著者
勢田 二郎 角田 有紀 内田 洋子
出版者
山梨大学
雑誌
山梨大学総合情報処理センター研究報告 (ISSN:13439588)
巻号頁・発行日
vol.2, 1998

浴衣の製作方法の詳細を画像と文字により構成し、HTML言語で作成した。このホ-ムペ-ジを用いて、学生に実習させ、教育方法の効果をSD法で評価した。結果は、従来の授業方法よりやや良いというイメ-ジが得られた。このような学習形態は、実技教育に有効と考えた。
著者
内田 初代
出版者
名古屋文理大学短期大学部
雑誌
名古屋文理短期大学紀要 (ISSN:09146474)
巻号頁・発行日
vol.24, pp.93-95, 1999-03-31

調理操作の中で一般的には, 最も初歩的な段階である「材料を切る」という事について実態調査を実施した.料理の出発点とも考えられる「切り方」については, より意識的な包丁の使い方を考えて見る事が必要である.食べ物をおいしく食べるための切り方が, 実験的に研究されてきている事からみても, 調理と切砕との関係の重要さが分かる.今回は, なます大根にする際の切り方の違いによる影響と, キャベツの千切りの浸水時間の違いによる影響について実態調査を実施した.なます大根では4種類の切り方の内, なます切りが好まれた.キャベツの浸水時間別では, 水でサッと洗ったものと30分浸水したものでは差が殆ど見られなかった.
著者
藤村 一行 内田 誠一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.92, no.8, pp.1279-1288, 2009-08-01
被引用文献数
4 4

映像中の物体のトラッキングは,その物体のフレーム間の移動量の最適推定問題として定式化される.本論文では,その大局的最適解を得るために,動的計画法(DP)を用いたトラッキング手法を提案する.従来,幅優先探索の一種として扱われていたDP最適化では,画像のサイズやパラメータの増加により,探索幅が非常に大きくなり計算量が増加するという問題がある.これに対し本論文ではDPの解析的解法をトラッキング問題に適用する.これは,最適化の評価に用いられる局所的な誤差関数を二次関数近似することで,DPによる最適化過程に微分による最適化を導入した手法である.幅優先探索なしに解析的にかつ高速に最適解を得ることができ,トラッキング問題には特に有効といえる.本論文では,本手法の定式化と実験結果を示す.
著者
平山 貴博 松本 和将 入江 啓 岩村 正嗣 工藤 治 岩淵 啓一 青 輝昭 内田 豊昭 馬場 志郎
出版者
泌尿器科紀要刊行会
雑誌
泌尿器科紀要 (ISSN:00181994)
巻号頁・発行日
vol.53, no.3, pp.179-182, 2007-03

66歳女。膀胱鏡検査で頂部に最大径4.0cmの多発乳頭状広基性腫瘍を認め経尿道的膀胱腫瘍切除術(TURBT)を施行し, 病理組織診断はtransitional cell carcinoma(TCC), G1, pT1であった。その後, 再発を頻回くり返しTURBTを施行し, THP-ADM膀胱内注入療法を12回施行したが頂部に単発乳頭状腫瘍の再発を認めTURBTを施行した。この術前検査で右肺野単発結節状陰影を認め尿細胞診はclassII, 肺胞線状細胞診はclassVを認め, CTより右S3に約1cmの結節状陰影を認めたが遠隔転移巣は認めず胸腔鏡下右肺部分切除術を施行した。病理組織診断はTCC, G1で膀胱癌の肺転移と診断した。3ヵ月後に頂部に約5mmの乳頭状腫瘍を4ヶ所認め, BCG膀胱注入療法6回施行し, 同部位に残存を1ヶ所認めTHP-ADM膀胱内注入療法を6回施行したが, 腫瘍増大のためTURBTを施行した。病理診断はTCC, G1, pTaで術後BCG膀胱内注入療法を6回施行し, 現在に至るまで胸部も含め再発を認めていない。
著者
内田 龍男 片岸 智之 小野寺 政信 柴田 幸男
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.40, no.10, pp.984-990, 1986-10-20
被引用文献数
2

先に提案したマイクロカラーフィルタ型フルカラー液晶ディスプレイ(LCD)は多くの研究開発者の努力ですでに実用レベルに達しているが, 一部でバックライトの消費電力が重要な問題となっている.そこで本研究では, このバックライトを取り除いた反射型マルチカラーLCDの実現の可能性を検討している.まず, 各種の表示モードを検討し, 明るさとコントラスト, アクティブマトリックスとの適合性などの点から相転移型ゲストホストモードを採用した.次いでこの電気光学的特性の理論解析を行い, パラメータの最適化をはかった.さらに, その設計条件に基づいて実際にパネルを試作し, 従来の白黒表示のTNセルとほぼ同程度の明るさのマルチカラーLCDが実現できることを示した.
著者
内田 直 堀野 博幸 矢島 忠明 泰羅 雅登 渡邉 丈夫 宮崎 真
出版者
早稲田大学
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2004

成果をまとめる。○スポーツに使われる脳機能を形態学的研究により行った。この研究は、機能的に発達した皮質の部位が肥大することを根拠に、皮質各部位の大きさを比較する研究である。この研究からは、バレーボール選手では両側楔部・楔前部の灰白質が大きいことが示された。これは視空間的注意・処理、運動技能を、長期間に渡って獲得・反復することに適応して生じた構造の変化を表していると考えられた。○手足の屈伸運動を運動習熟者、非習熟者にfMRI撮影中に行わせ、脳の賦活部位を調べた。その結果、補足運動野、運動前野などの皮質部位は非習熟者で、大脳基底核は習熟者でより賦活が見られ、日常的運動でも習熟者では運動学習が進んだ脳機能を用いていることが想像された。○Go/No-Go課題によるソフトボール選手と非アスリートの脳機能の比較では、ソフトボール選手でNo-Go課題の際に両側前頭前野の賦活が有意に強く見られた。これは、ソフトボール選手ではより強い運動の抑制があるということを示しており、実際のバッティングの場面でも、より強い抑制が選球に関連している可能性を示唆していた。○サッカーなどでは、しばしば2次元⇔3次元の認知的置き換えを行っている。このような置き換えに使われる脳機能について明らかにした。コンピュータグラフィックスを用い円筒の配置を2次元⇔3次元で置き換える課題を用いた。これにより、3D→2Dでは上頭頂小葉、下頭頂小葉、前頭前野、右海馬傍回、左小脳後葉の賦活が見られた。2D→3Dにおいて、上頭頂小葉、下頭頂小葉、前頭前野、右海馬傍回、左小脳後葉の賦活が見られた。以上、多くの成果を得たが、今後さらに競技スポーツだけでなく健康スポーツという視点からも、運動と脳機能の関連についての研究を発展させてゆきたいと考えている。
著者
土川 忠浩 内田 勇人
出版者
姫路工業大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2001

1.在宅高齢者の生活・居住環境に対する不満度を、面接アンケートに調査した。調査対象地区は、兵庫県にある山間部集落と市街地の在宅高齢者とした。居住環境に対する不満は、地域に関係なく冬季の室内の寒さに対する不満が顕著であった。2.山間部集落および市街地集合住宅に居住する高齢者住宅の居間の温湿度を夏季と冬季に、それぞれ1ヶ月間程度測定した。冬季において独居世帯および夫婦世帯の気温が、同居世帯よりも顕著に低かった。3.高齢者と大学生、男女の間で嗜好する手摺の太さ及び材質に差がみられるかどうかについて検討した結果、高齢者・大学生とも35mmの手摺を一番高く評価し、25mmの手摺を低く評価した。高齢者においては、木材、プラスチック、金属の評価の間に有意な差はみられなかったが、大学生においては木材が最も高く評価された。4.70歳以上の高齢女性を対象として、またぎ動作時の認知とQOL、ADL、体力との関係について検討した。ステップワイズ法を用いて多重ロジスティック回帰分析を行った結果、握力が有意な変数として選択された。本研究において、バーをまたぐ際の自己認識と実際の動作能力との間の不一致とも有意な関連がみられた。その一方で、下肢の運動機能と認識の不一致との間には有意な関連がみられなかった。握力を良好な状態に保つことの重要性が確認された。5.インターネット入力装置の使いやすさと年齢の高低、健康状態の良悪、携帯電話・インターネットの必要性の有無との関連について検討した結果、高年齢者群(オッズ比=3.86,95%信頼区間0.83-18.98)、健康状態の悪い群(オッズ比=5.00,95%信頼区間1.05-25.41)、今後の携帯電話・インターネットの必要性を認めない群(オッズ比=7・22,95%信頼区間1.34-43.88)が選んだ最も使いやすい入力装置は、タッチスクリーン入力方式であった。6.在宅高齢者(要介護者を含む)とその家族(介護者)を対象にアンケート調査及び簡単な体力測定を行い、住宅の各種性能に対する不満の所在、バリアフリー化(住宅改修)の効果、QOL(モラール)・ADLと居住環境との関係、介護者に対する介護負担の軽減効果等について検討を行った。バリアフリー化によって、住宅内の段差等に対する不満は軽減されていた。しかし、一方で住宅内の温熱環境に対する不満が比較的多く、住宅に対する総合的不満につながっている傾向が示された。6.山村集落の自立高齢者に対する転倒予防教室において、体力測定とアンケート(転倒リスクアセスメント等)調査を行った。自宅住宅内での転倒経験は少ないものの、「つまづき」への恐怖心が生活動作に対する自信を失わせている傾向が示された。
著者
北村 彰浩 猪原 匡史 内田 司 鷲田 和夫 長谷 佳樹 小森 美華 山田 真人 眞木 崇州 高橋 良輔
出版者
一般社団法人 日本脳卒中学会
雑誌
脳卒中 (ISSN:09120726)
巻号頁・発行日
vol.32, no.4, pp.384-389, 2010-07-25 (Released:2010-09-14)
参考文献数
12

【症例】52歳女性.高血圧,高脂血症,肥満あり.約1週間の経過で徐々に発動性低下が進行した.麻痺等の局所神経症状はなくNIHSS 0点であったため,当初はうつ病も疑われたが,頭部MRIで左内包膝部に脳梗塞像を認め左中大脳動脈穿通枝のbranch atheromatous disease (BAD)と診断した.神経心理学的検査や脳波検査から,軽度のうつ状態,認知機能障害,左前頭葉の機能低下を認めた.抗血栓療法等で徐々に症状は改善し約2カ月で職場復帰した.【考察】内包膝部は視床と大脳皮質を結ぶ種々の神経経路が通過する要所である.本例では前頭葉と視床との機能連絡の遮断により前頭葉機能が低下し発動性低下を来たしたと考えられた.また,BADは進行性の運動麻痺を呈しやすいことで知られるが,本例のように明らかな局所神経症状が無く発動性低下が亜急性に進行する症例でも内包膝部のBADが重要な鑑別になると考えられた.
著者
内田 雄三 野川 辰彦 山下 三千年 橋本 茂廣 藤井 良介 畦倉 薫 橋本 芳徳 石川 喜久 小武 康徳 猪野 睦征 日高 重幸 北里 精司 大江 久圀 柴田 興彦 石井 俊世 下山 孝俊 三浦 敏夫 調 亟治 辻 泰邦 関根 一郎
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.12, no.12, pp.891-900, 1979-12-01
被引用文献数
7

癌浸潤が肉眼的に胃, 十二指腸の両側におよんでいるとみなされた79例について, 臨床的ならびに病理組織学的に検索し, 切除度および術後再発を左右する因子について検討した. 臨床的十二指腸壁に癌浸潤が確認された症例は79例中35例 (44.3%) で, その発生側はほとんどの症例で明らかでないが, 胃癌の十二指腸浸潤と考えるよりは, その進展の態度ならびに臨床的意義から, 胃・十二指腸境界部癌の概念で把握するのが妥当と思われる症例が6例みられた, この概念に該当する症例は肉眼的に Borrmann1, 2, 3型である. 十二指腸壁内先進部は m および sm にあり, リンパ管内蔓延が問題となる. 転移では(8), (12) および (13) 節が第一群リンパ節としての意義を有する.
著者
内田 吉昭 足利 正 鳥巣 伊知郎
出版者
山形大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

1.内田は(1)三次組み紐と三橋結び目上分岐する三次元球面分岐被覆空間を結び目のダイアグラムを利用しで決定ずる方法を発見した。そしてそれらの空間がそれぞれレンズ空間L(n,1)とL(n,m)となる事を示した.(2)三次元球面内のトーラス結び目上分岐する分岐被覆空間の研究で次の結果を得た.非正規三重分岐被覆空間を持つトーラス結び目はT(2x,3y)(x,yは互いに素な整数)の型であり、その被覆空間はザイフエルトファイバー空間になる.そして、2xβ_2+3yβ_1=±1となる整数β_1とβ_2に対して M(β_1/2x,β_1/x, β_2/y) となるザイフェルトレファイバー空間が被覆空間となる事を示した.また、トーラス結び目T(2,x)、T(3,x)の族に対しては結び目のダイアグラムだけを使用する証明方法でM(β_1/2x,β_1/x,β_2/y)となる事を示した.2.足利は(1)リーマン面の退化族の局所不変量、位相モノドロミー、分裂族やLefschetz fibrationの大域的性質に関する進展についての概説を論文にまとめた.(2)退化代数曲線束のファイバー芽に対するエータ不変量を経由する局所符号数に対しては、その安定還元芽め持つ同種の符号数との比較公式を与えだ.(3)負型連分数を用いてDedekind和を明示する新公式を提示し、これからDedekind相互律が導かれることを示した.3.鳥巣は(1)Howards-Lueckの定理を絡み目に拡張した. また、二橋絡み目のstrong trivialityについて研究を行い、(自明でない)すべての二橋絡み目はn≧1に対してstrongly n-trivialとならないことを示した. (2) strongly 1-trivial Montesinos結び目の族を与え、もし、有名なSeifert surgery予想が有効ならば、この族はすべてのstrongly n-trivial Montesinos結び目を含む事を示した.また、(3)Legendrian twist knotの分類、写像類群とcontact open bookなどの研究を行った.
著者
油井 大三郎 藤永 康政 梅崎 透 内田 綾子 藤本 博 小塩 和人 豊田 真穂 井関 正久 八十田 博人 土屋 和代 栗原 涼子 中村 督 ディビット ファーバー ベス ベイリー ケビン ゲインズ ヨアヒム シャルロート
出版者
東京女子大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2007

1)1960年代の米国における社会運動に関する1次史料の系統的な収集がほぼ予定通り実現した。また、収集した史料の解題付き目録を作成し、史料自体も近く公開されるので、日本においても1960年代米国の社会運動に関する実証研究が大いに進展することが期待される。2)米国の社会運動グループ毎の比較を通じて諸グループ間の思想的・組織的連関の解明が進んだ。3)西欧や日本の1960年代社会運動研究と米国のそれとの国際的な比較研究によって、ニューレフトなど重要な概念における相違と相関が明らかになった。
著者
吉岡 基 幸島 司郎 天野 雅男 天野 雅男 荒井 一利 内田 詮三 大谷 誠司 小木 万布 酒井 麻衣 白木原 美紀 関口 雄祐 早野 あづさ 森 恭一 森阪 匡通
出版者
三重大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

ミナミハンドウイルカの保全のために必要な基礎情報を得るため,分布や移動経路の把握,地域個体群間の関係に関する検討,行動解析,繁殖生理値の収集を行った.その結果,(1)伊豆鳥島周辺に本種が分布し,その個体群は小笠原や御蔵島の個体群との間に関係を有すること,(2)奄美大島での調査により,本種が同島周辺を生活圏とすること,(3)御蔵島個体群の社会行動の分析から,その頻度が性や成長段階によって異なること,(4)飼育個体の性ホルモン分析から,オスの精子形成は春~秋により活発になることなどが明らかになった.
著者
内田 千秋
出版者
早稲田大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2005

1 会計監査役の民事責任上のフォートについて会計監査役の一般的な任務(監査・証明)の性質は手段債務として理解されており、「同一の状況にある通常程度に注意力がある会計監査役」と当該会計監査役の行動とが比較されたうえで、フォートが判断される。そこで、本研究期間では、不正の事例と誤謬の事例に分類したうえで(不正の事例は、横領の事例と粉飾決算の事例とに分類される)、会計監査役の民事責任に関する判例の検討・分析を行った。横領の事例においては、法定監査の前提となる内部統制の評価を行ったかどうかを重視する傾向が見られ、隠蔽手段の巧拙、横領額の多寡・頻度がフォートの判断要素とされていることが明らかになった。他方、粉飾決算の事例では、隠蔽手段の稚拙・粉飾決算の期間・会社の経営状態などがフォートの判断要素とされていた。また、判例の全体的な検討により、会計監査役の監査は試査を原則とするも(その内容は職業基準により決定される)不正の何らかの端緒が発見された場合には行うべき試査の程度を高めるべきであると判断されてきたことが明らかになった。このテーマについては、近く「早稲田法学」(早稲田大学紀要)に投稿する予定である。2 会計監査役の民事責任における損害と因果関係について本研究期間ではまた、会計監査役の民事責任における損害・因果関係のうち、対株式取得者(株式譲渡・増資引受による)責任に関する裁判例について検討・分析を行った。特に、会計監査役の法定監査による計算書類の信頼性と、買収者側の買収監査(いわゆるデューディリジャンス)の必要性との関係に焦点をあてており、買収者が買収監査を行わなかった場合には、判例が買収者のフォートを認定し因果関係を否定しまたは損害賠償額の減額を行っていること等が明らかになった。このテーマについても、2007年内の投稿を予定している。
著者
内田 直
出版者
早稲田大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2007

A.運動をするとよく眠れるようになる、B.運動をすると気分がスッキリする、という経験的によく知られている事実についての科学的根拠を明らかにすることが本研究の目的である。成果の一つは研究のポイントが非常に明確になったことである。即ち(運動の種類[有酸素,無酸素],運動の強度,運動する時間帯[朝,昼,夕方,就寝前])の全て組み合わせについて比較検討する必要がある。また運動強度が強すぎるとストレスによる効果で,睡眠に対して悪い効果がある可能性も考えられる。さらに、それらの効果は、脳は睡眠段階判定だけでは十分に明らかにできない可能性がある。これらを検証は非常に長い研究期間を要する課題であることが明らかになった。本研究で行ったことは1.5km自己ペース走後の睡眠の変化、2.睡眠直前の高強度無酸素運動による睡眠への影響、3.早朝の一過性有酸素運動の前頭葉機能に対する影響、の3つである。1.においては、若年成人を対象としたが,午後の昼寝を間に挟むことにより夜間睡眠の質を劣化させる工夫を行った。また、昼寝と夜間睡眠の間に5km走行を入れた条件により,その後の睡眠に対する影響を調べた。また、判定にコンピュータによる周波数分析を行った。その結果,視察判定では睡眠の変化を確認できなかったが,周波数分析により徐波周波数帯域の増加が確認された。2.では、高強度無酸素運動の睡眠への悪影響について予想したが,睡眠変数に変化はなかった。しかしながら、睡眠前半の有意な体温上昇、心拍数の上昇などがみとめられ、睡眠変数だけでなく身体的生理学指標を同時に用いることにより、有意な睡眠の変化が認められることが明らかになった。3.については、睡眠への影響でなく前頭葉機能に対する影響をみたが、一過性の前頭葉機能改善が認められるに留まった。