著者
中村 直義 倉掛 卓也 小山田 公之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B, 通信 = The transactions of the Institute of Electronics, Information and Communication Engineers. B (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.89, no.6, pp.1014-1018, 2006-06-01

OFDM信号の三次の相互変調ひずみ(Composite Triple Beat)妨害を受けるQAM信号のBER特性の近似式を解析的に導出した.実験によりケーブルテレビ用64QAM信号のCIR対BER特性を測定し,三次ひずみ妨害は電力の等しい熱雑音と比べてBER特性を著しく劣化させることを明らかにした.
著者
前川 陽一 中村 亨 仲里 慧子 小池 隆 竹内 淳一 永田 豊
出版者
日本海洋学会
雑誌
海の研究 (ISSN:09168362)
巻号頁・発行日
vol.20, no.6, pp.167-177, 2011-11-15
被引用文献数
2

2009年4月と10月の2回にわたって,勢水丸を潮岬周辺に派遣して,詳細な海況の観測を実施した。串本・浦神の検潮所間の水位差は,しばしば黒潮流路が直進路をとっているか,蛇行路をとっているかの指標として用いられる。従来にない密な観測点を設けることによって,この水位差は串本・浦神の間で緩やかに起こっているのではなく,潮岬の沖,東西約6kmの幅で集中的に生じていること,また,その水位差のほとんどは,僅か150m深までのごく表層の海洋構造によって作り出されたものであることが示された。黒潮本流の流速場を支配している温度躍層以深の水温・塩分構造が直接関係するのではなく,振り分け潮のような現象によって黒潮表層水が紀伊半島南西岸にもたらされるかどうかによって水位差が生じていることをより詳細に示すことができた。
著者
芦谷 公稔 佐藤 新二 岩田 直泰 是永 将宏 中村 洋光
出版者
社団法人 物理探査学会
雑誌
物理探査 (ISSN:09127984)
巻号頁・発行日
vol.60, no.5, pp.387-397, 2007 (Released:2010-06-25)
参考文献数
11
被引用文献数
15 13

鉄道における地震災害を軽減するには事前に施設の耐震性を向上させることが基本であるが,一方で,地震発生時は迅速かつ適切に列車運行を制御することにより事故を未然に防ぐことが重要となる。そこで,鉄道総研では新幹線を中心に早期地震検知・警報システム(ユレダス)を開発,実用化してきた。しかし,近年では,リアルタイム地震学の分野の研究開発が進展し,早期地震警報に関する貴重な知見が蓄積されてきた。また,気象庁など公的機関の全国ネットの地震観測網が整備され,その即時情報(緊急地震速報という)を配信する計画が進められている。こうした状況を踏まえ,鉄道総研は気象庁と共同して,緊急地震速報の処理手法やこの情報を活用した鉄道の早期地震警報システムの開発を行ってきた。 本論では,まず,P波初動検知後数秒で震源の位置やマグニチュードを推定するために新たに開発した,B-Δ法やテリトリー法,グリッドサーチ法について紹介する。次に,緊急地震速報を活用した地震警報システムの概要を紹介する。このシステムは緊急地震速報を受信すると,線区沿線での地震の影響度合いをM-Δ法により推定し,影響があると判断した場合は,列車無線により自動的に走行中の列車に緊急停止の警報を発信するものである。また,最後に,鉄道におけるリアルタイム地震防災の今後の展望について述べる。
著者
中村 本勝 市川 孝夫 小林 正憲
出版者
久留米工業大学
雑誌
久留米工業大学研究報告 (ISSN:03896897)
巻号頁・発行日
vol.22, pp.107-112, 1998-12-20

As a sport for people of advanced age, gateball is declining in popularity. The major causes are mental stress resulting from athletic competition and physical illness affecting the sport's elderly participants. Gateball's decline has intensified due to the growing popularity of sports like ground golf. This has led to the weakening of gateball teams because there are not enough players to take part in games. Furthermore, the lack of newcomers has resulted in an insufficient number of people engaged in team management. Regarding the causes of mental stress, gateball rules mandate severe penalties in the event of an "outside release" or "out-of-bounds" play. This peculiar rule produces high stress among beginning players. Among the elderly members of gateball clubs, in addition, qualified individuals are granted a high social position or ranking. This is a major source of stress, as it promotes resistance to scolding or pressure from a team coach or manager. Such factors produce a sense of incongruity for gateball and there are many cases in which low player participation has been caused. For these reasons, it is difficult for talented persons to become involved in gateball management. The writer thinks that the following things will be necessary for a comeback or revival in gateball's popularity. Demonstrations of activity and support for all team members will be needed to give returning participants a sense of vitality. Then if the gateball player population increases, team formation will become strengthened by degrees. For this to be accomplished, the cooperation of concerned persons in cities, towns and villages is indispensable. The writer considers gateball to be an important matter for the aging society.
著者
中村 友昭 長井 隆行 岩橋 直人
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.25, 2011

本稿では,ノンパラメトリックベイズの一種であるHierarchical DirichletProcess(HDP)を用いて物体概念の形成を行う.ロボットが実際に物体を掴み,様々な視点から観察することで得られるマルチモーダル情報を,教師なしでカテゴリ分類を行い,物体概念を形成する.HDPを物体のカテゴリゼーションに応用することで,物体概念モデルのパラメータだけでなく,カテゴリ数の推定も可能となる.
著者
中村 陽介 三上 浩司 渡辺 大地 大圖 衛玄 伊藤 彰教 川島 基展 竹内 良太
雑誌
研究報告グラフィクスとCAD(CG)
巻号頁・発行日
vol.2012-CG-146, no.6, pp.1-8, 2012-01-31

近年,スマートフォン向けアプリやソーシャルゲーム等新しい市場に向けたゲームの普及により,その開発スタイルも市場に合わせ多様化する傾向にある.特に,短期間でのゲーム開発は,従来の家庭用ゲーム機向けの大規模な開発とは必要なノウハウが大きく異なっている.この様な新しい開発スタイルにも対応できる人材を育成するため,東京工科大学と日本工学院が合同で行った,短期開発による開発スキルとコミュニケーション能力の向上を重視した新しいスタイルの教育カリキュラムについて,その結果をアンケートと評価データを元に報告を行う.
著者
二宮 敬虔 橋本 樹明 向井 正 中村 昭子 中村 正人 小笠原 雅弘 吉沢 直樹 石田 十郎 水島 泰彦 細田 寛人 高野 匡代
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SANE, 宇宙・航行エレクトロニクス
巻号頁・発行日
vol.98, no.278, pp.69-75, 1998-09-18
被引用文献数
1

日本初の火星探査機、「のぞみ/PLANET-B」搭載のMars Imaging Camera(MIC)は、小型軽量の可視CCDカメラである。CCDは、波長分離のためにRGBそれぞれのフィルターで覆われた3ラインからなる。MICのCCDのライン方向は「のぞみ」のスピン軸にほぼ平行で、MICでは、「のぞみ」のスピンを利用して2次元画像を取得する。われわれは、画像の幾何補正や感度補正に必要な特性を地上試験で取得した。また、複数の方法を用いてMICの総合的な撮像機能の確認試験を行った。現在、打ち上げ後の機上校正試験を行っている。
著者
中村 信次
出版者
日本福祉大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

視覚刺激による自己運動知覚(ベクション)に及ぼす視覚刺激の3次元的布置の効果を心理実験を用いて検討し、(1)視覚刺激の奥行き知覚に変動がない条件においても、視野中心部に呈示された視覚刺激は、同一の面積をもつ周辺刺激と同等の強度を持つベクションを誘導可能であること、(2)静止背景によるベクション抑制には視野の周辺部が、静止前面によるベクション促進には視野の中心部がより大きな影響を持つこと、などを明らかとした。
著者
中村 孝広
出版者
佛教大学
雑誌
京都語文 (ISSN:13424254)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.243-247, 2010-11-27

中村不折が皇紀二千六百年を祝って書いた掛軸「皇紀二千六百年記念」が真筆である根拠を記し、さらに掛軸を具体的に分析し、結果を記述したものである。
著者
松本 時子 中村 百合子 畑江 敬子 島田 淳子
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.46-49, 1995-02-20

紅玉とふじの熟成度の異なるリンゴを用い、砂糖濃度30%と60%のジャムを調製し,粘弾性と官能検査による識別と嗜好性を検討した。1.リンゴ生果の水分は紅玉の場合,1ケ月保存により87.23%〜85.01%に減少したが,ぶじは,84.50%〜84.12%と,ほとんど変化しなかった。糖度は,Brix値で紅玉(12.0〜13.0),ぶじ(10.9〜14.0)とも熟成が進むにつれて高くなった。紅玉のpH値は,試料間に差がなく(3.50〜3.54),ふじのpH値は3.54〜4.14と熟成が進むにつれ高くなった。粗ペクチン量は,紅玉に多く,特に果皮に多かった。2.紅玉の過熟のジャムが貯蔵弾性率,損失弾性率とも高かったが,パネルはその差を識別できなかった。3.生果では好まれない未熟果も,ジャムにすれば好まれることが分かった。4.総合的た好ましさにおいては,酸味と甘味のいずれも強い紅玉を好む人と,マイルドなふじを好む人に好みの傾向が分かれ,いずれのジャムもそれぞれの好ましさがあることが認められた。終りに本研究にあたり,ご協力いただきましたお茶の水女子大学生活科学部調理学研究室のみたさんに感謝致します。
著者
渡辺 正 石垣 将宏 佐藤 聡 中村 秀夫
出版者
Atomic Energy Society of Japan
雑誌
日本原子力学会和文論文誌 (ISSN:13472879)
巻号頁・発行日
vol.10, no.4, pp.240-244, 2011 (Released:2011-11-30)
参考文献数
4
被引用文献数
2 2

The analysis of the long-term station blackout accident of BWR has been performed using the TRAC-BF1 code. The actuation of RCIC was assumed, and the results were compared with the data observed at the Fukushima Daiichi power plant unit 2 reactor. BWR-5 of 1,100 MW was analyzed, while the unit 2 reactor was BWR-4 of 780 MW. The reactor pressure and the core liquid level were, however, in good agreement with the observed data. It was confirmed that the quasi-steady state continued for a long time with the RCIC actuation. The timing of recovery action, which was composed of depressurization and coolant injection, necessary for the maximum clad temperature being less than 1,500 K was studied and compared with that of the unit 2 reactor.
著者
野口 高明 平田 成 土山 明 出村 裕英 中村 良介 宮本 英明 矢野 創 中村 智樹 齋藤 潤 佐々木 晶 橋本 樹明 久保田 孝 石黒 正晃 ゾレンスキー マイケル・E
出版者
日本惑星科学会
雑誌
遊・星・人 : 日本惑星科学会誌 (ISSN:0918273X)
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, pp.12-22, 2010-03-25

はやぶさ探査機による小惑星イトカワ表面の画像から小惑星表面の巨礫の組織観察を行うことができた.イトカワ表面の巨礫は,大まかにいって不均質な破壊強度を持つものと,均質な破壊強度をもつものに分けられる.前者は角礫岩と考えても矛盾はない.一方,後者の組織は一般的なLLコンドライトには見られない.衝撃によってかなり溶融した普通コンドライト隕石は,そうでないものよりも均質でより高い破壊強度を持つことを考慮すると,後者の巨礫はそのような隕石と類似の岩質をもつかもしれない.これらの巨礫はイトカワの祖先天体で形成されたと考えられる.高解像度画像は小惑星の地史を検討する手段として非常に有効である.