著者
近藤 孝広 松崎 健一郎 宗和 伸行 盆子原 康博 佐々木 卓実
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

省エネ化・省資源化の実現に向けた限界設計の追求という最近の技術動向のもとで,設計段階における振動解析の必要性と重要性がより一層増大している.そのためには,より精密で実機に近い大規模自由度モデルに対する高精度の解析が不可欠である.そこで,拘束モードを利用する低次元化法を基盤として,システム内に不可避的に含まれる多種多様な非線形性をも考慮できる実用的な振動解析システムの開発を行った.
著者
植野 真臣 森本 康彦 藤原 康宏 永森 正仁 橋本 貴充 安間 文彦 安藤 雅洋
出版者
電気通信大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

本eポートフォリオ・システムの特徴は、(1)個人のeポートフォリオを構造化し、ハイパーリンクでつなぐことにより、多様なパスで有用な他者情報の発見を支援する、(2)高度な検索機能により、キーワード検索、過去の優秀なレポートやテスト成績の良い学習者、相互評価の高い学習者などが容易に検索できる、(3)すべての階層で多様なアセスメント機能が用意されており、自己のリフレクションを誘発するだけでなく、優秀な他の学習者の発見に利用できる、などが挙げられる。実データより、本システムの有効性を示す。
著者
河原 康雄 岡崎 悦明 土屋 卓也 宮野 悟 藤井 一幸
出版者
九州大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1987

研究課題名「計算科学への圏論の応用」で行われた本研究は, 情報化社会を支える基礎理論である情報科学, 計算科学, ソフトウェア科学への数学的基盤を与えるために計画された研究であった. 以下, 本科学研究費補助金によって実施された研究実績を報告する. 1.研究代表者:河原康雄は, 初等トポスにおけるpushout-complementの存在定理証明し, 有限オートマトンによって受理される言語の基礎的性質をカテゴリー論的に整理すると共に, Arbib-Manes等のプログラム意味論を初等トポスにおいて考察した. これらの成果は従来から研究を蓄積してきた関係計算(relational calculus)を駆使して得られたものであり, 西ドイツのEnrigを中心としたグラフ文法等についての研究に新しい視点を与えるものであり, この分野の基礎を与えるものと期待される. 2.分担者:宮野悟は, 計算量の理論においてP≠NPの仮定のもとで効率よく並列化できると思われる, 即ち, NCアルゴリズムをもつ問題として, 辞書式順序で最初の極大部分グラフを計算する問題について考察した. 3.分担者:藤井一幸は, 古典的によく知られている4次元のCursey modelを任意次元の時空間上に拡大し, そのinstaton(meron-)like configurationsを具体的に構成した. さらに, 従来からの研究で構成していた高次元Skyrme modelsに付随したWess-Zumino termsを高次元hedgehog ansatsを使用して具体的に計算した. 4.分担者:岡崎悦朗は, 位相線形空間上の確率測度の研究を中心に研究を遂行し, 昭和62年8月よりCNRSの招きによりフランス・Paris V大学において研究を継続中である. 5.分担者:土屋卓也は, 境界要素法よって極小曲面を計算機を利用して計算し, 線形常微分方程式の特異点に関する山本範夫の定理を線形代数の範躊において一般化した. 現在, 土屋は米国・Maryiand大学において研究を発展させている.
著者
立石 潤 高久 史麿 今堀 和友 辻 省次 井原 康夫 畠中 寛 山口 晴保 貫名 信行 石浦 章一 勝沼 信彦 中村 重信
出版者
九州大学
雑誌
重点領域研究
巻号頁・発行日
1992

当研究班では脳老化に伴う神経変性とくにアルツハイマー型老年痴呆を中心課題としてとり挙げ、その発症機序を分子生物学的ならびに分子遺伝学的手法により追求した。まず神経系細胞の生存維持に直接関与する神経栄養因子に関しては神経成長因子(NGF)およびそのファミリー蛋白質であるBDNF,NT-3,4,5を中心に特異抗体の作成とそれによる鋭敏な測定方法の確立、受容体のTrkA,B,Cなどの核酸、蛋白レベルでの検索で成果を挙げた。さらに神経突起進展作用を持つ新しい細胞接着因子ギセリンを発見し、逆に成長を遅らす因子GIFについてそのcDNAのクローニングから発現状態までを明らかにした。アルツハイマー病の2大病変である老人斑と神経原線維変化(PHF)については、主な構成成分であるβ蛋白とタウ蛋白を中心に検討を進めた。β蛋白に関してはびまん性老人斑は1-42(43)ペプチドから成り、アミロイド芯と血管アミロイドは1-40ペプチドから成ることを発見した。タウ蛋白に関しては、そのリン酸化酵素TPKI,IIを抽出し,それがGSK3とCDK5であることをつきとめた。さらには基礎的な業績として神経細胞突起の構成と機能、とくに細胞内モーター分子についての広川らの業績は世界に誇るものである。アルツハイマー病の分子遺伝学上の重要点は第14,19,21染色体にある。第14染色体の異常は若年発症家系で問題となり、わが国の家系で14q24.3領域のS289からS53の間約8センチモルガンに絞り込んでいた。最近シエリントンらによりpresenilin I(S182)遺伝子が発見され、その変異が上記のわが国の家系でも検出された。第19染色体のアポリポ蛋白E4が、遅発性アルツハイマー病のみならず早発性の場合にも危険因子となることを、わが国の多数の症例から明らかにした。第21染色体ではダウン症関連遺伝子とともにAPP遺伝子があり、そのコドン717の点変異をわが国のアルツハイマー家系でも確認した。さらに第21染色体長腕部全域の物理地図を完成した大木らの業績は今後、学界への貢献度が大であろう。これらの研究成果を中心に、単行本として「アルツハイマー病の最先端」を羊土社より平成7年4月10日に発行し、また週刊「医学のあゆみ」の土曜特集号として平成7年8月5日号に「Alzheimer病-up date」を出版した。
著者
土井 孝紀 田万里 耕作 柿原 康男 山本 節夫 栗巣 普揮 松浦 満
出版者
公益社団法人日本磁気学会
雑誌
日本応用磁気学会誌 (ISSN:18804004)
巻号頁・発行日
vol.22, no.3, pp.125-128, 1998-03-01
被引用文献数
5

Co-γFe_2O_3 longitudinal magnetic recording media obtained by annealing CoO-Fe_3O_4 were prepared on NiO underlayer. The coercivity HC was varied. with the Co content, namely, the atomic ratio of Co/Fe in Co-γFe_2O_3, and the oxygen partial pressure in deposition of Co-O-Fe_3O_4. The H_c of the media with Co/Fe=4 at% was 2000-3500 Oe, 1.3-3.6 times higher than that of Co-γFe_2O_3/NiO media without NiO underlayer. The grain size of Co-γFe_2O_3 became smaller with decreasing the thickness. The read/write characteristics of the media with no overcoat were evaluated in contact recording. Co-γFe_2O_3 media on NiO had higher D_<50> and lower medium noise than those of the media without NiO underlayer. kywe>Co-γFe_2O_3 / NiO underlayer / coercivity / longitudinal magnetic recording medium / R/W characteristic / contact recording</kywe>
著者
小松原 康敏
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
ドクメンテーション研究 (ISSN:00125180)
巻号頁・発行日
vol.25, no.4, pp.157-165, 1975-04-01

計算機に入力されたデスクリプターに軽微なミススペル文字が含まれている場合,そのデスクリブターを,あらかじめ登録されたデスクリプター群から構成されているシソーラスファイルと突き合わせることによって,正しい綴字に自動的に修正するプログラムを作成し,小規模なテストを行なって,その基本機能が正常に働らいていることを確認した。この種のプログラムは既にINIS(国際原子力情報システム)などで実用化されているが,今回作成したプログラムによるとINISの自動修正よりも修正範囲が拡がっている。このプログラムを実際の大量の入力データ処理に利用するには,コアサイズ,ファイル型式などいくつかの問題が残されている。しかし修正法の原理は,デスクリプターの自動修正にとどまらず,辞書ファイルが作成可能な各種の文宇データの処理にも応用できるものである。
著者
藤原 康宏 加藤 浩
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.703, pp.97-100, 2005-02-26
被引用文献数
6

協調学習における評価では、学習コミュニティを構成する学習者同士が評価を行うことは有用な方法の1つである。しかし、実際には他の学習者全員の評価をすることは困難である場合が多く、それぞれの学習者が何人かを選択して評価する必要がある。本稿では、その選択方法を考えるために、学習者xが学習者yを評価するときに、「学習者yもまた学習者xを評価する場合」と「学習者yは学習者xを評価しない場合」で学習者xの行う評価に差があるかについて実験を通じて考察する。今回は、大学教養教育における情報処理入門科目のレポートを、Web課題提出評価システムを使って、学習者間で評価させた。実験の結果、相互評価をする際に、評価する相手によっても評価されるか、評価されないかが、評価に影響を与える場合があることが分かった。
著者
野原 康弘 Yasuhiro NOHARA 桃山学院大学文学部
雑誌
英米評論 = ENGLISH REVIEW (ISSN:09170200)
巻号頁・発行日
no.10, pp.41-65, 1995-12-20

This article concerns the Numerals in Chaucer (1340?-1400), concentrating on the historical transition of the composite numerals. A numeral '24', for example. There used to be three types to read such a numeral 24: TYPE I: four and twenty, TYPE II: twenty and four, TYPE III: twenty-four. In Old English (OE) and Middle English (ME) composite numerals from '21' to '99', the units came before tens. TYPE I and TYPE II were quite common at the age of Chaucer. TYPE III, which was completely unfamiliar to people in the later middle ages in England, is now familiar to the modern ear. TYPE I is the traditional way among Germanic Languages and TYPE III comes from French language. Although TYPE I was often used until the middle of this century, TYPE III has taken its place lately. The final aim of this article is to explain why this transition occurred. I believe that a great number of TYPE III set-phrases influenced its transition.
著者
福中 儀邦 山田 邦夫 中原 康
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.37, pp.226-227, 1988-09-12

現在、UNIXはEA・OAワークステーションなどの広い分野において、標準OSとして定着しつつある。しかし、その日本語処理機能は十分ではなく、UNIXが日本に導入されて以来様々な議論や拡張がなされて来た。この間、AT&T日本語UNIXシステム諮問委員会や通産省指導ΣプロジェクトのΣOS日本語拡張機能仕様の制定などの標準化活動を経て、ようやくAT&TのUNIX System V Release 3 以降の標準リリースや日本語処理パッケージのJAE/JIOという形でUNIXの8ビット化、16ビットコードのサポート、日本語入力機能など、日本語処理には不可欠な問題も、UNIXの国際化の観点から議論され、統一的にサポートされるようになった。日本語処理の観点からすると、このサポートは特定の日本語処理機能、特に日本語入力を固定的に実現したものではなく、多様な日本語入力のカスタマイズを可能にする柔軟な機構を実現しているところに特長がある。当社では、UNIX System V Release 3 及びJAEをベースとしたラップトップUNIXワークステーションを開発した。本稿では、その日本語入力、特にかな漢字変換について報告する。
著者
井上 創造 野原 康伸 安浦 寛人
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会誌 (ISSN:09135693)
巻号頁・発行日
vol.89, no.5, pp.390-394, 2006-05-01
被引用文献数
3

本稿では,自動認識技術の中でもRFIDを用いたシステムについて,プライバシーと個人情報保護に関する問題を,技術的に明確化することを試みる.近年,RFIDを初めとした自動認識技術が注目されているが,ここで必ずといっていいほどプライバシーが問題にされる.しかし,利用者やRFIDタグベンダやRFIDにかかわる情報システム技術者にとって共通の理解がされているわけではない.本稿ではプライバシーと個人情報保護を区別した上で,匿名性とリンク不能性という性質の異なる概念を導入する.更に既存の技術をこれらの観点及び,システムやRFIDタグのコストの観点から比較する.
著者
石川 冬樹 田原 康之 吉岡 信和 本位田真一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.45, no.6, pp.1614-1629, 2004-06-15

連携プロセスを手軽に,プラットフォームに依存しない形で記述するBPEL(Business Process Execution Language for Web Services)のように,分散コンポーネントの動的な連携のためのWebサービス技術への取り組みがさかんに行われている.Webサービス連携は今後,無線接続されたモバイルデバイスで構成されるようなパーベイシブネットワーク等様々な環境に適用されていくと考えられる.しかしそのような環境においては,比較的低速で不安定な無線通信路等の資源制約の問題に対処する必要がある.本研究ではこの問題に対しモバイルエージェント技術を適用し,Webサービス連携を行うモバイルエージェントの動作記述のための枠組みを提案する.この枠組みでは,連携ロジックをBPELを用いて記述し,それに対し移動およびクローニングというモバイルエージェントの物理的なビヘイビアをルール記述として付加する.この分離により,BPEL記述を変更することなしに環境条件に応じて物理的な振舞いを追加したり変更したりすることができる.本論文では特に,形式言語Mobile Ambientsを用いてこの枠組みの意味定義を行い,またBPELの意味論が保存されていることを示す.Research on the Web Service technologies for dynamic integration of distributed components has recently commenced, including BPEL (Business Process Execution Language for Web Services) for specifying an integration process easily and platform-independently. Web Services integration is to be applied in various environments, for example, pervasive networks with wireless mobile devices. However, in such environments it is necessary to deal with constraints in resources, such as the relative narrowness and instability of wireless connections. This work adopts the mobile agent technology in response to this problem and presents a framework for description of agents' behaviors for integration. In this framework, the integration logic is described using BPEL, and physical behaviors of mobile agents, including migration and cloning, are added to the BPEL description as simple rules. This separation makes it possible to add or change physical behaviors according to environmental conditions without modification of the BPEL description. This paper especially concentrates on formal definition of the semantics of our framework using a formal language, Mobile Ambients, and proves preservation of the BPEL semantics.
著者
垰田 高広 原 康 増田 弘行 根津 欣典 山王 なほ子 寺本 明 竹腰 進 長村 義之 多川 政弘
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
The journal of veterinary medical science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.68, no.1, pp.1-7, 2006-01-25

正常ビーグル犬における下垂体切除後の飲水量と尿量の顕著な増大を主徴とする尿崩症様症状は, 術後2週間以内に自然消退することが報告されているが, その機序についての詳細は明らかにされていない.そこで, 健常犬に対して下垂体切除を行い, 下垂体切除が高張食塩水負荷による血清ナトリウム濃度, 血清浸透圧の上昇に対するアルギニンバソプレッシン(AVP)分泌動態に及ぼす影響について調査した.さらに下垂体切除後の間脳視床下部組織における室傍核および視索上核のAVP産生および分泌細胞である大細胞性ニューロンの細胞数を計測することにより, 下垂体切除がAVP産生能に及ぼす影響についても検討した.高張食塩水負荷試験の結果では, 下垂体切除後においても血漿AVP濃度は食塩水負荷に反応してわずかな上昇を示したが, その割合は対照群と比較して大きく低下しており, 1ヶ月および3ヶ月間の観察期間内では臨床的に尿崩症様症状を抑制するものの, 急激な食塩水負荷に反応できるほど回復していないものと考えられた.間脳視床下部の室傍核と視索上核の免疫組織化学的調査では, 下垂体切除によってAVP陽性細胞数が減少する傾向が示された.これらの結果から, 下垂体切除により大細胞性ニューロンの機能的, 数的減少が認められたこととなり, 術後におけるAVP分泌能の回復は臨床的な術後尿崩症様症状の改善と関連していないことが示唆された.
著者
土肥 拓生 吉岡 信和 田原 康之 本位田 真一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-I, 情報・システム, I-情報処理 (ISSN:09151915)
巻号頁・発行日
vol.88, no.9, pp.1299-1311, 2005-09-01

近年, ネットワークの拡大に伴い情報の流通速度の高速化が進んでいる. それに伴いソフトウェアが扱うべきデータも大量・複雑になり, 環境の変化に対する変更も頻繁に生じるようになってきている. そのため, すべてを人間が把握した上で処理することは難しくなり, それを補うために自律性・協調性などの人間的な要素がソフトウェアにも求められるようになる. そして, マルチエージェントシステムはこのようなソフトウェアに対する解決策の一つとなる. マルチエージェントシステムにおいて重要な要素の一つは協調性, すなわち, インタラクションである. しかしながら, 既存の実装言語では表現力が不足しており, インタラクションの設計と実装の隔たりが大きい. そこで, 本論文では, インタラクションを実装するために必要な要素を検証するとともに, その理念に基づいて設計したインタラクション記述言語IOM/Tを提案する. IOM/Tを用いることにより, 設計をもとにインタラクションを開発することが容易になる.