著者
山崎 正勝 栗原 岳史 中尾 麻伊香
出版者
東京工業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

1954年3月の米国のビキニ水爆実験によって、第五福竜丸の乗組員が放射線被害を被った。その実態は、自らも調査に関わった当時大阪市立医科大学助教授だった西脇安によって各国に伝えられた。本研究では、遺族から提供された資料などの分析で、次のことが明らかにされた。(1)1954年の西脇の欧州訪問は、大阪の原水爆禁止運動が財政的に支えたこと。(2)訪欧中のジョセフ・ロートブラットとの出会いが、1955年の「ラッセル・アインシュタイン宣言」の重要なきっかけを与えたこと。(3)1957年のソ連及び東欧訪問でその影響が広がったこと。(4)1959年の訪米によってライナス・ポーリングの反核運動を支えたこと。
著者
藤本 淳也 冨山 浩三 古澤 光一 古澤 光一
出版者
大阪体育大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

地域の自治体やスポーツ組織は、地域社会貢献の重要性と、地域スポーツ振興のためのスポーツ組織間連携の必要性を認識している。また、地域のスポーツ消費者を対象とした調査から、地域に対する愛着心は、各スポーツ組織に対する態度と密接に関係していることがわかった。地域に存在するスポーツ組織を有機的に関連付けることによって、地域のスポーツ消費者を刺激し、地域スポーツ振興を効果的に展開できる可能性が示唆された。
著者
宮脇 秀貴
出版者
香川大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2006

まず、エンパワーメントをハードな側面とソフトな側面に分類し、特にソフトな側面に焦点を当て、コーチングなどによるコミュニケーションの見える化がエンパワーメントを補完することを明らかにした。次に、エンパワーメントを行う側とされる側に分類し、人の記憶の改変性に焦点を当て、コーチングを深層インタビューと融合することで、組織成員の内面を写し出すコンセンサスマップの活用可能性を示し、会計情報の有効性の測定方法を明示した。
著者
橋口 泰一 大嶽 真人
出版者
日本大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

本課題研究は,ブラインドサッカーおけるコーラーの言語教示およびシュートシーンの分析を通して,ブラインドサッカーの強化,発展における基礎的資料を得ることを目的とした.これまで得られなかったブラインドサッカー選手の個人およびチームにおける課題や周囲への要望,国内リーグにおけるコーラーの発言や国際大会におけるシュートシーンの実態について,様々な角度からブラインドサッカーの強化・発展のための基礎的資料を得ることができた.今後の競技力向上および研究に可能性を示すものであると考えられる.
著者
伊東 正博 中島 正洋
出版者
独立行政法人 国立病院機構 長崎医療センター・臨床研究センター
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

チェルノブイリ組織バンクに研究期間の3年間に約1,000例の生体試料の登録がなされ、4,288例の組織登録が完了している。被曝甲状腺癌には一つの決まった特徴はなく、被曝形式により形態学的にも分子生物学的にも多様な形態を呈することを報告した。新規に低ヨード環境の影響、成人症例の検討、FOXE1(TTF2)の変異、53BP1核内フォーカスの解析、microRNA解析を継続的に進めている。
著者
夏目 房之介 HOLMBERG R.E.
出版者
学習院大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2010

今回のライアン・ホームバーグと夏目房之介の共同研究では、戦後の日本でおこったマンガの変革期である60-70年代に焦点をあて、マンガ家、編集者、読者だった人々への基礎的な取材調査を通して、当時のマンガ文化の動向を読みとくための基礎資料を編纂することを目指しています。特に2011-2012年度は、上記で述べた各関係者への取材に専念しました。質問内容を吟味し、各項目を作成するために、現代マンガ図書館(東京)、国際子ども図書館(東京)、昭和漫画館青虫(福島)を中心にして、研究資料の収集につとめ、また、その内容を分析・検討しました。2011年7月に始め、下記の10人を取材しました:戦後マンガの中心的な作であるさいとうたかを氏、貸本マンガ作家である石川フミヤス氏と山森ススム氏、60年代の前衛的な作家である佐々木マキ氏と林静一氏、月刊誌「ガロ」の元編集者高野慎三氏、「ガロ」の中心的な作家であるつげ忠男氏と蛭子能収氏、60-70年代の長編マンガ作家のビッグ錠氏、60年代に始め現在までのマンガ評論家である小野耕世氏。各インタビューを録音し、その内の6本を、学習院大学大学院の生徒に依頼、文字起こしを行いました。またこれまでの研究、取材の成果を、アメリカのマンガ研究批評誌、「The Comics Journal」で月例連載として発表しつつあります。最終的にはインタビュー資料集として出版することを考えています。こうした調査の途中経過を、夏目氏のゼミで発表し、各研究者との間で意見交換をおこなう機会も得ました。
著者
岩渕 光子
出版者
岩手県立大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2007

3〜4ヵ月児を持つ母親の睡眠に関する実態は認識が高いとはいえないことを明らかにし、乳児期早期からの生体リズムを考慮し母親への健康支援を実施した。集団の場での健康支援の結果、生活習慣改善のきっかけとなっており、また、個別への支援をすることで母親の睡眠状況の改善がみられる事例もあった。一方で、乳児期の睡眠発達は著しく、睡眠問題の出現により母親の睡眠への影響も見られていた。
著者
上保 国良 佐々木 隆爾 上保 国良
出版者
日本大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

本研究の成果は,「幕末・明治期における民謡・流行歌を通じてみた外国文化摂取の歴史的研究」,および「幕末〜明治初期,長崎における外国音楽摂取の時代的背景」の二編からなる報告書にまとめた。第一部では,『長崎新聞』『西海新聞』を主要な資料として,次の結論を得た。長崎を事例とする研究で明白になったことは,第一に身分解放令後も芸妓は娼妓と同様激しい差別に晒されていたが,1879年半ばより彼女らの清楽を中心とする演奏が高く評価されるに至り工尺譜が普及し,第二に,この直後から開始された文部省の唱歌教育が五線譜の浸透力不足のため軽視される中で,清楽師範として人気の高かった長原梅園が明治22(1889)年,工尺譜『月琴・俗曲今様手習草』を発刊し,文部省唱歌を12曲紹介し民衆の問で愛唱される大きな契機をつくり,第三に,スコットランド民謡「あさひのひかり」(のちの「蛍の光」),ルソーを発端とする「みわたせば」(のちの「結んで開いて」),モーツアルト『魔笛』のアリアのメロディーを転用した「仁は人の道」(原曲パパゲーノのアリア)等が定着したことを明らかにした。第二部では,長崎県『学務課教育掛事務簿』,『r長崎県会日誌』r明治十二年六月,米国前大統領来港接待記事』等の精査をもとに,第一に,得られた主な資料を,その歴史的背景を説明しながら紹介し,第二に『活水学院百年史』等を参照しつつ分析し,義務教育における音楽教育は難渋しつつも,俗曲が,その担い手であった芸妓に対する差別的観念と相侯って,文部省の狙い通り零落したことを明らかにし,第三に小学校における唱歌教育が童謡をもとに,生徒の健康増進を実際上の目的として進められたことを解明し,第四に活水学院の前身では発足当初から高度の西洋音楽の教授が重視され,長崎県下の子どもに西洋音楽を定着させる有力な途を開いたことなどを明らかにできた。
著者
加藤 茂明
出版者
東京大学
雑誌
特別推進研究
巻号頁・発行日
2010-04-21

転写制御は最近の研究の進展により、染色体環境が極めて重要であることが明らかにされつつある。染色体環境は、染色体構造調節やヒストンタンパク修飾パターン(ヒストンコード)によって調節されており、その活性化状態に応じ転写制御の効率が規定されることがわかりつつある。しかしながら、実際の分子機構やそれら制御因子の実態は必ずしも明らかでない。本研究では、転写制御を支える染色体環境の調節機構をエピゲノム制御やそれら調節因子の同定や機能解析により、転写とエピゲノムの共制御の分子機構の解明を目指している。本年度においては、新たなヒストンタンパク修飾について網羅的な検索を行なうとともに、新たなヒストンコードとしての単糖の機能について解析した。ヒストンH2Bのセリン112番残基に付加される単糖(Nアセチルグルコサミン)は、新たなヒストンコードとして機能し、H2Bリジン120番目のユビキチン化を亢進することを見いだした。このユビキチン化が染色体の活性度を規定する上で極めて重要なヒストンコードであるため、この単糖付加は更に上流に位置する極めて基礎的なヒストンコードであることがわかった(Fujiki et al.,Nature 2011)。また、ショウジョウバエを用いた転写とエピゲノム共制御を担う調節因子を分子遺伝学的アプローチにより検索したところ、ヒストン遺伝子の細胞周期依存的な転写制御と染色体不活性化を規定する重要な因子を見いだした。この因子は、ヒストンH3リジン9番をメチル化することで、周辺の染色体の不活性化を促す因子であることが証明出来た。
著者
沖原 謙 塩川 満久 柳原 英兒 松本 光弘 出口 達也 菅 輝 磨井 祥夫
出版者
広島大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2001

これまで本研究グループでは、DLT法による三次元解析を利用し、サッカー競技の選手のポジショニングとチームの戦術について客観化を行なってきた。そして、本年度はサッカー競技(日本代表 vs. UAE、サンフレッチェ広島 vs. 横浜マリノス、韓国Kリーグの公式戦)を研究対象とし、「モダンサッカーにおける攻守の切り替えとコンパクトの関係」について考察した。この研究については、The Vth World Congress on Science and Footballにて発表予定である。モダンサッカーでは、一試合<90分>を通じてチームの状態がコンパクトに保たれ、その結果、攻守の切り替えの数は約400回にも及んでいる。つまり、技術や体力の向上が繰り返されてきたにもかかわらず、攻撃のチームがボールを短い時間内で失っている。この現象は、モダンサッカーのキーワードとも言えるコンパクトが戦術的にどのように関係しているか、客観的なデータを元に考察を加えた。以上の結果は以下のように示された。1.分析対象とした試合について、チームの縦幅と横幅を測定した結果、攻撃のほうが守備よりも広く、守備のほうが攻撃よりも狭い傾向が認められ、現代サッカーにおける「コンパクト」は、守備における合理性を意味し、攻撃時の合理性ではない。2.コンパクトなもとでの戦いの意味は、「攻撃側が狭い形、守備側が広い形」での両チームにとって不完全な状態での戦いを意味していることが示唆された。このことより現代サッカーでは、攻守の切り替え時から、ほぼ同時に守備から攻撃に移行し、また対戦相手は攻撃から守備に移行するので前で述べた不完全な形での戦いであり、結果として短い時間内でボールを失ってしまう傾向が生じると結論付けた。
著者
郷原 佳以
出版者
関東学院大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2009

20世紀フランスを代表する文芸批評家モーリス・ブランショの文学論や虚構作品における言語とイメージの関係性について考察し、単著『文学のミニマル・イメージ』にまとめるとともに、そこから出発して、(1) 19世紀の詩人ステファヌ・マラルメの詩論や絵画論、(2) 1950-60年代の現代芸術に見られブランショも実践した断章形式、(3)現代詩人ミシェル・ドゥギーの詩論や隠喩論、(4)芸術作品をめぐるアポリネールやバルザックの短篇小説などの分析を行った。
著者
横濱 雄二
出版者
北海道大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2005

メディアミックス様々な物語メディアを横断するものであり、特にそのリアリティの構築を考える際の参考として、民俗学、哲学、精神分析などの理論を参考とし、また文学史や文学理論についても諸作を参照した。その成果の一部として、幻想文学に関する論文集である『ナイトメア叢書』(第3巻、第4巻)のブックガイド欄を分担執筆した(今後も継続予定)。また、大衆文化としての映画におけるメロドラマ性やスター性に注目し、近年のメロドラマ研究を参照した。この点を踏まえつつ菊田一夫『君の名は』について、ラジオドラマ、小説、映画のメディアミックスを分析した。時間的に初期のラジオドラマではメロドラマ以外に戦後の社会状況が多く織り込まれていたが、後半では物語の展開とともにラジオドラマ自身もメロドラマ性を強めているが、この傾向は小説や映画でも踏襲され、特に後追いで制作された映画では、ストーリー全体がメロドラマに特化している。こうした物語構成上の変化は『君の名は』ブームでの世評に対応したものといえる。また、全国を巡回するという構成上の特徴は、映画ロケ地の観光地化や、試写会に際しての出演者の全国ツアーといった、物語の外部に存在する俳優の身体性にも広がっている。このような形で物語の内部と外部をつなぐスターの身体性は、石原慎太郎の『太陽の季節』『狂った果実』における登場人物と実弟石原裕次郎との対応とも密接に関連する。また、キャラクタービジネスにおける物語を利用したマーケッティング手法は、こうした身体性と物語性との関係を応用したものと把握できる。メディアミックスはこのように見ると単に諸メディアを通底するばかりでなく、そうした通底性を基盤に俳優や作者といった物語そのものにとっては外部と見なしうる地平までその範囲を広げて考察することができる。これらの研究については、その一部を『層--映像と表現--』(近刊)に発表する。
著者
岸本 成史
出版者
岩手医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

本研究では、ヒトナチュラルキラー細胞のガン細胞に対する細胞傷害活性におけるカンナビノイド受容作動薬や阻害薬の影響について調べることにより、ナチュラルキラー細胞の細胞傷害の機構にエンドカンナビノイドシステムが関与している可能性を示した。さらに、マウスの腫瘍生着モデルに対するCB2受容体阻害薬の影響についても調べ、CB2受容体が少なくともマウスにおける腫瘍免疫において重要な役割を演じている可能性を示した。
著者
碓田 智子 西岡 陽子 岩間 香 谷 直樹 増井 正哉 中嶋 節子
出版者
大阪教育大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

全国の町並み保存地区等でみられるイベント型の屏風祭りとひな祭りを主対象に現地調査を積み重ね、町家や町並みの空間利用とまちづくりとの関わりについて検討を行った結果、以下の研究成果が得られた。1)イベント型の屏風祭りは、伝統的祭礼に由来するものである。屏風は町家の座敷に展示されることが多く、見物人はふだん見ることができない町家内部の居住空間を訪問し、住民と交流を深める機会を得やすい。曳山祭礼とは別の日程で開催、曳山祭礼と同日に行うが祭礼行事としての色彩はないもの、曳山祭礼の一環として実施する場合を比較すると、伝統的な曳山祭礼とは切り離して行われる方が、まちづくり活動としての色彩が強い。2)全国約120カ所でひなまつりイベントが行われ、とくに平成10年以降、歴史的ストックを活用した町並み回遊型のタイプが急増している。行政の手に寄らず、雛祭り実行委員会など、住民主体の組織によって開催されているものが半数近くを占める。ひな祭りイベントは、手作り雛や小物の雛人形でも参加でき、店先や玄関先、住宅の外部空間での展示も可能である手軽さが、住民が参加しやすい点である。3)まちづくりとしてのひな祭りや屏風祭りは観光資源として有用で町の活性化に寄与していることは勿論であるが、日常的な居住の場である町家や町並みが、外部からの来訪者にとっては魅力的なものであること、同時に貴重な歴史遺産であることを地域住民自身に意識させる機会になっている点で評価できる。
著者
山川 烈 鈴木 倫保 山川 俊貴 粟生 修司 石塚 智 堀尾 恵一 藤井 正美 野村 貞宏 大和田 祐二 グレゴリエビッチ ジミン・レフ 常盤 達司 井上 貴雄 丸田 雄一 藤岡 裕士
出版者
九州工業大学
雑誌
特別推進研究
巻号頁・発行日
2008

抗てんかん薬が全く効かず,いつ発現するかわからない発作の恐怖におびえているてんかん患者が国内外に全人口の約0. 2%いる.これらの患者を救う道は,外科手術である.現在の外科手術では,「てんかん原性域」と呼ばれる発作の震源地の位置を脳波から推定し,それを切除しているが,後遺障害のリスクが大きい.本研究では,その「てんかん原性域」を精度よく推定し,頭蓋骨にあけた小さな穴から凍結プローブやレーザー焼灼プローブを刺入し,「てんかん原性域」を限定して破壊する後遺障害リスクの少ない外科手術法を考案した.
著者
福間 良明 杉本 淑彦 山登 義明 上杉 和央 吉村 和真 山口 誠
出版者
立命館大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

本研究では、戦後の大衆的なメディアに焦点を当てながら、大衆文化にあらわれる戦争体験の継承と断絶の変容について、考察してきた。具体的には、個々の大衆メディア(映画,テレビ,マンガ,戦跡・資料館)における「戦争体験」を比較対照し、そこにおける戦争理解やその社会背景について考察した。なお、そのうえでは、沖縄、広島、長崎、グアム(大宮島)など、戦場ごとの描写の相違にも注意を払った。
著者
野元 弘幸 青木 直子 大串 隆吉 新海 英行 衣川 隆生
出版者
東京都立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1999

本研究は、外国人住民の日本語読み書き能力が著しく劣り、地域において日本語文字によるコミュニケーションが成立していないのではないかという問題関心から、日系ブラジル人集住地区(愛知県豊田市保見団地)で、日系ブラジル人を対象とした大規模な読み書き能力調査を実施した。また、その調査結果をもとに、読み書き能力の習得を位置づけた日本語教育プログラムの開発を試みた。本研究の成果は以下にまとめることができる。(1)外国人住民の日本語読み書き能力が低く、極めて深刻な状態にあることを明らかにした。自動車・家電製品の工場で働く人の7割強が、「危険」を「読めないし意味もわからない」状態にあることが明らかとなった。また、46%しか、自分の姓名をカタカナで正確に書けないことも明らかとなった。(2)集住地域に対象を限定し、地域内で被調査者が日常的に見る標識や表示を調査に利用するという特徴的な調査であったために、当該地域において文字によるコミュニケーションが成立していない可能性が極めて高いこと示す結果を得た。(3)漢字に比べると、ひらがな・カタカナの習得状況は良く、日本で働き生活する外国人住民の基礎教養としてひらがな・カタカナの習得を促す根拠を明らかにできた。以上のような成果をもとに、日本語教育政策の新たな展開と、日本語読み書き能力の習得を伴う新しい日本語教育プログラムの開発を試みることができた。
著者
谷村 厚子
出版者
首都大学東京
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

本研究では、人間作業モデルを理論的背景に、当事者参加型アクションリサーチの手法とノミナールグループテクニックを用いて参加当事者の学習とリカバリーを促進し、ワークライフバランスを改善するとともに、内容妥当性の高いワークライフバランス尺度を開発することができた。さらに、108名の精神保健サービス利用者を対象に調査を実施し、尺度の信頼性と妥当性を検討した。その結果、高い信頼性(内部一貫性)と中等度の基準関連妥当性が示された。因子分析では5因子が生成され、因子分析結果は調査データに適合していると判断された。
著者
小沢 博 矢崎 弥 竹田 竜一 植原 吉朗 アレックベネット 竹田 隆一 本多 壮太郎 BENNETT Alexander
出版者
東京理科大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

質問紙調査、インタビュー、ビデオ等から国際化における剣道試合審判の問題点に関するデータを収集し、運動学(動作形態分析)的・文化論的視点より分析・整理した。国際化による文化変容の問題以上に、剣道試合規則の有効打突や反則行為の判定基準の不明確さ、海外への伝達の不正確さ、そして海外を含めた審判員育成の不十分さが問題の根源として明らかになった
著者
及川 佐枝子
出版者
三重大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2011

食品に含有するナノ粒子の消化器系における炎症反応の誘導作用を解明するため、ヒトマクロファージ様細胞THP-1および大腸腺癌細胞Caco-2を用い、ナノ粒子曝露による生存率の変化、活性酸素種(ROS)および炎症性サイトカインの産生について解析を行った。二酸化チタンのナノ粒子曝露により、ROSおよび炎症性サイトカインIL-1βの産生が増加する傾向が認められた。また一次粒径が同程度でも、酸化亜鉛の方が二酸化チタンより細胞の生存率の低下およびROSの産生を誘導する事が認められ、粒子の種類により細胞毒性作用、炎症反応誘導の機構に違いがあることが示唆された。