著者
南谷 臣昭 永井 宏幸 中村 昌司 大塚 公人 坂井 至通
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.53, no.4, pp.177-182, 2012-08-25 (Released:2012-11-07)
参考文献数
4
被引用文献数
1 2

ゲルマニウム半導体検出器を用いたガンマ線スペクトロメトリーにより,U-8容器を使用して牛肉の放射性セシウム分析を行う際の,検出限界と測定精度を評価した.2,000秒測定の134Csと137Csの検出限界の和は,およそ20 Bq/kgとなり,暫定規制値レベルの放射性セシウムを含む牛肉(491 Bq/kg)の測定値の99%信頼区間は,447~535 Bq/kgとなった.牛肉は筋肉層と脂肪層が複雑に入り組んだ不均一な試料であるため,サンプリング箇所によって測定値が変動する.本研究で,筋肉層と脂肪層の放射性セシウム濃度には明らかな差があり,同じ首の部位の測定結果にも変動が見られる(SD=16.9 Bq/kg)ことが明らかとなった.
著者
中村 博一
出版者
文教大学大学院言語文化研究科付属言語文化研究所
雑誌
言語と文化 (ISSN:09147977)
巻号頁・発行日
no.24, pp.285-303, 2011

Nollywood is one of the key issues in the contemporary African media worlds. Since 2001 I have conducted my research on video culture in Sokoto, Northern Nigeria. In this article I trace some developmental processes of popular market literature and video-movie among the Hausa-speaking people, and try to analyze kungfu video-movies produced in Sokoto, as resulting from watching Hong Kong movies for several decades.
著者
浦野 茂 水川 喜文 中村 和生
出版者
三重県立看護大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

本研究の目的は、発達障害者(とりわけ広汎性発達障害の小学生高学年の児童)の療育場面の相互行為の構造を、社会生活技能訓練(SST)を事例としながら、エスノメソドロジー・会話分析の手法によって解明することである。この結果、次が明らかになった。 (1)療育場面は、 児童の積極的参加を不可欠な資源とした相互行為として構成されている。(2)療育場面の相互行為の中心的部分は、参加者の行為上の問題を積極的に可視的にする技術と、それによって可視化された問題に対して参加者が療育者とともに修復していく実践から、成り立っている。(3)療育場面は、一方で児童の積極的な参加に依拠しながらも、他方でその行為を問題の顕れと修復の実行という観点のもとで療育者によって受け止められていくという、強い制約をもつ。したがって今後の課題は、こうした制約から自由な、発達障害者への支援実践について検討することとなる。
著者
中村 聡史
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.54, no.2, pp.142-149, 2013-01-15

デジタルカメラやスマートフォンの普及により個人の日々の活動を記録するライフログが容易になった.ライフログには自動的に活動を記録するものと,ユーザが主体的に一人称視点で記録するものとに分けられる.後者のライフログはいわば個人の記憶の記録である.記録から記憶を呼び覚ます事が可能となり,利活用できるようになれば,個人の生活をより豊かにする可能性をもつ.しかし,その記録の利活用方法は十分に検討されていないうえ,ライフログはその性質上,膨大なデータとなるため利活用も容易ではない.デジタル写真を記録したものの死蔵している方も多いのではないだろうか.本稿では,特に写真を記録メディアとして用いた一人称視点ライフログの現状を俯瞰し,筆者のライフログ経験をもとに今後の展望について考察する.
著者
大鳥 精司 中村 伸一郎 高橋 弦 鮫田 寛明 村田 泰章 花岡 英二 守屋 秀繁 高橋 和久
出版者
The Japanese Society of Lumbar Spine Disorders
雑誌
日本腰痛学会雑誌 (ISSN:13459074)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.55-60, 2006
被引用文献数
1

われわれはラットL5/6椎間板を支配する神経がL2後根神経節に入ることを示してきた. 今回, ヒト腰椎椎間板性腰痛に対し, L2ルートブロックの効果について検討した. 1995年 : 症例はL4/5, L5/S1の椎間板性腰痛を呈する33例であった. 全例, L2ルートブロック (1%リドカイン1.5m<i>l</i> ) を行った. 2000年 : 症例はL4/5, L5/S1の椎間板性腰痛を呈する68例であった. ランダムにL2ルートブロックとL4またはL5ルートブロックを行った. 結果, 1995年 : 注射前のVASは5.0に対し15分後のVASは0.8と有意差を認めた. 効果時間は平均20.7日であった. 2000年 : L2ルートブロック前VASは8.0に対し15分後VASは4.3, L4またはL5ルートブロック前VASは7.8に対し15分後VASは3.4と両ブロックともに同様に有意差を認めた. L4またはL5ルートブロックの効果期間は平均8日であるのに対しL2ルートブロックの効果時間は平均13日であり有意にL2ルートブロックの効果時間が長かった. 椎間板性疼痛に対するL2ルートブロックは有効であることが示された. L4またはL5ルートブロックも短期的には有効であるが, (1) 麻酔薬が直接椎間板に効いてしまっている, (2) 椎間板支配の神経が同高位の後根神経根に支配されている可能性が示唆された.
著者
坂田 雅正 亀島 雅史 中村 幸生 古味 一洋 山本 由徳
出版者
日本作物学会
雑誌
日本作物學會紀事 (ISSN:00111848)
巻号頁・発行日
vol.71, no.4, pp.446-454, 2002-12-05
被引用文献数
4

要旨 : 高知県で育成された早期栽培用・極早生水稲品種とさぴかの栽培圃場において,1998年に異常(不時)出穂が発生した.現地(県中央部)での聞き取り調査では,乾籾を100〜160g稚苗用育苗箱に播種し,硬化期はいずれも無加温育苗ハウス内で管理した22〜34日苗を3月30日から4月16日にかけて機械移植したところ,5月上旬に異常(不時)出穂の発生が確認され,その発生程度も圃場により異なった.1998年は春先から異常高温で,移植後も高温で経過し,生育が促進されたことから,温度が異常(不時)出穂の発生要因の一つと考えられた.発生時の特徴としては,通常の生育時より最終主稈葉数が4葉程度少なく,いずれも稈長,穂長が短かった.収量については現地圃場間で206〜541gm^<-2>の差がみられ,異常(不時)出穂の発生程度との因果関係が認められた.異常(不時)出穂は2001年においても確認され,その形態として穂首節間が十分に伸長せず葉鞘から穎花が抽出した個体があり,この穂首には伸長した苞葉が着生していた.また止葉が展開し,幼穂の発育・伸長が停止した出穂不能個体も観察された.発生区では播種からの有効積算温度(基準温度:10℃)が469〜543℃日で異常(不時)出穂が確認され,この時の移植まで温度は253〜351℃日で,移植苗の葉齢は3.4〜4.4であった.また発生区では未発生区に比べ正常な穂の出穂期間が長くなった.一方,未発生区については,年次,苗の種類,移植時期を違えても播種後の有効積算温度が800℃日以上に達すれば到穂することが判明した.
著者
今井 悦子 畠山 美穂 中村 紀野 畑江 敬子 島田 淳子
出版者
社団法人日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.50, no.12, pp.1233-1243, 1999-12-15
被引用文献数
1

19種類の物性の異なる材料を用い,粒としての認知可能な最小粒度(認知閾値)を粒度の識別の程度を官能検査により明らかにし,物性値との関係を明らかにした.認知閾値はセルロースの51μmから道明寺粉の270μmまでの間に分布した.また粒度が約1.19倍異なる二つの粒子の粒度の識別は全材料がある粒度以上で識別できた.そのある粒度(識別最小粒度)は材料により異なり,セルロースの124μmが最小でそばの487μmが最大であった.しいたけを除いては,すべて認知閾値<識別最小粒度であった.両粒度と各物性値との関係を検討した結果,比較的強固な構造をもち,吸水が緩慢で飽和吸水量も少ないような材料は,両粒度が小さいことが明らかになった.またそのような材料ほど粒度の識別なできなくなってもまだ1粒1粒の認知はできると考えられた.認知閾値は,非常に高い重相関係を持って(R=0.93),七つの物性値を用いた重回帰式で表すことができた.
著者
中村 幸子
出版者
美術科教育学会
雑誌
美術教育学 : 美術科教育学会誌 (ISSN:0917771X)
巻号頁・発行日
no.27, pp.279-291, 2006-03-31

本考察は,百武兼行(1842-1884)のパリでの絵画研究を明確に示すことを目的としたものである。そこで,時期は異なるが百武と同じくレオン・ボナ(Leon BONNAT,1833-1922)に学んだ五姓田義松(1855-1915)を取り上げた。考察の結果,百武の絵画研究は,ボナとの出会いによって人物習作を中心に展開され,その内容は充実したものとなった。百武にとってのパリ留学は,後に滞在することとなるローマにおける積極的な制作へとつながったといえる。
著者
宮本 雅史 福嶋 康博 中村 雅哉
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1091, pp.4-7, 2001-05-14

「ファイナルファンタジー(FF)」シリーズを世に送り出したスクウェア、「ドラゴンクエスト」シリーズを持つエニックス、「鉄拳」シリーズを擁するナムコ——日本のゲームソフト産業を代表する3社のオーナーである宮本雅史氏、福嶋康博氏、中村雅哉氏が、互いに保有する自社株の一部を交換する異例の提携に踏み出した。 3人それぞれが残り2人に対して、自己の保有株式の中から発行…
著者
中村 俊春 根立 研介 森 雅彦 河上 繁樹 安田 篤生 加須屋 誠 森 雅彦 河上 繁樹 安田 篤生 加須屋 誠 平川 佳世 深谷 訓子 皿井 舞 吉田 朋子 剱持 あずさ
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2005

本研究では、近代的な展覧会制度が確立する18世紀以前のいわゆる前近代の日本・東洋および西洋で行われた「つかのまの展示」について、作品調査および関連史料の分析に基づき個別事例を精査するとともに、比較研究の視点を交えつつ、各々に関して同時代の宗教観、経済活動、政治的文脈、社会状況等に照らした詳細な考察を行った。その結果、今後、本領域において指標的な役割を果しうる包括的な成果を得た。
著者
中村 剛
出版者
関西福祉大学社会福祉学部研究会
雑誌
関西福祉大学社会福祉学部研究紀要 (ISSN:1883566X)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.83-90, 2012-09

ノーマライゼーションの理念が普及して以来,入所施設で暮らしている知的障害者の地域生活移行は障害者福祉における大きな課題となっている.本報告では,この課題に対して顕著な実績をあげている西駒郷地域生活支援センターを訪問し,そこで得た地域生活移行に関するスキルを,ソーシャルワークのスキルという観点にまとめ報告する.