著者
太田 勝巳 伊藤 憲弘 細木 高志 遠藤 浩司 梶川 修
出版者
園藝學會
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.62, no.2, pp.407-412, 1993
被引用文献数
2 4

水耕ミニトマト, 'シュガーランプ', 'サンチェリー','ミニキャロル'および'アカコッコ'において培養液濃度が裂果発生に及ぼす影響を検討し, 裂果発生機構の解明を試みた。<BR>'アカコッコ'を除いた3品種においては培養液濃度が高いほど裂果発生が増加した。しかし, 'アカコッコ'は培養液濃度の影響を受けなかった。成熟果および裂果までの積算温度の差異はいつれの品種においても培養液濃度の影響がみられなかった。裂果発生が増加した要因は糖度の上昇, 果実の浸透ポテンシャルの低下および果肉の硬さの低下などによるものと考えられた。高濃度で栽培された果実ほど少ない水の注入量(果実体積当たりも同様) で人工裂開を生じた。<BR>'サンチェリー'は高培養液濃度で栽培された果実の果肉部分における浸透ポテンシャルが低下していた。吸水試験では高培養液濃度における果実ほど裂果が多く発生し, 果実の膨張率が高くなり, 吸水能力が高いことを示した。
著者
伊藤 彰良 有田 智一
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.49, no.3, pp.831-836, 2014

本研究では、同業種の店舗が特定エリアに集積している専門店街に着目し、その形成過程、現在の空間特性、またどのような主体が業種集積に影響を与えたのかについて明らかにすることを目的とする。事例として都内で最も特徴的なアパレル小売店の集積地でありながら、一般的な商業集積の特徴(巨大ターミナル駅、大規模百貨店等の立地等)を有していない原宿を対象とする。本研究の結果として以下の項目が明らかとなった。 1)時代ごとにアパレル小売店の集積したエリアが異なる 2)エリア毎に扱う価格帯が異なる店舗集積となっている 3)新規起業の企業を育てる地元企業・組織の役割や、地域に相応しくない業種の参入を抑制する地域活動の役割が重要であった
著者
伊藤 正男 廣瀬 智士
出版者
日本神経回路学会
雑誌
日本神経回路学会誌 (ISSN:1340766X)
巻号頁・発行日
vol.16, no.2, pp.93-97, 2009-06-05 (Released:2009-08-14)
参考文献数
16

去る2008年10月31日~11月3日に開かれた“第三回日本神経回路学会オータムスクール(ASCONE2008)”の4日目(11月3日)に伊藤正男先生(理化学研究所)の講義が行われた.本稿はこの講義の記録に執筆担当者が解説を加えたものである.
著者
橋本 鉱市 伊藤 彰浩
出版者
日本教育社会学会
雑誌
教育社会学研究 (ISSN:03873145)
巻号頁・発行日
vol.64, pp.55-74, 1999-05-15 (Released:2011-03-18)
参考文献数
27
被引用文献数
1 2

The Association of Sociology of Education in Japan was established in 1950. In the fifty years since that time, membership in the association has grown to nearly 1, 300 members. In this paper, we attempt to analyze the process of the institutionalization of Sociology of Education in Japan. We will attempt to reinterpret the factors which contributed to the formation and integration of the researchers of Sociology of Education into one field of study, and examine the ensuing process of institutionalization up to the present day, taking into account a broader viewpoint of the context at each stage of the development. We will focus on certain aspects of the institutionalization process, such as the “association”, the “teacher-training course”, the “chair system in experimental course.”First, we examine the Association of Sociology of Education as a group emerging out of the Association of Education and the Association of Sociology. Next, we define typology of the foundation of the Association, its significance, its organization, and its social features, and attempt to analyze the issues that were present at the start of the Association and the surrounding factors which contributed to its institutionalization. We then trace the movements surrounding the establishment of teachertraining courses and the chair system in experimental course in and out of the Association to the present day. This later became the institutional basis of the development of the Association.
著者
佐竹 洋之 福田 浩二 近藤 正輝 中野 誠 瀬川 将人 伊藤 健太 下川 宏明
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.47, no.SUPPL.1, pp.S1_147-S1_152, 2015 (Released:2016-12-14)
参考文献数
5

症例は30歳代男性, 市民ハーフマラソン大会に出場し, スタートから15km付近を走行中に心肺停止状態となった. 同マラソン大会に救命救急のプロジェクトとして参加していた医師・看護師により, 速やかにCPRが施行され, AED (VFドキュメント) にて心拍再開を得た. その後, 当院へ救急搬送・低体温療法にて神経学的後遺症を残さず回復した. 心エコーおよび画像検査からは器質的心疾患の存在は否定的であり, 後日施行した冠動脈造影では器質的狭窄は認めず, 冠攣縮誘発試験でSpasm陽性, 電気生理検査ではVFは誘発されず, サンリズム負荷試験も陰性であった. VFの発生に冠攣縮の関与も疑われたが, 過去, またCPA時に胸痛がないため, 特発性心室細動と診断し, ICD植込みを施行, Ca拮抗薬の内服も開始し退院となった. 若年者のスポーツ中の突然死は, 肥大型心筋症などの器質的心疾患に多いとされているが, 今回, 器質的心疾患を認めない若年者に発生した特発性心室細動を経験したので報告する.
著者
西澤 一 吉岡 貴芳 伊藤 和晃 長岡 美晴 弘山 貞夫 浅井 晴美
出版者
Japanese Society for Engineering Education
雑誌
工学教育 (ISSN:13412167)
巻号頁・発行日
vol.59, no.4, pp.4_66-4_71, 2011 (Released:2011-08-01)
参考文献数
16

Extensive reading (ER) is proved to be an effective approach for Japanese engineering students to improve fluency in English. But it is only effective in limited conditions, and the condition in English as a foreign language (EFL) settings is widely different from English as the second language (ESL) settings, where former ER programs are conducted. This article focuses on the critical factors that separate successful ER programs in EFL settings from failure, based on the authors’ experiences of conducting a 5-year-long ER program. In a long-term sustained silent reading (SSR) program that guides students to start reading from simple stories (SSS) , reluctant EFL learners have the maximum opportunity to improve their English fluency to the required level for novice engineers.
著者
馬野 詠子 伊藤 祐成
出版者
日本皮膚科学会西部支部
雑誌
西日本皮膚科 (ISSN:03869784)
巻号頁・発行日
vol.45, no.6, pp.972-975, 1983

50才男子。主として吉草酸ベタメサゾンクリームを5年以上使用して生じた顔面のステロイド皮膚症難治例を治療中, 眉毛部と下顎部に臨床的にも, 病理組織学的にもeosinophilic pustular folliculitisと診断された局面を生じた。該部に対しては, とくに治療を行わなかつたが, ステロイド外用剤の完全離脱から約9週間後に病巣は消退した。
著者
伊藤 沙耶美 中川 晋作 岡田 直貴
出版者
日本DDS学会
雑誌
Drug Delivery System (ISSN:09135006)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.39-45, 2017
被引用文献数
1

現行のワクチンの大半は注射製剤であるため、投与に医療従事者を必要とするだけでなく、ワクチン製剤の輸送・保管に一貫した低温温度管理(cold chain)の整備が求められる。そのため、実際にワクチンを最も必要としている開発途上国などの地域にワクチンが浸透しにくく、また感染症パンデミックやバイオテロリズム発生時にワクチンの大規模接種を迅速に施行できないという課題を有する。したがって、注射に代わる簡便で有効かつ安全な新規ワクチン手法を開発することがさまざまな感染症ワクチンの有用性を向上させると考えられる。本稿では、近年開発が進むさまざまな新規ワクチン剤形のなかで、皮膚に貼るだけという簡便性と低侵襲性を併せもった経皮ワクチン製剤の開発状況について紹介する。
著者
原口 友也 中島 敦 木村 志穂 伊藤 晴倫 小坂 周平 松木 秀多 西川 晋平 板本 和仁
出版者
一般社団法人 日本獣医麻酔外科学会
雑誌
日本獣医麻酔外科学雑誌 (ISSN:21896623)
巻号頁・発行日
vol.49, no.1+2, pp.8-13, 2018 (Released:2018-12-08)
参考文献数
16

腹腔鏡・内視鏡合同手術(Laparoscopy and endoscopy cooperative surgery:LECS)は、ヒト早期胃粘膜下腫瘍に対する胃局所切除術のための新しい術式として考案され有用性が認められているが、獣医療においては一般的な手術法ではない。本検討では、健常ビーグル犬を用いLECS予防的胃固定術の有用性を評価した。LECS予防的胃固定術は他の胃固定術と比較して、よりシンプルで容易な術式であり、周術期合併症も認められなかった。そのためLECSは、安全性が高く侵襲度が低く、予防的胃固定術の術式として有用性が高いと考えられた。しかし、本検討は実験動物を用いて行っているため、今後は症例において有用性を評価する必要があると考えられた。

1 0 0 0 OA 語孟字義 2巻

著者
伊藤仁斎
巻号頁・発行日
1705
著者
伊藤 朋恭
出版者
大妻女子大学
雑誌
大妻女子大学紀要. 社会情報系, 社会情報学研究 (ISSN:13417843)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.149-159, 2007

化石燃料から排出される二酸化炭素が地球温暖化を引き起こしていることはすでに通説として定着している。確かに大局的に見れば温暖化に向かっており、少なくてもその一因が人為的二酸化炭素の排出にあることは確かであろうし、将来に備える予防的見地から対策を考えることは合理的である。しかし一方では人為的温暖化という通説を疑問視する見方も多く存在しており、その中には合理的な意見も少なくない。本稿ではこれらの懐疑的意見を5つに大別して整理することを試みた。懐疑論の中で最も中心的な意見は、温暖化に寄与している大きな要因は人為的なものではなく、太陽活動の変動などの自然現象にあるとするものである。残念なことに、これらの懐疑論の存在は世間からは事実上無視されている。なぜ無視される状態が生じているのか。その原因として二つ挙げることができる。一つは、温暖化がすでに科学の世界を離れて政治的課題になってしまっており、科学的な正当性を議論するよりは政治的判断が優先していることである。もう一つは、何事に関しても「悪いニュース」に偏りがちなマスメディアの報道姿勢である。人間活動がすべての原因であることを大前提として、「大変だ」という環境情報を一方的に報道する傾向にあり、結果的に一般大衆がそれ以外の要因の寄与について考える機会を奪っている。
著者
森 久史 伊藤 暁 辻村 太郎
出版者
公益社団法人 日本金属学会
雑誌
日本金属学会誌 (ISSN:00214876)
巻号頁・発行日
vol.70, no.8, pp.638-641, 2006 (Released:2006-08-22)
参考文献数
8

This paper presented the results of application of super hydrophilicity TiO2 coating on Shinkansen vehicle. Also effect of metalic powder on hydrophilicity of TiO2 coatings was investigated. It was found that durability of protection from dirt adhesion was less than five months in real vehicle tests. The reason of degradation on protection was due to the contamination of metal powders produced by abrasive wear on the coating surface. Accordingly, it was considered that the degradation of hydrophilicity was attributed to the metal powder on the interface between TiO2 and water.