著者
佐藤 正範
出版者
京都大学
雑誌
東南アジア研究 (ISSN:05638682)
巻号頁・発行日
vol.32, no.4, pp.495-522, 1995-03

この論文は国立情報学研究所の学術雑誌公開支援事業により電子化されました。This article deals with the "Romusha" described in history textbooks used in junior and senior high schools in Indonesia from 1984 to 1993 and analyses the meanings and images evoked by these descriptions. The results of an analysis of the "Romusha" in 9 junior high school history textbooks and 5 senior high textbooks can be summarized as follows; "Romusha" is the most symbolic word used to represent the Japanese Military Occupation of Indonesia (1942-1945). In Japanese, romusha means 'physical laborers', but in 7 of 14 textbooks the word means 'forced laborers', in 4 it means 'laborers', in 3 'soldiers of labor', in 2 'heroes of labor' and 'soldiers of economics', and in 1 each 'forced labors', 'corps of forced laborers' and 'forced coolies'. Thus the word can be said to have more specialized meanings in Indonesian textbooks than in the original Japanese. In 12 of the 14 textbooks there are descriptions of mobilizing the "Romusha, " their actual working conditions in 9,the methods of dispatching workers to job sites and their final disposition in 10,and the number of workers in 8. It is evident that the image of the "Romusha" in Indonesian history textbooks used in junior and senior high schools is basically that of "pathetic forced laborers" from many points of view.
著者
山本 聡 山崎 隆 山形 仁 佐藤 正
出版者
日本デジタルゲーム学会
雑誌
デジタルゲーム学研究 (ISSN:18820913)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.74-83, 2007 (Released:2021-06-01)

「ゲームの処方箋」プロジェクトは、早稲田大学こどもメディア研究所との産学協同研究である(プロジェクトリーダー:早稲田大学・河合隆史助教授)。本プロジェクトは、科学的手法でゲームの「人間にとっての良い影響(効能)」及び「遊び方・視聴方法等の活用方法(処方)」に関する研究を行い、ゲームが日常生活でサプリメントのような役割を果たすための知見を得ることを目的としている。第一線の科学者及び臨床家がプロジェクトに関わり、205年4月からの1年間を第1期として実験・研究を行ってきた。その結果、きわめて新規性・有効性の高い結果が得られた。206年7月にはシンポジウムを開催し、結果の発表を行っている。
著者
根本 直樹 佐藤 正洋
出版者
地学団体研究会
雑誌
地球科学 (ISSN:03666611)
巻号頁・発行日
vol.67, no.6, pp.183-195, 2013

秋田県北部,二ツ井地域の天徳寺層上部及び笹岡層下部からの有孔虫化石を検討した.検討した区間からのGloborotalia inflata(sensu lato)の豊富な産出は,この区間が上部鮮新統のNo.3 Globorotalia inflata bedに相当することを示唆する.また,その産出は温暖な中層環境を示す.いくつかの層準からのGlobigerina quinquelobaの産出は,本地域の表層が時々低塩水に覆われたことを示唆する.天徳寺層上部産化石底生有孔虫群集の多くは,上部漸深海帯での堆積を示唆する.天徳寺層最上部の堆積の間,本地域は温暖な水塊の影響を受けた.笹岡層下部は,温暖な水塊の影響を受けた外部浅海帯に堆積した.
著者
近藤 一成 坂田 こずえ 加藤 怜子 菅野 陽平 武内 伸治 佐藤 正幸
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.60, no.5, pp.144-150, 2019-10-25 (Released:2020-01-17)
参考文献数
17
被引用文献数
1 3

日本国内で食中毒事例が多いクサウラベニタケと考えられてきたきのこは,3種類の近縁種から構成される.これら近縁種を特異的に感度よく検出できるリアルタイムPCR法を開発した.有毒と考えられるクサウラベニタケ近縁3種および食用のウラベニホテイシメジに特異的なプライマーおよびプローブ(FAM,VIC,Texas Red,Cy5標識)を用いて検討した.クサウラベニタケ近縁3種とウラベニホテイシメジITS全領域を有する標準プラスミドを用いた検討から,いずれの検出系も12.5コピーまで検出可能あり,目的以外の標的には反応しなかった.本法を用いて中毒事例から回収した検体を分析したところ,PCR-RFLP法では十分解析できない検体でも確実に種の同定検出が可能であることが分かった.食中毒の防止および中毒発生時の原因種特定に役立つと考えられる.また,北海道内におけるクサウラベニタケ近縁種は,本州のものとは異なりEntoloma eminensまたはEntoloma sp.であることを同時に明らかにした.
著者
鈴木 陽雄 佐藤 正
出版者
一般社団法人 日本地質学会
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.78, no.4, pp.213-215, 1972-04-15 (Released:2008-04-11)
参考文献数
9
被引用文献数
4 5
著者
佐藤 正志
出版者
日本農業史学会
雑誌
農業史研究 (ISSN:13475614)
巻号頁・発行日
vol.41, pp.17-27, 2007 (Released:2017-03-23)

Indigo production grew in Tokushima Prefecture which was the biggest indigo producing district in the first half of the Meiji period through the development of the fiber industry. However, due to the inflow of Indian indigo and the rise in the price of manure, indigo work farmers became indigence and the number of people who tried to migrate to Hokkaido began increasing. As a result, from 50,000 to 60,000 people migrated from Tokushima Prefecture during Meiji period. Kousansha was established by ABE Okindo and TAKIMOTO Goro brothers in 1881. Kousansha was the company where farmers from Tokushima, who were skillful in indigo cultivation and processing, settled in the form of a group and manufactured blue indigo. In the latter half of Meiji era, ABE Okindo, who is the foundation person of Kousansha became a typical entrepreneur in Hokkaido. The purpose of this research is to explain the role of which indigo industry has made in the process of the emigration to Hokkaido, which was done in the turning point of the history when modernization and industrialization started. The object of the research is the management history of Kousansha. In the research, "the diary", written for field investigations for the reclaimed land selection which ABE went for in 1881, is analyzed to prove the indication of Mr. YUI Tsunehiko that "many-sided cooperation between the entrepreneurs" relations were seen in the industrialization process of Japan. By this analysis, it became obvious that the ABE's success was caused by forming strong connections between Hachisuka Mochiaki, the former lord and entrepreneurs, from the same prefecture as KONDO Renpei, the manager of Mitsubishi Company. He made use of these relationships well.
著者
佐藤 正之
出版者
一般社団法人 日本高次脳機能障害学会
雑誌
高次脳機能研究 (旧 失語症研究) (ISSN:13484818)
巻号頁・発行日
vol.32, no.2, pp.227-236, 2012-06-30 (Released:2013-07-01)
参考文献数
16
被引用文献数
1 1

前頭葉の機能解剖と前頭葉機能障害の自験例を呈示し, 前頭葉機能の測定に用いられる神経心理検査について frontal assessment battery (FAB) を中心に述べた。前頭葉は穹窿部, 眼窩面, 内側面に分けられ, それぞれの部位の障害により特徴的な症状を示す。いわゆる前頭葉機能検査には, Stroop test, 語想起, Trail Making Test, Wisconsin Card Sorting Test (WCST) , FAB などがあり, 脳賦活化実験により各々の検査の施行時に活性化する脳部位が調べられている。FAB は近年臨床場面で頻用されているが, FAB 低得点=前頭葉機能障害では必ずしもないことに注意しなければならない。
著者
磯部 美良 佐藤 正二
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.51, no.1, pp.13-21, 2003-03-30 (Released:2013-02-19)
参考文献数
14
被引用文献数
3 5

本研究の主な目的は, 関係性攻撃を顕著に示す幼児の社会的スキルの特徴を明らかにすることであった。年中児と年長児の計362名の攻撃行動と社会的スキルについて, 教師評定を用いて査定した。関係性攻撃得点と身体的攻撃得点によって, 関係性攻撃群, 身体的攻撃群, 両高群, 両低群の4つの群を選出した。社会的スキルについて群間比較を行った結果, 両低群に比べて, 関係性攻撃を高く示す子ども (関係性攻撃群と両高群) は, 規律性スキルに欠けるものの, この他の社会的スキル (友情形成スキルと主張性スキル) については比較的優れていることが明らかになった。また, 関係性攻撃群は, 教師に対して良好な社会的スキルを用いていることが示された。さらに, 関係性攻撃群の男児は友情形成スキルが全般的に優れているのに対して, 関係性攻撃群の女児は友情形成スキルが一部欠けていることが見出された。これらの結果から, 関係性攻撃の低減には, 規律性スキルの習得を目指した社会的スキル訓練が効果的であることなどが示唆された。
著者
中井 俊一 佐藤 正教 武藤 龍一 宮腰 哲雄 本多 貴之 吉田 邦夫
出版者
一般社団法人日本地球化学会
雑誌
日本地球化学会年会要旨集 2013年度日本地球化学会第60回年会講演要旨集
巻号頁・発行日
pp.228, 2013 (Released:2013-08-31)

漆はウルシ属樹木であるウルシが分泌する樹液を脱塵,脱水などの処理をした後,空気にさらし,酸化酵素ラッカラーゼの働きにより硬化させ,塗料や接着剤として用いられてきた.ウルシ属の樹木は日本の他,中国,ベトナム,タイなどに自生している.現在,日本の漆工芸で使われている漆は大部分が中国,ベトナム産である.日本では縄文時代早期の遺跡から,漆塗の髪飾り,腕輪などが出土し,古い時期からの利用を示している.漆塗料の産地を決めることができれば,漆文化の起源や,時代による交易圏の変遷を考える手がかりになりうると予想できる.漆の主成分である有機化合物の分析により,日本産の漆をタイ,ベトナム産のものと区別することはできるが,日本産の漆を中国,韓国産のものと区別することはできない.そこで土壌の源岩の年代により変動する87Sr/86Sr同位体比を用いて漆の産地推定を行うことを検討してきた.
著者
佐藤 正明
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.930, pp.66-69, 1998-03-02

日本経済新聞社・編集局産業部長、編集局長付編集委員を経て現在、日経BP社編集担当補佐兼ビジネス局長。1982年「トヨタ・GM提携交渉に関する特報」で新聞協会賞(ニュース部門)、1996年『ホンダ神話 教祖のなき後で』(文藝春秋刊)で第27回大宅壮一ノンフィクション賞受賞。同書は今秋、オックスフォード大学から英文で出版予定。
著者
武者 忠彦 箸本 健二 菊池 慶之 久木元 美琴 駒木 伸比古 佐藤 正志
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集 2018年度日本地理学会春季学術大会
巻号頁・発行日
pp.000278, 2018 (Released:2018-06-27)

中心市街地再生論の転換低未利用不動産の増加を実態とする地方都市中心市街地の空洞化に対しては,商業振興や都市基盤整備の名目で,これまでも夥しい額の公共投資がなされてきたが,その成果はきわめて限定的であった.こうした現状に対して,近年は中心市街地再生をめぐる政策を批判的に検討し,空洞化を是認する論調も強まっているが,政府は2014年に策定した「国土のグランドデザイン2050」において「コンパクト+ネットワーク」モデルを提示しているように,人口減少や財政難,低炭素化を背景としたコンパクトシティの文脈から,中心市街地再生の立場を継続している.もっとも,政府が掲げるコンパクトシティ政策は,土地利用と施設立地の効率化を追求した中心市街地への機能と人口の〈再配置論〉であり,どうすればそのような配置が可能になるのか,そのような配置にして生業や生活が成り立つのか,そこで望ましい社会や経済が形成されるのか,といった議論は各地方都市の「マネジメント」に丸投げされているといってよい.都市マネジメントの可能性:事例報告からの示唆では,地方都市にはどのようなマネジメントの可能性があるのか.これまでの中央主導による補助事業に依存した開発志向型の再生手法が,ほとんど成果を生み出せず,もはや依存すべき財源もないという二重の意味で使えない以上,基礎自治体や民間組織のようなローカルな主体が中心市街地という場所の特性を見極め,未利用不動産を利活用して戦略的に場所の価値を高めることが不可欠となる.その際には,高齢化,人口流出,共働き世帯の増加,公共交通網の縮小など,地方都市固有の文脈をふまえることも必要である.本シンポジウムで報告する未利用不動産の活用事例からは,以下の2つの可能性が示唆される.第1に,PPP/PFIや不動産証券化などの市場原理を導入して介護施設や商業施設を開発した事例のように,「低未利用状態でも中心市街地であれば新たな投資スキームを導入することで価値が見出される」という可能性である(菊池報告,佐藤報告).第2に,都市的環境にありながら相対的に地代の安い未利用不動産では,リノベーションによって新規参入者の経営が成立し,賑わいが生まれ,そこに新しい社会関係が構築されるというように,「中心市街地で低未利用状態だからこそ価値が生まれる」という可能性である(久木元報告,武者報告).とはいえ,これによってすべての地方都市が再生にむけて動き出すわけではない.各都市の立地や人口のポテンシャルを考慮すれば,どこかに〈閾値〉はあるはずであり,選択可能な戦略も異なってくる(箸本報告,駒木報告).未利用不動産の利活用と新しい幸福論本シンポジウムで議論する未利用不動産を切り口とした中心市街地再生論は,同じ再生を目的としながらも,かつてのような国の補助事業に従って計画されたエリア包括的な再生論とは異なる.未利用不動産を利活用を通じて,それぞれの主体が中心市街地という場所の特性をあらためて構想し,商業やオフィスの機能に限らず,居住,福祉,子育てなどの機能を取り込みながら,周辺エリアの価値を高めていく.それは単なる商業振興でもなく,都市基盤整備でもない,個別物件の再生から戦略的に考える都市マネジメントの視点である.こうして再構築される中心市街地での生活風景が,かつての百貨店や商店街が提供した「ハレの場」や郊外における「庭付き一戸建て」に代わる幸福論となり得るのか,コンパクトシティの成否はこの点にかかっているように思われる.
著者
髙橋 高人 松原 耕平 中野 聡之 佐藤 正二
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.66, no.1, pp.81-94, 2018-03-30 (Released:2018-04-18)
参考文献数
45
被引用文献数
7

本研究の目的は,中学生における認知行動的な抑うつ予防プログラムの効果を標準群との比較,さらに2年間のフォローアップ測定から検討することであった。介入群を構成した51名の中学1年生が,プログラムに参加した。標準群は,中学生1,817名から構成した。介入内容は,全6回の認知行動的プログラムから構成した。プログラムの効果を測定するために,子ども用抑うつ自己評定尺度,社会的スキル尺度,自動思考尺度が,介入前,介入後,フォローアップ測定1(1年後),2(2年後)で実施された。結果から,抑うつについて介入前と標準群1年生の比較では差が見られなかったのに対して,介入群のフォローアップ測定1と標準群2年生の比較では,有意に介入群の抑うつが低いことが示された。また,社会的スキルの中のやさしい言葉かけとあたたかい断り方,ポジティブな自動思考に関して,介入前よりも介入後,フォローアップ測定において向上することが示された。ユニバーサルレベルの抑うつ予防プログラムが,中学生に対して効果的な技法であることが示唆された。
著者
佐藤 正明
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.975, pp.78-81, 1999-01-25

ビクターの開発したVHSかソニーのベータマックスか。家庭用ビデオの世界標準規格を目指した争いは、国内から米国、欧州へと飛び火した。VHS陣営には国内で松下電器と日立製作所、シャープ、三菱電機が加わり、ベータ陣営には東芝と三洋電機が参加した。米国ではソニーが米最大のテレビメーカー、ゼニスを自陣営に引き入れると、そのライバルであるRCAを松下がVHS陣営に取り込んだ。
著者
佐藤 正彦
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.60, no.476, pp.167-174, 1995
参考文献数
9

Since 'munafuda's (dedication boards) are usually written at the time of putting up the ridge-beam of holy buildings. 'joto tatematsuru' (we dedicate this building in deep reverence) might be the most appropriate description. In actuality, however, this description constitutes only few percentage. According to these munafudas, these percentages show that the peak of the constructions was under way March and Spring, and August and September. But since the dates were written at the time of dedicating the building, we must assume that the construction works were already under way in spring, or further back in winter and summer, sometime during the off-season on the farm; that is, after the harvest and before the rice-planting time. In this conection, 'Daisho-tekagami' mentions, "January, July, October, November, and December are auspicious months for building a pole of the sate" ; meaning that the three months in winter except January and July correspond to the slack season on the farm when more helping hands are available.
著者
佐藤 正晴
出版者
関東社会学会
雑誌
年報社会学論集 (ISSN:09194363)
巻号頁・発行日
vol.1998, no.11, pp.179-190, 1998-06-05 (Released:2010-04-21)
参考文献数
31

In this paper, the author describes the development of propaganda for Southeast Asia after the outbreak of the Pacific War, from the viewpoint of Japanese foreign propaganda policies. The focus here is on the, so-called, Newspapers Campaign in Occupation. The auther characterized Newspapers Campaign for Southeast Asia as one of the foreign propaganda policies in wartime Japan. The contradictions of Newspapers Campaign for Southeast Asia is all all of Japanese foreign propaganda.