著者
中村 隆一 日笠 裕治 村口 美紀
出版者
一般社団法人 日本土壌肥料学会
雑誌
日本土壌肥料学雑誌 (ISSN:00290610)
巻号頁・発行日
vol.74, no.3, pp.317-322, 2003-06-05 (Released:2017-06-28)
参考文献数
13
被引用文献数
1

To clarify the relationship between nutrient concentration in heads of broccoli and the occurrence of head rot, N and Ca application experiments were carried out. 1) The increased N application promoted the occurrence of head rot. N concentration was higher in rotted heads compared with healthy ones. Foliar spray of Ca increased Ca concentration in heads and suppressed head rot. 2) Both N and Ca concentration had influence on head rot. The Ca/N ratio of heads had negative correlation with the occurrence of head rot, and with a ratio of more than 0.2, frequency of head rot was less than 10% ; with a ratio of more than 0.3, head rot didn't occur. 3) Split application of N increased Ca amount in heads compared with basal application, and was effective to control head rot. 4) In low land soil, head rot mainly occurred in thin layer or poor drainage land. Based on these results, we concluded that i) concentration of N and Ca have influence on the occurrence of head rot and ii) improving N application method, improvement of soil physical property and Ca foliar spray are effective to control head rot.
著者
三好 寛二 中村 隆治 安氏 正和 中布 龍一 濱田 宏 河本 昌志
出版者
日本臨床麻酔学会
雑誌
日本臨床麻酔学会誌 (ISSN:02854945)
巻号頁・発行日
vol.32, no.4, pp.564-568, 2012 (Released:2012-10-11)
参考文献数
8

術中にアナフィラキシーを生じた肝門部胆管癌症例を経験した.アレルゲンは術中には確定できなかったが,後日行った薬剤リンパ球刺激試験でタココンブ®と判明した.タココンブを貼付したまま閉腹したためか,術後もアドレナリンの持続投与が必要な状態が続き,約20時間後にアドレナリンを離脱できた.血漿中ヒスタミンとトリプターゼの定量測定では,両者とも検出できず,これらを介さない機序でのアナフィラキシーを生じたものと考えられた.
著者
中村 隆司
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.50, no.3, pp.1324-1329, 2015 (Released:2015-11-05)
参考文献数
9
被引用文献数
10 3

我が国は、大都市圏でも高齢化を迎え鉄道利用者は減少する可能性があり,今後の課題となることが予想される.さらに,公共交通機関利用促進による野環境負荷の低減に加え従来から形成されている鉄道駅周辺市街地の維持再生が今後の都市整備の鍵になるという観点からもTODに注目する.その上で,東京大都市圏を対象に,鉄道駅周辺土地利用について着目し,鉄道駅周辺の土地利用形態と駅乗降客数の変化との関係について分析した。その結果、全体として高齢化が進むと乗降客数が減少する傾向にあるが、高齢化が進行しても乗降客数が増加した駅もあることを明らかにした.また、東京大都市圏では,カルソープの提起する都市型TODの土地利用に近い土地利用構成を周辺に持つ駅が45.3%と半数近くに上りこの観点ではTOD先進国とされることが裏付けられること、駅周辺において住宅用地、商業・業務用地、公共公益施設用地などが混在した、複合的な土地利用を実現している駅では駅乗降客数が維持増加の傾向にあること等を明らかにした.
著者
和田 一成 臼井 伸之介 篠原 一光 神田 幸治 中村 隆宏 村上 幸史 太刀掛 俊之 山田 尚子
出版者
公益財団法人大原記念労働科学研究所
雑誌
労働科学 (ISSN:0022443X)
巻号頁・発行日
vol.88, no.1, pp.1-12, 2012-02-10 (Released:2013-09-25)
参考文献数
15
被引用文献数
3

実験では,実験参加者(44名)が知覚判断課題を行うたびに常に試行数を確認するように言われ,半分の参加者には確認を省略すると10個の追加課題が課されるリスクが,もう半分には,省略により1個の追加課題が課されるリスクがあることが教示された。全8ブロック中4ブロックにおいて,半分の試行で試行数のメッセージが5秒遅れ(コスト大条件),残りの4ブロックでは半分の試行で2秒遅れた(コスト小条件)。実験参加者は,遅れて出るメッセージを確認しなくても次の試行に進むことができ,この行動を違反行動とした。結果は,コスト小条件よりもコスト大条件で確認の省略が多かった。この結果は,ルール違反における課題遂行コストの強い効果を示している。(表2,図7)
著者
中村 隆
出版者
名古屋工業大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2015-04-01

自動車のディスクブレーキパッドは,走行中もブレーキディスクと僅かに接触していて,これが引き摺り抵抗となっている.中央のスリット部に45° のスリットを加えた改良ブレーキパッドを開発した.市販ブレーキパッドと改良ブレーキパッドを厳しい摩擦条件で摩耗させた後,周速38 km/hで回転する鋳鉄製ディスクに近づけた時の垂直方向押し付け力と,接線方向の摩擦力を測定した.市販ブレーキパッドでは,引き込まれる力が発生した.改良ブレーキパッドでは垂直力は常にプラスであり,部分的な接触が始まる距離15 μmまでは接線力は0である.このパッドを使うことで燃費は2.5 %改善することが期待できる.
著者
松田 友義 中村 隆
出版者
日本農業経済学会
雑誌
農業経済研究 (ISSN:03873234)
巻号頁・発行日
vol.64, no.4, pp.213-220, 1993-03-25 (Released:2018-11-01)
参考文献数
18
被引用文献数
1
著者
中村 隆之
出版者
日本フランス語フランス文学会
雑誌
フランス語フランス文学研究 (ISSN:04254929)
巻号頁・発行日
vol.89, pp.171-183, 2006-07-31 (Released:2017-08-11)

Bien qu'Edouard Glissant soit aujourd'hui celebre pour sa pensee du ≪Tout-Monde≫, sa demarche litteraire reste peu connue du public, si l'on excepte un certain nombre d'ecrivains et les chercheurs. Cette etude se donne pour but de mettre en relief le theme de la reappropriation du passe qui impregne toute son oeuvre, a partir de la lecture de son deuxieme roman, Le Quatrieme Siecle (1964). Le Quatrieme Siecle, recit en quete de la memoire confisquee par la colonisation, met en scene deux protagonistes: Mathieu Beluse et papa Longoue. A la recherche de la memoire brisee, le premier oppose souvent sa conception du passe a celle du dernier. Pour le jeune historien qu'est Mathieu, le passe peut et doit etre reconstitue comme des faits etablis par la methode scientifique. Papa Longoue, sorcier, encourage Mathieu a ≪voir≫ le passe a la facon du voyant. Au bout de ces deux visions antagoniques, on decouvrira chez papa Longoue l'idee d'une ≪vision prophetique du passe≫, destinee a produire une imagination de ce qui s'est passe, a partir des traces laissees par le passe, grace a l'inspiration poetique. C'est ainsi que papa Longoue initie Mathieu a la connaissance du voyant. Mais la synthese des deux visions opposees provoque chez Mathieu une crise spirituelle qui le conduit a renoncer a l'ecriture de l'histoire. Le Quatrieme Siecle temoigne des difficultes rencontrees dans le proces de reappropriation de la memoire dans les pays colonises. Ce roman offrirait aussi l'occasion de repenser la notion d'histoire, a cette epoque ou les pouvoirs tentent a nouveau d'effacer de l'histoire officielle la memoire de l'autre.
著者
松谷 真二 酒向 義勝 中村 隆 江沢 一明
出版者
一般社団法人 ダム工学会
雑誌
ダム工学 (ISSN:09173145)
巻号頁・発行日
vol.3, no.11, pp.61-71, 1993

本システムは、RCD工法等を採用するダム工事において、広いコンクリート打設面の打継面処理を効率化することを目的として、高圧水を回転ノズルから噴射しながらグリーンカット (レイタンス除去) 作業を自動で行いつつ、バキューム清掃を同時に行うものである。コンクリート打設面は、打設後の気温と経過時間により硬化の度合が異なるため、本システムにおいては、過去の実績による適正カッチング条件 (ノズル高さ・水圧) をデータベース化して初期設定し部分的な強度のバラツキに対応するためコンクリート表面のカット状況を電磁波センサで自動計測することにより、カッチングエネルギを自動制御して、良好なグリーンカット作業を可能としている。
著者
宮野 廣 中村 隆夫 成宮 祥介
出版者
一般社団法人 日本原子力学会
雑誌
日本原子力学会誌 = Journal of the Atomic Energy Society of Japan (ISSN:18822606)
巻号頁・発行日
vol.54, no.7, pp.447-451, 2012-07-01
参考文献数
3
被引用文献数
1

<p> 2007年7月に中越沖地震が発生し,更にその3年半後に東日本大震災が日本を襲った。いずれの場合にも震源近傍の原子力発電所は大きな地震動に見舞われたが,その後に大津波が発生したかどうかにより事故の明暗が大きく分かれることとなった。今,私達は今回の福島第一原子力発電所事故の未曽有の過酷さの前に,4年半前に起きた中越沖地震のことをともすると忘れがちになるが,2つの地震の共通点は,原子力発電所が設計の想定を大きく超えた地震動に見舞われたことにある。日本原子力学会は,中越沖地震の後,「原子力発電所地震安全特別専門委員会」を設置し,設計想定を超える地震に対してどのように安全を確保すべきかを検討してきた。そして東日本大震災が発生した昨年初めには,ほぼその検討結果が報告書としてまとまりつつある状況にあった。福島第一原子力発電所事故後の緊急事態からようやく立ち直りつつある現在,今回取りまとめた地震安全ロードマップに関する報告書の意味するところ,すなわち「原子力発電所の安全をいかに確保すべきか」を改めて問い直してみることが重要である。日本原子力学会は,この報告書の提言しているところを原点とし,引き続き「原子力安全」の確保のあり方について検討していくことが求められている。</p><p> 今回,4回のシリーズで,本委員会の活動に参加した日本原子力学会の委員,及びその検討に協力した日本地震工学会,日本機械学会の委員により,本委員会が取りまとめた地震安全ロードマップ報告書の内容と,中越沖地震及び東日本大震災を踏まえた原子力安全確保のあるべき方向について解説する。</p>
著者
秋吉 駿 古居 彬 平野 陽豊 隅山 慎 棟安 俊文 三戸 景永 曽 智 笹岡 貴史 吉野 敦雄 神谷 諭史 中村 隆治 佐伯 昇 吉栖 正夫 河本 昌志 山脇 成人 辻 敏夫
出版者
公益社団法人 日本生体医工学会
雑誌
生体医工学 (ISSN:1347443X)
巻号頁・発行日
vol.Annual57, no.Abstract, pp.S236_2, 2019 (Released:2019-12-27)

【目的】ヒトの疼痛を客観的に定量評価することを目的として,著者らは末梢交感神経活動を反映する血管剛性と電気刺激時の主観的疼痛度の間に有意な関係があることを見出した.本報告では,血管剛性から筋交感神経信号の分散を非侵襲推定し,推定した分散から主観的疼痛度をより高精度で客観的に定量評価する方法を提案する.【方法】広島大学・医の倫理委員会承認のもと事前にインフォームド・コンセントが得られた健常成人男性22名(22.7±1.0歳)を対象に皮膚電気刺激実験を行った.刺激中の心電図,血圧,指尖容積脈波から求めた血管剛性を用いて筋交感神経信号の分散を推定した.その後,ウェーバー・フェヒナー則を用いて筋交感神経信号の分散と主観的疼痛度の関係をモデル化し,モデルによる推定値と実測値との相関解析を行った.比較のため,血管剛性と主観的疼痛度の間においても同様の解析を行なった.【結果】筋交感神経信号の分散から推定した主観的疼痛度と実測した主観的疼痛度の相関は,血管剛性の場合と比較して上昇した(提案法: r = 0.60, p < 0.001, 血管剛性: r = 0.47, p < 0.001).【結論】提案法は主観的疼痛度を従来法より高精度かつ客観的に定量評価可能であった.
著者
秋吉 駿 神谷 諭史 中村 隆治 佐伯 昇 吉栖 正夫 河本 昌志 山脇 成人 辻 敏夫 古居 彬 平野 陽豊 隅山 慎 棟安 俊文 三戸 景永 曽 智 笹岡 貴史 吉野 敦雄
出版者
公益社団法人 日本生体医工学会
雑誌
生体医工学 (ISSN:1347443X)
巻号頁・発行日
vol.57, pp.S236_2, 2019

<p>【目的】ヒトの疼痛を客観的に定量評価することを目的として,著者らは末梢交感神経活動を反映する血管剛性と電気刺激時の主観的疼痛度の間に有意な関係があることを見出した.本報告では,血管剛性から筋交感神経信号の分散を非侵襲推定し,推定した分散から主観的疼痛度をより高精度で客観的に定量評価する方法を提案する.【方法】広島大学・医の倫理委員会承認のもと事前にインフォームド・コンセントが得られた健常成人男性22名(22.7±1.0歳)を対象に皮膚電気刺激実験を行った.刺激中の心電図,血圧,指尖容積脈波から求めた血管剛性を用いて筋交感神経信号の分散を推定した.その後,ウェーバー・フェヒナー則を用いて筋交感神経信号の分散と主観的疼痛度の関係をモデル化し,モデルによる推定値と実測値との相関解析を行った.比較のため,血管剛性と主観的疼痛度の間においても同様の解析を行なった.【結果】筋交感神経信号の分散から推定した主観的疼痛度と実測した主観的疼痛度の相関は,血管剛性の場合と比較して上昇した(提案法: r = 0.60, p < 0.001, 血管剛性: r = 0.47, p < 0.001).【結論】提案法は主観的疼痛度を従来法より高精度かつ客観的に定量評価可能であった.</p>
著者
中村 隆海
出版者
日本印度学仏教学会
雑誌
印度學佛教學研究 (ISSN:00194344)
巻号頁・発行日
vol.54, no.2, pp.894-890,1327, 2006

The paper focuses on the opening <i>pada</i> in the Atharvaveda-Samhita of the Saunakiya recension (AVS) XIII 2, 2. Former studies see the word form of <i>praj&ntilde;&aacute;nam</i> as a problem. Whitney notes (following PW and Henry) that the reading of the Paippalada recension (AVP) <i>praj&ntilde;anam</i> is more plausible. <i>praj&ntilde;anam</i>, however, is supported by only secondary MSS. It is also necessary to examine the verb <i>svar&aacute;yantam</i> in its meaning and with regard to case government.<br>AVS <i>praj&ntilde;&aacute;nam</i> is presumed to be a gen. pl. of adj. <i>praj&ntilde;&aacute;</i>-, and qualifies <i>dis&aacute;m</i>. AVP <i>praj&ntilde;anam</i> is acc. (Inhaltsakkusativ) sg. of the action noun n. <i>praj&ntilde;ana</i>- in the meaning of &lsquo;signpost&rsquo;. This meaning is attested in Vedic and in Pali <i>pa&ntilde;&ntilde;ana</i>- &lsquo;sign&rsquo;. The participle <i>svar&aacute;yantam</i> is derived from <i>svar&aacute;yati</i> &lsquo;sounds&rsquo;. The previous interpretation &ldquo;shining&rdquo; on the assumption that the word is a denominative from n. <i>sv&aacute;r</i>- is to be abandoned on morphological grounds. The verb-root <i>svar</i> does not exit in the meaning &lsquo;to shine&rsquo;.<br>The translation would be: &lsquo;(the sun) sounding for the foreknowing directions with [his] flame&hellip;&rsquo;. The directions foreknow (<i>pra-j&ntilde;a</i>) each of their own positions to be located by the sound that the flame of the sun makes, and play the role of the signpost for the flying sun. This motif is succeeded by the Yajurvedic prose, and bears the background which explains the location between <i>devas</i> and azimuths.
著者
中村 隆之 宮田 一乘
雑誌
情報処理学会論文誌デジタルコンテンツ(DCON) (ISSN:21878897)
巻号頁・発行日
vol.6, no.2, pp.24-31, 2018-08-20

地形リズムアクションゲーム「アオモリズム」は,ハードウェアとしては60インチの低解像度リアプロジェクタと23インチの高解像度LCDを重ねた2画面構成の筐体,ソフトウェアとしてはオーソドックスな音楽ゲームをベースとしつつも青森県と北海道の地形が殴り合うアニメーション演出等の特徴があるアーケードゲームである.東京ゲームショウ2013における展示を皮切りにCEDEC2014での展示,および青森県の宿泊施設,同県内の博物館での9カ月の長期展示を行った.本論文では,作品の位置付けとコンセプト,開発および展示の結果を示す.また解像度とサイズの異なる2画面構成により離れて見る客と近づいてプレイするプレイヤに異なる体験を与えられたことを中心に,得られた知見を述べる.
著者
石川 哲也 横田 修一 平田 雅敏 小川 春樹 小笠原 慎一 中村 隆三 吉永 悟志
出版者
日本作物学会
雑誌
日本作物学会紀事 (ISSN:00111848)
巻号頁・発行日
vol.90, no.2, pp.222-229, 2021

<p>大規模稲作を展開する農業生産法人を対象に,多数の作付圃場の毎年の栽培管理や収量を「見える化」するとともに,条件による絞り込みやランクづけ,項目間の関係の図示等を通じて問題点を摘出し,改善提案を行うことを目的として,作付圃場を網羅する圃場別データセットを構築した.茨城県南地域の3法人における2019年の水稲作付圃場をすべて収集対象とした.圃場名や立地ブロック,面積などの基本情報,作付品種や栽培方法などの集計キーとなる情報,移植日や収穫日などの作業情報,肥培管理情報,防除情報を必須項目とし,追肥や防除については,実態に応じて複数回設定した.実証経営体の記録方法に応じて,営農管理システム出力のインポートや手書き日誌の転記によりデータを収集し,収量データは,各実証経営体で使用する収量コンバインおよび営農管理システムを通じて収集した.乾燥ロット別の実調製量等を圃場別に直接収集することは困難なため,乾燥調製データセットとして独立させ,籾摺・選別後の玄米重量および篩選・色彩選別による屑米重量を収集し,乾燥ロット番号を用いて参照する構造とした.収集したデータセットを用いて,全圃場数637筆の24.3%を占める横田農場のコシヒカリ155筆を対象に,推定収量が低かった33筆の要因を解析すると,圃場の立地ブロックと密接に関連する移植順序が,推定出穂期が遅い圃場での収穫日までの積算日射量の減少を通じて影響したと推察された.このように,網羅的データセットの活用により,問題点の特定と改善策の提案が可能になると判断された.</p>
著者
風間 隆宏 中村 隆 伊藤 敏朗 大塚 浩二 佐藤 勝弘 今津 雄吾
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
海岸工学論文集 (ISSN:09167897)
巻号頁・発行日
vol.53, pp.1356-1360, 2006
被引用文献数
5

津波による船舶被害軽減のための避難海域設定手法について検討を行った. まず, 中央防災会議各専門調査会によって公開されている「海岸での津波高さ」を用いて, 簡易的に避難海域水深を設定する手法を提案し, 気仙沼湾を対象とした津波シミュレーション結果と比較した結果, その妥当性を確認した. また気仙沼湾において避難海域への到着可否を検討した結果, 湾奥部から避難の場合は, 避難海域に到達する前に津波に遭遇する可能性があることが認められた. さらに人命第一を考えた船舶避難行動に関する考え方を提示し, 避難海域及び避難行動のルールは地域の実情を踏まえ関係者が協議し設定することの重要性を指摘した.