著者
高森 稔弘 大栗 聖由 足立 良行 今井 智登世 佐藤 明美 原 文子 本倉 徹
出版者
一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会
雑誌
医学検査 (ISSN:09158669)
巻号頁・発行日
vol.66, no.3, pp.179-183, 2017-05-25 (Released:2017-05-31)
参考文献数
21

視覚誘発電位(visual evoked potential; VEP)はパルス光や白黒の反転刺激による視覚刺激によって生じた網膜視覚細胞の興奮が視覚伝導路を介し,大脳の視覚中枢において誘発される電気的反応である。当院では,パターンリバーサルVEPを検査する際,光刺激装置としてブラウン管(cathode ray tube; CRT)を用いている。現在,一般市場では,CRTに替わり液晶ディスプレイ(liquid crystal display; LCD)が普及しつつあるため,VEPの刺激装置においても,CRTからLCDに切り替えられることが予想される。今回われわれは,使用モニターの種類がVEPへ及ぼす影響について検討した。刺激装置は,CRTと応答時間の異なったLCDを2台用い,それぞれ平均輝度を統一して,VEP測定を行った。LCDによる潜時は,N75,P100,N145のすべてにおいて,CRTと比較して有意に延長していた(p < 0.01)。振幅は,CRTとLCDとの間に有意な差は認められなかった。LCDは,黒色から白色へ変化するまでの応答時間が存在するために,CRTと比較して,潜時が延長したと考えられた。一方,振幅は平均輝度を統一すれば,CRTと同等の振幅がLCDでも記録可能である。モニターをLCDへ移行する場合,CRTと同様の基準値を使用することは不適切であり,使用するLCDごとに基準値を設定することが必要である。
著者
松井 康 今井 智子 永井 智 小林 直行 渡邊 昌宏 近藤 宏 宮川 俊平
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.31, no.3, pp.389-393, 2016 (Released:2016-07-06)
参考文献数
28
被引用文献数
1

〔目的〕運動前のタウリン摂取が,運動によって生じる筋疲労に与える影響を明らかにすることとした.〔対象〕大学男子サッカー選手10名とした.〔方法〕無作為化二重盲検クロスオーバー試験にて,タウリン水,プラセボ水の2種類を摂取し,75%VO2maxでのエルゴメータによる運動と,最大努力での等速性膝伸展運動を100回行った.測定項目は,血液成分,膝伸展運動中のピークトルク,および大腿直筋の平均周波数(MPF)とした.〔結果〕タウリン水摂取群は血中MB濃度の上昇と,MPFの低下が抑制される傾向を示した.〔結語〕タウリン水摂取が運動によって生じる筋損傷を抑制する可能性があることが示唆される.
著者
佐久間 大 高石 哲巳 今井 智貴 長谷川 勝久 室田 真男
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.43, no.2, pp.91-103, 2019-09-30 (Released:2019-09-30)
参考文献数
26

本研究の目的は,模擬授業内の出来事や状況を,実際の授業の状況に近似させることである.上記の目的を達成するため,児童生徒役である大学生の演技を補助する児童生徒のイメージカードを用いた模擬授業をデザインした.(1)これを教職志望者が参加する授業に取り入れて実践し,臨場感に対する主観的評価を得た.(2)さらに本研究でデザインした模擬授業で起こる模擬状況が,実際の授業の状況とどの程度近似していたかについて現職教員8名の評価を得た.分析の結果,本研究でデザインした模擬授業で得られる臨場感が,中位校を想定した模擬授業においては,従来型の模擬授業のそれよりも高く,実際の授業に近いものであることがわかった.また,教師役,児童役の両者にイメージカードを配布する模擬授業デザインの臨場感が,中位校を想定した模擬授業においては,児童役のみにイメージカードを配布する模擬授業デザインのそれよりも実際の授業に近いことが明らかになった.
著者
國枝 洋太 三木 啓嗣 今井 智也 新田 收 星野 晴彦
出版者
日本理学療法士学会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
pp.11036, (Released:2015-12-03)
参考文献数
36

【目的】急性期脳梗塞患者の転帰先をより早期かつ正確に予測するために,自宅退院可否に関連する因子を抽出しその影響度を検討した。【方法】急性期脳梗塞患者58名を自宅退院群と転院群に割りつけた。検討因子は診療録より後方視的に調査し,2群間にて比較検討した。また2群間比較にて有意差を認めた項目で多重ロジスティック回帰分析を行った。【結果】自宅退院可否と関連を認めたのは,性別,入院時血清アルブミン(以下,Alb)値,入院時血清総蛋白(TP)値,入院時NIHSS,入院から1週後の藤島式嚥下グレード(嚥下Gr),高次脳機能障害であり,多重ロジスティック回帰分析では,高次脳機能障害とAlb値が選択された。ROC曲線の結果から,転帰を判別する入院時Alb値のカットオフ値は3.95 g/dl であった。【結論】急性期病院搬送直後の高次脳機能障害の有無とAlb値は,転帰予測因子としての可能性が示唆された。
著者
今井 正 出濱 和弥 坂見 知子 高志 利宣 森田 哲男 今井 智 山本 義久 岡 雅一
出版者
Japanese Society for Aquaculture Science
雑誌
水産増殖 (ISSN:03714217)
巻号頁・発行日
vol.64, no.3, pp.273-280, 2016-09-20 (Released:2017-09-20)
参考文献数
27

ろ材の洗浄工程での硝化細菌の活性を維持するために,セラミックスろ材のアンモニア酸化能力に及ぼす乾燥の影響を調べた。25℃でろ材のアンモニア酸化活性測定後,それを海水から出して25℃の異なる3条件(湿度30%と60%の空気中,袋に入れて湿度飽和)で保存した。ろ材を30日目まで保存した後,再度アンモニア酸化活性を測定した。最初の活性と比較して,湿度30%と60%で保存したろ材の活性は,それぞれ6日目と21日目に半減した。湿度30%で保存したろ材の活性は7日目に失われたが,湿度60%では30日目にも3.2%の活性があった。湿度飽和状態では,ろ材は30日目でも約50%の活性を持っており,ろ材のアンモニア酸化細菌と古細菌は最初の状態と同様であった。湿度飽和で保存したろ材を海水に戻し,アンモニア源を添加すると,その活性は3日後に回復した。よって,洗浄工程においてアンモニア酸化活性を維持するためには,ろ材の乾燥を防ぐ必要がある。
著者
阪口 雅弘 井上 栄 吉沢 晋 菅原 文子 入江 建久 安枝 浩 信太 隆夫 今井 智子
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー
巻号頁・発行日
vol.40, no.4, pp.439-443, 1991
被引用文献数
7

布団内のダニアレルゲンの除去方法として, 1) 真空掃除機による吸引, 2) 布団たたきと真空掃除機の組み合わせ, 3) 機械式丸洗い, の3法を比較した. 布団内ダニアレルゲン量は, 布団内15箇所から綿を取り出し, アレルゲンを水に抽出して, 主要アレルゲン (Der f I, II; Der p I, II) の絶対量を免疫化学的に測定した. また, 布団をたたいてアレルゲンを空気中に放出させ, それをエアサンプラーを用いて集め, 定量した. 真空掃除機およびそれに布団たたきを併用した場合には, 布団内アレルゲン量の減少は40%前後であった. 機械丸洗いでは業者によるアレルゲン除去率の違いがあったが, ある業者では除去率は90%以上であった. また空気中に発生するアレルゲン量も, その業者では90%以上減少した. したがって, 布団から発生するダニアレルゲンによる暴露を減らすためには,布団の機械式丸洗いは, 布団たたきや掃除機法に比較して有効な方法である. ただし, 丸洗いによるアレルゲン除去率は, 業者によって違いがあった.
著者
山下 夕香里 道 健一 今井 智子 鈴木 規子 吉田 広
出版者
一般社団法人 日本口蓋裂学会
雑誌
日本口蓋裂学会雑誌 (ISSN:03865185)
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.204-216, 1983-12-24 (Released:2013-02-19)
参考文献数
37

いわゆる粘膜下口蓋裂を含めた先天性鼻咽腔閉鎖不全症(Congenital Velopharyngeal Incompetence以下CVPI)のなかには,著しい開鼻声を伴う構音障害,心奇型などの合併奇型に加えて精神発達の遅れを伴う症例が多いとされているが詳細な報告はほとんどみられない.そこでわれわれはCVPIの診断基準を定義した上で,鼻咽腔形態・機能および顔貌に関する客観的な計測結果が明らかとなっているCVPI15例,対照群として唇顎口蓋裂症例18例(Cleft Lip and Palate以下CLP)を対象症例とし,4才2ヶ月-13才2ヶ月時に,WPPSIまたは,WISC-R,ITPA言語学習能力診断検査,Frostig視知覚発達検査(DTVP)を行い,鼻咽腔形態による分類型、Calnanの3徴候,特徴的顔貌所見別に精神発達について比較検討を行った.その結果,顔貌所見別では特徴的顔貌群はその他の群およびCLP群に比べ1%水準で有意に低い値を示した.鼻咽腔形態による分類型別では軟口蓋の長さと咽頭腔の深さとの関係が不均衡なII型群が低い値を示し,Calnanの3徴候別では無徴候,1徴候群が低い値を示した.以上の結果より特徴的顔貌所見を有する症例とその他の症例との間には精神発達に著しい相違がみられ,さらに鼻咽腔形態、Calnanの3徴候と精神発達との関連性も示唆された.われわれは従来より鼻咽腔形態,顔面形態の客観的分折によりCVPIの中の1つのカテゴリーとしての特徴的顔貌の存在を証明し報告してきたが,今回はさらにこれらの特徴的顔貌を呈する症例において精神発達の遅れが認められ疾患としての独立性が0層明らかとされた.これらのことよりわれわれは先天性鼻咽腔閉鎖不全,特徴的顔貌,精神発達の遅れなどの所見がみられる症例を新しい症候群として一括して扱うことを提唱したい.
著者
今井 正 出濱 和弥 坂見 知子 高志 利宣 森田 哲男 今井 智 岡 雅一 山本 義久
出版者
日本水産増殖学会
雑誌
水産増殖 (ISSN:03714217)
巻号頁・発行日
vol.69, no.1, pp.93-100, 2021 (Released:2022-03-20)
参考文献数
21

本研究の目的は長期間,硝化作用を有する熟成状態のろ材を保存するための安定状態を評価することである。密封して保湿状態にしたろ材のアンモニア酸化活性に及ぼす保存温度の影響を調査した。ろ材のアンモニア酸化活性を25℃で測定した後,これらを海水から取り出してジッパー付き袋に入れて,1~35℃の8段階の温度で180日間管理した。1℃で保存したろ材のアンモニア酸化活性は最初と同様であった。加えて,アンモニア酸化古細菌とアンモニア酸化細菌の現存量は,それぞれ14%と10%でわずかな減少であった。5~20℃で保存したろ材の活性は約50%まで減少した。活性のさらなる減少は25℃以上で保存したろ材で認められた。また,1℃で約3年間保存した場合でも,ろ材の活性が33%残っていることが示された。ゆえに,硝化作用を有する熟成ろ材の長期間保存のためのアンモニア酸化微生物の保持は,設定温度温度内では1℃で最も高かった。
著者
阪口 雅弘 井上 栄 吉沢 晋 菅原 文子 入江 建久 安枝 浩 信太 隆夫 今井 智子
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.40, no.4, pp.439-443, 1991-04-30 (Released:2017-02-10)
被引用文献数
4

布団内のダニアレルゲンの除去方法として, 1) 真空掃除機による吸引, 2) 布団たたきと真空掃除機の組み合わせ, 3) 機械式丸洗い, の3法を比較した. 布団内ダニアレルゲン量は, 布団内15箇所から綿を取り出し, アレルゲンを水に抽出して, 主要アレルゲン (Der f I, II; Der p I, II) の絶対量を免疫化学的に測定した. また, 布団をたたいてアレルゲンを空気中に放出させ, それをエアサンプラーを用いて集め, 定量した. 真空掃除機およびそれに布団たたきを併用した場合には, 布団内アレルゲン量の減少は40%前後であった. 機械丸洗いでは業者によるアレルゲン除去率の違いがあったが, ある業者では除去率は90%以上であった. また空気中に発生するアレルゲン量も, その業者では90%以上減少した. したがって, 布団から発生するダニアレルゲンによる暴露を減らすためには,布団の機械式丸洗いは, 布団たたきや掃除機法に比較して有効な方法である. ただし, 丸洗いによるアレルゲン除去率は, 業者によって違いがあった.
著者
今井 智弘 今村 裕之 平 勝秀 浜下 彩
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2012, pp.48101923, 2013

【はじめに、目的】 我々は日常の臨床の中で早期離床や廃用症候群予防等を目的にギャッジアップ座位を実施する機会が多い。ギャッジアップによる身体とマット間の圧・剪断力が褥瘡の発生原因となりやすいことは良く知られており、その予防法としてギャッジアップ後に背部をベッドから離し背部の圧・剪断力を開放する背抜きがよく行われる。 しかし、ギャッジアップ時の圧・剪断力に対する背抜きが呼吸機能に及ぼす影響についての報告は少ない。そこで、ギャッジアップ後の背抜きが呼吸機能に与える効果の有無について調査を行った。【方法】 被検者は呼吸器疾患を有さない健常男性10例(年齢26.5±5.1歳、身長174.0±6.8cm、体重67.8±11.1Kg、BMI22.3±3.2)とした。 方法は、まず測定に対する慣れの要因を除くため、あらかじめ練習として坐位にてスパイロメータ(日本光電製、MICROSPIRO HI-205)による呼吸機能検査を数回実施した。次にベッド上背臥位となり、ベッド屈曲基部が被検者の大転子と一致するように被検者のベッド上の位置を設定した。ベッドはアウラ21(パラマウントベッド製)、マットレスはPARACARE(パラマウントベッド製)を使用した。頚部中間位および下肢伸展位にてギャッジアップを60度まで実施し、直後に呼吸機能検査を実施した。その際、体幹をベッドに押し付けるなどの代償動作の有無を目視にて確認した。検査項目は肺活量(VC)、%肺活量(%VC)、1回換気量(TV)、予備呼気量(ERV)、予備吸気量(IRV)、努力性肺活量(FVC)、1秒量(FEV)、1秒率(FEV1.0%)、ピークフロー(PEF)とした。次に背抜きを行った後、呼吸機能検査を実施した。背抜きは下肢・骨盤帯の位置が変わらないように検者が固定した上で介助にて被検者の体幹屈曲を行った。検査間の休憩時間を1分とし、以上の検査を3回測定し平均値を算出した。 背抜き前後における呼吸機能検査の各項目の比較には対応のあるT検定を用いた。有意水準を5%未満とした。【倫理的配慮、説明と同意】 被検者には本研究の主旨・測定方法を説明し研究への同意を得た。【結果】 VC(ギャッジアップ直後3.93±0.39L、背抜き後4.13±0.46L、P<0.05)、%VC(ギャッジアップ直後91.38±7.29%、背抜き後96.00±8.35%、P<0.05)、PEF(ギャッジアップ直後8.38±1.58L/S、背抜き後9.01±1.66L/S、P<0.05)においてギャッジアップ後に背抜きを行う事により有意な改善を認めた。他の項目に関しては有意な差は認められなかった。【考察】 ギャッジアップ後に背抜きを行うことで、ギャッジアップ直後と比べ肺活量およびピークフローが改善することが示された。ギャッジアップによる呼吸機能低下の原因として、ベッドから上部胸郭背面に向けて圧が高まり上部胸郭背面が固定された上で骨盤帯が前方へずり下がることにより、上部胸郭背面に対して上方への機械的ストレスが加わった結果、吸気時の肋骨の後方回旋運動が制限され、胸郭の拡張が阻害されたこと。また、肩甲骨も同様に上方への機械的ストレスにより拳上位となることから、吸気補助筋である胸鎖乳突筋や僧帽筋、肩甲挙筋が短縮位となり収縮機能が低下したことが考えられる。しかし、ギャッジアップ後の背抜きの実施によりこれらの影響を取り除くことで呼吸機能が改善したと考えられる。【理学療法学研究としての意義】 今回はギャッジアップ直後の呼吸機能を測定したが、背抜きを行なわない状態が長く続くと時間経過と共に剪断力の増加が予想され、さらに呼吸機能の低下が引き起こされることが推測される。特に胸郭可動性や咳嗽力が低下しやすい高齢者や呼吸器疾患患者においてはさらに影響を受けることが推測され、褥瘡予防という観点も含めてギャッジアップ後には必ず背抜きを行う必要性があると考える。加えて、理学療法士として看護師や家族といった患者のケアに関わる人々へこれらの点を踏まえてギャッジアップ後の背抜きを啓蒙していくべきであると考える。
著者
根本 京子 山下 夕香里 石野 由美子 丹生 かず代 横山 美加 根本 敏行 今井 智子 鈴木 規子 道 健一
出版者
特定非営利活動法人 日本口腔科学会
雑誌
日本口腔科学会雑誌 (ISSN:00290297)
巻号頁・発行日
vol.49, no.6, pp.356-362, 2000-11-10 (Released:2011-09-07)
参考文献数
27

To clarify the awareness and subjective symptoms of the disorder in preoperative ankyloglossia, patients were evaluated using a questionnaire survey. The following results were obtained.1. Disorders in swallowing and mastication were recognized in about 33.3% of the moderate cases. Oral functional disorders were checked in about 83.4% of the moderate cases, which was significantly frequent compared with the slight cases.2. Speech disorders were observed most frequently as subjective symptoms, and uptake disorders were observed in some cases.
著者
桑澤 実希 北川 昇 佐藤 裕二 赤坂 恭一朗 金原 大輔 瀬沼 壽尉 吉岡 達哉 石橋 弘子 今井 智子 新井 元 杉山 雅哉 吉江 正隆
出版者
Showa University Dental Society
雑誌
昭和歯学会雑誌 (ISSN:0285922X)
巻号頁・発行日
vol.24, no.4, pp.387-390, 2004-12-31
参考文献数
6
被引用文献数
3

超高齢社会を迎えるなかで, 高齢者のQOLを支えるためには口腔の管理と口腔ケアが不可欠と考えられる.ここに大田区の特別養護老人ホームにおける昭和大学歯科病院の訪問歯科診療の実態と2003年度の訪問歯科診療の概要について報告する.我々は1998年より同施設の依頼により訪問歯科診療を開始した.現在は毎週木曜日の15 : 30~17 : 30まで, 歯科医師4名と歯科衛生士1名で往診を行っている.2003年度の歯科診療は同施設と歯科病院外来の合計で200件, 口腔衛生指導は226件で, 全ての合計は426件であった.2003年度の歯科診療は義歯に関するものが105件と半数近くを占めた.次いで, 歯科医師によるスケーリングなどの歯周治療が61件, 残存歯の削合や充墳処置など保存関連の治療が14件であった.他には, 抜歯・摂食相談・粘膜疾患など多岐にわたった.これより, 訪問歯科診療には各専門科の連携が必要であることが示唆された.歯科病院外来での治療は通院が必要かつ可能な場合においてのみ行われた.通院件数は43件あり, 内容は義歯の製作と充填処置・抜歯処置であった.しかし, 歯科病院への通院は入居者・施設職員ともに大変な負担を強いることとなるので, 今後は施設内でより高度な歯科治療を提供できるように診療器材を充実させる必要があると考えられた.
著者
羅 成圭 前田 清司 今井 智子 宮川 俊平
出版者
The Japanese Society of Physical Fitness and Sports Medicine
雑誌
体力科学 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.63, no.4, pp.409-414, 2014-08-01 (Released:2014-07-26)
参考文献数
26
被引用文献数
1

Strenuous and consecutive exercise results in fatigue symptoms accompanied decrease in salivary secretory immunoglobulin A (sIgA) in athletes. On the other hand, it has been reported that plasma taurine concentration was increased after the high intensity exercise. However, change in salivary taurine concentration after strenuous and consecutive exercise is unknown. The purpose of this study was to investigate the relationship between fatigue symptoms and changes in salivary taurine concentration in collegiate male soccer players. Thirty seven collegiate male soccer players participated in three consecutive days of match program. To detect of fatigued players, we measured awakening heart rate and body weight. As the results of these two measurements, we divided subjects to two groups (non-fatigue group, n=15; fatigue group, n=22). We also measured salivary sIgA and taurine concentrations before and after program. Before the program, there were no significant differences in any parameters between two groups. Salivary flow rate and sIgA secretion rate were significantly decreased after the program in the fatigue group. Furthermore, salivary taurine concentration was significantly increased after the program in the fatigue group. In the non-fatigue group, there were no significant differences in any parameters during program. Our results indicated that salivary taurine concentration increased after consecutive high-intense exercise in the collegiate male soccer players.
著者
太田 亨 今井 智文 石田 直人 坂 幸恭
出版者
一般社団法人 日本地質学会
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.118, no.9, pp.588-593, 2012
被引用文献数
2

This study re-examines the depositional age, lithostratigraphy, and distribution of Mesozoic sedimentary formations in the section of the Kurosegawa Belt that outcrops in the Toba area, eastern Shima Peninsula, Mie Prefecture, Japan. In this area, Mesozoic successions are divided into the Jurassic Shiranezaki Formation and the Cretaceous Matsuo Group. We collected Bajocian and Callovian–Oxfordian age radiolarians from the Shiranezaki Formation and Valanginian–Barremian age radiolarians from the Matsuo Group. The lithology and age constraints provided by these collected radiolarians suggest that part of the previously defined Matsuo Group actually forms part of the Shiranezaki Formation, with this formation being stratigraphically overlain by the Matsuo Group across a disconformity.
著者
今井 智也 三上 貞芳
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2009, pp.3C44, 2009

<p>本研究では多様に変化する環境においてマルチエージェントが行動選択の競合により生じる学習効率の低下を回避するシステムを提案する.具体的にはエージェントが他のエージェントの行動を単純な線形時系列予測を用いて大まかに予測し,予測された結果から強化学習を用いて行動選択を行うことで,エージェント全体を協調状態へと収束させる.検証のため,連続場での椅子取りゲーム問題を提案し,計算機実験で有効性を確認した.</p>
著者
大沢 哲雄 中村 章 今井 智之
出版者
社団法人日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科學會雑誌 (ISSN:18847110)
巻号頁・発行日
vol.83, no.8, pp.1276-1283, 1992
被引用文献数
1 1

経尿道的前立腺切除術 (TURP) の潅流液排液中の自己血を回収して, 戻し輸血できるものか, 次の項目を検討した. (1) TURPの潅流排液から, どの程度回収できるのか? (2) その血液は戻し輸血するのに値するのか (回収血液性状, 回収赤血球の形態と寿命)? (3) 回収血液は患者に戻し輸血して安全か (細菌汚染, 癌細胞混入)? TURPは, 膀胱瘻による持続潅流式とし, その膀胱瘻に自己血回収装置 (Shiley STATまたは, Cell Saver) の吸引チューブを接続した. 15例 (平均切除重量36g) で, 平均440mlの自己血回収ができた. 回収血液は, RBC469×10<sup>4</sup>/mm<sup>3</sup>, Hb14.6g/dl, Ht44.8%とかなり濃厚で, その形態は良好であった. 血小板は15,400/mm<sup>3</sup>, BUN0.3mg/dl, Cre0.2mg/dl, GOT7.6IU, GPT0IU, LDH649IUであった. <sup>51</sup>Crによる赤血球の寿命 (半減期) は22日であった. 手術前の尿培養では, 10例 (67%) に菌が検出されたが, 回収血の細菌汚染は20%にみられたのみであった. 癌細胞については, 培養癌細胞T24 (膀胱癌) およびACHN (腎癌) の浮遊液を, 白血球除去用フィルター (Pall-RC, Sepacell) にて濾過したところ完全に除去可能であった. TURP潅流液回収自己血は, 極めて良質の血液であり, 若干の工夫で, 安全性にも問題のないことが確認できた.
著者
百田 真史 射場本 忠彦 宮良 拓百 山田 博 村上 浩 今井 智将
出版者
公益社団法人 空気調和・衛生工学会
雑誌
空気調和・衛生工学会 論文集 (ISSN:0385275X)
巻号頁・発行日
vol.26, no.83, pp.11-20, 2001
参考文献数
15
被引用文献数
3

地域冷房にブロックアイス(25mm角)を用いた氷水搬送による高密度熱搬送システムを提案した.このシステムは需要家からの還水と地域主配管内の氷を直接配管内で熱交換させるもので,従来の二管式と比較して管路が短縮できるという利点を持つ.このシステムのかなめとなる氷水圧力損失特性把握,管内IPFの非可動・オンライン計測手法,及び管内氷粒径の推測手法について検討を行い,提案システムの可能性を示した.氷水圧力損失特性については流速,IPF,管径を変えた時の圧力損失特性が予測を基に最適制御が可能なことを,また管内IPF計測については超音波濃度計を用いたオンライン計測が可能であることを確認した.