著者
村田 典生
出版者
佛教大学
雑誌
佛教大学大学院紀要. 文学研究科篇 (ISSN:18833985)
巻号頁・発行日
vol.40, pp.95-107, 2012-03-01

民間信仰のなかで、ある時期急激に参拝者が増加する現象を流行はやり神がみと呼ぶ。この流行神の近世京都における展開過程を考察する。今回事例として取り上げるのは『月堂見聞集』という随筆に登場する山科妙見である。享保期に流行をみた山科妙見であるが、そこには当時よりさらに二〇〇年以上も前に没した日蓮宗の高僧、日親の名が現れる。そこでまず日親の人物像と功績を抽出し、山科妙見との関連を明確にする。その後山科妙見の流行について検討する。その方法としては当時の随筆や京都府や京都市に残る文書を利用するとともに、妙見参詣路を実際に歩き、また現在は寺院となっている妙見寺やその周辺での聞き書きという方法をとった。そうすることで日親から山科妙見へと続く流行の変化を時系列的に捕捉することができると考える。その結果流行神の祀り上げられる過程とそこにある社寺側の運営戦略や市井の人々の信仰と遊山の関係、さらには流行神の土着化の進行を明らかできたのではないだろうか。
著者
佐久間 真由美 遠藤 直人 Sakuma Mayumi Endo Naoto
出版者
新潟医学会
雑誌
新潟医学会雑誌 = Niigata medical journal (ISSN:00290440)
巻号頁・発行日
vol.130, no.10, pp.559-563, 2016-10

ロコモテイブシンドロームは運動器の障害に伴う移動能力の低下として2007年に日本整形外科学会から提唱された.フレイルは高齢期の生理的予備能低下により脆弱性が亢進する.身体的問題のみならず, 精神・心理的問題,社会的問題を含む概念とされ,老年医学の分野から生まれた.サルコペニアは筋肉減少症として1989年Rosenbergが提唱した概念である.それぞれの用語は異なる母体から相次いで提唱されたが, 互いに重複する部分もある.現状での各用語と関連についてまとめた.
著者
竹原 圭祐 濱田 大介 土川 寛貴 北野 美樹
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.41 Suppl. No.2 (第49回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.1048, 2014 (Released:2014-05-09)

【はじめに,目的】ことばの音は,肺からの気流を操作することで生成され,発声発語のための動力源は肺からの呼気流によって生ずる力である。呼気を続けていくと,腹直筋,側腹筋(外腹斜筋,内腹斜筋,腹横筋)が働き,腹腔内圧を高め横隔膜を押し上げて呼気を助ける。ステトスンは音声学者としては初めて,発話時に呼吸筋の関与が大切であると述べており,発声の持続時間,声の高さ,強さが増大すると腹部の筋の作用も加わってくることが知られている。我々は,第48回日本理学療法学術大会において,発声時の声の高さが側腹筋の筋厚にどのように影響を与えるのか超音波診断装置を用いて検証し,高い声を出すことにより,内腹斜筋,腹横筋の筋厚が厚くなる可能性があることを報告した。しかし,被験者数が少なかったことと,方法に一貫性がなかったことが課題として残った。そのため,今回被験者数を増やし,方法を統一して行ったため以下に報告する。【方法】対象は腰痛の既往のない健常人10名(男性8名,女性2名),年齢平均26.2±3.97歳で,側腹筋の筋厚は超音波画像診断装置(GE Healthcare社製LOGIQe)およびリニアプローブ(12MHz)を用い,検者間での差が生じないように,検者は1名とした。被験者をベッド上背臥位とし,ベッドから1mの高さに騒音計(サンコー社製小型デジタル騒音計RAMA11O08)を設置し,被験者は騒音計のモニターで声の大きさを確認できる状況で通常の高さでの発声(以下通常時),出来るだけ高音での発声(以下高音),出来るだけ低音(以下低音)での発声を,70dBの大きさで行い,発声開始から5秒時の筋厚(外腹斜筋・内腹斜筋・腹横筋)を測定,比較した。発声の言葉は「あ」,計測する側腹筋は右側,発声の順序はランダムとし,測定部位は腸骨稜と肋骨下縁の間で,床と平行な直線上とした。測定結果の各筋厚の比較には一元配置分散分析を用い,多重比較を行った。【倫理的配慮,説明と同意】被験者に対し,実験の目的および方法を十分に説明し,承諾を得た上で検証を行った。【結果】1.外腹斜筋通常時の筋厚は7.15±1.5mm,低音の筋厚は6.88±1.68mm(変化率96.2±10.6%),高音の筋厚は7.26±1.67mm(変化率102.4±16.4%)であった。2.内腹斜筋通常時の筋厚は11.01±3.52mm,低音の筋厚は11.32±3.57mm(変化率101.7±9.8%),高音の筋厚は11.51±3.89mm(変化率105.6±20.6%)であった。3.腹横筋通常時の筋厚は4.47±1.33mm,低音の筋厚は4.95±1.42mm(変化率111.0±10.4%),高音の筋厚は5.66±1.54mm(変化率128.8±16.4%)であった。多重比較の結果,すべての筋において通常時,低音,高音での筋厚に有意差は認められなかった。【考察】人間の発音や発声は,呼吸器系による空気が声帯ヒダの間を通るときにおこる声帯ヒダの振動によって生じる。音の高さと量は,空気が声帯ヒダを通るときの速度と圧力に左右され,それは呼気筋である腹部の筋の活動に影響を受ける。今回の検証では騒音計を使用し,音の量は一定に設定したため,高い声を出すためには呼気筋である腹部の筋の活動が増加することが予想された。変化率では,高音での発声において,側腹筋の筋厚は通常時と比較すると増加する傾向があり,特に腹横筋において増加の値が大きくなった。腹横筋は腹部内圧の調整,腰背腱膜の緊張,仙腸関節の圧迫などを介して脊柱の安定化に寄与するとされている。また,脊柱安定化運動の方法は諸家により報告されているが,伊藤は出来る限り表層筋を収縮させず深層筋の単独収縮から動作を開始し,エクササイズの難易度が上昇するにつれて,表層筋の参加による動作の安定性を目指すことが目標となると述べている。これらのことをふまえると,高い声を出すことで深層筋である腹横筋の収縮が得られ,脊柱の安定性が向上することが可能となれば,患者の負担が少なく,容易に行える方法となるのではないかと考えられる。今回の検証の結果,高音,通常時,低音のそれぞれの発声において,有意差は認められなかったものの,継続して検証していく必要があると思われる。【理学療法学研究としての意義】今回,発声時の声の高さが側腹筋の筋厚に与える影響について,検査方法を統一し,被験者数を増やして再度検証した。発声により体幹の安定性が向上することが確認されれば,身体的な負担も少なく,容易に行え,患者自身が楽しみながら行える体幹トレーニングの一つとなるのではないかと考える。
出版者
日経BP社
雑誌
日経コンピュ-タ (ISSN:02854619)
巻号頁・発行日
no.697, pp.16-18, 2008-02-15

米マイクロソフト(MS)による米ヤフー買収提案は"始まり"にすぎない。自力での米グーグル追撃を事実上あきらめたMSは、今後も豊富な資金力を背景にさらなる企業買収に走る公算が高い。IT業界は一握りの超大手しか生き残れない寡占時代に突入しそうだ。 「グーグルはオンライン広告で75%のシェアを握り市場を支配している。この状態に対抗し、より良い選択肢を顧客に届ける」。
著者
家近 早苗
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学年報 (ISSN:04529650)
巻号頁・発行日
vol.56, pp.122-136, 2017-03-30 (Released:2017-09-29)
参考文献数
75
被引用文献数
2

本稿は, 2015年7月から2016年6月までに日本で発表された論文や著書等における学校心理学に関する研究を中心にその動向を概観した。その結果, 今年度の学校心理学分野の研究は, 学校生活で困難さを持つ子どもへの支援である二次的・三次的援助サービス(いじめ・不登校・学校適応)に関する研究が多く見られたが, その他にも一次的援助サービスである「授業づくり・心理教育」, 「援助サービスの担い手の連携」, 「教師の成長」などが研究されていることが理解できた。そして, これらの研究は, 「チーム学校」の3つの提案を支え, 促進する可能性があることが見出された。一次的援助サービス「授業づくり・心理教育」の研究は, アクティブ・ラーニングなどの概念の明確化や指導方法, それを支える子どものコミュニケーション力などに貢献し, 二次的・三次的援助サービス(いじめ・不登校・学校適応)の研究は困難さを持つ子どもの学校生活への適応に貢献する。「援助サービスの担い手の連携」の研究は, 教師と専門スタッフの連携・役割を示すことで体制づくりに貢献する。さらに「教師の成長」の研究は, 「チーム学校」における人材育成に貢献する可能性がある。
著者
水田 昭夫
出版者
奈良大学
雑誌
奈良大学紀要 (ISSN:03892204)
巻号頁・発行日
no.23, pp.p63-82, 1995-03
被引用文献数
1

本稿では、多彩な風土を展開する近畿地域について、都市を中心とする通勤圏と通学圏の近年における動向を明らかにするため、昭和45年から平成2年に至る5度の国勢調査の結果をもとに、予め設定した基準を満たす通勤・通学中心都市の選定を行ない、平成2年現在においては25の通勤中心都市とその5%超通勤圏域、37の通学中心都市とその10%超通学圏域をそれぞれ設定した。次いで、中心都市と、その通勤・通学圏域と、圏内各市町村から中心都市への通勤・通学者数とその比率の各々について、年次別変化の動向を考察した。これらの結果、通勤圏と通学圏の総面積は全域の72%とほぼ等しいが、一圏当りの平均面積には1.5倍近い差があって、通勤圏の規模がより大きい。圏域総人口は共に全域め97%を占め、平均規模もまた通勤圏が大きくなる。中心都市間でも、相対的にみて、大阪のように通勤中心性の高いもの、京都・神戸のように通学中心性の高いものなどと格差が大きく、相互の都市圏境域にも通勤と通学とで著しい差異がみられる。年次別変化の動向としては、中心都市の数は通勤中心で淘汰により低減、通学中心では多極分散化で増加し、圏域は通勤圏でやや拡大傾向にあり、通学圏では北・南部でやや拡大し、中部では変動が少ない。また、中心都市への通勤率は地元ではすべて低下、域内他市町村では大半で増大して中心地との連繋を強めているが、北大阪など事業所進出のさかんな一部の地域では低下した。通学率は地元、他市町村ともやや低下の傾向にあり、とくに多極分散化の進む中部でこの傾向が強い。調査の結果として、地理的な通勤圏と行政的な通学圏とは相互に全く異なった形状と動向を示すことが特徴的であった。
著者
和田 恵治 弦巻 峻哉 池谷内 諒 佐野 恭平 佐藤 鋭一
出版者
日本地球惑星科学連合
雑誌
日本地球惑星科学連合2016年大会
巻号頁・発行日
2016-03-10

黒曜石はほとんどガラスからなりガラス構造中にH2O成分を含む。高温で加熱するとH2O成分が発泡し,軟化した緻密な黒曜石ガラス中で気泡が膨張して内部が多孔質な軽量物質(パーライトと呼ばれる)ができる。筆者らはこれまで北海道産黒曜石を電気炉中で加熱して発泡させる実験を行ってきたが,電気炉の温度設定や加熱時間,発泡開始の定義が確立されていなかった。またパーライトの組織観察を十分に行っていなかった。今回,(1)各産地における黒曜石の発泡開始温度とパーライト形成温度の測定,(2)パーライトの組織観察による分類,(3)天然の多孔体試料との組織比較を行ったので報告する。黒曜石11試料の発泡開始温度の測定においては,径2.5~4mmの黒曜石片10個を磁製皿に入れ,設定温度に昇温させた電気炉中で30分間保持した後に取り出して気泡の有無を実体顕微鏡下で確認して10個すべてが発泡した場合にその黒曜石試料の発泡開始温度(Tf)とした。パーライト形成温度についても同様の実験方法で計測し,10個すべてが完全に発泡してパーライトとなった温度をパーライト形成温度(Tp)とした。これらの加熱実験の結果,赤井川産Tf =780℃;Tp =830℃,奥尻産Tf =790℃;Tp =850℃,神津島産Tf =890℃;Tp =950℃,白滝産(IK露頭)Tf =900℃;Tp =1030℃,十勝三股産Tf =930℃;Tp =1060℃,置戸産(所山)Tf =990℃;Tp =1100℃,置戸産(北所山)Tf =1010℃;Tp =1090℃,白滝産(十勝石沢露頭)Tf =1030℃;Tp =1160℃,白滝産(球顆沢露頭)Tf =1060℃;Tp =1150℃,白滝産(西アトリエ)Tf =1070℃;Tp =1190℃,白滝産(あじさいの滝露頭)Tf =1070℃;Tp =1190℃であった。パーライト組織の観察では各産地の黒曜石を1cmキューブ状にしたものをパーライトに作成した。気孔の大きさや形態・数密度から3つのタイプ(A~C)に分類した。Aタイプは気孔の大きさが約1mmであり,1つ1つが独立して球形をなす。表面・断面共に光沢がある。これらは発泡開始温度が990℃以上,及びパーライト形成温度が1060℃以上の6試料である。Bタイプは気孔の大きさが1.5mm〜5mmで1つ1つ独立している。気孔は球形〜不規則形で歪んだ形状を示す。表面は白灰色だが断面は光沢を示す。これらはTfが900℃〜930℃,Tpが1030℃〜1060℃の2試料(白滝IK露頭・十勝三股)である。Cタイプは気孔の大きさがパーライトの気孔組織は,加熱温度や加熱時間・黒曜石の水分量が深く関係し,ガラス構造に基づく物性(ガラス粘度など)も気泡の形状に関係するかもしれない。天然の多孔体(軽石や発泡した黒曜石)の気孔組織と比較すると,気孔の形状や数密度が天然多孔体と異なる。これは,(1)黒曜石がすでに脱ガスした試料で水分量が少ないこと,(2)天然多孔体がマグマ流体の動きの中で気泡が生成し移動や引き延ばしによってできた形状なのに比して,パーライトは静的な条件のもと,軟化した黒曜石壁を気泡が等方状に膨張したことに起因すると考えられる。
著者
松平 勇二
出版者
日本文化人類学会
雑誌
日本文化人類学会研究大会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2013, 2013

ショナ族は祖霊「ムズィム」(mudzimu)を信仰の対象とする。特に父系クランのムズィムは守護霊としてその子孫を守ると考えられている。ムズィムは憑依を通じて子孫と会話をおこなう。元首長のムズィムは、クランの政治的指導者としても重要な役割を果たしてきた。本発表では、ムズィムの概念を喪明け・相続の儀礼「クロワグワ」(kurova guva)から考察する。この儀礼において死者のムズィムが清められ、家族のもとに守護霊として迎えられる。
著者
仲谷一宏著
出版者
ブックマン社
巻号頁・発行日
2011
著者
大友 千絵子
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
ファルマシア
巻号頁・発行日
vol.52, no.9, pp.863-865, 2016

全米の医療大麻人口はおよそ260万人と推計されている。50州から構成される連邦国家であるアメリカ合衆国で、医療大麻(医療マリファナ)が合法とされている州はそのうち24州と連邦政府直轄地区であるワシントンD.C地区である。その先陣を切り、最も早く医療大麻が合法化されたのがカリフォルニア州(加州)だ。規制薬物法で最も規制の厳しいスケジュールIに分類されている医療大麻の現状を紹介する。
著者
竹内 真人
出版者
社会経済史学会
雑誌
社會經濟史學 (ISSN:00380113)
巻号頁・発行日
vol.80, no.4, pp.491-506, 2015-02-25

本稿は,18世紀末以降のイギリス自由主義的帝国主義を肯定的に評価する「ウィッグ史観」に基づく研究とは異なり,イギリス自由主義的帝国主義を批判的に分析することを目的としている。福音主義は,1730年代以降の英米の「福音復興運動」によって拡大した禁欲的プロテスタンティズムのことであり,社会を「有機体」と捉える「ジェントルマン理念」(すなわち高教会主義と広教会主義)とは対立していた。この福音主義は,人間を機械化・生産力化するイデオロギー的意味作用を持つものであり,近代的宣教運動に裏づけられたイギリス自由主義的帝国主義を生みだすことになった。本稿は,福音主義とイギリス自由主義的帝国主義の関係を重視し,ジェントルマン・エリートが自由主義的政策転換を行った原因が福音主義イデオロギーにあったことを明らかにする。イギリスの自由主義的帝国主義を理解するには,「ジェントルマン理念」と並んで,福音主義の伝道者的使命感を重視すべきであり,その自由主義的介入は,際限なき営利欲を抑制し,資本と労働の調整を目的とするものでもあった。
著者
田中 哲朗 岩崎 英哉 長橋 賢児 和田 英一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.36, no.9, pp.2122-2131, 1995-09-15
被引用文献数
7

多くの漢字は偏や旁などの基本的な部品の組合せからできている。本論文では、このことを利用して、漢字を具体的な座標を含まない抽象的な組合せ情報で定義しておき、プログラムによって部品を組み合わせてフォントを生成する方法を提案する。各部品は組合せによって大きさが変化するので、通常は様々な大きさの部品を用意しないと組み合わせて使うことができない。しかし、線の太さを自由に変えることのできるスケルトンフォントを使えば、あるサイズでデザインした部品をサイズを変更して使うことができる。そこで、本研究では論文(1)で提案した複数書体に対応可能なスケルトンフォントの形式で部品のデザインを表現する。組合せの種類として、横方向、縦方向、片方の部品の空白部分に他方の部品を配置する嵌込みが考えられる。JIS X0208に含まれるすべての漢字をこの3種類の組合せで表現して、最初の2つの組合せを扱うだけでもある程度デザインコストを減らせるが、嵌込みを扱うと更に効果があることを確かめた。また、未知の漢字が現われた時に、既知の部品の組合せだけで表現できる可能性を、JIS X0212の漢字の何割がJIS X0208の漢字の部品で表現できるかによって見積もった。表現した漢字を表示、印刷するためには組合せアルゴリズムが重要である。そこで、一番容易な横方向の組合せを実現するために単純な方法をいくつか実装し、評価をおこなった。その中でもっとも良かった組合せアルゴリズムをもとに縦方向、嵌込みのプログラムを実装し、JIS X0208とJIS X0212のフォントセットを作成した。これが単純なアルゴリズムで作成されたものにもかかわらず、ある程度の品質に達していることを確かめた。
著者
中津留 義樹 平松 良介 星野 准一
雑誌
研究報告エンタテインメントコンピューティング(EC)
巻号頁・発行日
vol.2011, no.11, pp.1-6, 2011-05-06

本稿では,エンタテインメントで用いられるコントローラを軟体物質で構成された柔軟性を持つものにすることで,より多くの感覚を使え,より多くのモーションを許容する体感型コントローラを実現できると考える.従来研究として曲げセンサを使用した軟体コントローラにより,その有用性が確認されている.しかし,従来の曲げセンサによる方式では耐久性に問題があった.そこで,本稿では曲げセンサに替わる大気圧センサを使用したボール型軟体コントローラを提案する.展示を通して提案した新方式の耐久性と操作性の検証を行う.In this paper, we propose a ball-shape controller for entertainment with soft material which user can use more senses and more motions. The utility is being confirmed as a conventional research by the soft body controller using the flex sensor. However, there was a problem in durability in the method with a flex sensor. Then,in this text,it proposes the ball type soft body controller using the air pressure sensor that replaces a flex sensor. the operativeness and the durability of the new method is verified through the exhibition.
著者
宮本 孝二
出版者
桃山学院大学
雑誌
桃山学院大学社会学論集 = St. Andrew's University sociological review (ISSN:02876647)
巻号頁・発行日
vol.50, no.1, pp.1-25, 2016-09-30

The works of Erving Goffman(1920-1980)have exerted an extraordinary influence over the development of modern social theory. This paper, the fourth one of my project `Giddens and Sociologists', aims to explore how Anthony Giddens, one of most famous sociologists in the contemporary world, used Goffman's social theory in systematically constructingstructuration theory. The main findings are as follows. First, through interpreting Goffman's works, Giddens found systematic construction in Goffman's social theory. His social theory is constructed on the basic theory of co-presence and interaction. Second, when Giddens wrote Constitution of Society in 1984, he tried to systematize structuration theory by using Goffman's social theory as one of interaction or social process. But as he failed in finding proper place of co-presence in social structure, Giddens could not succeed in systematically constructing structuration theory. Third, in his some works, Giddens took theoretical viewpoints to find proper place of co-presence in social structure. There are five main viewpoints of depicting society as congregation of locales or regions where co-presences develop.
著者
嘉手苅 徹 豊嶋 建広 井下 佳織 Toru Kadekaru Tatehiro Toyoshima Kaori Inoshita
出版者
麗澤大学経済学会
雑誌
麗澤学際ジャーナル = Reitaku Journal of Interdisciplinary Studies (ISSN:21895333)
巻号頁・発行日
vol.25, pp.69-80, 2017-03-10

The aim of this paper is to investigate how唐手(Toudi) was evaluated in society between 1879, when Okinawa Prefecture was established, and 1905 when Toudi was initially adopted as part of the gymnastics program at junior high schools in Okinawa. This attempt to clarify some aspects of Toudi after the Ryukyu Annexation is based on research using materials such as articles in Ryukyu Shinpo, the local newspaper, and educational magazines of that time. An examination of such documents reveals that the era was an important turning point for "Toudi" on its journey to becoming "Karate," which is still written using the same characters, 唐手. Karate was, on one hand, condemned as " one of the customsthat should be refined" under the assimilation educational policy of the Meiji Government. On the other hand, it was widely practised at local annual events and welcome parties for military personnel. Karate also found a place in school activities like farewell parties or sports meets of the Okinawa Prefecture Normal School.