- 著者
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山田 祐樹
佐々木 恭志郎
三浦 佳世
- 出版者
- 日本認知心理学会
- 雑誌
- 日本認知心理学会発表論文集 日本認知心理学会第12回大会
- 巻号頁・発行日
- pp.128, 2014 (Released:2014-10-05)
わが国の刑事法廷の座席配置は,法壇から見て右側が検察官,左側が弁護人であることが一般的だが,配置が逆転する事例もある。認知心理学研究では,人間が利き手側に位置する対象には肯定的な,非利き手側の対象には否定的な評価を下すことが知られている。本研究では,この空間認知的性質が刑事裁判の量刑判断に影響を与えている可能性について検討を行った。403名の参加者は裁判風景を模した写真を観察後,2種類の裁判シナリオを読み,被告人の量刑を判断した。写真は,通常配置(右:検察官,左:弁護人),逆配置(右:弁護人,左:検察官),統制配置(位置関係は通常と同様だが検察官と弁護人が外向している)の3種類であった。結果として,右利きの参加者は正配置よりも逆配置の量刑を有意に短く(約1年)見積もることが明らかになった。このバイアスは,参加者が利き手側の弁護人あるいは検察官を肯定的に評価したことに起因すると考えられる。