著者
松村 実美子 今井 恵理 多田 真奈美 加藤 麻美 濱野 直人 佐々木 絵美 勝木 俊 勝馬 愛 柴田 真希 日ノ下 文彦
出版者
一般社団法人 日本透析医学会
雑誌
日本透析医学会雑誌 (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.47, no.6, pp.387-393, 2014 (Released:2014-06-28)
参考文献数
29

症例は73歳女性. 69歳のとき腎硬化症による慢性腎不全のため, 腹膜透析を導入した. 73歳のときランソプラゾールの内服を開始し, 3か月後, 3回目の腹膜炎で入院となった. セファゾリンとセフタジジムを経静脈, その後腹腔内投与に切り替え計2週間投与し, 軽快退院した. 入院中に軟便であったが便Clostridium difficile抗原は陰性であった. 退院後から水様~泥状便が持続し, 外来にて便Clostridium difficile抗原陽性となり, 偽膜性腸炎の診断でメトロニダゾールを14日間内服した. その後も下痢は持続し, 食思不振, 炎症反応高値を認めたため, 精査加療目的に当科入院となった. 絶食・中心静脈栄養を開始した. 大腸内視鏡検査を施行し, 肉眼で上行結腸に炎症瘢痕を認めた以外は異常所見を認めなかったが, 直腸, 盲腸, および結腸の粘膜生検で粘膜表層上皮下にリンパ球浸潤を認め, Masson Trichrome染色で特徴的なcollagen bandの形成を認めたため, collagenous colitis (CC) と診断した. CCは慢性水様性下痢の原因として知られ, 本邦での報告数はまだ少ないが, 年々増加傾向にある. 原因は不明だが, 薬剤や自己免疫の関与などが考えられている. 本例では被疑薬であるランソプラゾールを休薬し下痢が消失したことから, その関与が考えられた. 透析患者は消化管出血のリスクが高いためプロトンポンプインヒビター (proton pump inhibitor : PPI) を内服していることが多いが, 文献上, 国内外において腹膜透析患者におけるCCの報告はなく, 慢性下痢の鑑別疾患の一つとして念頭におくことが重要であると考え, 報告した.
著者
今井 計
出版者
筑波技術短期大学研究委員会
雑誌
筑波技術短期大学テクノレポート (ISSN:13417142)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.41-48, 1998-03

平成3年から本学に着任し、テクノレポート第3号では、平成7年度の本学バレーボール部の活動について報告した。現在指導7年目を迎えている。97年7月13~26日にデンマーク(コペンハーゲン)で開催された第18回世界ろうあ者競技大会の日本選手団役員として派遣させていただいた。そこで世界のろうバレーを見、現在の日本ろうバレーの現状と今後の課題が自分なりにわかった気がする。そこで今大会の男子バレーボール競技を通じて、今後の日本ろうバレーの方向と本学のバレー部の果たす役割を報告する。
著者
今井金吾編
出版者
河出書房新社
巻号頁・発行日
2000
著者
今井 亮一
出版者
現代文芸論研究室
雑誌
れにくさ
巻号頁・発行日
vol.4, pp.298-314, 2013-03-29

特集 ラテン文学

1 0 0 0 OA 外国歴史物語

著者
今井登志喜 著
出版者
興文社
巻号頁・発行日
1929
著者
今井 國治 藤井 啓輔 池田 充 川浦 稚代 川浦 稚代 藤井 啓輔
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

本申請研究の主たる目的は、CT検査時における被ばく線量(重要臓器線量)を測定した上で、申請者がCT画像上で発現に成功させた確率共鳴現象を利用して、病変検出能の向上を図ると共に、CT検査時の被ばく線量軽減を行うことである。特に今回は脳梗塞部の検出(脳溝の狭小化や早期虚血性病変)に主眼を置き、どのような条件の時に効果的に確率共鳴が発現するかを検討し、最終的に臨床への応用を目指す。確率共鳴はノイズ強度が10HUの時に最も効率よく発現し、コントラスト分解能も鮮鋭度も大きく改善した。また、この改善効果はノイズの種類に依存し、高周波を多く含むノイズを付加した際に、その効果が大きくなることを定量的に示した。
著者
今井 克暢 森田 憲一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. [プログラミング-言語基礎実践-]
巻号頁・発行日
vol.94, no.21, pp.121-128, 1994-03-09

一斉射撃問題を可逆(すなわち,逆向きにも決定的な)セル・オートマトン(RCA)で実現できるか考察した.まず従来の単一の射撃状態からなる一斉射撃解は構成できないことを証明した.そこで,RCAにおける一斉射撃解を複数の射撃状態を許したものとして定義し,この条件の下でMinskyの3n時間解を540状態のRCAに埋め込めることを示した.その際,分割セル・オートマン(PCA)を用いた.これはCAのサブクラスとみなすことができ,RCAの設計を容易にする.さらに3n時間解に基づく99状態の解を可逆PCAによって構成した.
著者
鳴海 真里子 今井 倫太
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第17回全国大会(2003)
巻号頁・発行日
pp.34, 2003 (Released:2004-02-03)

本研究では、ロボット上の音声対話システムにセンサの情報とアクチュエータの動作を反映させる機構を実装し、ロボットが演出を行うことにより人間ロボット間で共感を実現させることを目的とする。実験により、その有効性を検証する。
著者
今井 葉子 野波 寛 高村 典子
出版者
農村計画学会
雑誌
農村計画学会誌 (ISSN:09129731)
巻号頁・発行日
vol.28, no.Special_Issue, pp.219-224, 2010-02-28 (Released:2011-03-01)
参考文献数
10
被引用文献数
5 10

The purpose of this research is to reveal the effects of values for irrigation pond on the resident's environment-conscious attitude and behavioral intention. A social psychology model was used to analyze the questionnaire data to quantify relationship among values, attitude and behavioral intention. The results indicated that (1) both agricultural and environmental values are greatly related to behavior for environmental conservation, (2) the agricultural value is directly related to the behavioral intention, and,(3) the environmental values is not only directly but indirectly related to the behavior. Our study suggested that instead of the agricultural values the environmental values can increase the behavior for conservation of irrigation pond as natural resources.
著者
木村 逸郎 夏 宗ほあん 包 尚聯 伊藤 秋男 秦 和夫 今西 信嗣 XIA Zonghuang 包 尚聨 張 国輝 趙 子強 王 宇鋼 施 兆民 唐 国有 陳 金象 韋 倫存 今井 誠 神野 郁夫 高木 郁二 金 長文
出版者
京都大学
雑誌
国際学術研究
巻号頁・発行日
1995

最近粒子ビーム(中性子や荷電粒子のビーム)を用いた材料科学研究の進展は著しい。京都大学と北京大学は、いずれもこれらの先駆的な研究を進めているが、ここに大学間協定に基づいて研究協力を強化推進し、一層の高度化とさらに新しい分野への発展の基礎を築くことができた。本研究を通じ、京都大学から北京大学へ延べ8名の班員を派遣し、最近の研究の紹介を介して討論するとともに、実験の現場でも議論した。一方、北京大学から京都大学へ延べ8名の班員を招へいし、先方の研究成果について紹介してもらい、それについて討論した。さらに一部の班員はやや長く滞在して実験に参加させ、他の班員は京都大学の研究用原子炉や加速器において進行中の関連研究を見せ、現場でいろいろと議論した。やや具体的なテーマについての成果は次のとおりである。1.両大学で進行中の中性子ビーム利用研究では、まず核分裂過程の機構解明に関連し、核分裂即発中性子の測定法と測定結果、解析モデルと解析結果を比較し、共通点を見出した。また、中性子の非弾性散乱や荷電粒子放出の測定に関連し、データを比較検討した。さらに、中性子の新しい利用とくに医療利用についても議論を深めることができ、今後の協力が期待される。2.加速器による重イオンビームの利用については、両大学とも盛んに実験研究が進められているため論議が噛み合う所が多かった。なかでも、クラスターイオンの発生と利用、イオンビームによる表面分析、イオンビームによる新機能性材料の開発において、相互の実験手法を現場で詳しく見た上で議論し、ときには改善法を示唆したりもした。また北京大学の班員を京都大学での実験に直接参加させたことも実質的な協力として有意義であった。これらを通じ、今後のより実質的な協力の芽が育ったといえる。
著者
白取 祐司 仲真 紀子 川崎 英明 今井 猛嘉 高倉 新喜 田中 康雄 松村 良之 藤田 政博 森直 久 城下 裕二 内藤 大海
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2007

刑事裁判において法心理学は、法専門家(実務法曹)と司法に関わる市民とりわけ裁判員の間のコミュニケーションの実証分析、刑事司法に対する実務家、市民の意識分析による制度見直しへのデータ提供など、様々なかたちで貢献しうることを、実験や調査等を通して明らかにしてきた。また、子どもに対する心理学的観点からの面接法の研究を進め研修など実践段階までいたったほか、外国調査により、刑事司法における心理鑑定の制度化の可能性と必要性を示すことができた。
著者
榎木 泰介 今井 唯 山中 にな子
出版者
大阪教育大学
雑誌
大阪教育大学紀要. 第3部門, 自然科学・応用科学 (ISSN:13457209)
巻号頁・発行日
vol.62, no.2, pp.49-55, 2014-02

本研究は,大学体育会アメリカンフットボール部に所属する男子大学生70名を対象として,スポーツ活動における障害と外傷の発生について検討を行った。集計を行った2011年と2012年に発生した障害および外傷を対象に,発症の部位について,負傷者の属性(ポジション・学年)と調査年度による比較を行った。発症部位の分類は,1)頭・頚部,2)体幹(腹部・背部)および腰部,3)肩,4)腕および手・指部,5)大腿部,6)膝関節,7)下肢および足部である。調査対象の集団について,それぞれの身体組成を反映する所属ポジションから3群に分け,バックス群(B群),ミドル群(M群),ライン群(L群)とした。 集計を行った2年間における総受傷件数では,2011年と比較して2012年で2.2倍に増加した。1人当たりの平均受傷件数をみると,B群とL群において,2011年と比較して2012年で有意に高い値を示した。学年間の比較では,M群において高学年群が有意な高値を示した。受傷部位では,2012年に膝関節の負傷が増加しており,特にM群で顕著であった。 今回の対象集団では,2012年度において運動(練習・試合)の強度・頻度・時間が高まり,受傷件数が増加したと考えられる。そのような状況において増加する可能性のある受傷部位は,L群では脳震盪を含む頭・頚部,M群では前十字靱帯損傷を中心とした膝関節,B群では肩関節であった。これらのスポーツ障害および外傷を未然に防ぐには,テーピングや可動域を固定する装具などの活用,ポジションおよび競技固有の技能を支持する骨格筋群を中心としたトレーニング,学年や運動能力を考慮した練習強度と年間計画の設定などが重要である。This study investigated the occurrence of sports injuries and disorders in 70 students who belong to the collegiate American football team. We collected and surveyed a large number of sports injuries, trauma, failure and disorders occurred in 2011 and 2012. The case reports were divided into 7 groups according to following body sites, 1) head and neck, 2) body trunk(abdomen, lib and back), 3) shoulder joint, 4) arm, hand and finger, 5) femoral region, 6) knee joint, 7) lower leg and foot. These data were compared by the year, position in football and school grade. In addition, we set three groups from the position reflecting their body composition profile. There were bucks group(B), middle group(M), and lines group(L). The total number of injuries was increased to 2.2 times in 2012 compared to 2011. The average number of injuries per player, L and B group were significantly higher in 2012 compared to 2011. In the M group, the upper grades(senior and junior)showed a significant higher injury rate than lower grade(junior and freshmen). Moreover, M group had a tendency that injured risk of knee joint site was increased in 2012. It is considered that increased playing time, intensity and frequency in practices and games in 2012 had strong correlation with significantly increased number of injuries. Distinctive injuries related with the football position were 1) head and neck damages including a concussion in L group, 2) knee ligament damages in M group and 3) shoulder joint damages in B group. To forestall these sports injuries, utilize of the equipments and sports taping for fixing the range of motion, introduce the physical training, athletic rehabilitation and physiotherapy with a focus on the playing movement that supports for position-oriented football skills.
著者
藤本 悦子 今本 喜久子 小林 宏光 今井 美和 有田 広美 大島 千佳
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

高齢者の睡眠を援助することを目的に、高吸水性樹脂を使ったホットパックを作成した。この用具は入浴に比べ簡便に実施できる特徴を持つ。深部温を一旦あげ、次いで低下させるが、この変動時に睡眠が誘導される。実際に施設入所の高齢者に実施したところ、夜間の睡眠の質が向上した(睡眠潜時と中途覚醒の減少)。特に、日頃から不眠を訴える群で、その効果は大きい。この用具を使った睡眠援助のための看護プログラムを作成した。
著者
濱田 薫 長 澄人 藤村 昌史 福岡 和也 堅田 均 澤木 政好 成田 亘啓 渡辺 裕之 今井 照彦 大石 元 東口 隆一 西浦 公章
出版者
日本呼吸器内視鏡学会
雑誌
気管支学 : 日本気管支研究会雑誌 (ISSN:02872137)
巻号頁・発行日
vol.13, no.3, pp.249-258, 1991-05-25

気管支鏡を用いた内視鏡的治療法の一つとして, 気管, 気管支の腫瘍性狭窄, 閉塞に対して99.5%エタノール(純エタノール)局注療法を試みた。対象は肺癌7例, 転移性肺癌, 気管癌, 多発性気管乳頭腫各1例の計10例であった。有効症例は10例中6例(60%)であり, 肺癌症例のうち1例は有効, 3例は一時有効で, 他3例は無効であった。転移性肺癌症例は無効であったが, 気管癌, 気管乳頭腫症例では有効であった。有効例での腫瘍の発育は主にポリープ状であり, 無効例では浸潤性狭窄を呈していた。副作用は軽度の咳嗽以外認められなかった。以上から, 気管支鏡下純エタノール局注療法は, 適応をある程度限定すれば, 他療法の制限をともなう悪性腫瘍症例においても姑息的, 対症的治療法としてQOLの改善に有用であると考えた。
著者
今井 清利
出版者
長崎大学
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2010

研究目的:長崎県内で難病や重度障害により四肢麻痺となり、自立した生活が困難となっている人々のために病院・施設や患者さん宅を訪問し、コンピュータやメカトロニクス技術を応用して意思伝達装置や環境制御装置等の自立を支援する装置を製作、障害者の方々が日々積極的に活動を行えるようQOL向上を支援する生活支援用具を提供する。研究成果1、脳性マヒ患者の依頼により、車イスに取り付けた車イステーブル上で操作できるDSIコントローラーを製作し、提供した。本操作装置は車イステーブルの上にマジックテープで固定され、サーボモーター部(PICマイコン基板を収納)とコントローラー部からなる。サーボモーター部とDSIの電源を入れ、コントローラー部のジョイスティックで十字キーの左右、上下を選択し、AB、XYボタンでゲームを進行する。2、脳性マヒ患者のために、電動車イスに装着したジョイスティックで机上のパソコンを操作する赤外線操作装置を製作し提供した。外出時にノートパソコンを操作するために、電動車イスに取り付けたジョイスティック傾き検出装置とマウスの機能の押しボタンスイッチの情報を赤外線通信を用いて、ノートパソコンに接続しているジョイスティック用基板に送信して使用する。3、重度障害者のために、圧力センサーで操作できる意思伝達装置を製作し提供した。ALSで健常者のように話すことができなくなった方のために、コミュニケーションを支援する圧力センサーを用いた意思伝達装置を製作・提供した。使用者の現状DSIコントローラーは、「今まで、この装置を使っていて分かったことは、ボタンを連打しない限り、一日三時間は、確実に使えるという事です。」と、報告がありました。赤外線操作装置は、メンテナンスを行いながら現在使用中です。圧力センサー操作装置は、現在、重度障害者の方々に幅広く利用されております。今回の研究実績は平成22年度熊本大学総合技術研究会で報告しました。
著者
今井 小の実 寺本 尚美 陳 礼美 大塩 まゆみ アンベッケン エルスマリー 孫 良 サンド アンブリット
出版者
関西学院大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

日本における”ケア”労働に関するジェンダー公平な政策を展望するために、ジェンダー平等な国と評価されるスウェーデンを指標に研究を進めてきた。具体的には高齢者介護、育児政策に焦点をあて、その現状と課題を現地調査、スウェーデン在住の研究協力者との共同研究により明らかにした。そのうえで、日本の現在の制度・政策との比較を試み、両国の相違をもたらす要因について考察を深めた。その一つとして、スウェーデンのケアに関わる政策、つまり家族政策形成の歴史を検証し、日本との比較を行った。これらの研究は、今後日本がジェンダー平等な政策を展開していく上での貴重な材料となるはずで一定の成果が得られたと考える。
著者
友枝 謙二 三村 昌泰 山口 智彦 川口 正美 田端 正久 儀我 美一 NAKAKI Tatsuyuki 今井 仁司
出版者
大阪工業大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2004

本研究では、過渡状態での解析に耐えうる理論的信頼性をもった実験及び数値計算法の確立という目的に沿って下記の現象i)〜iii)を中心に扱ってきた。i)反応拡散系に現れる空間パターンの変化ii)粘性流体でのヴィスコスフィンガリング現象iii)蒸発過程での浸透領域の変化その結果、これらの現象を中心にして多岐にわたる新しい界面現象が発見され、本目的を達成することができた。すなわち過渡状態の現象に接近できる信頼性の高い実験方法および数値解析法の開発が可能になり、多くの界面現象のダイナミクスの解明がなされた。同時に数値解析としては今後取り組むべき重要な問題点も提起された。主な成果は以下の通りである。1)反応拡散系の数値計算法については、TCD(Threshold Competition Dynamics)法でシミュレートする方法を開発した。これによって、多次元での位相的に複雑な界面挙動を高精度に且つ容易に再現することができた。また有限要素法による気泡上昇問題の解析ではその泡の併合現象の再現が可能となった。2)成長する結晶表面の動きの数理モデル化では反応拡散の他に輪送効果を導入することによって、これまでにない新しい様々な解析結果が得られた。3)ヴィスコスフィンガリング現象を再現するHele-Shawセル中を上昇する泡において、箒星の形状の伴流が実験で発見された。どのように数値シミュレーションで再現するかが今後の課題である。4)マルチスケール有限要素解析を用いて多結晶集合組織内での界面ダイナミクスを正確且つ高速に数値解析を行うことができた。5)空間2次元での蒸発過程に現れる浸透領域の分離・融合・再分離過程を再現する計算法とそのような現象を引き起こす初期分布関数の陽的表現を得ることができた。更に、その分離・融合を反復繰り返すための初期分布も決定することができた。
著者
諸山 正則 今井 陽子 唐澤 昌宏 木田 拓也 北村 仁美 横溝 曠子 三上 美和 金子 賢治 内藤 裕子 服部 文隆
出版者
独立行政法人国立美術館東京国立近代美術館
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

明治期に万国博覧会が開催された地域の主要美術館のコレクションの調査を平成22年度はヨーロッパ、同23年度はアメリカにおいて、工芸作品の所在及び実地の調査を実施した。イギリスのアシュモリアン美術館と大英博物館(担当:唐澤昌宏、服部文孝)、フランスのチェルヌスキ美術館とギメ美術館、装飾美術館、エルリー美術館(担当:北村仁美、三上美和)、ドイツ、チェコ、オーストリアではハンブルグ工芸美術館、マインフランケン美術館、ナープルステク・アジア・アフリカ・文化博物館、プラハ国立美術館、オーストリア国立応用美術館、ウィーン民族学博物館、ゲルマン博物館(担当:今井陽子)、アメリカではフィラデルフィア美術館とウォルターズ美術館、フリーア美術館、国立自然史博物館(担当:諸山正則)、フィールド・ミュージアムとミシガン大学美術館、サン・アントニオ美術館(担当:横溝廣子)、ポートランド美術館とロサンゼルス・カウンティ・ミュージアム、サンフランシスコとシアトルのアジア美術館(担当:木田拓也)で各種の明治期工芸の収蔵作品調査を実施した。追加調査として、横溝が、ロンドンのヴィクトリア・アンド・アルバート美術館で漆工や金工作品等の調査を行った。そうした明治期に各地で開催された万国博覧会に出品された工芸作品や海外の有力なコレクションとして流出した近代工芸の優れた作品資料の実地調査が達成され、データの収集及び撮影に基づく記録が作成された。各担当で整理しその特質を研究して調査成果を論考にまとめ、報告書『明治期に流出した近代工芸作品の調査』を編集発行、統一されたデータとして整理し、データベース化を検討した成果を掲載した。