著者
金子 努 柴田 知久 中村 克彦
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.51, pp.207-208, 1995-09-20

コンピュータ囲碁において石のグループの死活を判定する問題はきわめて重要である.死活の判定を高速に行うためには,ゲームの木の探索によらず,個々の石とその接続に開する局所的な性質から決定する必要がある.このような方式としてBenson[1]による静的活き判定アルゴリズムが知られている.この報告では,グラフ理論的アプローチによる眼の個数の判定法について述べる.ある石のグループが生きるためには,一般にこれらの石が連結され,2眼をもつことが必要である.本方法では,連結したグループの石の個数および各石の隣接接続数などから簡単な算術演算により空所をもつループ(以下,空ループと呼ぶ)の個数を求めることができ,これから眼の個数が推定できる.
著者
古川 まき 鈴木 泰博 中村 純 森 敏彦
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告数理モデル化と問題解決(MPS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.85, pp.43-46, 2008-09-11

ミツバチの集団的知性 (Collective Intelligence) の代表的な例として、巣内の蜂蜜需要量に応じた労働調整がある。明確な言語などの情報伝達なしに採蜜蜂が適切な労働調整を行う挙動は以前から注目されていたが、蜂蜜の必要量が巣のミツバチの個体数や季節、時間帯、そのときの貯蔵量など考慮すべき点が多く複雑なため今までモデル化が行われていない。本研究では、巣の中の限られた少数の貯蜜用空き巣穴を対象とし、採蜜蜂から受け取った蜜を貯蔵蜂が空き巣穴を探しあてて貯蔵する素過程に絞ってコンピュータシミュレーションした。本報告はこのモデルが現実の蜜蜂の採蜜・貯蜜行動の連携行動を表現するに有効であるということを示すものである。It is well known that labor quantity is controlled depending on amount of demanded honey as a typical example of a collective intelligence of honey bee. It has attracted attention long before this is conducted without any information media such as a language, but a modeling of this labor control has not been carried out because there are many complicated things to be considered. In this paper, for simplicity a few limited hoarding cells are treated and the thing simulated by a computer is restricted that a field workers has picks nectar from a flower, gives it to an inside bee and a latter see looks for and hoards to a cell
著者
中村 吉明
出版者
研究・技術計画学会
雑誌
年次学術大会講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.24, pp.880-883, 2009-10-24

一般講演要旨
著者
源河 直也 横山 節雄 中村 直人 山田 朗
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.95, no.55, pp.21-26, 1995-05-20
被引用文献数
2

前回,東京学芸大学における教育環境とそれら資源を活用するための情報教育の必要性について述べた.それに基づき,筆者等は,WWWとそのブラウザーであるMosaicを用いた教材を開発したことについても述べた.本報告では,前回報告を行わなかった東京学芸大学教育情報科専攻のカリキュラム構成について述べ,次に,カリキュラムの導入段階の考え方について述べる.最後に,電子教科書を用いた情報科学概論と演習の構成を紹介する.
著者
中村 義人 田村 亮 関谷 和之
出版者
公益社団法人日本オペレーションズ・リサーチ学会
雑誌
オペレーションズ・リサーチ : 経営の科学 (ISSN:00303674)
巻号頁・発行日
vol.51, no.6, pp.319-327, 2006-06-01

W杯の地域ブロックの割当出場枠を各国代表チームの強さのランキングに基づき,ランキングへの整合性と競争的(民主的)配分との観点から議論する.各国代表チームのランキングはFIFA公表のランキングを用いるとともに,独自に集計したデータからBradley-Terry modelに基づき最尤法と最小χ二乗法で導出したランキングを用いる.第18回W杯後,オーストラリアがアジア地域に加入することが決定している.オーストラリアのアジア加入で生じる地域ブロック再編にともなう出場枠に関して述べる.
著者
田村 孝之 中村 稔 喜連川 優 高木 幹雄
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.45, pp.189-190, 1992-09-28

スーパーデータベースコンピュータ(SDC)は,現在我々が開発中の高並列関係データベースサーバである.SDCは,数台(4~6台)のマイクロプロセッサと磁気ディスク装置とを共有バスで密結合して処理モジュールとし,さらに複数の処理モジュールをネットワークで疎結合したハイブリッドアーキテクチャをとる.また,結合演算に対するアルゴリズムとして,"バケット分散GRACEハッシュ"法を採用し,これをハードウェアで支援するために,"バケット平坦化機能"を有するオメガネットワークの提案がなされている.このネットワークは,各スイッチ素子自体が局所的な履歴に基づいて適応的なルーティングを行ない,競合によるスループットの低下と処理モジュール毎の負荷の偏りに起因する性能向上の限界とを同時に解決することを目指したものであり,その有効性はすでにシミュレーションにより確認されている.また,バケット平坦化機能にはこれまでにいくつかの拡張が施されてきたが,処理モジュール数はネットワークの大きさに等しいと仮定され,ネットワークの性質から2^nに限られてきた.しかし,各処理モジュールの故障に対するロバスト性を向上させ,また,処理の規模に応じて徐々にシステムを拡張できるようにするには,任意のモジュール数が許されることが望ましい.そこで今回,これまでの制限を除き,ネットワークの大きさと異なる任意数の処理モジュールの間で負荷分散を可能にするアルゴリズムを開発した.本論文では,この新たなアルゴリズムを用いた時のネットワークの動作特性を,シミュレーションによる解析結果に基づいて述べる.
著者
中村 尚弘
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会構造系論文集 (ISSN:13404202)
巻号頁・発行日
vol.68, no.567, pp.63-70, 2003
被引用文献数
9 3

In order to perform time history earthquake response analyses in consideration of both the dynamic soil-structure interaction and the nonlinear behavior of the structure, it is important to transform the soil impedance in the frequency domain to an impulse response in the time domain. The author have studied the time domain evaluation of soil impedance, and proposed a transform method. In this paper, deeply embedded structures in the layered soil were investigated based on embedded SR model. The strong frequency dependent soil impedance was transformed to the impulse response, and earthquake response analyses were carried out in the time domain. The efficacy of the proposed method was confirmed through these studies.
著者
蔵野 和彦 後藤 四郎 中村 幸男 早坂 太 櫻井 秀人 鴨井 祐二 川崎 健
出版者
明治大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2003

Serreは非特異代数多様体上の二つの閉部分多様体に対して交点数を代数的に定義した。それを非特異ではない代数多様体上に拡張しようという試みは1970年代から考えられてきた。しかし、それは、1980年代にDutta-Hochster-MacLaughlinにより発見された例によって、そのままではうまくゆかないことがわかった。長い間、前述の例は、非常に悪い例であると認識されてきた。しかし、代数的K-理論の発展に伴い、Levin, Roberts, Srinivasは、そのようなことは、非常に自然に起こりうることであることを発見した。本研究により、そのような現象のおこる度合いと、代数サイクルの理論の中での最も重要な予想であるスタンダート予想と関連があることがわかった。もう少し詳しく述べると、体上非特異な射影多様体上ではサイクルの交点数が定義でき、それによってChow環上に数値的同値という同関係が定義できる。ここでは、そのような議論をネーター局所環のChow群やGrothendieck群上で行い、数値的同値をその上で定義して、それて割ることによりラティスが出てくることを示して、基本的な性質を調べた。正規射影多様体の因子類群と、その(正規な)斉次座標環の因子類群の関係を一般化した公式を証明した。これにより因子類群が有限生成自由アーベル群であるような正規射影多様体の全座標環は素元分解環であることが証明できた。正規局所環のフロベニウスのdeterminant射の像と標準加群のdeterminant射の像の関係式を発見した。これによって、ヒルベルト・クンツ関数の第二係数に関する消滅定理か証明できた。
著者
富山 祥瑞 松尾 久徳 中村 憲市 濱砂 清 久原 正 今津 政信
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究作品集 (ISSN:13418475)
巻号頁・発行日
vol.8, no.8, pp.54-59, 2003-03-30

「パークコミュニティー桜の里」は、長崎市北西部の新しい臨海都市・三重地区に開発された、海を望む眺望の約1036区画のニュータウンである。事業主はこの開発のために設立された桜の里パークタウン開発株式会社である。造成着工は1997年9月で、東エリアが造成を完了した2000年3月に街開きをした分譲3年目の街である。この「パークコミュニティー桜の里」が長崎の他のニュータウンと大きく異なるところは、開発関係者が統一したデザイン思想を持ち、この思想が造成計画の段階から導入されたところにある。本稿は、この開発コンセプトの導入事例とその成果を披露する。
著者
山根 克 中村 仁彦
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
ロボティクス・メカトロニクス講演会講演概要集
巻号頁・発行日
vol.2000, 2000

ヒューマノイド, CG中のキャラクタなどのヒューマンフィギュアは, 人間とインタラクションを持ちながら動作を生成していくことが求められる。しかし, 従来の研究はオフラインの運動生成が中心であった。本論文では, ヒューマンフィギュアの運動生成のために筆者らが提案している力学フィルタを応用し, インタラクティブに外力などを加えながら多様な動作を生成する方法について述べる。
著者
董 彦文 中村 塁 北岡 正敏 太田 宏
出版者
社団法人日本経営工学会
雑誌
日本経営工学会論文誌 (ISSN:13422618)
巻号頁・発行日
vol.48, no.1, pp.17-24, 1997-04-15
被引用文献数
2

現実のスケジューリング問題では, 作業時間が正確に決められない場合が多い.不確かな作業時間をファジィ数として取り扱うことによって, 人間の主観的判断に合致しており管理者により理解しやすい解は得られるが, ファジィ数の演算を導入することが必要となり, いろいろな計算上の問題が生じる.そこで, 本論文では, 非一様型並列機械スケジューリング問題を対象として, 作業時間が三角型または台形型ファジィ数であるファジィスケジューリング問題を解決する簡便解法を提案した.つまり, 与えられたファジィスケジューリンダ問題の中で, 各々のファジィ作業時間をその一般化期待値GMV(Generalized Mean Value)値で置き換えて非ファジィのスケジューリング問題を生成し, この非ファジィの問題の最適(良)解を求めることによって, 与えられたファジィスケジューリング問題の最適(良)解を得ることができることを示した.また, 計算例を通じて提案解法の有効性を確認した.
著者
坂口 けさみ 大平 雅美 芳賀 亜紀子 島田 三恵子 徳武 千足 湯本 敦子 金井 誠 市川 元基 馬場 淳 上條 陽子 楊箸 隆哉 中村 友彦 近藤 里栄
出版者
信州大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

正期産母子に対する分娩直後のカンガルーケアの実態について、全国の産科医療機関を対象に質問紙調査を実施した。カンガルーケアは全国の約70%の施設で導入されていたが、実施方法や実施の基準は施設によってそれぞれ異なっていた。そこで、カンガルーケアを安全にかつ快適に実施するための指標を得ることを目的に、カンガルーケア中の児の安全性について呼吸・循環機能から検討するとともに、快適性について児の自律神経機能を用いて解析した。カンガルーケア中、児の呼吸機能や循環機能は安定しており、カンガルーケアの児の安全性が確認された。またカンガルーケアが児にとって快適であるかどうかは、母親の分娩経過の影響を強く受けていることが明らかとなった。
著者
中村 登志哉
出版者
県立長崎シーボルト大学
雑誌
県立長崎シーボルト大学国際情報学部紀要 (ISSN:13466372)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.199-212, 2005-12-20

The triangular relationship between foreign and security policy, mass media and public opinion has increasingly drawn attention of scholars; Yet few research has been conducted in this regard. This study thus discusses Japanese foreign and security policy making process in the wake of the Gulf Crisis/War in 1990/91, in particular the miscarriage of the United Nations Peace Cooperation Bill. The study examines three issues: what did Japanese mass media consider newsworthy in the wake of the Gulf Crisis? In contrast, what did overseas media report on the matter? How did Japanese media influence public opinion as well as foreign and security policy making? Finally, it aims to identify the interrelationships between foreign and security policy making process, mass media in Japan and overseas and public opinion.
著者
今井 知正 中村 秀吉 (1985) 丹治 信春 野家 啓一 村田 純一 大庭 健 藤田 晋吾 土屋 俊 長岡 亮介
出版者
千葉大学
雑誌
総合研究(A)
巻号頁・発行日
1985

われわれの研究課題は「現代科学哲学における実在論と反実在論」であったが, われわれは三年間の研究を通じ, 個別的な論点はともかく, この研究課題についての次のような全体的な概観を得ることができた.レーニンの『唯物論と経験批判論』を今世紀の実在論のひとつの出発点として取り上げることができる. 彼は「宇宙は人間が存在する前から存在していた」「人間は脳なしで思考することはできない」という二命題を不可疑とみて, 観念論に対する唯物論を擁護した. しかし, フレーゲとウィトゲンシュタインに端を発する論理的実証主義の言語論的展開は言語を哲学の中心に据えることによって, 〈物質-精神〉の枠組をたんなるひとつの哲学問題としての地位にまで引き下げたのである. 超越的実在を語ることも超越的観念を語ることもわれわれに理解可能な言語を越えることであるから, 従来の実在論と観念論の対立は無意味となった. だが, 論理実証主義の言語論的展開もまた不徹底をまぬかれなかった. そしてタメットが二値原理を基準にして実在論と反実在論を定式化したときにはじめて〈物質-精神〉の枠組自体が撤去され, それに代わって古典論理と直観主義論理の対立が実在論論争の全面に現われてきた. 彼は, われわれの言語の論理を二値原理の貫徹する古典論理であるとすることに疑問を提起し, 二値原理を保持する実在論は幻影ではないかと主張した. 要するに, 〈物質-精神〉の枠組が〈世界-言語〉の枠組に取って替わられたとき, 実在論は劣勢に回ったのである. ダメットの提起した論点はなお検討に値する点を多く含んでいるが, 一言でいってわれわれは, 実在論と反実在論の対立の根本問題が指示の理論における言語の役割と言語理解の問題にあると結論することができる. そしてこれはまたわれわれの研究の次の課題でもあるのである.