著者
井上 信宏 中島 りり子 山内 理恵 大野 修司 久保 元 浅井 和範
出版者
一般社団法人 日本薬学教育学会
雑誌
薬学教育 (ISSN:24324124)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.2018-042, 2019 (Released:2019-06-08)
参考文献数
21

本研究では,薬学部6年生に対する改変型team-based learning(m-TBL)の成績向上効果を検討することを目的として,病態・薬物治療分野の問題を用いるm-TBL演習を実施した.従来のTBLと異なり,個人及びグループテストには難易度が同等になるように調整したそれぞれ別の問題セットを用いた.その結果m-TBL演習を行った試験群では,グループテストの得点が個人テストと比較して有意に高かった.また試験群と,同一課題を自主学習する対照群との,演習期間前後の試験成績を比較した結果,その得点向上率は試験群の方が有意に大きかった.さらにアンケートの顧客満足度分析の結果から各試験の難易度は同等と評価され,因子分析の結果と試験成績から,TBLに期待している学生ほど成績が高いことが明らかとなった.以上のことから,m-TBLが6年生の成績向上に効果的であることが示された.

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著者
大久保 洋子
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
調理科学 (ISSN:09105360)
巻号頁・発行日
vol.27, no.2, pp.158-161, 1994-05-20 (Released:2013-04-26)
参考文献数
3
著者
馬塲 美年子 一杉 正仁 大久保 堯夫
出版者
公益財団法人大原記念労働科学研究所
雑誌
労働科学 (ISSN:0022443X)
巻号頁・発行日
vol.89, no.1, pp.12-17, 2013 (Released:2014-09-25)
参考文献数
21

交通事故の原因の約1割は,運転者の体調変化に起因すると言われており,今後の効果的予防策として,運転者の体調管理が挙げられる。特に,規制緩和の影響などにより労働環境が厳しい状況にあるタクシー業界では,運転者の高齢化も顕著であり,他の事業用自動車の運転者より,健康起因事故の発生率が高い。タクシー運転者では,脳血管疾患や心疾患の危険因子を持つ人が多いことが指摘されてきた。タクシー運転者の健康起因事故を予防するために,事業者と運転者,産業医の連携が必要であると思われる。さらに,業界や国などによる健康管理へのサポート制度の導入などが望まれる。(図4)
著者
久保井理津男著
出版者
創文社
巻号頁・発行日
2002
著者
大久保 正彦 稲垣 成哲 竹中 真希子 黒田 秀子 土井 捷三
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.28, no.suppl, pp.189-192, 2005-03-20 (Released:2016-08-01)
参考文献数
3
被引用文献数
15

本研究では, カメラ付き携帯電話を利用した協調学習支援システムを開発し, その授業実践への利用可能性を評価した.本システムは, カメラ付き携帯電話で撮影された写真を随時自動的にウェブに掲載・公開するとともに, 検索・編集を可能にするものである.小学校1年生及び現職教員を対象とした評価実験における質問紙調査の結果, 小学校1年生において本システムの操作が可能であるとともに, 本システムを利用した学習活動への興味が高いことなどがわかった.現職教員からも小学生と同様に肯定的な評価を得ることができた.また, 現職教員の自由記述の回答からは, 通信コストなどのいくつかの問題点が指摘されたものの, 本システムの授業実践への有効性として, 簡便性, 情報共有とコミュニケーションの活性化などが示唆された.
著者
久保 富夫
出版者
一般社団法人 軽金属学会
雑誌
軽金属 (ISSN:04515994)
巻号頁・発行日
vol.1956, no.20, pp.118-122, 1956-08-31 (Released:2008-10-30)
著者
松原 孝祐 Thunyarat CHUSIN 大久保 玲奈 小川 善紀
出版者
日本保健物理学会
雑誌
保健物理 (ISSN:03676110)
巻号頁・発行日
vol.53, no.4, pp.238-246, 2018 (Released:2019-03-03)
参考文献数
39

Evaluation of radiation dose from medical exposure is important because the use of ionizing radiation in medical field contributes significantly to the exposure of the population. In plain radiography, the entrance skin dose, which is absorbed by the skin as it reaches the patient, is generally estimated. It is calculated from the air kerma at the same focus skin distance on the beam central axis measured with a dosimeter. In fluoroscopy, the indirect monitoring using dose-area product meter is generally performed for estimating the entrance skin dose in real-time to avoid skin injuries. In mammography, the average glandular dose is estimated because mammary glands have more sensitive to radiation than skin. The European Organization for Quality-Assured Breast Screening and Diagnostic Services protocol has been used to estimate average glandular dose from full-field digital mammography in Japan. Although volume CT dose index or dose-length product, as seen on CT consoles, do not represent the actual dose for the patient, they are measured to assist in quality control and optimization as well as the air kerma rate at the patient entrance reference point in fluoroscopy and the average glandular dose in mammography. For the purpose of patient dose evaluation, physical dose measurements using an anthropomorphic phantom and Monte Carlo simulations can estimate patient organ doses from medical exposure.
著者
川上 麻衣 清水 裕毅 久保田 由美子
出版者
日本皮膚科学会西部支部
雑誌
西日本皮膚科 (ISSN:03869784)
巻号頁・発行日
vol.81, no.2, pp.120-124, 2019-04-01 (Released:2019-05-20)
参考文献数
23
被引用文献数
1

症例は 50 歳,女性。左下腿の虫刺様皮疹に対し市販外用薬を塗布していたが,同部が潰瘍を伴う隆起性病変となったため,1 カ月後,当科を受診した。初診時,左下腿内側に径 3 cm の黄色痂皮が付着した隆起性潰瘍病変を認め,ヨードコート®軟膏外用を開始したが悪化したため,壊疽性膿皮症などを疑った。血液検査で血清クロール濃度(Cl)が 156 mEq/l(正常:98∼108 mEq/l)と異常高値であったが,4 年前から高 Cl 血症であったことが判明した。詳細な問診の結果,約 10 年間,慢性頭痛に対してブロモバレリル尿素含有の市販鎮痛薬(ナロン®顆粒)を内服していることが判明した。臭素摂取過量による偽性高 Cl 血症を呈したと考え,血中臭素濃度を測定したところ 500 mg/l(正常 5 mg/l 以下)と中毒域であった。皮疹辺縁部の皮膚生検では表皮は偽癌性増殖を呈し,真皮内には膿瘍形成を認め,臭素疹と確定診断した。 その後,ナロン®顆粒の内服を中止したところ速やかに Cl は正常化し,皮疹も色素沈着となり軽快した。 軽微な外傷から生じた難治性の潰瘍病変は壊疽性膿皮症などをまず考えるが,臭化物の内服歴や高 Cl 血症を確認し,臭素疹を鑑別に入れる必要がある。
著者
日下 博幸 猪狩 浩介 小久保 礼子 佐藤 拓人 ドアン グアン ヴァン
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
E-journal GEO (ISSN:18808107)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.180-196, 2019 (Released:2019-07-03)
参考文献数
58
被引用文献数
1 1

本研究は,商業地,住宅地,緑地という異なる土地利用を1~2 km以内に有する東京都渋谷区を対象に,土地利用や人間活動の違いが気温とWBGTの非一様性の形成に及ぼす影響を観測によって明らかにした.観測結果から,日中では,住宅地の気温が商業地に比べてやや高く,緑地が最も低いことが明らかとなった.夜間は,商業地の気温が最も高く,緑地が最も低かった.また,緑地では夜間に接地逆転層が認められる一方で,商業地では夜間に少なくとも観測範囲内(地上から高度33 mまで)では絶対不安定となっていた.熱画像観測は,昼夜を問わず,商業地と住宅地で同程度の表面温度であることを示した.これらの結果は,商業地の大きな表面積・建物体積・熱容量による大きな熱慣性と人工排熱によると考えられる.この結果は,多層都市キャノピーモデルを用いた数値実験からも支持された.WBGTの場合は,気温とは異なり,商業地と緑地で大きな差はなかった.これは,緑地の高い湿度が原因であることが分かった.
著者
大久保 理恵 永島 實 稲葉 頌一
出版者
一般社団法人 日本輸血・細胞治療学会
雑誌
日本輸血細胞治療学会誌 (ISSN:18813011)
巻号頁・発行日
vol.62, no.3, pp.441-450, 2016-06-30 (Released:2016-07-15)
参考文献数
15

ヘモグロビン(Hb)低値で不採血となった献血希望者の鉄不足量を評価し,貧血の改善方法を検討した.本研究へ同意したHb低値者より6 ml採血し,フェリチン,TIBC,血清鉄,可溶性トランスフェリンレセプター(sTfR)を測定した.鉄不足の評価方法として,フェリチン値12 ng/ml未満をAIS,Log10(sTfR/フェリチン)>2.07をIDEとした.さらに400 ml献血可能Hb値までに必要な鉄量を計算した.なお,検査結果を本人に通知し,貧血程度の把握及び健康管理による貧血の改善を促した.フェリチン値正常者には現病歴,スポーツ歴等のアンケート調査も行ない,さらに58名にsTfRを除く3項目の検査を行った.4項目の検査を行った80名のうち,AIS67名IDE67名(重複66名)だった.58名も加え,対象者138名中AIS81%,不足鉄量200 mg以上28%,鉄欠乏と考えにくい者18%という結果が得られた.約8割がAISであり,鉄欠乏状態が高度であった.今後,鉄分摂取のより丁寧な指導と可能ならばフェリチン測定も必要と考えた.また200 mg以上の鉄が不足している者には医療機関受診を勧めることとした.一方スポーツ貧血も問題であることもわかった.
著者
西野 琢也 山出 宏一 吉岡 正和 我嶋 晋太郎 川久保 淳司 髙橋 精一郎 森田 正治
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.31, no.2, pp.183-188, 2016 (Released:2016-04-29)
参考文献数
21
被引用文献数
1

〔目的〕スタティックストレッチング(SS)と圧迫刺激による腓腹筋形状および足関節背屈可動域への影響を検討した.〔対象〕健常成人60名とした.〔方法〕刺激はSS群,圧迫群,併用群の三群とした.超音波診断装置とデジタルカメラ,筋弾性計を用いて計測された足関節背屈可動域,筋束長,筋腱移行部(Muscle Tendon Junction;以下,MTJ)の移動量,スティフネス,筋弾性を計測し三群間で比較した.〔結果〕足関節背屈可動域,筋束長,筋弾性は三群の平均に有意な差はないが,MTJの移動量はSS群より併用群で高い値を,スティフネスは併用群のみ刺激後に低い値を示した.〔結語〕SSと圧迫刺激の併用は,神経生理学的,力学的な要素の相乗効果により効率的に筋伸張性や柔軟性の向上を計ることができる.
著者
久保 勝裕 西森 雅広 加藤 健介
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.44.3, pp.547-552, 2009-10-25 (Released:2017-01-01)
参考文献数
2

北海道の鉄道は、廃線により大きく減少した。廃線から約20年が経過し、現在の旧駅周辺地区の実態を検証する必要がある。本論では、都市構造と廃線後の跡地活用との関係から、旧駅周辺地区の実態を明らかにする。研究対象は、52の廃線自治体であり、アンケート調査を実施した。分析の結果、かつて駅と商店街が近接していた中規模以上の廃線自治体において衰退が特に顕著であり、駅舎跡地に集客施設を導入しても、駅の代替施設になりえていない実態などが明らかになった。
著者
渡邊 晶規 細 正博 由久保 弘明 松崎 太郎 小島 聖
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.24, no.3, pp.403-409, 2009 (Released:2009-07-24)
参考文献数
38
被引用文献数
1 1

〔目的〕拘縮後のストレッチが関節包に及ぼす影響を病理組織学的に検討すること。〔方法〕9週齢のWistar系雄ラット14匹を用い,通常飼育のみを行う正常群,ギプス固定のみを行う拘縮群,固定後4週間の通常飼育を行う非治療群,固定後4週間ストレッチを行う治療群の4群にわけた。各群の膝関節可動域の測定と,組織標本による関節包組織の観察を行った。〔結果〕拘縮群は膠原線維束の肥厚と密性化を認め,関節包は肥厚していた。これに比べ治療群,非治療群ともに改善傾向を示したが,両群間に明らかな違いは認められなかった。一方,膝関節可動域は固定後3週以降の治療群で有意な改善を示した。〔結語〕可動域の改善に伴った関節包組織の明らかな改善は認められなかった。
著者
矢久保 修嗣 小牧 宏一 八木 洋 上松瀬 勝男
出版者
The Japan Society for Oriental Medicine
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.47, no.5, pp.795-802, 1997-03-20 (Released:2010-03-12)
参考文献数
8
被引用文献数
2 3

葛根湯を肩こりに対して投与し, サーモトレーサーを用いて検討を行った。健常成人9例と肩こり患者19例に対しカネボウ葛根湯エキス細粒 (葛根湯) を投与し, 投与前, 投与30分後, 60分後, 90分後, 120分後にサーモトレーサーを用いて側頸部領域の体表温度の平均値を求めて検討した。投与120分後に肩こり患者群を対象にして, 葛根湯の肩こりの改善度と有用性を評価し, 副作用については全28例を検討した。葛根湯の投与により, 下痢が3.7%に認められた以外に副作用はなく, 肩こりに対しては, 著明改善21.1%, 改善42.1%, やや改善15.8%となり, 有用以上が63.2%, やや有用以上が78.9%であった。葛根湯投与前の健常成人群と肩こり群には側頸部の体表温に差はなく, また, 葛根湯により肩こりの改善した群と, 肩こりの改善が不充分な群の投与前にも差がなかったが, 葛根湯投与後の側頸部体表温の推移は異なっており,肩こりの改善群では葛根湯投与による側頸部体表温の上昇が大きかった。側頸部体表温の上昇が大きいものには葛根湯により肩こりの改善するものが多く, 葛根湯による頸部の血液循環改善がその効果の機序として考えられた。