著者
中村 昭子 阿部 新助 平田 成
出版者
日本惑星科学会
雑誌
遊・星・人 : 日本惑星科学会誌 (ISSN:0918273X)
巻号頁・発行日
vol.16, no.3, pp.216-225, 2007-09-25

小惑星の多くが衝突破壊・再集積したラブルパイル天体であることは予想されていたが,平均直径320mの小惑星25143イトカワがラブルパイル天体であったことは新鮮な驚きと興奮をもたらし,小天体の内部構造や表面の進化に関わる衝突現象について,新たな疑問と興味を喚起している,本稿では,イトカワの内部・表面構造について改めて振り返り,また,関連する最近の実験的研究にっいて触れ,小天体の衝突過程に関する我々の知見に対して投げかけられたいくつかの間題について報告する.
著者
大谷貴胤 佐々木 広 近藤 正章 中村 宏
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告計算機アーキテクチャ(ARC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.79, pp.145-150, 2007-08-02

ウェブサーバ用計算機クラスタは消費エネルギーと冷却コストの増加に伴い,電力管理が重要になってきている.従来のウェブサーバクラスタは負荷のピーク時に備え全てのノードが常時稼動している設計であった.、しかし,実際には負荷がピークに達するような状況は少なく,性能の余裕を残した状態で稼動している時間が多いそこで,我々はこれまでに負荷状況に応じてノード数と動作周波数を変化させることにより,応答時間制約を満たし最も消費電力の低い構成を選択し従来よりも低消費電力であるシステムを実現する手法を提案している.本稿では,その実現上必要となる処理性能と消費電力のモデリングについて述べる.With increasing costs of energy consumption and cooling, power management in Web server clusters has become an increasingly important design issue. Current Web server clusters are designed to handle peak loads, where all servers are fully utilized. But in practice, peak load conditions rarely happen and servers are most of the time underutilized. We, so far, proposed a low power cluster-based Web server, which is reconfigured to reduce power consumption by adjusting the number of nodes and clock frequency of each node according to load conditions. In this paper, we describe power-performance modeling in cluster-based Web servers.
著者
中村 哲子
出版者
駒澤大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011-04-28

1801年にアイルランドは政治的にイギリスの傘下に入り、以降、アイルランドの作家はアイルランド性を色濃く打ち出した小説を広くイギリス読者に向けて発表していく。プロテスタントの作家だけでなく、1820年代以降はカトリック出身の作家の活躍も顕著となる。こうした中で、イギリスからの旅行者がアイルランドの実態を語る旅行記を数多く発表するようになる。小説と旅行記を読み解くことから、イギリスとアイルランドの双方の視点から見るアイルランド性の諸相を浮彫にした。
著者
中村 豊
出版者
宮崎大学
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2008

【目的】2007年度科学研究費補助金を受け、生鮮食品の品質管理用小型温湿度記録装置が、動物陸送時の微環境温湿度の経時的モニタリングに有効であることを実証した。今回は、この装置を用いて長距離空輸される動物に及ぼす輸送箱内温湿度の影響を検討する。【方法】小型データロガー「ハイグロクロン(Dallas Maxim USA)」を用いて、動物輸送時の空調車内部と空港内荷物保管室、機内貨物室の輸送箱外部、および輸送箱内部の温湿度を測定記録する。動物輸送は静岡県厚木市から宮崎県清武町まで陸送と空輸で所要時間約25時間である。この間車内温度は15℃、機内貨物室は25℃前後に設定し、測定間隔は5分とした。【結果】測定は20年9月2日、9日(夏季)および21年1月13日、27日(冬季)に行った。1.記録された夏季と冬季の荷物保管室、機内貨物室の平均箱内温度は25.4±3.0℃、27.7±1.8℃、および15.3±3.6℃、25.5±5.4℃であった。2.平均箱内湿度は92±3.6%、83.5±3.9%、および85.2±11.7%、72.6±16.2%であった。【考察】空港到着後の平均箱内温湿度を陸送時と比較すると、夏季温度は荷物保管室、機内貨物室で上昇するが、冬季では荷物保管室で降下し機内貨物室では上昇することが示された。陸送中の箱内湿度は高めであるが、荷物保管室の箱内湿度は夏季でさら上昇し、冬季ではほぼ同じ湿度を保ち、機内貨物室では夏季、冬季ともに降下することが示された。動物を空輸する場合、空港に到着した輸送箱が荷物保管室や機内貨物室に置かれている短い時間に、急激な温湿度変化で箱内温湿度環境が悪化し、輸送動物に大きな影響を与えることが示唆された。以上より長距離空輸する際、ウサギ等の高温多湿に弱い実験動物輸送には充分な配慮が必要であることが判った。
著者
伊藤 太一郎 中村 孝 神澤 公 藤村 紀文
出版者
大阪府立大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
1996

次世代の強誘電体不揮発性メモリーとして嘱望されている、MFS型FETの実用化に向けた検討を行った.現在我々が提唱しているMFS型FETのための物質は、YMnO_3であるが、実用化に向けていくつかの問題点が生じていた.大きなリ-ク電流、小さな残留分極である.この原因を探るために、様々な角度から検討を行った.単結晶上やPt基板上に作成されたYMnO_3薄膜はデバイスとして十分に機能する0.2μC/cm^2程度の残留分極値を示すが、Si直上に成長させた試料においては結晶性が悪く残留分極を示さなかった.いくつかの界面修飾を検討した結果、還元のY-Mn-OやY_2O_3が界面層として結晶性の向上に効果があることがわかった.これらの界面層を付加することによって、Si表面のキャリアを制御できることが確認された.そのときのメモリーウインドウ幅は1.1Vであった.これらの試料を用いて詳細なC-V特性、パルス特性等の電気特性の検討を行った結果、MFS型FETの基本的な動作は確認されたもののいくつかの問題点を明らかにすることができた.一番大きな問題点は保持特性が悪いことである.リ-ク電流が原因と考えられる.そこでパルク試料を用いてリ-ク電流の原因を探った.その結果、リ-ク電流はMnの価数揺動に起因しており、またそれはAサイトをYbと置換すること、Zrのド-ピングによって低減することが明らかにされた.また、AサイトのYB置換によってプロセス温度の低下が確認された.YbMnO_3Zrの薄膜化の検討を始めたところであるが、RMnO_3を用いたMFS型FETデバイスは実用化へ大きく前進した.
著者
片野 修 中村 智幸 山本 祥一郎
出版者
公益社団法人日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.69, no.5, pp.733-737, 852, 2003-09-15
被引用文献数
2 5

水槽内でブルーギルに捕食されるモツゴの個体数および最大体長を調べた。初期標準体長が2.5〜7.9cmの生きたモツゴ15個体と,標準体長5.7〜14.3cmのブルーギル1個体を水槽に収容し,ブルーギルによるモツゴの捕食を10日間調べた。体長5.7cmの1個体を除くすべてのブルーギルがモツゴを捕食した。ブルーギルに捕食されたモツゴの最大体長および総重量はブルーギルの体長と相関し,1個体のブルーギルは最大で1日あたり5.8g(ブルーギルの体重の5.6%)のモツゴを捕食した。
著者
谷本 茂明 島岡 政基 片岡 俊幸 西村 健 山地 一禎 中村 素典 曽根原 登 岡部 寿男
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 B (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.J94-B, no.10, pp.1383-1388, 2011-10-01

全国大学共同電子認証基盤(UPKI)プロジェクトでは,大学間PKI連携及び構築コスト削減等を実現するキャンパスPKI共通仕様を新たに開発した.本仕様が,PKI連携とコスト削減を同時に満足し,キャンパスPKI普及促進に寄与することを示す.
著者
島岡 政基 片岡 俊幸 谷本 茂明 西村 健 山地 一禎 中村 素典 曽根原 登 岡部 寿男
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 B (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.J94-B, no.10, pp.1246-1260, 2011-10-01

国立情報学研究所(NII)では,平成17年度より大学間連携のための全国共同電子認証基盤(UPKI)の構築を行ってきた.UPKIは,コンピュータや学術コンテンツ等を大学間で安全・安心かつ効果的に共有し活用するための基盤として,PKI(公開鍵認証基盤)を中軸に利用者や利用機関の認証とサービスの認可の機能を提供する.本論文では,学術機関における認証の必要性と制約,対象とするサービスの多様性,既存の各種認証基盤との整合性などを考慮して設計した3層(オープンドメイン層,キャンパス層及びグリッド層)のPKIからなるUPKIの基本アーキテクチャについて解説するとともに,設計方針に基づく各層の実装及び連携方法などについて述べる.
著者
大嶋 光子 中村 真規子
出版者
学校法人 天満学園 太成学院大学
雑誌
太成学院大学紀要 (ISSN:13490966)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.109-118, 2009

これまでの認知症ケアにはこれといった理念や具体的方法が示されておらず,場当たり的な対処または経験によって伝承されてきた経過がある。その結果,さまざまな形で表れる症状の改善がみられず,一層悪化するという悪循環に陥ることがわかっている。BPSDはケアを写す鏡と言われる。認知症ケアは言語で表出することが困難となった認知症の人の心理的理解を図らなければならない。そのためにもケアする側が他者(認知症の人)の立場を理解し,寄り添わなければならない。その理念または一方法として,人としての尊厳を守るうえからもパーソン・センタード・ケアが有効である。これまでの既存のサービスを提供するといった一方的なケアのあり方だけでなく,共にパーソンフッドを高めあうことが今後のケアの充実につながる。
著者
河田 岳大 工藤 峰一 外山 淳 中村 篤祥
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.88, no.3, pp.629-635, 2005-03-01

OCRなどを通して得られる日本語文の認識結果において, N-gram確率を利用した高速な誤認識文字検出法を提案する.日本語のように単語が分かち書きされず大規模な語彙を対象とした場合, 誤り個所の指摘に文字N-gramは有効な方法である.本論文ではまず, 通常のN-gram確率の拡張として両方向N-gram確率を提案し, その有効性を情報量の点から考察する.次に, 両方向N-gram確率と文脈確率を用いて1文字の誤字を検出する方法を提案する.シミュレーション実験では, 適合率80%において従来法よりも10%以上高い約75%の再現率を達成できた.また, 誤り範囲の指摘という点では, 適合率80%で再現率90%が達成された.
著者
中村 正孝 山根 孝二 高山 一男
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会ソサイエティ大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1995, 1995-09-05
被引用文献数
4

ピッチ抽出は音声の分析合成系や音声強調において重要であり,今日までもいろいろな方法が提案されている.これらピッチ抽出法は大別すると,彼形処理法,スペクトル処理法,相関処浬法がある.本文では,時間波形の中のほぼ音源特性に相当する部分を強調する波形処理によるピッチ抽出について述べる.
著者
佐宗 晃 中村 尚五
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. A, 基礎・境界 (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.80, no.11, pp.1848-1856, 1997-11-25
被引用文献数
8

音声のピッチ抽出が困難であるとされてきた一つの要因に, その変化が非定常で広範囲にわたることが挙げられる. 従来法の多くは固定幅の解析フレーム内で音声が定常的であると仮定しているため, 本質的に抽出誤差を生じてしまう. これを改善するために時間-周波数平面上で解像度を動的に変化できるウェーブレット変換をピッチ抽出に応用する試みがなされている[5], [6]. 本論文では, サブバンドフィルタバンクで効率的に計算できる離散ウェーブレット変換を, 基本波フィルタリングに用いたピッチ抽出の実現法を提案する. サブバンドフィルタバンクは内部でダウンサンプリングを行うので, 基本波フィルタリングの際にエイリアスが間題になる. 提案法では, 入力信号のスケーリングにより, エイリアス問題を回避する. コンピュータシミュレーションでは, 第3高調波まで加え, 時間的変化が高周波になるほど早くなるように, ピッチ周波数を指数的に増加させて合成した試験信号と, 実際の音声に対して行った. 試験信号の場合は, ピッチ周波数によらず誤差率約±2%内で検出できていることが確認できた.
著者
中村 重穂
出版者
北海道大学留学生センター
雑誌
北海道大学留学生センター紀要
巻号頁・発行日
vol.11, pp.56-75, 2008-03

小論は、2002年度目本語教育学会春季大会シンポジウムに端を発する安田敏朗と松岡弘の「論争」を批判的に検討したものである。松岡は、安田が日本語教育史研究の「これから」に対して行った批判に反批判を加え、コメニウスと山口喜一郎の言語教育観・教授法の類似性を根拠に言語教育の普遍性を主張し、日本語教育を論難する安田に反論する。しかし、筆者は、この反論に於ける松岡による安田の見解の不当な矮小化、歴史的文脈を無視したコメニウスと山口の対比の不的確性、松岡のテキスト解釈の狭さを指摘し、さらに、こうした松岡の解釈が安田や、同様に日本語教育を批判する駒込武に対する"報復感情"に起因することを批判した。また、松岡や関正昭の駒込・安田批判が、日本語教育の部外者に向けられながら内部者には為されない不徹底さを指摘し、その閉鎖的な体質を批判するとともに、歴史研究者からも学ぶこと及び日本語教育に無理解な言説に対する批判の必要性を提唱した。
著者
大山 重信 立山 冬子 中村 希求子
出版者
鹿児島県立短期大学
雑誌
鹿児島県立短期大学紀要. 自然科学篇 (ISSN:02861208)
巻号頁・発行日
vol.45, pp.25-33, 1994-12-15

Preference of "karukan", "harukoma", "akumaki", "bontan-zuke", "chosen-ame", "kasutera", "yokan", "hakata-senbei", and "hiyoko" has been studied with the itemized list of Table 1 in 1985 and 1986. The students majoring in food and nutrition science served as panel. 1. The above mentioned nine kinds of confectionery were evaluated with a nine-graded hedonic scale, and obtained results were shown in Fig. 1. Putting the results of 1985 and 1986 together, "karukan", "hiyoko", and "hakatasenbei" were the best preferences. "Bontan-zuke" was the worst. 2. Preference of "karukan" was evaluated with a nine-graded food action rating scale. Results of evaluation was expressed in Table 2,and "karukan" was indicated to situate in the middle of likes and dislikes. 3. Five kinds of "karukan" (AO, FU, ED, AK, NA) were evaluated with a sevengraded quality judgement scale. Results of evaluation on appearance, color, odor, palatability, sweetness, and comprehensive taste of the "karukan" samples with the scale were shown in Table 3 and 4. Results of judgment of allcomprehensive ranking were given in Table 5 and 6. Thinking of those data collectively, comprehensive ranking was considered as follows ; AK and NA were in the first rank, AD and ED were in the second, FU was in the last.
著者
班目 春樹 木村 浩 古田 一雄 田邉 朋行 長野 浩司 鈴木 達治郎 谷口 武俊 中村 進 高嶋 隆太 稲村 智昌 西脇 由弘
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

わが国における原子力開発利用の歴史はおよそ半世紀になる。この間、わが国における原子力規制はその規制構造を殆ど変えることなく今日にいたっている。このため、現在の原子力規制は合理性・実効性を欠き、信頼醸成を阻害する原子力システムをもたらしている。そこで、本研究では、原子力安全規制に関する知的インフラに関連する論点に焦点をあてて分析を実施し、原子力規制に関する適切なガバナンスを実現するためのフィールドの創出と論点の整理・政策提言を行った。
著者
伊達 進 奥村 利幸 秋山 豊和 下條 真司 松田 秀雄 中村 春木
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.44, no.6, pp.601-607, 2003-06-15
参考文献数
5
被引用文献数
2

バイオグリッドプロジェクトは文部科学省のITプログラム「スーパーコンピュータネットワークの構築」として平成14年から5カ年計画で始まったプロジェクトである.
著者
中村 泰久
出版者
福島大学
雑誌
福島大学教育実践研究紀要 (ISSN:02871769)
巻号頁・発行日
vol.38, pp.31-38, 2000-06