著者
早乙女 雄紀 大沼 亮 西原 賢 星 文彦
出版者
日本ヘルスプロモーション理学療法学会
雑誌
ヘルスプロモーション理学療法研究 (ISSN:21863741)
巻号頁・発行日
vol.12, no.2, pp.63-67, 2022-10-26 (Released:2022-10-28)
参考文献数
23

目的:パーキンソン病(以下,PD)患者における,トレッドミル歩行と部分免荷トレッドミル歩行時の歩行周期と両側の股関節,膝関節及び足関節の関節角度を比較した。 方法:健常者10名,PD 患者7 名(解析対象は5名)に対し,免荷装置(SPIDER)を用いて,ポータブル3 次元動作解析装置(MYOMOTION)を使用し,免荷条件と非免荷条件の各歩行周期割合と下肢角度データを計測した。結果:健常者は条件間で有意差はなかったが,PD 患者は非免荷条件と比較して,免荷条件で立脚期の割合が減少し,遊脚期の割合が増加した(p <0. 05)。さらにPD 患者では同時支持期が減少した(p <0. 05)。結論:PD 患者に部分免荷トレッドミル歩行は同時支持期割合を減少させ,歩幅増大の一要因である可能性が示唆された。
著者
笠原 賢介
出版者
日本シェリング協会
雑誌
シェリング年報 (ISSN:09194622)
巻号頁・発行日
vol.25, pp.38-49, 2017 (Released:2019-08-06)

Friedrich Schlegel hat zwischen 1797 und 1804 einige Lessing-Aufsätze geschrieben. Dort hat er den „geselligen“ Stil Lessings, der das „Selbstdenken“ des Lesers erregt, hochgeschätzt. In diesem Zusammenhang hat Schlegel Nathan den Weisen als „Krone“ der Lessingschen Werke bezeichnet. „Selbstdenken“ ist das Schlagwort der Aufklärung. Hier besteht eine Kontinuität zwischen Lessing und Schlegel. In Über die Sprache und Weisheit der Indier (1808) zieht er nun eine Scheidelinie zwischen den flektierbaren indoeuropäischen Sprachen und den anderen Sprachen, wie z. B. Chinesisch, Hebräisch und Arabisch. In Über Lessing (1797) schreibt er: „der durchgängig zynisierende Ausdruck [von Nathan dem Weisen] hat sehr wenig vom orientalischen Ton“. Für Lessing handelt es sich jedoch nicht um den Ton der Sprache, sondern um den Hinweis auf den schmalen Weg zum friedlichen Zusammenleben von Orient und Okzident. Trotz der Wertschätzung von Nathan dem Weisen ist bei Schlegel eine Veränderung des Orient-Bildes festzustellen.
著者
崔 恩瀞 藤原 賢二 吉田 則裕 林 晋平
出版者
日本ソフトウェア科学会
雑誌
コンピュータ ソフトウェア (ISSN:02896540)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.1_47-1_59, 2015-01-26 (Released:2015-03-26)

リファクタリングとは,ソフトウェアの外部的振る舞いを変化させることなく,内部の構造を改善するプロセスを指す.研究者・実務者ともに,開発プロジェクトにおいて過去に実施されたリファクタリングを知りたいという要求がある.そこで,リファクタリングの実施を自動的に検出する手法(リファクタリング検出手法)が数多く提案されている.これらの手法は,多様な国際会議や論文誌において発表されており,研究者や実務者にとって研究成果を概観することは容易ではない.本稿では,リファクタリング検出手法の中でも,盛んに研究が行われている成果物の変更履歴解析に基づく手法を中心に紹介を行う.まず,本稿におけるリファクタリング検出の定義および分類について述べる.その後,成果物の変更履歴解析に基づく手法を紹介し,今後行われる研究の方向性について考察を行う.
著者
伊原 賢
出版者
公益社団法人 石油学会
雑誌
石油学会 年会・秋季大会講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.2019, 2019

<p>米国は、石油・天然ガスの生産量の最高値更新に向けて、毎月新たな記録を打ち出している。2018年には、生産量で石油1100万BPD、ガス760億立方フィート/日に到達した。パーミアン・エリアでは今年生産量が350万BPDを超え、2020年には500万BPDに到達する勢いで、シェールオイルの生産をリードしている。また、北東部のマーセラス・エリアではガス生産200億立方フィート/日に向かっている。シェールオイル・ガスの生産増は、その減退を上回るペースで続いている。水平坑井、多段階の水圧破砕、マイクロサイスミックという要素技術の組み合わせの最適化の最前線を探りたい。</p>
著者
神原 賢治 藤井 信孝 中島 秀喜
出版者
一般社団法人 日本感染症学会
雑誌
感染症学雑誌 (ISSN:03875911)
巻号頁・発行日
vol.74, no.3, pp.237-244, 2000
被引用文献数
4

合成ペプチドT22は, カブトガニの血液細胞に存在する抗菌ペプチドであるpolyphelnusin IIをリード化合物として合成した, 18アミノ酸残基からなる塩基性ペプチドである. このT22は, T-tropic HIV-1感染のコレセプターであるCXCR4に作用して, HIVの標的細胞内への侵入を阻害する事が知られている. 我々は, T22の陽電荷を減少させた14アミノ酸残基から成る低分子類似体を合成し, その中でT134と命名したペプチドがさらに強い抗HIV活性を示し, 細胞毒性が減少することをみいだした. さらに, T134はPBMCへのCXCR4抗体の結合を阻止したが, CCR5抗体の結合にはなんら効果をおよぼさなかった. また, T134の抗HIV作用機序としては, これがMT-4細胞へのSDF-1の結合を阻害した事から, CXCR4と相互作用する事によって感染を阻止することが予想された. 他の研究グループから, バイサイクラムAMD3100やD-Arg9つから成るペプチドALX40~4Cなどの物質が, T22やT134と同様にCXCR4に作用してT-tropic HIV-1の侵入を阻害することが報告されている. さらに, カポジ肉腫関連ヘルペスウイルス (HHV-8/KSHV) にコードされているケモカイン様物質, vMIP IIは, T-tropic HIV-1のみならずM-tropic HIV-1の感染も阻止し得る. 本研究では, AMD3100に対して耐性となったHIV-1を用いて, 野生型HIV-1株との抗HIV活性を比較する事により, T134, ALX40-4C, vMIP IIは, AMD3100耐性HIV-1株に対して交差耐性が見られず, CXCR4へ相互作用する部位がそれぞれ異なっている可能性を示した.
著者
松原 賢 三根 崇幸 伊藤 史郎
出版者
日本海洋学会 沿岸海洋研究会
雑誌
沿岸海洋研究 (ISSN:13422758)
巻号頁・発行日
vol.55, no.2, pp.139-153, 2018

珪藻類のSkeletonema 属およびEucampia zodiacus,渦鞭毛藻類のAkashiwo sanguinea,ラフィド藻類のFibrocapsajaponica は有明海奥部においてノリ漁期にブルームを形成し,ノリの色落ち被害を与える有害な植物プランクトンである.これら植物プランクトンの現場海域における増殖特性を明らかにするため,有明海奥部の塩田川河口域において,2008年4月から2013年3月にかけて植物プランクトンの出現動態と各種環境要因の変動を調査した.珪藻類については,Skeletonema 属は6~9月と1~3月に,E. zodiacus は主に2~3月にブルームを形成した.鞭毛藻類については,渦鞭毛藻類のA. sanguinea は主に9~11月の秋季に,ラフィド藻類のF. japonica は8~9月および11月にブルームを形成した.冬季におけるSkeletonema 属およびE. zodiacus のブルームのきっかけはともに水柱における透過光量の増加であることが示唆された.鉛直循環期であっても,出水や小潮により成層が形成されれば,透過光量が増加することも確認された.A. sanguinea およびF. japonica は競合生物である珪藻類が少ない時にブルームを形成する傾向が確認された.
著者
菊原 賢次
出版者
福岡県農林業総合試験場
巻号頁・発行日
pp.5-10, 2019 (Released:2020-02-03)

福岡県では2014年以降,Pseudononas syringae pv. actinidiae biovar3(Psa3)によるキウイフルーツかいよう病の被害が拡大している。Psa3に汚染された花粉は感染を拡大させる可能性があるため,人工授粉には健全花粉を使用しなければならない。汚染花粉からのPsa3の検出方法は「キウイフルーツかいよう病Psa3系統の防除対策マニュアル」に記載されているが,1サンプルごとに高価な専用機器で集菌してからPCR法で検出するため,時間と労力がかかり,大量検定には不向きである。一方,花粉から直接DNAを抽出し,PCR法で検出する方法が報告されているが,検出限界は明らかではない。本研究は花粉から直接DNAを抽出し,防除マニュアルに記載されたプライマーを用いたPCR法により,Psa3が3×10 4cfu/g含まれる人工汚染花粉から検出が可能であった。次に,開発手法を中心として用い,2016年に福岡県の36圃場で生産された花粉の汚染状況を調査した結果,本病発生圃場の雄木から採取されたすべての花粉からPsa3が検出された。また,発生圃場に隣接した未発生圃場の雄木から採取した花粉からもPsa3が検出された。一方,無発生地区で生産された花粉からPsa3は検出されなかった。このことから,発生地区では健全花粉の生産は困難であることが示唆され,授粉に使用する花粉は少なくとも,無発生地区での生産が必要と考えられた。
著者
大原 賢三 原渕 保明
出版者
特定非営利活動法人 日本気管食道科学会
雑誌
日本気管食道科学会会報 (ISSN:00290645)
巻号頁・発行日
vol.66, no.3, pp.226-231, 2015-06-10 (Released:2015-06-25)
参考文献数
11

食道異物は近年の内視鏡器具の進歩により,内視鏡下に摘出可能な症例が増加している。渉猟し得た限りで内視鏡下の異物摘出後に遺残が判明し,外切開にて遺残異物を摘出した報告はない。今回われわれは内視鏡下に半分を摘出し得たものの,残存した食道腔外殻付きアマエビ異物に対して頸部外切開を必要とした症例を経験したので報告する。
著者
丹生谷 博 笠原 賢洋
出版者
東京農工大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

タバコモザイクウイルス(TMV)抵抗性遺伝子(N)はウイルス感染により過敏感応答を伴う細胞死を誘導して,宿主細胞内にウイルスを閉じ込めて感染拡大を防ぐ働きがある。我々は,N遺伝子の機能解明を目指して,N類似遺伝子のcDNAを多数単離して解析を行った結果,N類似cDNAには配列上の類縁関係から4つのグループ(A〜D)が存在することが分かった。これらのうち,N遺伝子と相同性の高い2つのN類似cDNA(NL-C26,NL-B69)を代表的クローンとして選定し,それらの全長cDNAを単離した。これらの全塩基配列を決定した結果,NL-C26とNL-B69はN遺伝子と同様のTIR-NBS-LRRクラスに属し,N遺伝子とアミノ酸レベルでそれぞれ78,73%の相同性を示した。次に,NL-C26,NL-B69の機能ドメイン(TIR, NBS, LRR)をN遺伝子の対応するドメインと置換したキメラcDNAを作製し,アグロインフィルトレーション法によりウイルス複製酵素のヘリカーゼドメインp50と共にN. tabacum cv. Samsuinnの葉で発現させた。その結果,NL-C26のTIR, NL-B69のTIR, NL-B69のNBSのいずれかを使用したキメラは明確なHRを誘導したが,NL-C26やNL-B69のLRRを使用したキメラ等はHRを誘導しなかった。以上より,NL-C26のTIR, NL-B69のTIRとNBSにはN遺伝子の機能にとって重要なアミノ酸が保存されていること,また,HR誘導にとってN遺伝子のLRRはN類似遺伝子のドメインには代えられないことが判明した。タバコから機能性ドメインを有するN類似遺伝子の発見は画期的であり,N遺伝子のcDNAを導入した一過性発現でHRを誘導できる系の確立は今後の機能解析に非常に有用である。
著者
西原 賢 久保田 章仁 井上 和久 田口 孝行 丸岡 弘 植松 光俊 藤縄 理 原 和彦 中山 彰一 溝呂木 忠 江原 晧吉 細田 多穂 山口 明 熊井 初穂 二見 俊郎
出版者
埼玉県立大学
雑誌
埼玉県立大学紀要 (ISSN:13458582)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.39-45, 2001

筋線維伝導速度(MFCV)をなるべく多くの筋線維から詳細に調べる目的で、計算機プログラムによる筋電図のパルス検出と平均法を開発した。この報告では、パルス検出の原理について説明をし、実際に健常成人男女2人の左等尺性肘屈曲運動時の上腕二頭筋表面電極筋電図を双極アレイ電極で記録し、アナログデジタル変換後計算機に取り込んだデータからMFCVを算出した。その結果、MFCVは先行研究で報告された範囲内に分布し、神経終板付近や腱付近からのMFCVは筋の中心部からのMFCVより早かった。取込開始から時間の経過と共にMFCVの一定の減少が見られた。算出した平均パルス波形は、雑音による平均波形とは明らかに異なる特徴を持っていた。これらのことから、このパルス検出と平均法は今後臨床で有効に活用できる可能性があることが考えられる。
著者
井原 賢 長江 真樹 田中 宏明 征矢野 清
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2017-04-01

今年度は、培養細胞試験で発現させるトランスポーターを従来のヒト遺伝子ではなく魚遺伝子を用いた培養細胞試験を開発した。具体的には、データベース上でメダカおよびゼブラフィッシュのセロトニントランスポーター(SERT)遺伝子の塩基配列情報を入手し、その遺伝子を発現するプラスミドを市販のサービスによって合成した。そして、抗うつ薬の標準物質を用いて試験することで、魚SERT遺伝子の抗うつ薬に対する反応性を体系的に明らかにすることに世界で初めて成功した。興味深いことに、魚SERT遺伝子はヒトSERT遺伝子よりも抗うつ薬で強く阻害されることが明らかとなった。具体的には、50%阻害濃度(IC50)で比較した場合、魚SERTのIC50値はヒトSERTのIC50値に比べて、数倍~数十倍低い結果が得られた。つまり魚SERTはより低濃度の抗うつ薬で阻害を受けることを意味する。この情報は、抗うつ薬やGPCR標的薬が魚等の水生生物に与える影響を評価する上で極めて重要な情報を提供してくれる。メダカSERTとゼブラフィッシュSERTの間でも、IC50値に違いが検出された。同じ魚であっても種によって抗うつ薬に対する反応が異なることが予測される。下水処理水に対しても抗うつ薬アッセイを行った。魚SERT遺伝子を用いた場合でも、ヒトSERT遺伝子を用いた場合と同様に、抗うつ薬活性が検出されることを確認した。セルトラリンを用いてミナミメダカに曝露し、通常時の行動をビデオ観察することで行動異常の検証を開始した。
著者
神原 賢治 藤井 信孝 中島 秀喜
出版者
一般社団法人 日本感染症学会
雑誌
感染症学雑誌 (ISSN:03875911)
巻号頁・発行日
vol.74, no.3, pp.237-244, 2000-03-20 (Released:2011-02-07)
参考文献数
20
被引用文献数
4 4

合成ペプチドT22は, カブトガニの血液細胞に存在する抗菌ペプチドであるpolyphelnusin IIをリード化合物として合成した, 18アミノ酸残基からなる塩基性ペプチドである. このT22は, T-tropic HIV-1感染のコレセプターであるCXCR4に作用して, HIVの標的細胞内への侵入を阻害する事が知られている. 我々は, T22の陽電荷を減少させた14アミノ酸残基から成る低分子類似体を合成し, その中でT134と命名したペプチドがさらに強い抗HIV活性を示し, 細胞毒性が減少することをみいだした. さらに, T134はPBMCへのCXCR4抗体の結合を阻止したが, CCR5抗体の結合にはなんら効果をおよぼさなかった. また, T134の抗HIV作用機序としては, これがMT-4細胞へのSDF-1の結合を阻害した事から, CXCR4と相互作用する事によって感染を阻止することが予想された. 他の研究グループから, バイサイクラムAMD3100やD-Arg9つから成るペプチドALX40~4Cなどの物質が, T22やT134と同様にCXCR4に作用してT-tropic HIV-1の侵入を阻害することが報告されている. さらに, カポジ肉腫関連ヘルペスウイルス (HHV-8/KSHV) にコードされているケモカイン様物質, vMIP IIは, T-tropic HIV-1のみならずM-tropic HIV-1の感染も阻止し得る. 本研究では, AMD3100に対して耐性となったHIV-1を用いて, 野生型HIV-1株との抗HIV活性を比較する事により, T134, ALX40-4C, vMIP IIは, AMD3100耐性HIV-1株に対して交差耐性が見られず, CXCR4へ相互作用する部位がそれぞれ異なっている可能性を示した.