著者
西藤 岳彦 竹前 善洋 内田 裕子
出版者
獣医疫学会
雑誌
獣医疫学雑誌 (ISSN:13432583)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.71-75, 2009

2009年4月にメキシコで発生したインフルエンザの流行が豚インフルエンザウイルスの遺伝子再集合ウイルス(リアソータント)によるものであることが明らかになり,6月にはWHO(世界保健機関)も新型インフルエンザウイルスとしてパンデミックを宣言した。1997年にH5N1亜型の高病原性鳥インフルエンザウイルスによる人感染事例によって6人が死亡して以来,高病原性鳥インフルエンザウイルス(Highly Pathogenic Avian Influenza virus ; HPAIV)に対する注目が高まっていた中で起こった新型インフルエンザの流行によって動物のインフルエンザウイルスが人獣共通感染症として人類に与える脅威が改めて認識されたことと思われる。本稿では,動物,特に家畜(豚,馬,家禽)に存在するインフルエンザウイルスについて解説する。<BR>動物のインフルエンザはオルソミクソウイルス科(<I>Orthomyxoviridae</I>),インフルエンザウイルスA属(<I>Influenzavirus A</I>),インフルエンザA型ウイルス(<I>Influenza A virus</I>)によって引き起こされる。一方,人のインフルエンザは,インフルエンザA型,B型,C型ウイルスによるもので,それぞれの型はウイルスのNP(Nucleoprotein),M(Matrix)蛋白の抗原性によって区別される。
著者
内田 淳史
出版者
拓殖大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2005

本研究では、情報理論的セキュリティに基づく暗号鍵発生方式を提案し、超高速レーザカオスを用いてこれを工学的に実装することを目的とする。特に相関乱数暗号の要素技術として、共通カオス信号により駆動された半導体レーザカオス同期および相関の制御を実験的に実現した。本実験では、3つのDFB半導体レーザ(それぞれDrive、Response1、Response2と呼ぶ)を用いた。外部鏡を用いてDriveに戻り光を付加することでカオスを発生させた。Driveの緩和発振周波数とRepsonse1, Response2の緩和発振周波数を異なる値に設定した。Driveからのカオス的レーザ光を、ビームスプリッタ(BS)を調整することでRespoense1とResponse2に注入させた。このときDrive-Response間では低い相関、Response1-Response2間では高い相関を確認した。次にResponsel、Response2にそれぞれ外部鏡を用いて戻り光を付加させた。Response1の外部鏡の距離をピエゾステージによりナノメータ(nm)単位で変化させ、Response1の戻り光の位相を変化させることにより、2つのResponseレーザカオス同期波形の相関の制御を行った。その結果、戻り光の位相が一致したときの2つのResponse間の時間波形は一致しており、相関値を計算したところ0.907と高いことが分かった。一方で、戻り光の位相が一致していないときの2つのResponse間の時間波形は一致しておらず、相関値も0.076と低いことが分かった。以上より、戻り光の位相を変化させることで、Response1-Response2間の相関を制御可能であることが実験的に確認された。本特性は相関乱数暗号方式への応用における要素技術として非常に重要である。
著者
藤善 眞澄 王 宝平 王 勇 内田 慶市 尾崎 實 宮下 三郎 籔田 貫 薗田 香融 大庭 脩 WAN Bao Ping WAN Yong 永井 規男 日下 恒夫
出版者
関西大学
雑誌
国際学術研究
巻号頁・発行日
1993

研究テーマ「佛僧の往来」「江戸時代の日中関係」「漢籍と和書の相互交流」「浙江人の日本留学と中国近代文化」の四分野にわたって例会発表を行い、その一部は東西学術研究所々報等に掲載されている。さらに従来の成果をもとに本年度の調査研究を加味し<浙江と日本>のタイトルで業績発表を行うことが決定されており、すでに以下の論文15篇が提出されている。(1)藤善眞澄「入宋僧と杭州・越州」(2)大庭脩「浙江と日本-1684年より1728年に至る間の寧波船の動向」(3)宮下三郎「李仁山種痘書について」(4)籔田貫「寛政12年 遠灘漂着唐船萬勝号について」(5)松浦章「浙江と倭冦」(6)高橋隆博「浙江の漆芸-螺鈿器と識文漆器をめぐって-」(7)尾崎實「後浪推前浪-浙江人の場合-」(8)内田慶市「ヨーロッパ発〜日本経由〜中国行き-西学東漸のもう一つのみちすじ-」(9)毛紹晢「稲作の東伝と江南ルート」(10)王勇「鑑真渡日の動機について」(11)蕭瑞峰・徐萍飛「浙東の唐詩ルートと日本平安朝の漢詩」(12)屠承先・呉玲「呉越国の文化と日本」(13)王宝平「傅雲龍の日本研究の周辺」(14)呂順長「中国の省による留日学生派遣の事始め」(15)謝志宇「留日浙江人の夏馬尊について」これらは平成8年度中に出版し報告書にかえたい。今年度は王勇の漢籍・和書の調査を中心に置き、藤善眞澄による日中交通路の調査ならびに史蹟、資料の蒐集を併せ実施し、多大の成果を得ることができた。これらは逐次発表を行いつつ、次の目標につなげていきたいと思う。
著者
宮原 哲浩 内田 智之 久保山 哲二 廣渡 栄寿
出版者
広島市立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

知識発見と情報融合を実現するため,半構造データからのデータマイニングと機械学習について研究した.厳密には定義されていない構造を持つデータを半構造データという.主に,半構造データとして木構造で表される糖鎖データを対象とし,その構造的特徴を表す木構造パターンを獲得する機械学習手法を提案した.手法として,木構造などの構造的表現を扱うことのできる進化的最適解探索手法である遺伝的プログラミングを用いた.
著者
北川 雅敏 北川 恭子 内田 千晴 小田 敏明
出版者
浜松医科大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2002

[研究目的]本研究では、癌抑制遺伝子産物の分解亢進による細胞悪性化機構の解明を目指す。特にRB経路を制御する癌抑制遺伝子産物RBタンパク質とCDK阻害タンパク質p27^<Kip1>の細胞内での分解機構を明らかにする。さらに、これらの癌抑制遺伝子産物の分解実行因子の発現亢進や、分解亢進に伴い発現が変化する細胞悪性化や予後不良のキー遺伝子を解明することを目指す。[方法と結果](1)RBタンパク質のユビキチン依存的分解機構:p53のユビキチンリガーゼであるMdm2がRBタンパク質に結合し、ユビキチン化することを見出した。興味深いことにMdm2はRBファミリーの中でRBタンパク質だけを特異的にユビキチン化しp107やp130はしなかった。また、癌抑制遺伝子産物ARFはRBタンパク質のユビキチン化を抑制した。細胞にMdm2を過剰発現するとRBタンパク質の分解速度が亢進し、プロテアソーム阻害剤やドミナントネガティブMdm2、Mdm2のsiRNAで分解が阻害されることがわかった。さらにヒトのMdm2が高発現している癌検体において、RBの発現量が低く、Mdm2によりRBの分解亢進が細胞癌化に寄与していることが判明した。(2)p27^<Kip1>の分解制御機構:予後不良の癌ではCDK阻害タンパクp27^<Kip1>の分解が亢進している。我々は肺癌でp27^<Kip1>のユビキチンリガーゼSkp2とCks1の発現が有意に高いことを見いだした。さらにCks1の細胞内存在量はユビキチン-プロテアソーム系によって制御されていることを証明した。Cks1の分解低下が癌におけるCks1の高発現の原因のひとつとなっている可能性が示唆された。
著者
内田 耕一 寺井 崇二 山本 直樹 飯塚 徳男 坂井田 功
出版者
山口大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

我々は漢方薬・防風通聖散(TJ-62)および大柴胡湯(TJ-8)の非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)に対する治療効果の検討のため、ラットコリン欠乏性脂肪性肝炎・肝硬変モデルを用いて実験を行なった。防風通聖散投与群および大柴胡湯投与群は肝線維化を有意に改善した。肝星細胞の活性化を有意に抑制した。また肝発癌については前癌性病変のマーカーであるGSTP蛋白の発現が、防風通聖散投与群と大柴胡湯投与群では有意に抑制した。これらの漢方薬での結果を2008年11月米国、サンフランシスコで開催された第95回アメリカ肝臓病学会でそれぞれ発表した。
著者
奥村 治彦 内田 龍男 金子 節夫 下平 美文 内池 平樹 服部 励治 中西 洋一郎 山崎 映一 中本 正幸
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 C (ISSN:13452827)
巻号頁・発行日
vol.J92-C, no.8, pp.433-453, 2009-08-01

2002年には,金額ベースでは,FPD全体の市場がCRT市場を超え,特に成長が著しくFPDの活躍の場である携帯電話を中心としたモバイル市場はもとより,最近になって,CRTの最大市場であるテレビ受像機市場でも逆転現象が発生するまでにFPD市場が急成長してきた.このような中,本論文では,中心的な役割を果たしてきたCRTと,その主役を引き継ぐFPD(LCD,PDP,EL,FEDに分類)について,ここ40年のそれぞれの技術進化を振り返り,将来を展望する.
著者
内田 隆 村上 千景 里田 隆博 高橋 理 深江 允
出版者
広島大学
雑誌
一般研究(A)
巻号頁・発行日
1993

ブタ歯胚のエナメル蛋白に関して、分子生物学的、生化学的、光顕および電顕免疫組織化学的に検索し、以下の結果を得た。1. 小柱鞘蛋白のクローニングを行い、全アミノ酸配列を決定した、それをシースリンと名付けた。シースリンは380または395のアミノ酸残基よりなり、そのN端側に26アミノ酸残基よりなるシグナルペプチドを持っている。シースリンはラットのアメロブラスチンと塩基配列で77パーセント、アミノ酸配列で66%の相同性を持っていた。シースリンのC端部付近にはリン酸化された糖鎖がついていると考えられるが、その部位は推定できなかった。2. シースリンは分泌後速やかに分解され、そのN端側約100〜150アミノ酸残基を含むフラグメントは13-17kDaの小柱鞘蛋白となって、小柱鞘に局在する。C端側95アミノ酸残基は29kDaカルシウム結合蛋白となり、このC端部約20アミノ酸が切断されると27kDaカルシウム結合蛋白となる。両者はリン酸化された糖蛋白であり、幼若エナメル質表層のみに局在する。シースリンの分子中央部は特定の構造に局在せず、速やかに分解される。3. エナメリンのクローニングを行い、全アミノ酸配列を決定した。エナメリンは1104のアミノ酸残基よりなり、エナメル芽細胞より分泌されたエナメリンは、分子量約150kDaでエナメル質最表層に位置し、ヒドロキシアパタイトに親和性を持たないと考えられる.エナメリンの分解産物のうち、N端側631アミノ酸残基よりなるプラグメントがヒドロキシアパタイトに親和性を持つ分子量89kDaエナメリンとなる。この89kDaエナメリンがさらに分解して、136番目から238番目のアミノ酸残基よりなる部分が32kDaエナメリンとなる。4. エナメル質形成において、アメロゲニンはエナメル質の形態を作り、エナメリンは石灰化開始とアパタイト結晶の成長に関係し、シースリンは小柱鞘の形成に関与していると考えられた。
著者
内田 智秀
出版者
名古屋大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2007

最終年度の研究作業を大別すると、モーリス・メーテルランク『青い鳥』の草稿類の具体的調査と同作品における幸福についての研究の2つに分かれる。前者は2008年夏、フランス、ベルギーにおいて実地調査を行った。フランス国立図書館では1911年の『青い鳥』改訂版初演の劇評類を収集し、同作品の受容傾向を把握に努めた。ベルギーでは、まず初年度大まかな調査しか行えなかったゲント資料館にて、メーテルランクが当初『青い鳥』の舞台背景を依頼していたC.ドゥードゥレに送った1905年から1909年頃の書簡37点を判読、そして転写した。その後ブリュッセルのベルギー王立図書館にて、ロシアの演出家C.スタニスラフスキーや、ドイツ人翻訳家F.フォン・オペルン=プロニコフスキーヘメーテルランクが送った書簡の中から、約80点を転写した。また初年度同様、『青い鳥』の構想、草稿の転写の確認も時間が許す限り行った。これちの資料は、これまで取り上げられる機会が少なく、正確さに欠けていた『青い鳥』の生成に関する資料として重要で、これらの分析によって、すでに新事実が発見されていることからも、この実地調査は必要不可欠だった。『青い鳥』の幸福についての研究は、メーテルランクが随筆で引用するプロティノスの言説と、『青い鳥』の草稿に書かれた「幸福の探求=知性の探求」の注目し、初年度、草稿研究で得られた成果をもとに、プロティノスを中心とする新プラトン主義の観点から考察した。以上の研究成果の一部を日本フランス語フランス文学会中部支部大会、目本児童文学学会研究大会にて発表した。
著者
内田 翔 中村 太一
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会研究発表大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2006, pp.192-195, 2006-03-16

コミュニティを立ち上げ運営する,あるいは周期的に繰り返されるイベントを企画立案し実行する場合にも,何らかのマネジメントが行われている.しかし,それらのマネジメントは体系的に整理された知識体系に則っているとは眠らない.その原因は,マネジメントに対する重要性の意識欠如であったり,メンバが入れ替わったりすることにより実施ノウハウが継承されないなど,多々ある.本稿では毎年,国内の大学が持ち回りで主催・実施する「ACM国際大学対抗プログラミングコンテスト(ACM/ICPC)」にメンバとして参加しPMBOKの知識体系に則ったマネジメント方法を提案する.
著者
内田 和子
出版者
岡山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

ため池卓越地域においては、その決壊に備えるためのハザードマップ作成が重要である。筆者は全国都道府県対象にため池ハザードマップ作成状況の調査を行い、作成例が?なく、作成方法や活用方法も多様であることを明らかにした。次に、その中から先進事例について現地調査を行い、マップ作成の成功要因や留意事項を明らかにした。結果は、ハザードマップ作成は行政が主体と成らざるを得ない、想定区域の想定手法は何種類かあり、行政の予算に応じた方法を選択すべきである、行政と住民が連携したマップ作りが効果的であるが、ファシリテーターと住民の危機意識が鍵となる等である。マップ作成は地域性に応じた方法を考慮すべきであって、作成マニュアルが必要であり、その作成も可能であることが明らかとなった。
著者
中野 照男 西川 杏太郎 内田 俊秀 西山 要一 尾立 和則 増田 勝彦 三浦 定俊 川野辺 渉 青木 繁夫 中野 照男
出版者
東京国立文化財研究所
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
1995

この研究は、展示や保管における日常的な地震対策に関する研究、地震発生時における緊急措置に関する研究の2本の柱から成る。両研究とも、阪神淡路大震災の折に被災した博物館等の機関、社寺、所蔵家をはじめ、文化財の救援活動に携わった諸機関、諸団体及び個人の協力を得ながら遂行した。震災直後に諸機関や諸団体が行った被害状況調査の報告、被災博物館等による被害の具体的状況に関する調査報告、震災後に博物館等が文化財や試料の収蔵、保管、公開、展示のために実施した改良や工夫に関する情報を、基礎的情報として、可能な限り収集し、それらを解析することによって、新しい防災対策策定のための指針を導き出そうと努めた。その上で、免震装置や吊金具、固着剤など、震災後に大いに着目されている装置や材料、防災対策にとって重要と思われる事項については、それらの有用性や問題点の所在を、実験や分析を踏まえて検討した。さらに、万一災害が発生した場合の文化財等の保全方法、被害を最小にとどめるための緊急措置、文化財等の救出や救援活動などについては、阪神淡路大震災やその他の災害の折の研究分担者、研究協力者の経験をもとにし、諸外国での研究成果を取入れて研究を進めた。また、災害に対応するための博物館や美術館、地方公共団体等のネットワークの形成に関しては、多くの機関に協力を呼びかけ、意見を交換しながら研究を行った。また、資料や参考文献等を多数収集したが、これらは、神戸市立博物館内の文化財防災資料センターにすべて移管し、今後の新たな研究や防災対策の策定に活用する。
著者
渡辺 賢 岩井 儀雄 八木 康史 谷内田 正彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.80, no.10, pp.2713-2722, 1997-10-25
被引用文献数
21

本論文では, 単眼カメラから手を撮像し, 得られた画像特徴量から指文字を認識するシステムの構築を目的とする. 手のような関節物体は自由度が多く多彩な変形をするため, その形状を認識する際には, 対応付け問題, オクルージョン問題などのさまざまな問題が発生する. そこで, 本研究では撮像の際にカラーグローブを装着することにより, 手の特定領域の検出を正確かつ容易にし, オクルージョンにも対処できる方法を提案する. また, 実画像データをもとに計算機で生成したCAD理想モデルを用いた決定木の学習結果と, 実画像を用いた学習結果の検証についても併せて紹介する.
著者
藤岡 正美 内田 敏夫 松永 武之
出版者
日本作物学会
雑誌
日本作物学会中国支部研究集録
巻号頁・発行日
no.26, pp.9-10, 1984-07-13

水稲安定生産の要(かなめ)としての苗は、昔から"苗半作"といわれるほどで、現在においても良苗を得るための種子選別法として塩水選が行われている。山口県では、昭和58年度はとくに内海沿岸を中心に籾枯細菌病が多発したが、籾枯細菌病は種子伝染するとされ、塩水比重が1.14以上の溶液で選別すれば防除上有効であるといわれる。これまで横井が水と食塩の重量によって塩水比重がどう変わるか報告した。その後現在に到るまでその値が引用されている。しかしながら、実際にその塩の量を用いて塩水を作るとかなり高い比重の塩水ができ、実用上問題があると考えられたので、種々の塩を用いて塩の量と塩水濃度との関係について検討した。なお、塩の提供等については専売公社山口支局及び山口県農業協同組合連合会ので協力があったので、ここに記して謝意を表する。
著者
新井 健司 石井 久夫 伊藤 孝 内田 克 遠藤輝 岡部孝次 熊井 久雄 小菅 範昭 近藤 洋一 郷原 保真 酒井 潤一 斎藤 義則 塩野 敏昭 島田 安太郎 下野 正博 隅田 耕治 角谷 邦明 関口 尚志 田中 俊廣 趙 哲済 中西 一裕 中島 豊志 中村 由克 林田 守生 松本 俊幸 三谷 豊 柳沢 文孝 山本 裕之 吉野 博厚
出版者
日本地質学会
雑誌
地質学論集 (ISSN:03858545)
巻号頁・発行日
no.14, pp.93-102, 1977-02-21
被引用文献数
11

A wide-spread lake assumed to be larger than the recent Matsumoto Basin had existed in Early Pleistocene, and the Enrei Formation and its equivalent formations had been deposited in the lake. An extensively even erosion surface formed on the sediments in the latest Early Pleistocene is called the Ohmine geomorphologic surface. After the formation of the Ohmine surface, the recent mountainous areas such as the Northern Japan Alps, Mt. Hachibuse, Mt. Utsukushigahara and so on had been upheaved, while the Matsumoto Basin area had been depressed and the Nashinoki Gravel Formation, the upper Middle Pleistocene, had been deposited. The base of the Enrei Formation is 1,800 m above sea level in Mt. Hachibuse, while 700 m above sea level in the southern part of the Basin. The amount of upheaval of the mountainous areas can be estimated to be more than 1,000 m. The Matsumoto Basin area had been depressed again in the middle part of the Upper Pleistocene (about 40,000 years B. P.) and the Hata Gravel Formation had been deposited. The amount of depression may be estimated to be about 150 m in the eastern periphery of the middle part of the Basin.