著者
小暮 修三
出版者
国際日本文化研究センター
雑誌
日本研究
巻号頁・発行日
vol.39, pp.119-139, 2009-03-31

かつて、日本の沿岸各地には、裸潜水漁を行いながら生計の主要な部分を賄う人々が存在し、彼/女らは俗に「海人(アマ)」と呼ばれ、特に、男性は「海士」、女性は「海女」と表記されている。この海人の歴史は古く、『魏志倭人伝』や記紀、『万葉集』から『枕草子』に至るまで、その存在が散見される。また、海女をモチーフとした文学作品や能楽、浮世絵も数多く残されている。しかしながら、もはや裸潜水漁で生計を立てている海女の姿は、日本全国のどこにも見つけられない。
著者
野瀬 彰大 深川 大路
雑誌
研究報告ゲーム情報学(GI)
巻号頁・発行日
vol.2011-GI-25, no.4, pp.1-8, 2011-02-26

本研究では,トレーディングカードゲームにおけるカードのシャッフルを扱う.まず,シミュレーションプログラムを用いてシャッフル手法について分析し,理想的なシャッフル手法の提案を目的とする.また,シャッフル手法の分析を行うために,シャッフルの結果を視覚的に表示する方法を提案する.分析の結果,各シャッフル手法の特徴が分かった.また,制限時間の長短に応じて適切なシャッフル手法が変わる可能性が示唆された.複数のシャッフル手法の組合せも行い,同じ組合せであっても実行順序が結果に大きな影響を与えることを実験的に示した.
著者
鈴木 翔 須藤 康介 荒川 智美 寺田 悠希 澁谷 功太郎
出版者
東京大学大学院教育学研究科
雑誌
東京大学大学院教育学研究科紀要 (ISSN:13421050)
巻号頁・発行日
vol.51, pp.103-116, 2012-03-10

The purpose of our study is to make clear the significance of a boyfriend or girlfriend for junior high school students. For this purpose, we firstly investigated the determining factors of having a boyfriend/girlfriend, and then clarified the effects of the fact that one has a boyfriend/girlfriend on their self-consciousness. As a result of our analyses, we got following two findings. First, there are various factors which determine whether junior high school students have a boyfriend/girlfriend or not, and the factors differ according to each student's gender. Furthermore, the levels of academic accomplishment of the school also make a difference. Second, when we analyze the effects of that fact on their self-consciousness, it is necessary to consider not only the very thing that one has a boyfriend/girlfriend or not, but also if she or he is likely to have a boyfriend/girlfriend. Our analysis suggests that a success in love for girls in junior high has a more complex meaning compared with that for boys.
著者
Hiromi NAKANISHI Atsushi MORI Kouki TAKEDA Houdo TANAKA Natsuko KOBAYASHI Keitaro TANOI Takashi YAMAKAWA Satoshi MORI
出版者
日本学士院
雑誌
Proceedings of the Japan Academy, Series B (ISSN:03862208)
巻号頁・発行日
vol.91, no.4, pp.160-174, 2015-04-10 (Released:2015-04-10)
参考文献数
34
被引用文献数
3 6

Six months after the explosion of TEPCO’s Fukushima Dai-ichi nuclear power plant, radioactive silver (110mAg), was detected in concentrations of 3754 Bq/kg in Nephila clavata (the orb-web spider; Joro-gumo in Japanese) collected at Nimaibashi, Iitate village in Fukushima Prefecture, whereas 110mAg in the soil was 43.1 Bq/kg. A survey of 35 faunal species in the terrestrial environment during the 3.5 years after the accident showed that most of Anthropoda had two orders higher 110mAg in their tissues than soils, although silver is not an essential element for their life. However, tracing of the activity of 110mAg detected in spider Atypus karschi collected regularly at a fixed location showed that it declined much faster than the physical half-life. These results suggest that 110mAg was at once biologically concentrated by faunal species, especially Arthropoda, through food chain. The factors affecting the subsequent rapid decline of 110mAg concentration in faunal species are discussed.
著者
香川(田中) 聡子 大河原 晋 田原 麻衣子 川原 陽子 真弓 加織 五十嵐 良明 神野 透人
出版者
日本毒性学会
巻号頁・発行日
pp.P-163, 2014 (Released:2014-08-26)

【目的】近年、生活空間において“香り”を楽しむことがブームとなっており、高残香性の衣料用柔軟仕上げ剤や香り付けを目的とする加香剤商品の市場規模が拡大している。それに伴い、これら生活用品の使用に起因する危害情報も含めた相談件数が急増しており、呼吸器障害をはじめ、頭痛や吐き気等の体調不良が危害内容として報告されている。本研究では、柔軟仕上げ剤から放散する香料成分に着目し、侵害受容器であり気道過敏性の亢進にも関与することが明らかになりつつあるTRPA1イオンチャネルに対する影響を検討した。【方法】ヒト後根神経節Total RNAよりTRPA1 cDNAをクローニングし、TRPA1を安定的に発現するFlp-In 293細胞を樹立した。得られた細胞株の細胞内Ca2+濃度の増加を指標として、MonoTrap DCC18 (GLサイエンス社)を用いて衣料用柔軟仕上げ剤から抽出した揮発性成分についてTRPA1の活性化能を評価した。また、GC/MS分析により揮発性成分を推定した。【結果】市販の高残香性衣料用柔軟仕上げ剤を対象として、それぞれの製品2 gから抽出した揮発性成分メタノール抽出液についてTRPA1に対する活性化能を評価した。その結果20製品中18製品が濃度依存的に溶媒対照群の2倍以上の活性化を引き起こすことが判明した。さらに、メタノール抽出液のGC/MS分析結果より、LimoneneやLinallolの他に、Dihydromyrcenol、Benzyl acetate、n-Hexyl acetate、Rose oxide、Methyl ionone等の存在が推定され、これらの中で、Linalool 及びRose oxideがTRPA1を活性化することが明らかになった。これらの結果より、柔軟仕上げ剤中の香料成分がTRPイオンチャネルの活性化を介して気道過敏性の亢進を引き起こす可能性が考えられる。
著者
シリヌット クーチャルーンパイブーン
出版者
北海道社会学会
雑誌
現代社会学研究 (ISSN:09151214)
巻号頁・発行日
vol.28, pp.1-20, 2015 (Released:2016-07-02)
参考文献数
25

タイにおいて,1970年代に入ると,学生たちは各地の民主化と共に,政治的 民主化への熱情を高め,自国の問題に対する意識を持ち始めた。そして,日本 のタイに対する帝国主義的な行動も注目されることとなった。本稿では,日本 に反抗する気持ちが高揚していた1972年に発生した「野口キック・ボクシン グ・ジム事件」と「日本製品不買運動」を新聞記事の分析及び運動参加者の語 りを通じて,考察を進めてきた。その際,本稿では,運動の発生の背景や運動 の発展,成否に関わる要因など,様々な観点から考察を行った。 その結果,「野口キック・ボクシング・ジム事件」は「日本製品不買運動」の 前哨戦として位置付けることができ,ともに新聞のセンセーショナリズムの影 響を一つの背景として,運動参加者を動員して行われたことが分かった。「野口 キック・ボクシング・ジム事件」は日本主義的消費文化流入に対する反抗によっ て発生したと考えられる。一方,「日本製品不買運動」は,日本のタイに対する 経済侵略をはじめ,様々な不安及び不満が重要な要因であったが,日本の投資 家との相互作用的な関係を持つ軍事独裁政権に対する不満が日本に転移して表 現されたと考えられる。そして,運動を展開する際に,ネットワーク,人的資 源,知識的資源など,様々な資源が運動の成功に貢献した。これらの資源は, タイにおける民主化運動,学生運動の基盤作り,となったと考えられる。
著者
島弧深部構造研究グループ 赤松 陽 原田 郁夫 飯川 健勝 川北 敏章 小林 和宏 小林 雅弘 小泉 潔 久保田 喜裕 宮川 武史 村山 敬真 小田 孝二 小河 靖男 佐々木 拓郎 鈴木 尉元 鈴木 義浩 山崎 興輔
出版者
地学団体研究会
雑誌
地球科學 (ISSN:03666611)
巻号頁・発行日
vol.63, no.1, pp.9-27, 2009-01-25
被引用文献数
2

島弧深部構造研究グループは,気象庁2006年刊行の地震年報によって,日本列島とその周辺地域で1983年から2005年までに発生した地震の震源分布を検討した.そのうち100km未満の地震はM4.5以上,100km以深の地震についてはM3以上のものを取り上げ,陸上は400mごとの等高線,海域は400mごとの等深線で示された地形図上にプロットして検討資料とした.震源の空間的な分布を明らかにするために,地震の分布する空間の下底の等深線を描いた.等深線は,北海道から千島列島に沿う地域では千島・カムチャツカ海溝付近から北西方に,本州に沿う地域では日本海溝付近から西方に,伊豆・小笠原諸島に沿う地域では伊豆・小笠原海溝付近から南西方に,九州ないし南西諸島とその周辺地域では,琉球海溝付近から北西方に次第に深くなるような傾向を示す.より細かく検討すると,等深線は単純ではない.等深線中に,直線状ないし弧状に走り,隣の単元に数10kmあるいはそれ以上に不連続的に変位する単元を識別できる.このような不連続部は,北海道・千島列島地域では北西-南東方向に走り,各深さのこのような不連続部は雁行状に並ぶ.これらの不連続変位部に境された一つの単元の拡がりは100ないし400kmである.より大きな不連続線として国後島の東縁付近と北海道中央を通るものが識別される.千島海盆付近で等深線は南東方に張り出しているが,これは千島海盆付近で震源分布域が下方に膨らんでいることを示す.本州東北部と,日本海の東北部および中央部では,直線状あるいは弧状に走る等深線を北西-南東と東西方向の不連続線が切る.これらによって境された単元の拡がりは100ないし200kmである.より大きな不連続線として,日本海南西部から本州の中央部を走る線が識別される.伊豆・小笠原諸島地域では,直線状あるいは弧状の等深線を切る不連続部は東北東-西南西方向をとる.これら不連続変位部に境された単元の拡がりは数10ないし200kmである.より大きな不連続線として伊豆・小笠原諸島北部と中央部を走るものが識別される.九州・南西諸島とその周辺地域では,直線状あるいは弧状の等深線を切る不連続部は東北東-西南西方向に走る.これら不連続部に境された単元の拡がりは80ないし250kmである.より大きな不連続線として大隈諸島と奄美大島間を走る線が識別される.このように,和達・ベニオフ面とよばれるものは地塊構造を暗示させる垂直に近い線によって境された,より小さな分節にわかれることが明らかになった.
著者
Tadayuki Imanaka Tadashi Takemoto
出版者
(社)日本化学会
雑誌
Chemistry Letters (ISSN:03667022)
巻号頁・発行日
pp.150720, (Released:2015-08-29)

Here we show that petroleum can be formed efficiently at normal temperatures and pressures from carbon dioxide and activated water. The oxygen nano-bubble containing water was treated with TiO2 catalysis under UV irradiation. The activated water was mixed vigorously with kerosene or light oil and carbon dioxide to form an emulsion. The emulsion gradually separated into a two-phase solution. After phase separation, the volume of kerosene or light oil, depending on which oil was utilized, increased by 5 to 10 %.