著者
福田 健志 太田原 康成 西川 泰正 遠藤 英彦 佐藤 直也 山野目 辰味 小川 彰
出版者
Japanese Association for Acute Medicine
雑誌
日本救急医学会雑誌 (ISSN:0915924X)
巻号頁・発行日
vol.14, no.11, pp.745-747, 2003-11-15 (Released:2009-03-27)
参考文献数
10

A 38-year-old man complained of headache and nausea after traveling by aeroplane. On physical examination, high fever and nuchal rigidity were found. Computed tomography showed pneumocephalus. Magnetic resonance imaging showed sphenoid sinusitis. Cerebrospinal fluid examination revealed purulent meningitis. The patient was medically treated using antibiotic agents. The pneumocephalus disappeared and the purulent meningitis was resolved. We suggest that the barotrauma resulted in the pneumocephalus and purulent meningitis. Barotrauma is a potential cause of pneumocephalus, especially if the patient has parasinusitis.
著者
野田 大地 佐藤 尚文 尾形 敏郎 五十嵐 清美 井上 昭彦 良永 康雄 茜部 久美 飯島 広和 前原 康延
出版者
北関東医学会
雑誌
The KITAKANTO medical journal (ISSN:13432826)
巻号頁・発行日
vol.58, no.2, pp.221-227, 2008-05-01
被引用文献数
1 1

子宮広間膜異常裂孔ヘルニア2例を経験した.【症例1】51歳女性.14歳時,虫垂切除.上腹部痛,嘔気出現し近医受診.症状改善せず,第3病日に当院紹介受診.腹部膨満し腹部全体に圧痛を認めたが反跳痛や筋性防御なし.CT,USで拡張した小腸を認めたが腹水なし.イレウス管を挿入し第4病日に造形した.右骨盤内で小腸の完全閉塞を認め手術適応と判断した.右の子宮広間膜に約1.5cmの裂孔があり,回腸が約20cm陥入,壊死していた.小腸切除と裂孔閉鎖を行い,術後15日目に退院.【症例2】53歳女性.開腹歴なし.朝から腹部違和感,気分不快あり.症状改善せず夕方当院受診.腹部全体の膨隆を認めたが自発痛,圧痛,嘔気なし.CTで拡張した小腸と軽度の腹水を認めた.保存的に経過をみたが嘔吐を繰り返したため第2病日にCT再検.小腸拡張の悪化,腹水増加を認めたため緊急手術を行った.左の子宮広間膜に約2cmの裂孔を認めそこへ回腸が約5cm陥入していた.用手的に整復し,裂孔閉鎖した.術後9日目に退院.
著者
松原 康策 仁紙 宏之 岩田 あや 内田 佳子 山本 剛 常 彬 和田 昭仁
出版者
The Japanese Association for Infectious Diseases
雑誌
感染症学雑誌 (ISSN:03875911)
巻号頁・発行日
vol.86, no.1, pp.7-12, 2012
被引用文献数
2

わが国の小児期侵襲性肺炎球菌感染症 (invasive pneumococcal disease,IPD) の季節変動とそれに関連する因子を明らかにするために,地域中核病院小児科で IPD 患者を後方視的に検討した.対象は,1994 年7 月から2011 年 6 月までの 17 年間に西神戸医療センター小児科で IPD と診断された 15 歳以下の 72 例 (2回の反復例を3 例に認め,患者数は 69 症例) である.疾患内訳は occult bacteremia 48 例,肺炎10 例,髄膜炎10 例,眼周囲蜂窩織炎3 例,乳突洞炎1 例であった.IPD の関連因子として,1) 月齢,2) 同胞数,3) 未就学の同胞数,4) IPD 発症時の本人の保育園・幼稚園の通園の有無,5) 未就学の同胞がいる場合にその同胞の通園の有無の 5 因子を,カルテ記載または電話問診で調査した.季節変動の結果は,4~5 月 (n=21) と 11~12 月 (n=20) の二峰性のピークを形成し 7~9 月 (n=8) の夏季に最も少なかった.4~5 月の 21 例はその他の月に発症した 51 例と比較して,本人の通園している割合 (4~5 月群vs その他の月に発症群,12/21[57.1%]vs 12/51[23.5%];odds ratio,4.3;95% confidence interval,1.5~12.8;p=0.006) においても,また,本人,かつ/または,同胞が通園している割合 (17/21[80.9%]vs 27/51[52.9%];odds ratio,3.8;95% confidence interval,1.1~12.8;p=0.027) においても有意に高かった.しかし,発症月齢 (中央値:14 カ月 vs 15 カ月),同胞数 (0 人[9 例],1 人[11 例],2 人[1 例]vs 0 人[21 例],1 人[27 例],2 人[2 例]),未就学同胞数は 2 群間に相違を認めなかった.一方,11~12 月の第 2 峰群とその他の月群においては上記 5 因子に有意な相違を認めなかった.<BR> 以上から,わが国の小児期 IPD は二峰性の季節変動を示し,4~5 月のピークは通園者が有意に多いことが判明した.4 月からの集団保育への参加が肺炎球菌の保菌率の上昇をもたらし,4~5 月の小児期 IPD のピークを形成する重要な要因のひとつと推測された.
著者
水島 健太郎 久須美 雄矢 水池 千尋 三宅 崇史 稲葉 将史 吉川 友理 石原 康成 堀江 翔太 村岡 泰斗 水田 有樹 立原 久義 山本 昌樹
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.43 Suppl. No.2 (第51回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.0061, 2016 (Released:2016-04-28)

【はじめに,目的】オスグッド・シュラッター病(OSD)は,大腿四頭筋の過緊張による膝蓋靭帯への牽引力が発症要因とされている。近年,大腿四頭筋の滑走に影響を与える膝関節周囲脂肪体の柔軟性低下が発症要因の一つとして重要視されている。我々は,OSDが健常者と比べて,大腿骨前脂肪体の柔軟性が低下していることを報告した。諸家の報告より,OSDの疼痛に膝蓋下脂肪体(IFP)の柔軟性低下が関与するとあるものの,その詳細は明らかになっていない。そこで本研究の目的は,OSDにおけるIFPの柔軟性について超音波エコー(US)を用いて評価し,膝屈曲ROMとの関係性を検討することとした。【方法】対象は,健常(N)群8例16膝(男性5例,女性3例,平均年齢13.9歳),OSD群8例16膝(男性4例,女性4例,平均年齢12.9歳)の2群とし,IFP治療前後におけるIFP組織弾性,膝屈曲ROMを測定した。IFP組織弾性は,US(ACUSON S3000,SIEMENS社製)のShear Wave Elastography(VTIQ)にて,膝伸展位(E)と120度屈曲位(F120)を各3回測定し,その平均値を算出した。IFP組織弾性を群間比較し,OSD群における治療前IFP組織弾性と治療前膝屈曲ROMとの相関,IFP治療前後のIFP組織弾性および膝屈曲ROMを比較した。IFPの治療は,IFP柔軟性改善操作を5分間施行した。統計処理は対応のあるt検定,マンホイットニー検定を用い,有意水準を5%未満とした。【結果】IFP組織弾性(N群:OSD群)は,Eが2.23m/s:2.30m/s,F120が1.95m/s:3.12m/sであり,OSD群がN群に比べF120においてIFP組織弾性が高値を示した(p<0.01)。OSD群におけるF120IFP治療前組織弾性と治療前屈曲ROMの相関は,-0.48(p<0.05)と負の相関が認められた。IFP治療前後(治療前:治療後)のF120におけるIFP組織弾性は,3.12m/s:2.06m/sであり,治療後に有意な低下を示した(p<0.05)。膝屈曲ROMは,143.8°:150.9°であり,治療後に有意な改善を示した(p<0.01)。【結論】今回の結果より,IFP組織弾性はN群と比べてOSD群が有意に高値を示し,治療前F120 IFP組織弾性と治療前屈曲ROMに負の相関が認められた。これは,IFP柔軟性低下に伴い膝屈曲ROMが制限されることを示唆している。また,OSD群においてIFP柔軟性改善により,膝屈曲ROM拡大が認められた。このことから,IFP柔軟性低下がOSDにおける膝屈曲ROM制限の一要因として挙げられ,IFP柔軟性改善操作がOSDの運動療法として有効であるものと考えられる。
著者
松原 康介
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画. 別冊, 都市計画論文集 = City planning review. Special issue, Papers on city planning (ISSN:09131280)
巻号頁・発行日
vol.43, no.3, pp.163-168, 2008-10-15
参考文献数
33
被引用文献数
4 2

番匠谷尭二は、生涯に渡って中東・北アフリカ地域の都市計画に携わった計画家である。清家清の門弟から出発して、パリのATBATでG.アニング、G.キャンディリスらに学んだ。その後アルジェに渡り、イスラム教徒とキリスト教徒が共存できるような住宅地計画に関する業務に従事した。1962年よりM.エコシャールとともに、国連開発計画の専門家として、ベイルート、ダマスカス、アレッポの都市基本計画を策定した。CIAMの理念も参照しつつ、彼らは自動車の導入によって旧市街の活性化を試みた。残念ながら、彼らの近代主義的政策には反対運動が起こり、番匠谷は失意の中で引退した。しかし、それでも彼の業績は多大であり、計画論的分析がなされるべきである。それは中東都市計画物語の序説となるであろう。
著者
阿部 真理子 小林 雄一郎 藤原 康弘
出版者
中央大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2016-04-01

本研究の目的は、高校生の英語スピーキング力を 3 年間にわたり縦断的に追跡し、その発達過程を明らかにすることである。具体的には、(1)個人レベルでの経年変化のモデル化、(2)内的・外的な学習者要因が発達に及ぼす影響の解明を行う。そのためには研究の共同基盤となるコーパスの整備が不可欠である。「Longitudinal Corpus of L2 Spoken English (LOCSE)プロジェクト」において収集している縦断的英語スピーキング力データ(約120名×8回)をもとに、今年度は学習者コーパスの構築を推進させた。またコーパスの概要を示す特徴量算出(前半3回分)と、個々人の発話に関する数値的な情報(前半3回分)を算出した。個々人の情報に関しては、学習者ごとにフィードバックも行った。さらには、書き起こしの精度と速度を向上させるために、自動書き起こしツールを用いた作業の検討を繰り返し行った。そして、自動書き起こしツールの効果を検証するためのデータ収集を開始した。高校生の英語運用能力および学習意欲の変動に影響する要因を探るためのアンケートも実施し、内的・外的な学習者要因がスピーキング力の発達にどのような影響を及ぼしているかについて論文をまとめた。国内・国外において一件ずつの研究発表を行った。そのことで、次年度(2018年夏)に共同シンポジウムを二件行うことが決定した。また国外における人的ネットワークの構築を行うのみならず、海外の大学との共同研究の開始が決定した。
著者
橋本 和広 小枝 達也 松原 康策 太田 茂 大野 耕策 大村 清
出版者
一般社団法人 日本小児神経学会
雑誌
脳と発達 (ISSN:00290831)
巻号頁・発行日
vol.22, no.4, pp.381-385, 1990-07-01 (Released:2011-08-10)
参考文献数
12

3カ月より著明な肝脾腫をきたし, 2歳10カ月頃より退行症状を認め, 徐々に発語も消失し歩行不能となり, 最終的には寝たきりとなり5歳2カ月で死亡したNiemann-Pick病の1例を経験したので報告した.患児の培養皮膚線維芽細胞の酵素学的検査においてsphingomyelinase活性軽度低下と著明なコレステロールのエステル化の障害を認め, 培養皮膚線維芽細胞のフィリピン染色にて特徴的な所見を呈し, Niemann-Pick病C型と診断した.患児の治療に精製dimethyl sulfoxide (DMSO) を使用したが, 脾腫の縮小傾向を認めたものの退行症状を改善することはできなかった.
著者
稲垣 耕 盆子原 康博 近藤 孝広 池 美慧 濵畑 貴之
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 (ISSN:21879761)
巻号頁・発行日
vol.84, no.862, pp.18-00004, 2018 (Released:2018-06-25)
参考文献数
4
被引用文献数
1

In household refrigerators, the rotational speed of a reciprocating compressor can be appropriately adjusted according to the temperature inside of the refrigerator. The lower rotational speed reduces the power consumption of the compressor. However, several natural frequencies of the compressor exist in the low rotation region, and besides, the unbalance force arising from the piston motion acts on the internal drive unit. Thereby the vibrations of the compressor are likely to be larger due to the resonance in the low rotation region. In this study, a method for supporting the drive unit inside the shell, which is called “the self-standing support” is newly proposed in order to reduce the vibration of the compressor drastically. In the proposed method, a spherical support element is utilized instead of coil springs to support the drive unit. And the drive unit can maintain a stable self-standing state by acting restoring moment due to the gravity while it is directly placed on the shell. The natural frequencies of the compressor can be greatly reduced by decreasing the support stiffness for the drive unit in comparison with the support method using coil springs. Furthermore, in designing the drive unit, the application point of the exciting force is matched with the center of percussion to the contact point on the spherical support. As a consequence, the periodic restraining force acting on the contact point can be minimized. By these two features, it is possible to considerably reduce the vibration transmission from the drive unit to the shell. In the present study, a simplified model for a reciprocating compressor is treated, and the effectiveness of the self-standing support is investigated analytically and experimentally.
著者
藤原 康雄 奥野 博久 松岡 義幸 萱原 瑞穂
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木史研究 (ISSN:09167293)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.191-196, 1991

JR大阪環状線は戦後の復興の中から大阪市民の強い要望により1956 (昭和31) 年3月20日に着工され、1961 (昭和36) 年4月に完成した。しかしながら「の」字運転のためににそれほどの効果が期待されず、ほぼ同時に旧西成線の高架化も着工し、1964 (昭和39) 年に完成した。この年は東京オリンピック、東海道新幹線の開通と大きなプロジェクトが成功した。<BR>環状線の開通は種々の困難を乗り越え、最新の技術を酷使し、城東線と西成線をむすぶことによって旅客の流動の差を2倍程度に押さえ、大阪市の発展に多大な効果があった。
著者
向原 康平 サクリアニ サクティ 吉野 幸一郎 グラム ニュービッグ 中村 哲
雑誌
研究報告音声言語情報処理(SLP) (ISSN:21888663)
巻号頁・発行日
vol.2015-SLP-109, no.15, pp.1-6, 2015-11-25

話者感情の揺らぎは音声へ影響を与え,音声認識システムにおいてモデルとのミスマッチを発生させ認識精度を悪化させる.本研究では,DNN ボトルネック特徴量および CNN ボトルネック特徴量を用いることを提案し,感情音声認識精度の改善を図る.ボトルネック構造のニューラルネットワークによって特徴量変換を施したボトルネック特徴量は,入力音声の変動に対して頑健な音響特徴量を抽出できることが示されている.ボトルネック特徴量とは,中間層のユニット数を少なくしたボトルネック構造の多層ニューラルネットワークから抽出する特徴量である.ボトルネック特徴量は特徴量強調が行われ,感情音声のゆらぎに左右されない音素の本質的な成分を抽出されていることが期待されている.本実験では感情音声に対してボトルネック特徴量変換を行い,それぞれの特徴量で GMM-HMM 音響モデルを再学習する.この時のボトルネック音響モデルの感情音声に対する精度向上を確認する.また他の特徴量変換手法と組み合わせることで認識精度の向上を図る.DNN,CNN ボトルネック特徴量を用いた認識精度はそれぞれのベースラインと比較し,認識精度の改善が確認できた.また他の特徴量変換手法の組み合わせにより認識精度の向上を確認できた.
著者
大成 博文 前田 邦男 松尾 克美 山原 康嗣 渡辺 勝利 石川 並木
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
水工学論文集 (ISSN:09167374)
巻号頁・発行日
vol.46, pp.1163-1168, 2002-02-10 (Released:2010-06-04)
参考文献数
6
被引用文献数
2 7

New techniques for oyster cultivation at Hiroshima bay are investigated using sea water micro-bubbles.The present results indicate some new aspects that the device of sea water micro-bubble generated about 51/min air discharge. under the water depth of 10-15m. By generating micro-bubbles, the salinity of sea water in the surface layer increased about 13% and the water temperature decreased about 2°C in the oyster farm in summer. Finally, the oysters which had been named “Waka” about thirty years ago were restored to the original state by using sea water micro-bubble technique.“Waka oyster” grew up rapidly for about a half year and had a rich constituent of glycogen.
著者
神原 康介 窪田 亜矢 黒瀬 武史 田中 暁子 道喜 開視
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.81, no.724, pp.1333-1343, 2016
被引用文献数
1

Akahama in Otsuchi, Iwate prefecture is one of the areas severely damaged by the Great East Japan Earthquake and Tsunami (3.11). A purpose of this paper is to clarify how residents used the evacuation places and shelters from emergency evacuation phase to refugee life phase in 3.11 in relation to the transition of disaster preparedness places and the transition of daily gathering places in order to get the suggestion about how to design a disaster preparedness place. In chapter 2, it is clarified that how evacuation places were used in three phases. In emergency evacuation phase, many residents evacuated to an elementary school, but there was flooded and many people got wet. In temporarily shelter use phase, residents could find a printing office near the school and about 140 people stayed there for 3 days. Many residents went to private houses and stayed. 3-chome residents could not find large facilities, so they went to a neighboring village. In refuge life phase, about 80 residents used the gymnasium of school, about 20 residents used welfare facility and 8 households used 2 vacant houses that were owned by Otsuchi-cho. In chapter 3 and 4, transition of disaster preparedness places and daily gathering places are clarified. In chapter 3, findings are as follows. 1) A damage of past tsunami was recorded, but evacuation behaviors or the places where people gathered was not passed down. 2) the understanding that a school was designated as a disaster preparedness place was widely shared. 3) In the late 80's, a numbers of preparedness place increased because of expansion of village. 4) In the late 90's, 1-chome's preparedness place was gathered to a school because a new gymnasium was built. 5) In the late 2000's, local organization decided that Akahama had 3 prepared places in terms of governance after a discussion that Hachiman Shrine didn't have a enough space. In chapter 4, findings are as follows. 1) A school and Community center had been the base of Akahama community. 2) A school had been the base of community, and that's why a school became center of disaster preparedness place in spite that there was not evacuation place during Sanriku tsunami of 1933. 3) A community center had been the base of community and located a little higher ground, and that's why disaster prevention materials was stocked before 3.11. In chapter 5, evacuation places and shelters in 3.11 are analyzed in three phases in relation to the transition of disaster preparedness place and daily gathering place. It is found that in emergency evacuation phase, a school had been known as a preparedness place in spite that in the past there was not evacuation place and gymnasium was located in dead end, and in 3.11 many residents were exposed to danger. In temporarily shelter use phase and refuge life phase, it can be necessary to think preparedness place not only inner village but also wider area, etc. In chapter 6, the following four points are suggested. 1) It is important to think the role of disaster preparedness place in the disaster phases. 2) Changes of a village environment and modernization of daily gathering place influence a numbers and characteristics of disaster preparedness place. 3) The actual condition of evacuation behavior such as gathering places in past tsunami disaster is necessary to be come up for discussion about the disaster prepared. 4) For the occurrence of a gap between evacuation places and disaster preparedness place, residential network is needed for a use of private houses or facilities, and also vacant ones owned by municipality should be prepared for an emergency evacuation.
著者
鈴木 もとこ 清 雄一 田原 康之 大須賀 昭彦
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.58, no.11, pp.1799-1807, 2017-11-15

今後ロボットが家庭に普及するために,人間とペットとロボットの3者が良い関係を築くことが大切である.我々は人とのインタラクションを目的に作られたロボットがペットと家庭で共生するために,ロボットにペットが好む行動をさせ,ペットがロボットをより好むようにすることを目標とする.本研究では,犬の世話行動をするロボットに注目した.世話行動をするケアロボットと世話行動をしないノンケアロボットの2台を用意し,ロボットが世話行動を行った後に犬がどちらのロボットをより好むか調査した.具体的には,ロボットが行う犬の世話行動は,飼い主へのアンケート結果をもとに餌やりとボール遊びの2種類とした.結果,犬は餌やりの世話行動をするケアロボットをノンケアロボットよりも有意に好むことが分かった.一方でボール遊びの世話行動については,ロボットとボール遊びをする犬としない犬の2群に分けられ,ボール遊びをする犬はボール遊びの世話行動をするケアロボットをノンケアロボットより有意に好むことが明らかになった.この知見は今後,家庭におけるロボットのペットに対する関わり方の指針となることが期待される.It is important for human beings, pets and robots to establish a good relationship in order for robots become popular to homes in the future. We are supposed to coexist between humans and robots that were made for human interaction at home. Then, let the robot take actions preferred by the pet and aim to make the robot more preferably by the pet. In this research, we focused on robots that take care of dogs. We used two robots that take care actions robot and non-care action robot, and surveyed which robot the dog likes more preferably after the robot takes care action. Specifically, the behavior of robot was two types of feeding and ball play based on the questionnaire result of the owner. As a result, it became clear that the dog significantly prefers the care robot which takes care of bait feeding than the non-care robot. On the other hand, as for the behavior of taking care of the ball play, it is divided into two groups: a dog which play ball with a robot, a dog which does not play ball with a robot. It became clear that dogs playing balls significantly prefer care robots to take care of ball playing than non-care robots. It is expected that this finding will be a guide for how robots are involved in pets at home.
著者
佐久間 知里 宮崎 紀郎 玉垣 庸一 小原 康裕
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集 47
巻号頁・発行日
pp.420-421, 2000-10-16 (Released:2017-11-08)

A newspaper side design is the problem which should be examinedimmediatel y. Although a report, a character, a photograph, a title, etc. are in the composition element of space, by this research, a "ruled line" is taken up and the impression which the ruled line of various patterns gives to space is considered. By narrowing down and considering a target for the ruled line which a hand tends comparatively to add, it is said that an impression improvement of space will show that it is hard never, and will obtain the key to a future newspaper design.
著者
梅原 康敏 諸貫 信行
出版者
一般社団法人エレクトロニクス実装学会
雑誌
エレクトロニクス実装学会誌 (ISSN:13439677)
巻号頁・発行日
vol.20, no.7, pp.468-477, 2017 (Released:2017-11-01)
参考文献数
23

一枚のX線透過像に基づき,銅を充填したシリコン貫通ビア(Cu-TSV)とそこに内在するミクロンレベルの空乏欠陥(ボイド)の寸法形状を推定する方法を提案する。φ5 μm × 50 μmの大きさのビアを対象に,実測結果をもとにモデル化と形状の区分化を行い,回転対称形ボイドについて位置や体積を定式化した。これに基づくシミュレーション画像を生成し,機械学習を行うことで透過画像からボイドの欠陥形状分類と寸法の推定が行えることを示した。推定結果と断面観察結果には良い一致がみられた。この結果は銅めっきプロセス条件の不具合による欠陥発生と関係付けることでプロセス改善や制御につなげることが可能となると考えられる。
著者
榊原 康文
出版者
公益社団法人 高分子学会
雑誌
高分子 (ISSN:04541138)
巻号頁・発行日
vol.56, no.12, pp.976-980, 2007-12-01 (Released:2011-10-14)
参考文献数
7

半導体をデバイスとして用いる現在のシリコンコンピューターに対して,分子コンピューターは分子をデバイスとして用いて,分子会合や分子認識の原理を使って計算を実行する。本稿では,注意深く設計された配列をもつDNA分子が,自律的な動作を行ない,それらの一連の動作の結果として計算が実行される,より計算論的なアプローチを概観する。
著者
林 孝一 馬場 亮太 御園 秀一 小野 健太 小原 康裕 渡邉 誠
出版者
Japanese Society for the Science of Design
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.60, no.6, pp.6_39-6_48, 2014

60年近い歴史をもつ東京モーターショーに出展されたショーカーはそれぞれの時代の社会変化を鋭く反映してきた。本研究は各ショーカーの訴求ポイントをグループ化し、そのコンセプトを、「性能」、「社会対応」、「サイズ」、「付加価値」の4カテゴリーに分類し考察を加えた。その結果、日本の自動車産業とデザインの変遷は7つの時代に分類して精査していくことが適切であるとわかった。さらにその時代ごとのデザインへの期待や役割の変化が以下の4つに区分される事も判明した。1954~70年:欧米のライフスタイルに追従するドリームデザイン、1971~84年:機能とデザインの融合により意味と独自性があるデザインの創生、1985~2008年:製品多様化と市場の飽和を背景とした新規性コンセプトの探求とデザイン領域の拡大、2009年~現在: 環境問題や高齢化を反映した車の次世代モビリティーとしての再構築である。この様に社会情勢の変化に応じたデザインへの期待、役割の変化を明らかにした。