- 著者
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佐藤 和彦
- 出版者
- 日本心身健康科学会
- 雑誌
- 心身健康科学 (ISSN:18826881)
- 巻号頁・発行日
- vol.5, no.2, pp.93-101, 2009-09-10 (Released:2010-11-19)
- 参考文献数
- 17
- 被引用文献数
-
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容易に実施できるリラクセーション手法の一つに呼吸法がある.しかし,どのような呼吸法がリラクセーション効果を生じさせるかについては諸説があって明らかではない.本研究では,特別な修練を行うことなく誰もがその場で実施できる呼吸法として,呼吸パターンに着目する.呼吸法の実施前後における心拍,血圧の測定,及び各呼吸法に関する快適度等の主観評価を行い,呼吸パターンの違いによる効果を考察した.呼吸パターンとして「吸気-止息-呼気」を「呼吸法X-Y-Z」として秒数表記した場合,パターン化した呼吸法自体への不快感がない人においては,「呼吸法2-1-4」がより効果的であることが示唆された.修練不要な簡易な呼吸法であっても一定の効果があり,その呼吸パターンにおけるリラクセーション効果は,呼吸法自体の快適度によって影響を受けることが明らかになった.