but that it was necessary to also to take grammatical relations into account. The most promising approach in this respect seemed to be use text with reading marks for kanbun, which do provide some basic grammatical annotation. It was therefore decided to devote a follow up seminar to the development of a corpus of kanbun annotated text that could be used as training and test material for morphological and syntactical parsers.
著者
岡田 吉史 澤井 政宏 楠 芳之 長島 知正
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.15, no.3, pp.59-70, 2005
被引用文献数
1

Web上のオンラインショップの増加に伴い, ユーザの嗜好性に基づいて商品や情報を推奨するシステムが提案されている.しかしながら, それらは個々のユーザが, 商品や情報のどの特徴や性質に着目して好んでいるか, すなわち"嗜好理由(こだわり)"を考慮するものではなかった.<br/> 本研究では, 音楽アーティスト推奨を例に, ユーザの"好きなアーティスト"と"その嗜好理由"に基づき, ユーザの好みに合うと思われるアーティスト推奨法を提案し, その実装システムの開発を行った.本システムは, 同時に好まれるアーティスト(と, それらに対する嗜好理由)の関係を表す相関ルールを格納したデータベースを持つ.本論文では, テストクエリを用いた評価実験をとおして, 1)嗜好理由の導入がアーティストのランキング精度に効果的に働くこと, 2)従来の相関ルールに基づく推奨手法に比較して高い推奨精度を持ち, 3)少ない計算量で推奨可能である, ことを示す.
著者
中居 友弘 黄瀬 浩一 岩村 雅一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.432, pp.115-120, 2009-02-12
被引用文献数
2

本稿では,さまざまな言語で書かれた文書画像のリアルタイム検索法を提案する.これは,Webカメラで撮影された文書画像を検索質問とし,データベースから元となった文書画像をリアルタイムで検索して提示するものである.我々はすでに英語文書を対象とした文書画像検索法を提案しており,これは従来手法をさまざまな言語の文書に適用できるよう拡張したものである.従来手法である英語文書画像検索法では,画像処理によって得られる単語領域の重心を特徴点としていた.しかし,日本語や中国語を含むいくつかの言語では,言語の特性上識別性の高い特徴点を安定的に得ることが難しい.提案手法では,記述子の追加によってさまざまな言語の文書における高精度なリアルタイム文書画像検索を実現する.
著者
北出 真紀恵
出版者
東海学園大学
雑誌
東海学園大学研究紀要. 人文学・健康科学研究編 (ISSN:1349161X)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.53-69, 2008-03

本稿の目的は、アナウンサーとは何かを考察することである。これまでのアナウンサー研究のなかで職能についてはほとんど言及されてこなかった。本稿では、公刊された『アナウンス読本』を中心にアナウンサーの専門研修を概観することによって、アナウンサーの職能の変遷をたどり、現在のアナウンサーの職能について検討する。初期アナウンサーの職能は「標準語の伝え手であること」であった。研修が洗練され、"声"が規格化すると、アナウンサー・には「個性」が要請されるようになった。そして、技術革新を背景に、「きく」「レポート」という職能が増加した。現在のアナウンサーは基本的アナウンス技能だけではなく、多様化し、専門化した放送の送り手であることが求められている。放送文化のなかで、アナウンサーはいつも新しい型を作り出す開拓者であった。アナウンサーの行く手には困難が待ち受けているが、今後も新しいジャンルをきりひらく開拓者であり続けることを期待したい。
著者
羽生 貴弘 樋口 龍雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-I, 情報・システム, I-コンピュータ (ISSN:09151915)
巻号頁・発行日
vol.76, no.2, pp.54-62, 1993-02-25

連想メモリは,大規模データベースシステム等のハードウェアエンジンとして極めて有用であり,近年の超微細加工技術の急速な発展を背景に,いっそうの高性能化が望まれている.しかしながら,通常の連想メモリにおける各種検索演算は,アレー構造に起因した逐次的処理に基づいて行われているため,データ語長に依存して処理速度が劣化するという問題点があった.本論文では,多進木網に基づいて検索演算の超高速化を図ると共に,それを多値電流モード回路で直接実現することにより,高性能な連想メモリを構成する方法を提案する.多進木網に基づく検索演算とは,各けたごとに検索演算が行われた結果に対し,それぞれ2進数のべき乗で重み付けをして線形加算することにより,大小比較演算を並列処理する方法である.多値電流モード回路の積極的活用により,本検索演算アルゴリズムで重要となる線形加算が結線のみで行えるため,全体として高密度な回路構成が可能となる.実際,本提案の構成方法に基づく4値連想モメリは,同等機能のものを通常の2値CMOS演算回路で実現した場合と比較し,2値ハードウェアと同程度の高速性を有しながら,2値実現の1/4程度のハードウェア量と動的消費電力で実現できることを明らかにしている.
著者
湊 真一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. COMP, コンピュテーション (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.72, pp.31-38, 2005-05-13
被引用文献数
6

二分決定グラフ(BDD)は, 大規模な論理関数データを効率よく表現する技法として広く利用されている.BDDの中でも, ゼロサプレス型BDD(ZBDD)と呼ばれるデータ構造は, 大規模な組合せ集合を非明示的に列挙し効率よく演算処理するのに適しており, 情報科学における様々な問題に適用できる.我々は, 数式により組合せ集合の演算を記述し, これをZBDDを用いて計算するプログラム「VSOP」を開発した.VSOPは単なる組合せ集合演算だけでなく, 集合の各要素に整数値(係数あるいは重み)を定義し, 加減乗除や大小比較等の算術演算を含む数式を処理できることを特長とする.本稿では, VSOPの内部データ構造や演算方法, データ表示形式について述べ, いくつかの応用例を示す.
著者
正田 備也 濱田 剛 柴田 裕一郎 小栗 清
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IE, 画像工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.324, pp.1-6, 2008-11-21

本論文では,LDA (latent Dirichlet allocation)言語モデルによる画像からの多重トピック抽出を,GPUを用いて高速化する手法を提案する.LDAはテキスト・マイニングのための確率モデルとしてBleiらにより提案されたが,近年,他のマルチメディア情報へも応用されている.そこで,本論文では,Wangの10,000 test imagesにLDAを適用し,多重トピック抽出をおこなう.LDAのためのパラメータ推定にはcollapsed変分ベイズ法を用いるが,Nvidia CUDA互換GPUを利用して推定を高速化する手法を提案する.
著者
武者芳朗
雑誌
骨・関節・靭帯
巻号頁・発行日
vol.9, pp.803-812, 1996
被引用文献数
3
著者
本庄 勝 森川 大補 西山 智 大橋 正良
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告モバイルコンピューティングとユビキタス通信(MBL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.14, pp.203-208, 2006-02-16
被引用文献数
4

本稿では 携帯端末のセンシングデバイスや環境に配備されたセンサネットワークによって認識されるライフログの取得及びそのライフログを活用するための Life-Pod システムの概要および設計の検討報告を行う. Life-Pod システムでは ユーザの日常のライフログを取得し 行動分析 自己管理 視覚化、レコメンデーション コミュニティ形成支援といったサービスを提供する. ライフログはセンシングデータから認識された情報をもとにプロファイル化され セマンティックウェブによる記述により管理される. 本稿では 本システムの要求条件に対し 必要とされるライフログ取得管理機能 ライフログ検索機能 視覚化機能 オントロジー管理編集機能 プレゼンス機能 情報支援サーバ接続機能について検討を行う.This paper presents Life-Pod system which manages user's daily lifelog recognized by sensing devices equipped with mobile terminal or sensor network on the environment. We show the concept of the Life-Pod system and discuss the design and our development. Life-Pod system produces several services based on the lifelog, lifelog analysis, self-management, lifelog visualization, service recommendation, community support, and so on. Lifelog with the profile is described in the semantic web description. In this paper, we discuss several function, lifelog acquisition, lifelog management, lifelog search, visualization, ontology management, lifelog presence, connectivity of the information support server.
著者
大喜多 祥子 石村 哲代 大島 英子 片寄 眞木子 阪上 愛子 殿畑 操子 中山 伊紗子 中山 玲子 樋上 純子 福本 タミ子 細見 和子 安田 直子 山本 悦子 米田 泰子
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.37, no.2, pp.224-233, 2004-05-20
被引用文献数
3

O157食中毒予防の観点から,ハンバーグ焼成方法の実態および問題点を把握するために,一般家庭の調理担当者を対象としたアンケート調査を行った。また,料理書などの文献の記載について調査した。その結果,1)一般家庭におけるハンバーグは,手作りする者が圧倒的に多く,肉は牛掻き肉が用いられる機会が多かった。2)加熱器具はフライパンを用いる者が圧倒的に多かった。しかし,蓋無しや加熱時間10分など,明らかに加熱不充分と推測される焼成を行っている者が相当数存在した。オーブンを用いる者は少ないが,設定温度や時間から見て,加熱不充分と推測される者が少なくなかった。3)焼き終わりの判断の指標は,「透明な肉汁」とする者が最も多かった。しかし,濁った肉汁や赤い肉汁を指標とする者,切り口の状態,加熱時間や押した感じなど,明らかに安全性に問題のある判断方法に頼っている者がかなり存在した。4)「O157による食中毒の発生以来食品の扱いや調理方法に注意している」と回答した者は約79%あったが,O157に対して75℃以上1分間の加熱が必要であることの認識は低かった。実際の調理においてはO157への関心の強さが安全性の高い調理操作に反映していることが確かめられた。5)ハンバーグの焼き方を学校の調理実習で教わったものが,必ずしも安全性の高い調理操作を行っているとはいえなかった。6)上記の調査結果(1999年)に対し3年後の2002年に実施した追跡調査においては,澄んだ肉汁を焼き終わりの指標とする者は増加傾向にあった。しかし,依然として不適切な方法をとる者が多い。フライパンで焼成する場合の蓋使用についても普及していない状況が確かめられた。7)文献調査の結果,焼成方法については記載が曖昧であり,特に焼き終わりの判断方法については触れていない文献がほとんどであった。以上,今回実施したハンバーグの調理方法の実態調査結果,および現在出回っている数多くの料理書などの記述などから見て,一般家庭で調理されているハンバーグは食品衛生上問題がないとは言い切れない実情が明らかとなった。O157による食中毒は大発生をみた1996年以降も例年発生し死者も見られている(厚生労働省2003)。そこで筆者ら焼く分科会としては,現在までに得られた一連の実験結果から,以下の点を全体的なまとめとして,一般の注意を促したいと考える。1.ハンバーグの焼成にあたっては,食品衛生上,内部温度が75℃以上,1分間加熱されることが不可欠であることを認識する必要がある。焼く分科会による実験結果によれば,これをクリアできる焼成条件は,1OOg大の場合ガスオーブンでは230℃で15分以上である。なお,フライパンについての詳細は次報に報告する。2.ハンバーグの焼き終わりを透明な肉汁で判定する方法は,内部温度が75℃に到達していることを確認するうえで有効な方法と言える。焼き色,弾力性,加熱時間,断面などで判定する方法は,内部温度との関連性から見て,必ずしも安全性の指標とは成り得ないことに留意する必要がある。3.現行の学校教育で用いられている教科書や,市販の料理書の記述においては,従来,おいしさの追求が主体であり,食品衛生上の安全性に言及したものはほとんど見当たらない。これらの内容が一般の調理担当者に及ぼす影響の大きさを考えた時,今後は,安全性を視野に入れた焼成方法や焼き終わりの判定方法についての正しい記載が徹底されることが望まれる。
著者
山村 高淑
巻号頁・発行日
2009-11-11

第5回DRFワークショップ「2009年、いま改めてリポジトリ」. 平成21年11月11日. 神奈川県横浜市.