著者
舘 知也 伊野 陽子 島内 あかり 野口 義紘 堺 千紘 井口 和弘 加納 亜紀 寺町 ひとみ
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.139, no.2, pp.327-339, 2019-02-01 (Released:2019-02-01)
参考文献数
17

Construction of regional inclusive care system is being promoted and pharmacists are required to implement multidisciplinary collaboration in order to provide appropriate pharmaceutical care to patients. However, there are few studies on collaboration between medical facilities and community pharmacies. In this study, we conducted a questionnaire survey of community pharmacies in Gifu City, which assessed the experience and attitudes regarding collaboration with other medical facilities. The survey items are: I. Participation in regional care meetings, II. Case discussion conferences, III. Joint workshops/study conferences, IV. Community service, V. Sharing information through medical cooperation network, and VI. Accompanying community pharmacists at home medical care. For the implementation of collaboration, the percentage of “not implemented” were as high as 70% or more in II, IV, V and VI. Regarding the attitudes toward collaboration, more than half of pharmacies answered that they wanted to implement in all items. In the comparison by the number of pharmacists, pharmacies with two or more pharmacists had significantly higher implementation ratios than pharmacies with one pharmacist in IV and V. Regarding the attitudes toward collaboration, pharmacies with two or more pharmacists had significantly higher ratios of considering implementation than pharmacies with one pharmacist in I and VI. Based on the results of this survey, there were many items that were not implemented as collaboration with other medical facilities at community pharmacies. However, many community pharmacies are planning to collaborate with other medical facilities in the future.
著者
松藤 ちひろ
雑誌
研究報告コンピュータグラフィックスとビジュアル情報学(CG) (ISSN:21888949)
巻号頁・発行日
vol.2018-CG-171, no.15, pp.1-2, 2018-09-23

筆者はS.Kajiらが2012年に発表した論文"Mathematical Analysis on Affine Mapsfor 2D Shape Interpolation"[1]の実装を試みている.この論文では2000年にAlexaらが提案した変形行列を用いたARAPと呼ばれるモーフィング手法に改良を加えた二次元モデルに対する補間手法を提案している.一方三次元モデルに対するモーフィング手法も2016年にS.Kajiによって提案されている("TETRISATION OF TRIANGULAR MESHES AND ITS APPLICATION IN SHAPE BLENDING"[2]).筆者はこの二つの論文を元にMathematicaでの実装を行い変形の実験を行い様々な手法の特徴を考察した.さらに,M.Mullerらによって提案されたShape Matching("Meshless Deformations Based on Shape Matching"[3]) を組み合わせたモーフィングの実装を行い,拡張性のあるモーフィングライブラリとした.
著者
鈴木 ひとみ 山本 昭
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構 一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報プロフェッショナルシンポジウム予稿集
巻号頁・発行日
vol.2009, pp.105-109, 2009

戦後日本国内で、外国の理工学図書の海賊版が作られ、広く使われていた。1980年代には姿を消した。広く流布していたにもかかわらず、その非合法性から実態が記録されることはなかった。本研究では、新聞記事等の文献、実際にそれらに接した研究者からの聞き取り、実物を入手しての原本との比較の三つの面から、物理的特徴、原本入手から、発注、印刷、頒布までの作成・流通過程等の実態を明らかにした。
著者
小俣 卓 新井 ひでえ 田邉 雄三
出版者
一般社団法人 日本小児神経学会
雑誌
脳と発達 (ISSN:00290831)
巻号頁・発行日
vol.40, no.6, pp.465-468, 2008-11-01 (Released:2011-12-12)
参考文献数
14

多動, 興奮, 急に泣き叫ぶなどの精神症状が初発症状であったマイコプラズマ感染後の急性散在性脳脊髄炎 (acute disseminated encephalomyelitis; ADEM) の1例を経験した.ADEMの初発症状として精神症状は稀で, はじめに精神疾患や心因性疾患が疑われ診断に苦慮する可能性が考えられた.意識障害やけいれんなどの典型的な脳炎・脳症徴候が明らかでない場合においても, 急性の精神症状を呈した場合, 感染症・予防接種歴を確認しADEMを鑑別診断の一つに考える必要があると思われた.
著者
前田 奈穂 大坊 郁夫 前田 貴司 岸野 文郎 北村 喜文 高嶋 和毅 横山 ひとみ 藤原 健 林 良彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.457, pp.49-54, 2010-03-01
参考文献数
17
被引用文献数
3

本研究の目的は,非言語手がかりと関係開始スキルの関連について,話者,会話相手,第3者のそれぞれの観点から検討することである.初対面の大学生で同性同士の66人(男性51人,女性15人)を対象に行った会話実験データを以下のように検討した.関係開始スキルについて自己評定,他者評定,第3者評定を測定することで,非言語手がかり(腕の動き,対人距離,相手に顔を向けている割合,単独発言時間,単独発言頻度,単独発言平均時間)との関連について,レンズモデル(Brunswik, 1956)を用いて検討した.その結果,自己評定,他者評定,第3者評定,いずれにおいても,腕の動きと関係開始スキルの間に正の関連がみられた.
著者
名倉 秀子 長坂 慶子 高野 美幸 大越 ひろ 茂木 美智子
出版者
社団法人日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.47, no.1, pp.49-58, 1996-01-15
被引用文献数
7

A questionnaire was designed to inquire the actual conditions of dietary life on the first 3 days of New Years 1986-1992. The data on 1986, 1989 and 1992 were picked out and analyzed by time series analysis in a two-way layout. Four hundred and forty questionnaires of female college students returned 3 years in total. The findings were summarized as follows : 1) The distribution of the numbers of taken dishes from time to time was shifted from 2 peaks to 3 peaks a day as shown by smoothing line. 2) There were no significant differences between yearly variances of staple diets, side dishes and "Shirumono" (a kind of soup) respectively, but significant differences between daily variances of these. Besides these, there were significant differences between yearly variances of drinks and others. 3) There were significant differences between daily variances of "Zoni," "Osechi," and "Toso" respectively. These typical traditional diets were obviously taken more on the first day than the second or third day of New Year. 4) The ratio of dining out of staple diets shifted increasingly year by year and day by day, and the numbers dining out were significantly different between yearly variances and daily variances. 5) The Japanese style dishes of dining in was on the decrease, besides another style dishes was on the increase from first day to third day.
著者
竹沢 泰子 斎藤 成也 栗本 英世 貴堂 嘉之 坂元 ひろ子 スチュアート ヘンリー 松田 素二 田中 雅一 高階 絵里加 高木 博志 山室 信一 小牧 幸代
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2001

本研究は、京都大学人文科学研究所における定期的な共同研究会と2002年に国際人類学民族学会議において東京と京都において行った国際シンポジウムをもとに、推進してきた。共同研究では年間13日間開催し、毎回5時間以上かけ2人以上が報告を担当した。これまで検討してきた人種の概念に加え、人種の表象と表現に焦点を当てながら、人種の実在性についても、発表や討議を通して研究を発展させた。本研究の最大の成果は、2002年に国際人類学民族学会議において東京と京都において行った国際シンポジウムをもとに、学術研究書をまもなく刊行することである(竹沢泰子編 人文書院 2004)。この英語版も現在アメリカ合衆国大学出版局からの出版にむけて、準備中である。本研究の特色のひとつは、その学術分野と対象地域の多様性にある。さまざまな地域・ディシプリンの人種概念を包括的に理解する装置として、編者(研究代表者)は、小文字のrace、大文字のRace、抵抗としての人種RR(race as resistance)を主張する。それによって部落差別などの意見目に見えない差別の他地域との共通性が見えてくる。さらに、それぞれの三つの位相がいかに連関するかも論じた。また人種概念の構築や発展にとって、近代の植民地主義と国民国家形成がいかに背後に絡んでいるかも考察した。具体的には、まず広告、風刺画、文学作品、芸術作品に見られる人種の表象、アフリカや南米でのアフリカ人の抵抗運動、言説分析、ヒトゲノムや形質(歯や頭骨)からみたヒトの多様性なである。地域的にも、琉球、中国、インド、ドイツ、フランス、アフリカ、アメリカ、南米などにわたった。
著者
古別府 ひづる
出版者
公益社団法人 日本語教育学会
雑誌
日本語教育 (ISSN:03894037)
巻号頁・発行日
vol.143, pp.60-71, 2009 (Released:2017-04-07)
参考文献数
10
被引用文献数
1

本稿では,大学日本語教員養成における二人の海外日本語アシスタントの成長を,良き日本語教師観の変容という視点を中心に,PAC分析と半構造化面接の方法を用いて示す。 調査の結果,双方の渡航前と帰国後の良き日本語教師観に変化があった。帰国後の双方の変化として,派遣先の日本語教師の影響が強く出ていることがわかった。帰国後の,双方に共通の良き日本語教師観として,教室運営力と明るい人間性が挙げられた。さらに,二人の成長のプロセスには,共通点と異なる点が見られた。また,アシスタント以外のホームステイ等の体験が成長に関わることが考えられた。 これらの結果は,大学日本語教員養成の実習の延長線上にある日本語アシスタントの事前教育及び資質の特定に寄与すると考える。
著者
葛谷 潤 荒井 ひろみ
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第36回 (2022) (ISSN:27587347)
巻号頁・発行日
pp.4G3OS4b02, 2022 (Released:2022-07-11)

人工知能(AI)システムの解釈可能性が求められるようになったことを受け、自らの振る舞いを説明できる説明可能AIの研究が進められている。従来の研究が主に焦点を合わせていたのは、振る舞いのきっかけとなる原因やそれを支えるメカニズムについての説明である。しかし、説明可能なAIに期待される効用を踏まえると、別の種類の説明、すなわち目的帰属型の説明を考慮する必要があると思われる。本報告の主な目的は、生物学・心・人工物の哲学の知見に基づき、目的帰属型の説明とは何かを定式化した上で、AIシステムを含む人工物の社会的受容にとってそれがもつ重要性を指摘することである。本報告では、まず説明可能なAIに期待される効用と従来の研究を整理し、次に目的帰属型の説明の定式化と人工物の社会的受容に対するその重要性の指摘を行い、最後にAIシステムの振る舞いの目的ないし機能を同定するための方策を考察する。
著者
宮原 ひろ子
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.70, no.5, pp.340-346, 2015-05-05 (Released:2019-08-21)

2008年12月,太陽活動が約200年ぶりとも言われた太陽活動の低下を見せた.通常11年の周期で増減する太陽活動のリズムが乱れ,太陽表面での磁場活動や太陽総放射量が観測史上最低のレベルに達した.2009年1月に開始した第24太陽活動周期は2013年に極大を迎えたが,太陽表面の磁場活動の指標となる太陽黒点の数は,2001年の極大期の半分程度に低下した.太陽活動は今後どうなるのだろうか.17世紀の半ばから70年間にわたって発生した太陽活動の異常低下(マウンダー極小期)は再来するのだろうか.人工衛星による太陽観測と,樹木や氷床コアなどを使った長期的な太陽活動変動の復元の両面から研究が進められている.また,もしマウンダー極小期が再来するとすれば地球環境にどのような影響が出るのかも,社会にとって重要な問題である.こちらについては,気象観測と古気候学的な手法による研究から検証が進められている.太陽活動が地球に影響する経路はいくつか考えられる.日射量変動の影響,太陽紫外線の成層圏への影響,太陽宇宙線の中間圏への影響,そして銀河宇宙線の影響である.銀河宇宙線が気候に影響するプロセスは未解明な点が多いが,大気成分のイオン化を通じて雲活動に作用していると考えられている.1997年に銀河宇宙線と低層雲の被覆率に相関が見られるという驚くべき発表がなされて以来,その相関の検証や,チャンバー実験による物理プロセスの研究が進められている.地球に飛来する銀河宇宙線のフラックスは,宇宙線をシールドする太陽圏磁場や地磁気の強度などによって決まる.太陽圏とは,太陽表面から吹き出すプラズマと磁場の風(太陽風)が到達する領域のことである.太陽風は,太陽から約80天文単位(AU)のところで星間物質との相互作用により亜音速に減速し,最終的には太陽から120AUあたりにまで達していると考えられている.また,太陽圏の周辺の宇宙環境が変わっても,地球に飛来する宇宙線量は変化する.銀河宇宙線量の変動は本当に気候変動に影響するのだろうか.それについて1つの手がかりを与えているのは上述のマウンダー極小期である.太陽黒点が70年間にわたって消失している間,太陽圏環境が変化し,宇宙線フラックスが特異なパターンで変動していたことが明らかになったのである.その頃,地球は小氷期と呼ばれる寒冷化を経験しているが,実はその間,地球の気候は特徴的なパターンで変動を続けた.最近の研究で,その変動パターンが宇宙線の変動によって説明可能であることが示された.太陽圏を満たす磁場の大規模構造の変動によって宇宙線の変動パターンが決まり,そしてそれが気候変動を駆動する一要因になっている可能性が高いことが示されたのである.そのほか,地球史上のイベントと宇宙環境の変動に,強い相関関係があることも明らかになりつつある.地磁気強度と気候にも相関関係が見つかっている.宇宙線が雲活動に影響するプロセスは研究途上であるが,宇宙線は地球の変動に重大な役割を果たしている可能性が高い.地球は,大気,海洋,生物圏などのサブシステムから成る多圏複合システムで,それ自身複雑な内部振動を持つが,その気候システムを,太陽圏システムというさらに大きなくくりでとらえ直す必要性があることを示唆している.さらに言えば,太陽圏周辺の磁場環境あるいは放射線環境を含めた銀河系システムというさらに大きな視点での議論が必要であることも意味している.地球,太陽,太陽圏,宇宙線の物理を有機的に結び付け,地球史上の様々な未解明の変動を宇宙という視点でとらえ直すことで,その原因を究明することを目指しているのが「宇宙気候学」である.
著者
渋沢 ひかり 大石 恭子 大田原 美保 佐藤 瑶子 香西 みどり
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集 2021年度大会(一社)日本調理科学会
巻号頁・発行日
pp.16, 2021 (Released:2021-09-07)

【目的】玄米の糠層は疎水性成分が多いため精白米と比べて炊飯過程での吸水,糊化が進みにくく,食味改善として長時間浸漬や加圧炊飯,加工玄米の利用等の工夫がなされている。約300年前に秋田県で発祥した「びっくり炊き」は加熱途中のさし水添加で玄米の吸水を促す特殊炊飯法であるが,本法に関する科学的研究は皆無である。本研究では炊飯時のさし水添加が玄米の吸水,飯の物性に与える影響を実験的に解明することを目的とした。【方法】平成30年度宮城県産のひとめぼれを玄米試料とした。文献調査および予備実験により,総加水比2.3とし,米の1.2倍の水で加熱を始め,10分後に沸騰,沸騰継続10分後に米の1.1倍のさし水(水温0,20,98℃)を加え,再沸騰後20分間加熱,消火,蒸らしを行った。加熱過程で採取した米の吸水率,溶出固形物量の測定を行い,色素添加炊飯液を用いて外皮破裂に伴う胚乳露出面積率を画像解析により求めた。飯の物性測定(テクスチャーアナライザー,一粒法)および糊化度測定(BAP法)も行った。【結果】0,20,98℃のさし水添加直後の炊飯液は,それぞれ約52℃,63℃,98℃であり,再沸騰後の米粒の吸水率,胚乳露出面積率および液中の溶出固形物量は0℃,20℃条件が98℃条件よりも有意に増加した。さらに0℃条件の飯のみ,98℃条件よりも有意に軟らかくて粘り,糊化度が高い傾向があった。以上より,さし水添加による急激な温度低下は玄米外皮の破裂を促し,胚乳への吸水およびデンプンの糊化と溶出を増大させ,飯の物性を改善した。経験的に行われている「びっくり炊き」が玄米の低吸水性を克服できる手軽で実用的な方法であることが実験的に確認できた。
著者
原 ひろ子
出版者
公益財団法人 日本学術協力財団
雑誌
学術の動向 (ISSN:13423363)
巻号頁・発行日
vol.8, no.4, pp.53-56, 2003-04-01 (Released:2009-12-21)
参考文献数
6
被引用文献数
1