著者
鈴木 誠 高橋 一揮 梁川 和也 佐藤 洋一郎 吉田 忠義 小野部 純 村上 賢一 武田 涼子 藤澤 宏幸
出版者
JAPANESE PHYSICAL THERAPY ASSOCIATION
雑誌
日本理学療法学術大会
巻号頁・発行日
vol.2008, pp.C3P2406-C3P2406, 2009

【目的】<BR>垂直跳び(Vertical Jump:以下、VJ)は瞬発力の測定としてスポーツ現場では簡便に実施できる測定であり、跳躍高はプロサッカー選手の脚伸展筋力と相関が高いことがWisl&oslash;ffら(2006)の報告でもなされている.しかし、これは足関節の機能的・構造的安定性が補償されてはじめて行える動作であり、同部位に障害を負うと十分なパフォーマンスを発揮することが出来ないと予想される.そこで本研究はプロサッカー選手の足関節周囲筋の力時間曲線から得られた時間的指標とVJの跳躍高との関係性を足関節障害の有無によって比較検討することである.これは、足関節に障害を負ったスポーツ選手の競技復帰に向けた理学療法介入の具体的戦略として活用できると考えられる.<BR>【方法】<BR>対象は某プロサッカーチームに所属する選手で、重症度に関わらず足関節に障害を抱えている選手(以下、障害群)4名(22.5±3.3歳)、及び特に障害を抱えていない選手(以下、非障害群)13名(23.23±2.83歳)の計17名について調査を行った.測定の前に十分な説明を行った上で実験参加の同意を得た.測定肢は非障害群の場合、右下肢とした.測定項目は足関節背屈筋の反応時間(RT)・最大トルク到達時間(Max_tq_time)・最大変化率到達時間(MaxVtime)とした.また、VJは上肢を胸部前方で組み、反動を使わず股・膝関節屈曲90°を開始肢位として測定を行った.統計学的検定として、平均値の差の検定には2標本の差の検定を行った.また、VJの跳躍高と足関節筋力指標との関係を調べるためピアソンの積率相関係数(r)を求めた.有意水準は5%未満とした. <BR>【結果】<BR>VJの跳躍高は非障害群:47.1±3.5cm,障害群:46.5±2.9cmであり、有意差は認められなかった.足関節周囲筋の時間的指標は、RT(非障害群:0.14±0.03秒, 障害群:0.14±0.02秒)、Max_tq_time(非障害群:0.70±0.20秒, 障害群:0.49±0.08秒)、MaxVtime(非障害群:0.28±0.05秒, 障害群:0.25±0.03秒)であり、Max_tq_timeにのみ有意差を認めた(p<0.05).また、VJの跳躍高と足関節周囲筋の時間的指標との相関係数は0.5~0.8であり、有意ではないが関係性が示唆された.<BR>【考察】<BR>サッカー選手にとってジャンプ動作は相手選手との競り合いの中でもしばしば見受けられる動作であり、より高い跳躍高が求められる.今回の結果より、足関節周囲筋の最大張力だけではなく、それを短時間で発揮できる能力が足部の安定性を補償し、効率の良い脚伸展筋力の伝達に利用できると思われる.よって、早期より足関節周囲筋の筋力向上に加え、反応性を意識したような理学療法のアプローチを考慮し、下肢全体の協調性を高めていくような戦略をとる必要があると考えられる.
著者
岡 知子 仲井 邦彦 亀尾 聡美 佐藤 洋
出版者
SOCIETY OF ENVIRONMENTAL SCIENCE, JAPAN
雑誌
環境科学会誌 (ISSN:09150048)
巻号頁・発行日
vol.17, no.3, pp.163-168, 2004

母親の食事由来の低濃度メチル水銀の胎児期曝露が,その後の児の発達に与える影響を検証する疫学的調査として良く知られているのは,デンマーク領フェロー諸島前向き研究(Faroe Islands Prospective Study)とセイシェル小児発達研究(Seychelles Child Development Study:SCDS)の2つである。両研究は,曝露量,対象集団の規模,および神経発達の検査法が比較的類似しているにも関わらず,結果的にはSCDSではフェロー諸島で認められた様な小児の神経・認知・行動への影響は見出されていない。本稿では調査の背景となったセイシェル共和国の自然と人々,生活様式,を紹介するとともにこれまでの調査の主要な結果をまとめ,SCDSの位置づけなどを考えてみた。
著者
佐藤 洋介 米田裕也 橋本 浩二 柴田 義孝
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告マルチメディア通信と分散処理(DPS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.58, pp.13-18, 2007-06-06
被引用文献数
9

人間の建物への侵入や室内での行動を監視するシステムにおいて、主に人物を実時間で追跡する事や、広範囲で鮮明な映像を撮影する事などが求められている。また、広範囲且つ人物の拡大顔画像を撮影することで、一般に利用されている監視カメラの台数や記録メディアの削減につながると考えられる。これまで、カメラの画像から人間の顔を検出し検出範囲を拡大するシステムや、Pan/Tilt/Zoom カメラ(PTZ カメラ)を用いて追跡するシステムの研究がなされてきた。一方、全方位映像カメラを用いた自律ロボット制御や、複数の移動物体を検出するシステム等の研究が多くなされている。そこで、全方位映像カメラを用いて広範囲に人間の顔を検出し、その検出位置情報に基づき、PTZ カメラを制御して顔を適切な位置・大きさで撮影することで、広範囲に人物の鮮明な拡大顔画像を撮影することが可能となる。本稿では人物の顔を特定して抽出し、自動追跡可能な新しい監視カメラシステムについて提案を行う。In the surveillance system which observes the behavior of human invasion to building or indoor, it is required not only to capture the high quality and wide area images, but also to automatically track to the specific suspicious person in realtime to reduce the number of the required surveillance cameras. So far, there are many researches which have investigated the facial motion detection and extraction and the area expansion, and automatic motion tracking using Pan/Tilt/Zoom camera (PTZ camera). On the other hand, the other systems which perform autonomous robotics control and multiple moving objects using omni-directional cameras and PTZ cameras has been also investigated. Using the suggested system, the location of the target human face in wide area with 360 degree surround can be detected and the moving face can be tracked and captured his high quality images in realtime.
著者
花森 功仁子 石川 智士 齋藤 寛 田中 克典 佐藤 洋一郎 岡田 喜裕
出版者
東海大学
雑誌
東海大学紀要. 海洋学部 (ISSN:13487620)
巻号頁・発行日
vol.9, no.3, pp.19-25, 2012-03-20

14カ国に由来する温帯型と熱帯型を含むジャポニカ型イネ31系統と,11カ国に由来するインディカ型イネ23系統,合わせて54系統を用いて,温帯・熱帯ジャポニカ型の遺伝的相異点を調べた。その結果,第6染色体上に221塩基の欠失/挿入領域(DJ6領域)を発見した。この領域では温帯ジャポニカ型は欠失を示し,熱帯ジャポニカ型とインディカ型は非欠失を示す。このDJ6領域にPCRプライマーを10個設計し,これらを用いて,温帯・熱帯ジャポニカ型の識別手法を開発した。また,このプライマーを用いて,弥生時代後期の登呂遺跡第1期の地層から出土したイネ種子の型判別をおこなった。その結果,温帯ジャポニカ型と熱帯ジャポニカ型のDNAを持つ雑種1点と温帯ジャポニカ型2点が検出された。このことから,弥生時代後期には温帯ジャポニカ型と熱帯ジャポニカ型が栽培されており、両者のイネが自然交雑していたことが示唆された。
著者
佐藤 洋一 伊藤 清英
出版者
愛知教育大学教育実践総合センター
雑誌
愛知教育大学教育実践総合センタ-紀要 (ISSN:13442597)
巻号頁・発行日
no.7, pp.135-143, 2004-02

国語科におけるコミュニケーション能力育成の課題の一つは、身につけさせるべき「国語学力」の明確化(系統的な学力保障)と、それと結びついた人間性・社会性の育成を図る「学習システム=授業・評価システム」の開発と提案である。「確かな学力」の定着は、基礎・基本の繰り返しやスキルの一覧表の提案のみでは、真に子どもたちの「生きる力」の育成とはなりにくい。授業提案と評価研究レベルで、「確かな学力」の育成が「豊かな人間性・社会性の育成」にリンクするような、到達目標(評価基準)の明確化・系統的で段階的な授業・評価システム」が緊急に求められている。本稿は、到達目標(評価基準)を明確にしたコミュニケーション学習と評価研究の一環として、文学教材(ここでは物語教材)を<情報理解から発信の一モデル>としてとらえなおし、「話す・聞く/関わり学び合う」というスピーチの交流と評価学習へと結びつけた実践的な提案である。
著者
細谷 葵 佐藤 洋一郎 槙林 啓介 田中 克典 石川 隆二 趙 志軍 楊 春 DORIAN Qfuller MICHELE Wollstonecroft
出版者
総合地球環境学研究所
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

昨今再考がうながされている、中国におけるイネの栽培化とそれに基づく農耕社会の形成過程について、考古学(植物遺存体・人工遺物)と遺伝学の共同研究による解明をめざした。イネ栽培化期における野生植物利用の実態解明、農耕具・加工具の体系化、栽培イネの伝播経路について新しい見解を得ることができ、複数の英語・日本語論文や国際学会で発表した。また、国際シンポジウム2件(1件は共催)を開催し、国際的な研究者の意見・情報交換の場を提供するとともに、その成果の出版も行った。
著者
山内 仁 尾崎 公一 佐藤 洋一郎 福田 忠生 小武内 清貴
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IE, 画像工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.20, pp.29-34, 2013-04-19
被引用文献数
1

画像の拡大・高解像化のために様々な画素補間手法が提案・利用されているが,より高精度な拡大画像を得る手法についての要求はいまだ根強い.本稿では,画素値をその局所領域のエネルギーとみなし,それを保存する新しい画素補間手法を提案する.まず,画素値が定義されている座標に対して,画像原点とその座標で決まる領域の画素値の積分を定義する.この積分値は,その座標における画素値とその近傍の3つの座標における積分値から決定できる.そして,各局所領域における積分値の分布を,その領域を規定する4座標における積分値を制御点として,B-Spline曲面で補間する.これにより,画素値は完全に保存され,局所領域内の任意の座標における画素値は,その補間曲面の偏微分として得られる.検証実験の結果,従来広く用いられている画素補間手法に比べて良好な画質の拡大画像が得られることを確認した.
著者
山内 仁 尾崎 公一 佐藤 洋一郎 福田 忠生 小武内 清貴
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 : 信学技報 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.20, pp.29-34, 2013-04-26
被引用文献数
1

画像の拡大・高解像化のために様々な画素補間手法が提案・利用されているが,より高精度な拡大画像を得る手法についての要求はいまだ根強い.本稿では,画素値をその局所領域のエネルギーとみなし,それを保存する新しい画素補間手法を提案する.まず,画素値が定義されている座標に対して,画像原点とその座標で決まる領域の画素値の積分を定義する.この積分値は,その座標における画素値とその近傍の3つの座標における積分値から決定できる.そして,各局所領域における積分値の分布を,その領域を規定する4座標における積分値を制御点として,B-Spline曲面で補間する.これにより,画素値は完全に保存され,局所領域内の任意の座標における画素値は,その補間曲面の偏微分として得られる.検証実験の結果,従来広く用いられている画素補間手法に比べて良好な画質の拡大画像が得られることを確認した.
著者
木村 桂 齋野 朝幸 佐藤 洋一 黒坂 大次郎
出版者
岩手医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

プロテアーゼ活性化型受容体(PARs)はGタンパク共役型受容体の一種である。涙腺でのPARsの機能をCa2+イメージング法にて検討した。RT-PCRでPAR2のみの発現を認めた。PAR2刺激によって細胞内Ca2+の上昇を認め、この上昇は細胞外Ca2+除去によっても消失せず、PLC抑制薬やIP3受容体抑制薬でも阻害されなかった。Ca2+流入機構では、低濃度Gd3+等の投与で完全抑制されず、NO donorの投与で流入の増強を認めた。以上から、PAR2は細胞内ストアを刺激して[Ca2+]iの上昇を引き起こすが、これはIP3非依存性の反応と考えられ、Ca2+流入機構としてNCCEが優位に働いている。
著者
犬飼 幸男 多屋 秀人 佐藤 洋 蘆原 郁 倉片 憲治
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
環境工学総合シンポジウム講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2006, no.16, pp.101-106, 2006-07-11

National criteria for the assessment of low frequency noise annoyance in Sweden, Denmark, Netherlands, Poland and U.K. were reviewed, and the basic concepts were compared. The Experience from these countries in applying the criteria was also reviewed, and a common difficulty of these criteria in practice was showed. Japanese criterion, "Reference values of mental and physical discomfort" was compared with these criteria, and the advantages and the problems were discussed for future improvements in the criteria.
著者
小林 貴訓 杉村 大輔 平澤 宏祐 鈴木 直彦 鹿毛 裕史 佐藤 洋一 杉本 晃宏
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.90, no.8, pp.2049-2059, 2007-08-01
被引用文献数
16

視野を共有する複数のカメラを用いて,三次元空間における人物の実時間追跡を行う.従来より,パーティクルフィルタを用いた人物追跡手法の有効性が報告されている.しかし,観測による仮説の評価は,カラーヒストグラムや輪郭の類似性など,比較的単純な指標が用いられることが多く,実環境での照明変動や複雑背景に対する精度や頑健さなどの点で,必ずしも十分なものではなかった.これに対して本論文では,Haar-like特徴を用いたAdaBoost学習によるカスケード型識別器を仮説の評価に応用することで,頑健かつ高精度に人物頭部を追跡する手法を提案する.更に,人物頭部の各方向に対応した識別器を複数準備し,パーティクルフィルタにより生成される仮説と各カメラの関係に基づいて,識別器を適応的に選択することで,人物頭部の向きに伴う見えの変動に対応し,追跡と同時に人物頭部の向きを推定する.実環境における実験により本手法の頑健性,有効性を確認した.
著者
吉野 博 小林 仁 久慈 るみ子 佐藤 洋
出版者
東北大学
雑誌
萌芽的研究
巻号頁・発行日
1999

本研究では衣服内の空気は動くものとして捉え、建物内部の換気量測定法であるトレーサーガス法を、衣服内換気量の測定に適用できるかどうかについて検討を行った(1)簡易温熱マネキンの製作:簡易温熱マネキンは、表面温度のコントロールのために、サーミスタ温度計をマネキン表面(胸部・背部・上腕部・前腕部・大腿部・下腿部)に貼付し、体幹部以外は左右別々に、発熱を制御できるようにスライダックを通して調整を行った。(2)ガス発生方法の検討結果:測定はトレーサーガスとしてCO_2を用い、定量発生法で行った。実験室内の温熱環境条件は、室温20.1℃〜24.5℃である。実験被服は、塩ビフィルム製の袖なしワンピース型とした。ガス発生方法の検討の結果、チャンバー(150*90*90cm)を用い間接的にガスを発生させる方法を考案した。チャンバーでの測定結果では、衣服内ガス濃度と外気のガス濃度との差は550〜670ppmの範囲にあるが、各実験において、同一条件下では衣服内のガス濃度は一様に分布し、各実験ごとの測定点間のガス濃度の標準偏差は±6.37ppmと小であった。この方法によると、チャンバー内でガスを完全拡散させることが可能となり、チャンバー内と衣服内のガス濃度はほぼ一定となることがわかった。また、室温が高くなると換気が促進されて、衣服内ガス濃度は低くなり、両者は反比例する。また、実験の再現性は高く、衣服の着せ替えによる影響はなかった。マネキン平均表面温度とチャンバー内温度の差と衣服内平均ガス濃度についてみると、温度差が大になると、やや衣服内濃度が高くなる傾向にあることがわかった。塩ビ衣服の換気量を求めたところ、発生量は平均0.065L/min.であることから、6〜7m^3/h.であると算出される。以上の結果より、チャンバーを用いて間接的にガスを発生する方法は有効であると考えられる。
著者
塩澤 光一 城所 寛子 佐藤 洋子 神山 かおる 柳沢 慧二
出版者
Japanese Society for Mastication Science and Health Promotion
雑誌
日本咀嚼学会雑誌 (ISSN:09178090)
巻号頁・発行日
vol.13, no.2, pp.58-66, 2003-11-30 (Released:2010-07-21)
参考文献数
21
被引用文献数
5

米飯咀嚼時の嚥下誘発にかかわる食塊物性を調べるために, 嚥下直前の口腔内から回収した食塊の物性をtexture profile analysisに従って計測した. 濃度の異なる米デンプン糊を混ぜた3種の米飯試料 (R+10%RP, R+20%RP, R+30%RP) を10名の成人被験者に咀嚼させた. 最も付着性の高いR+30%RP咀嚼時の嚥下までの咀嚼回数は, R+10%RPおよびR+20%RP咀嚼時の嚥下回数に比べて有意に大きな値を示した. 嚥下直前の食塊の硬さは, R+30%RP食塊がR+10%RP食塊やR+20%RP食塊に比べて有意に大きな値を示したが, 食塊の付着性と凝集性には有意な差は認められなかった. 付着性を低下させた米飯咀嚼時の嚥下直前の食塊中に存在する飯粒の大きさの平均値は, 通常の場合の嚥下直前の米飯食塊中の飯粒の大きさに比べて有意に大きな値を示した.本研究で得られたこれらの結果から, 米飯食塊の付着性の程度が米飯咀嚼時の嚥下閾値にかかわっている可能性が示されるとともに, 食塊中の飯粒の大きさは米飯咀嚼時の嚥下誘発には直接的にはかかわっていない可能性が示された.
著者
木村 吉幸 丹治 美生 佐藤 洋司 大槻 晃太 渡邊 憲子 加藤 直樹
出版者
日本哺乳類学会
雑誌
哺乳類科学 (ISSN:0385437X)
巻号頁・発行日
vol.42, no.1, pp.71-77, 2002 (Released:2008-07-23)
参考文献数
21
被引用文献数
1

福島県に生息するコウモリ類の調査を,福島県内の37調査地点において1999年8月から2000年12月に実施した.その結果,21調査地点で確認されたコウモリ類は,コキクガシラコウモリ(Rhinolophus cornutus),キクガシラコウモリ(Rhinolophus ferrumequinum),フジホオヒゲコウモリ(Myotis fujiensis),モモジロコウモリ(Myotis macrodactylus),アブラコウモリ(Pipistrellus abramus),クビワコウモリ(Eptesicus japonensis),ヒナコウモリ(Vespertilio superans),チチブコウモリ(Barbastella leucomelas),ウサギコウモリ(Plecotus auritus),ニホンコテングコウモリ(Murina silvatica)およびニホンテングコウモリ(Murina hilgendorfi)の11種であった.これらのうち,クビワコウモリとチチブコウモリの2種は,福島県では初記録である.
著者
杉村 大輔 小林 貴訓 佐藤洋一 杉本 晃宏
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータビジョンとイメージメディア(CVIM) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.115, pp.171-178, 2006-11-10
被引用文献数
2

パーティクルフィルタを用いた人物追跡技術は,これまでに様々な手法が提案され その有用性が報告されている.一方で,追跡の安定化に有効な 画像以外の手がかりとして,環境属性情報がある.環境属性情報とは,対象シーン内の人物の存在可能性を意味し,これを追跡に利用することで人物が存在しにくい箇所への仮説の生成を抑制することができる. したがって環境属性情報は 効率的な仮説の生成に役立つと考えられる.この指標には,障害物の配置などの物理的な制約に依るもの,人物の行動履歴に依るものがある.本研究で提案する手法では,特に後者に焦点を当て,環境属性情報の獲得と追跡の枠組みへの統合を行う.具体的には,環境属性情報を混合正規分布で表現し,オンラインEMアルゴリズムにより人物行動履歴を逐次的に学習することで獲得する.さらに,ICONDENSATION の考えに基づき,追跡の枠組みに統合する. 実環境における実験により 本手法の有効性を確認した.Various tracking techniques based on particle filters have been proposed. To enhance the robustness of tracking, it is very significant to consider environmental attributes which represent an existing probability of people in a scene. They can be used for an effective hypothesis generation by considering the area where people are likely to exist. The environmental attributes can be considered in two aspects: the one is based on the physical configuration of objects in a scene and the other is based on the history of people activities. In this paper, we establish the history based environmental attributes that are updated by people tracking result everyframe using the online EM algorithm. Furthermore, we incorporate them into our tracking algorithm by using the ICONDENSATION framework. Our experimental results demonstrate the effectiveness of our method.