著者
島津 和彦 清水 健 金戸 善之 坂本 滋 入山 正 岩波 洋 会田 博 伊藤 芳和 加藤 茂雄
出版者
一般社団法人 日本人工臓器学会
雑誌
人工臓器 (ISSN:03000818)
巻号頁・発行日
vol.14, no.3, pp.1298-1301, 1985

体気中の0圧でわずかな隙間を有する閉鎖位をとる様固定されているMitroflow&reg;牛心膜弁の臨床的機能評価を行う目的で術中有効弁口面積計測, 術後心房ペーシング負荷心拍出量計測, および弁口造影を施行した。対象は4例, 6弁(大動脈弁位2, 僧帽弁位4)である。<br>有効弁口面積測定の結果, 21A弁2.28cm<sup>2</sup>, 23A弁277cm<sup>2</sup>, 27M弁3.12cm<sup>2</sup>, 29M弁でそれぞれ3.24, 3.52, 3.6cm<sup>2</sup>であった。この有効弁口面積測定結果は梅津(2)のIn Vitroのデーターと近似していた。<br>術後心房ペーシング負荷では毎分170心拍まで心拍出量の増加を認めた。<br>術後弁口造影では3弁尖の均等な開放, 閉鎖運動を認め, 開放中期では最大開放位までの弁尖の開放を認めた。<br>以上より本弁は3葉が均等に開閉し, 比較的大きい有効弁口面積を有し, 頻脈追従性が比較的良好な弁である事が結論された。
著者
奈良 吉主 加藤 孝太郎 河原崎 秀志 田渕 浩康 後藤 正夫 寺岡 徹 有江 力 木嶋 利男
出版者
日本土壌微生物学会
雑誌
土と微生物 (ISSN:09122184)
巻号頁・発行日
vol.62, no.1, pp.33-41, 2008-04-01 (Released:2017-05-31)
参考文献数
35
被引用文献数
1

様々な植物を利用して,土壌から分離した植物内生細菌をトマトに接種し,青枯病発病抑制効果と生育促進効果を指標に選抜を行った。その結果選抜された3株のうち,イチゴを用いて捕捉したKSR01を種子処理した場合に,トマトの生育促進効果と青枯病発病抑制効果を併せ示すことを見出した。KSR01は青枯病菌に対する抗菌物質を産生しなかったので,青枯病発病抑制効果は,抵抗性誘導によることが示唆された。KSR01は種子処理した場合にトマト茎部から再分離されるため,組織に内生的に定着することが確認された。菌体脂肪酸組成,16S rRNA塩基配列の解析および細菌学的性質の調査から,KSR01をHerbaspiyillum huttiensisであると同定した。
著者
稲垣 宏之 杉谷 政則 瀬戸口 裕子 伊藤 良一 織谷 幸太 西村 栄作 佐藤 進 加藤 正俊 齋 政彦 山本(前田) 万里 亀井 優徳
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.56, no.7, pp.403-411, 2009-07-15 (Released:2009-09-01)
参考文献数
17
被引用文献数
6 6

エピガロカテキン-3-O-(3-O-メチル)ガレート(EGCG3″Me)を始めとするメチル化カテキンを含有する茶品種「べにふうき」と,国内流通量の大半を占め,かつメチル化カテキンを含まない茶品種「やぶきた」の抗肥満効果を比較検討した.12週齢のC57BL/6J雄性マウス(n=10/群)に低脂肪飼料,高脂肪飼料,高脂肪飼料に2%「べにふうき」茶葉または2%「やぶきた」茶葉を添加した飼料を与えて5週間飼育した.2%「べにふうき」茶葉高脂肪飼料を摂取した群は,高脂肪対照群に対し,体重,皮下および内臓脂肪組織重量,血中レプチン濃度が有意に低減した.一方,2%「やぶきた」茶葉高脂肪飼料を摂取した群では有意な抗肥満効果は皮下脂肪組織重量のみで観察され,相対的に抗肥満効果が弱かった.また工業的利用性の高い「べにふうき」熱水抽出エキスを1日1回体重1kg当りのカテキン総量として100mg,50mgおよび25mgを強制経口投与した結果,用量依存的な抗肥満効果が認められた.以上の結果より,「べにふうき」は「やぶきた」よりも強い抗肥満効果を示し,その効果は用量依存的であることが明らかにされた.また,「べにふうき」の強い抗肥満効果は,EGCGよりも吸収性および血中滞留性に優れたEGCG3″Meを始めとするメチル化カテキンが特異的に含まれているためと考えられた.

1 0 0 0 OA 菜根譚講話

著者
加藤咄堂 著
出版者
大東出版社
巻号頁・発行日
1940

1 0 0 0 物竸論

著者
加藤弘之著 楊蔭杭譯
出版者
譯書彙編發行所
巻号頁・発行日
1901
著者
兼吉 昭雄 芦田 和正 山中 克弘 加藤 清志
雑誌
情報処理学会研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)
巻号頁・発行日
vol.1999, no.97, pp.33-38, 1999-11-25

無線通信を利用したパームサイズの携帯端末で、ユーザの位置や状況、あるいは目の前にあるモノに応じた情報を、近くの無線局やモノに貼り付けられた無線タグを介して取得できるユービキタス情報サービスシステムの研究を行っている。携帯電話、携帯端末を活用したモバイルコンピューティングは盛んであるが、これはオフィスのコンピュータを外で利用しているのと同じで、モバイルならではのユーザがいる現場の状況を考慮したサービスはあまり提供されていない。本稿では、モバイル環境下でのユーザのTPOからそのユーザに最適な情報を提供するサービスシステムを、特定のビジネス用途向けとして検討したので報告する。We have studied ubiquitous information service systems using a palm-size terminal with wireless communication, that services users the information which depends on their position and occasion from the nearby wireless station or wireless tag on the actual thing. Mobile computing utilizing cellar phone or portable terminal is now popular, but this is equal to the office computing in outside. There isn't any services depending on the user's mobile situation now. This paper reports the ubiquitous information service systems for some specialized business application, that offer the optimum information for users from their TPO (Time, Place, Occasion) in mobile environment.
著者
斎藤 寿昭 加藤 元一郎 鹿島 晴雄 浅井 昌弘 保崎 秀夫
出版者
日本失語症学会 (現 一般社団法人 日本高次脳機能障害学会)
雑誌
失語症研究 (ISSN:02859513)
巻号頁・発行日
vol.12, no.3, pp.223-231, 1992
被引用文献数
24

脳損傷者53例, 健常者24例に頭文字およびカテゴリーによる Word Fluency Test および Modified Stroop Test を施行した。前頭葉損傷群の頭文字による Word Fluency Test の成績は他部位皮質損傷群に比較し有意に低下していた, 次に前頭葉損傷群において, Word Fluency に対しステレオタイプの抑制障害が与える影響を発動性要因を考慮した上で検討した。すなわち, ModifiedStroop Test の単純な色名呼称に要する時間を用い, 前頭葉損傷群を発動性低下が強いと考えうる群と発動性低下が少ないと考えうる群に分けたところ, 後者で頭文字による Word Fluency Test の成績と Modified Stroop Test における抑制障害の指標との間に負の相関が認められた。したがって, 発動性欠如の程度が軽度と考えうる前頭葉損傷群における Word Fluency にはステレオタイプの抑制障害が関与すると考えられた。
著者
井口 正典 辻橋 宏典 永井 信夫 片岡 喜代徳 加藤 良成 郡 健二郎 栗田 孝 八竹 直
出版者
社団法人 日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科學會雑誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.76, no.3, pp.293-302, 1985
被引用文献数
1

食事が尿中排泄物質 (とくに蓚酸) に及ばす影響について検討した.<br>1) 健康成人男子9名に16時間の絶食の後普通食を与えると, Ca排泄量は食後2~4時間目にピークをしめし, 蓚酸は食後4~6時間目にはじめて有意に増加した. 食事負荷による食後6時間の増加分は, Ca 38.4%, 蓚酸11.8%, 尿酸7.1%, Mg 27.8%で, 普通食が尿中蓚酸排泄量に及ぼす影響はCaに比べてはるかに少なかった.<br>2) 健康成人男子11名に一定の朝食と, 昼食として標準食, 高蓚酸食 (標準食+ホウレンソウの油イタメ150g), 高蓚酸高蛋白食を負荷した. 高蓚酸食負荷により蓚酸排泄量は標準食の約2倍増加したが, 逆にCa, Mg排泄量は標準食の約半分に減少した. 高蓚酸高蛋白質食を負荷すると, 高蓚酸食負荷時に比べてCa排泄量は有意に増加し, 逆に蓚酸排泄量は有意に減少した.<br>3) 上記と同じ高蓚酸高蛋白食を absorptive hypercalciuria と診断した男子結石患者13名に負荷したところ, Ca排泄量は対照群より著明に増加していたが, 蓚酸排泄量には差がなかった.<br>以上の結果ならびに既報の結石患者の食生活調査成績 (日本栄養・食糧学会誌37:1~7, 1984) をもとに, 再発予防法としての食事指導の実際について具体的に述べた.
著者
鳥居 秀成 栗原 俊英 世古 裕子 根岸 一乃 大沼 一彦 稲葉 隆明 川島 素子 姜 効炎 近藤 眞一郎 宮内 真紀 三輪 幸裕 堅田 侑作 森 紀和子 加藤 圭一 坪田 欣也 後藤 浩 小田 真由美 羽鳥 恵 坪田 一男
出版者
慶應義塾大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

我々は屋外環境に豊富にある360-400 nmの光(バイオレット光、以下VL)に着目し、VLを浴びたヒヨコの近視進行が抑制され、VLを浴びたヒヨコの目でEGR1が上昇していることを発見した。また臨床研究において、VLを透過するコンタクトレンズを装用している人の方が、VLを透過しないコンタクトレンズや眼鏡を装用している人よりも眼軸長伸長量が少なかった。さらに現在我々が使用しているLEDや蛍光灯などの照明にはVLはほとんど含まれておらず、眼鏡やガラスなどの材質もVLをほとんど通さないことがわかった。即ち現代社会においてはVLが欠如しており、これが近視の世界的な増大と関係している可能性がある。
著者
後藤 功雄 加藤 直人 田中 英輝 江原暉将 浦谷則好
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.47, no.3, pp.968-979, 2006-03-15
参考文献数
22

カタカナで表記された外国人名の英訳語を,関連語をキーワードとする言語横断情報検索と,発音類似性を利用した訳語推定により,World Wide Web(WWW)文書から獲得する手法を提案する.ニュース記事に出現する人名は新出語であることが多く,対訳辞書に登録されていない場合も多い.提案手法は,カタカナの外国人名が文書中に存在した場合,はじめにその周辺の単語を対訳辞書によって英訳し,これらをキーワードとして英語のWWW 文書検索を行う.次に,検索されたWWW 文書中から人名候補となる英単語列を翻字により変換し,発音が類似した英単語列を訳語とする.ニュース記事に出現した外国人名を対象として本手法による実験を行い,有効性を確認した.This paper proposes a method of acquiring English equivalents of foreign personal names written in katakana characters from the World Wide Web (WWW). In news articles, new foreign personal names appear frequently and are rarely registered in bilingual dictionaries. Our method can automatically obtain the English equivalents of personal names by using two phases: cross-language information retrieval using related words and acquisition of translation based on phonetic similarity. In the first phase, given a katakana foreign personal name appearing in a news article, the method extracts words related to the foreign personal name, translates these words into English using bilingual dictionaries, and retrieves WWW documents in English using the translated words as keywords. In the second phase, our method extracts candidates of English equivalents from the retrievedWWWdocuments, transliterates the candidates to phonetic expressions, compares them with the phonetic expression of the personal name written in katakana, and obtains the most similar one as the English equivalent. We confirmed the effectiveness of our method with a series of experiments using foreign personal names appearing in news articles.
著者
黒川 信重 染川 睦郎 水本 信一郎 盛田 健彦 加藤 和也
出版者
東京工業大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1994

各研究分担者は次のような研究を行った。黒川はゼータ関数の行列式表示しを研究し、絶対数論の見地に達した。加藤はモチーフの数論的ゼータ関数の特殊値の研究を行い普遍行列式の考えに至った。盛田はセルバーグ型ゼータ関数の研究を行った。水本はゼータ関数の中心零点の研究を行った。染川は数論的代数幾何学の研究を行った。これらを総合するとゼータ関数の全体像がより一層はっきりしてきた。とくに、すべてのゼータ関数の統一理論の鍵となる絶対数字の考え方を注意しておきたい。これはセルバーグ型ゼータ関数はもちろん,数論的ゼータ関数の研究において絶対なる力を発揮する。理論ができつつある段階であるが,たとえば,加藤による対数スキームの理論やトーリック多様体論はその例と見なすことができる。零点の絶対テンソル構造を経由するとリーマン予想にも到達する。このようにして,ゼータ関数が実体に一歩近づいた。