著者
宮久 三千年 原田 進造 石橋 澄 渋谷 五郎 本村 慶信
出版者
The Society of Resource Geology
雑誌
鉱山地質 (ISSN:00265209)
巻号頁・発行日
vol.25, no.133, pp.347-357, 1975-10-31 (Released:2009-06-12)
参考文献数
17
被引用文献数
1

In this paper, the paragenesis of minerals in the Hoei mine is presented with some remarks on the mineralogical properties of kutnahorite.The Ichigo (no.1) ore body of the Hoei mine is a massive deposit of Sn, Zn and iron sulfide formed by replacement of the Silurian limestone bed. From this ore body, there have been found various kinds of ore and gangue minerals such as: garnet, clinopyroxene, axinite, tourmaline, vesuvianite, quartz, pyrrhotite, chalcopyrite, arsenopyrite, pyrite, marcasite, sphalerite, galena, native bismuth, herzenbergite, franckeite, jamesonite, cassiterite, stannite, malayaite, fluorite, sericite and carbonate minerals. The species of carbonate minerals are ferromanganoan dolomite, magnesian kutnahorite, kutnahorite, calcian rhodochrosite, ferroan magnesite and manganoan calcite, and they have been crystallized at the later stage of mineralization in this mine.The kutnahorite in this mine is white, yellow or pinkish in color, and platy or leaf-like in external shape, reaching to 5 cm in maximum length. Its specific gravity ranges from 2.98 to 3.18 by picnometer method. Optically negative, and some examples of refractive indices are ω=1.717-1.731, ε=1.524-1.529. Unit cell constants, a0 = 4.861-4.869 Å, c0=16.24-16.37 Å. The range of chemical composition of kutnahorite is fairly wide, as shown in Table 4 and 5.Judging from the mode of occurence, microscopic observations and the compositional changes detected by EPMA, the crystallization sequence of the carbonate minerals is suggested as follows : dolomite-ferromanganoan dolomite-magnesian kutnahorite-kutnahorite-calcian rhodochrosite-manganoan calcite.
著者
原田 隆史
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.291-296, 2010-05-28 (Released:2011-06-25)

学校図書館などにおいて読書指導を行う場合には,子どもたちが興味を持つ図書を提示することが有効である場合が多い。そのために,著者らもオンライン書評中の語を元として児童書・ヤングアダルト図書に感性パラメータを設定し,感性を元にして図書の検索を行うシステムを開発してきた。しかし,子どもたちにとって,感性パラメータを設定することが困難であることも多く,感性キーワードを直接入力するのではなく既に読んだ図書を入力して類似する小説を提示することが望まれている。そこで,本研究では,指定した図書と感性パラメータの分布が類似する図書を提示するシステムを試作し,その評価を行った。児童書・ヤングアダルト図書1425冊を対象として,10名の被験者に入力した図書と関連する図書30冊を提示したところ,約53%の図書について強い興味があるという結果が得られた。
著者
原田 大介
出版者
日本教科教育学会
雑誌
日本教科教育学会誌 (ISSN:02880334)
巻号頁・発行日
vol.28, no.4, pp.31-40, 2006-03-10

現代の子どもや若者は「キャラ」ということばを用い,「キャラ」という視点から人間関係を捉える傾向がある。教室では,発言者の「キャラ」をふまえて内容(ことば)を読み解き,「私」の「キャラ」を自覚して発言内容(ことば)を調整する。学習者一人ひとりのことばを育むことを目的とする国語科教育において,「キャラ」の理論を提示することの重要性は否定できない。本稿では,「キャラ」についての具体的な授業実践を提案・実施し,そこで生まれた問題を分析・検討した後,国語科教育全体に新たな光をあてる「キャラ」の理論を提示する。
著者
長尾 慶子 久松 裕子 粟津原 理恵 遠藤 伸之 原田 和樹
出版者
The Japan Society of Cookery Science
雑誌
日本調理科学会誌 = Journal of cookery science of Japan (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.46, no.5, pp.324-334, 2013-10-05
被引用文献数
1

抗酸化能を高めた中国料理献立を立案するために,栄養・嗜好面に配慮した基本献立と食材や調理手法を変えて抗酸化能を高めたモデル献立の抗酸化能を評価した。その結果,大菜の煮込み料理の[紅焼白菜]では食材のカニ,ケール及びエノキタケを選択し,同じく 炒め料理の[木穉肉]では調味料の五分たまり醤油と甜麺醤に薬味のネギ,ショウガを選択した。[湯菜]ではだし素材の干し椎茸と鶏ガラにネギとショウガを加えて加熱した。甜点心の [杏仁豆腐]では,杏仁霜と牛乳で調製した寒天ゲルに,黒糖シロップと果物のブルーベリーを選択し,鹹点心の[餃子]ではキャベツを脱水せずに加え蒸し加熱する方法で,どの料理も抗酸化能を高めることができた。これらを組み合わせたモデル献立にして,数種の測定法で抗酸化を測定したところ,基本献立に比べて抗酸化能の有意に高い中国料理モデル献立として提案できることが示唆された。
著者
原田 達
出版者
追手門学院大学
雑誌
追手門学院大学人間学部紀要 (ISSN:13418084)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.27-70, 1998-12-30

鶴見俊輔 / 社交資本 / 近代化 / 文化的支配階級
著者
丸山 定巳 花田 昌宣 宮北 隆志 中地 重晴 下地 明友 原田 正純 足立 明 井上 ゆかり 田尻 雅美 藤本 延啓
出版者
熊本学園大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

本研究の目的は、近年の水俣病被害者救済策や地域振興策が水俣病患者にもたらすものを50年の歴史に照して検証することであった。そこで根本的に問われることは、改めて水俣病被害とは何であるのかを解明することであった。この基礎の上に立って、今日の意義と課題を明確にして行くことである。そのために、過去の資料、研究成果、種々のデータを洗い直し、現地のさまざまなアクターに密着して、被害者ばかりではなく水俣病に関わるステークホルダーとともに調査を実施した。それによって、水俣病という負の経験を将来に活かすことができ、また、環境被害に関する国際フォーラムを通してその成果を国内外に発信することができた。
著者
山口 佳昭 原田 英男 太田 靖
出版者
日本鉱物科学会
雑誌
日本岩石鉱物鉱床学会 学術講演会 講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.2004, pp.3-3, 2004

日本の中部地域では,太平洋プレートの沈み込みの深度が増加すると(> およそ160 Km,浅間火山(天仁噴火),妙高火山,北アルプスの白馬風吹岳,立山火山,雲の平火山),高K2Oマグマバッチが生成する.高K2Oマグマバッチの証拠が,次のように示される.1)アブサロカイト-ショショナイト組成の高K2Oメルト包有物がカンラン石や単斜輝石の斑晶中に捕獲されている.2)火山岩の石基が不均質である.隠微晶質のアノーソクレース-カリ長石と高K2Oガラスで構成される高K2Oバッチ(領域)が見いだされる. こうした高K2Oマグマバッチの証拠は,私たちが調べた限りでは,東北日本-関東の火山フロント(樽前火山,クッタラ火山,有珠火山,岩手火山,那須火山など)や 伊豆-箱根(富士,箱根,三宅島など)の火山の噴出物からはまったく見いだされず,太平洋プレートの沈み込みの深い地域の火山に限られる.この高K2Oバッチは,背弧側に向かうマグマ(全岩組成)の系統的なK2Oの増加に寄与していると期待する.
著者
原田 康徳 勝沼 奈緒実 久野 靖
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.55, no.8, pp.1765-1777, 2014-08-15

近年,コンピュータプログラミングが小学校教育においても重要な教育テーマと見なされるようになりつつある.わが国においても,小学生を対象とした多くのプログラミング教育活動があるが,その大半は専門家が教え,多数のヘルパーがつくものであり,そのまま公立小学校などに導入することは難しい.本稿では東京都墨田区立緑小学校の課外活動である「みどりっ子クラブ」において,教育用プログラミング言語「ビスケット」を使用したプログラミング教育の事例について報告している.この活動は,1人ないし2人の非専門家の地域ボランティアによって,各回数名~数十名の児童を集めて3年半にわたり実施されているが,本稿で報告する教え方に関する多様な工夫やそれをサポートするビスケットシステムの工夫のおかげで,うまく機能している.評価として,参加児童の数名に対してインタビューを実施した結果,(1)子どもたちはコンピュータをブラックボックスではなくそのうえで自力で面白いものが作れるようなものだと認識するようになったこと,(2)プログラミング上のさまざまな「技」を進んで教え合っており,協同学習がうまく行われていることが示された.
著者
奥井 善也 原田 史子 高田 秀志 島川 博光
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.50, no.1, pp.361-371, 2009-01-15
被引用文献数
2

日本の大学では大人数の学生に対して教員1人が講義を行う形式が多くとられている.日本の学生は,大勢の人々がいるまえでは質問しにくいと感じることが多いので,教員に質問できない状況に陥りやすい.よって,教員が講義中に学生の理解度を判断することは難しい.学生と教員の間でコミュニケーションがとりくにいことが教材の改善を困難にしている.そのため日本の大学では教員からの一方向教育となり,これが理解に行き詰まる学生を減らせない1つの原因となっている.本論文では,双方向教育を実現するため,講義中に教え方を修正し講義後に教材を改善するという,2つのフェーズに分けた講義支援を提案する.講義中のフェーズにおいては,教員の説明に対する学生の反応を獲得し,講義中の学生の理解度を学生と教員との間で互いに共有する.講義後のフェーズにおいては,講義中に取得した学生の学習項目別の理解度と学習項目間の依存関係を考慮し,学生の理解困難箇所を特定し教員に提供する.本手法の講義中のフェーズにおける講義支援を大人数講義に適用した結果,適用しないクラスに比べ試験の平均正答率が50点満点中2.22点向上した.また,大学生5人に対し講義を行い,学生に理解に行き詰まった内容に対するアンケートを実施したところ,理解困難に陥る原因は,理解困難に陥ったときに学習していた項目の依存知識と相関することが判明した.In many classes of universities in Japan, a teacher gives a lecture to a lot of students. Japanese students would hesitate to ask questions in front of many people. It is difficult for a teacher to judge the understanding level of each student during a lecture. Therefore, the teacher is not able even to improve his approach to teaching and the teaching materials according to the understanding level of students. This paper proposes a method for teachers to improve teaching faculty. The proposed method consists of two phases. In the first phase, a teacher can acquire students' responses. Students and the teacher share students' understanding levels from the responses during a lecture. The other phase identifies difficult learning items from dependency among learning items. The method identifies difficult learning items from acquired student understanding level during the lecture and the dependency to improve learning materials after the lecture. We applied our method to actual classes which consist of many students during a lecture. The student examination scores in the class to which our method is applied have been superior to that in a class without our method by 2.22 point. A verification experiment has proven that we should consider the dependency among learning items as a possible cause of difficulties to understand learning items.
著者
原田 眞理
出版者
公益財団法人 日本学術協力財団
雑誌
学術の動向 (ISSN:13423363)
巻号頁・発行日
vol.9, no.3, pp.45-49, 2004-03-01 (Released:2009-12-21)
参考文献数
7
著者
原田 康徳 勝沼 奈緒実 久野 靖
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.55, no.8, pp.1765-1777, 2014-08-15

近年,コンピュータプログラミングが小学校教育においても重要な教育テーマと見なされるようになりつつある.わが国においても,小学生を対象とした多くのプログラミング教育活動があるが,その大半は専門家が教え,多数のヘルパーがつくものであり,そのまま公立小学校などに導入することは難しい.本稿では東京都墨田区立緑小学校の課外活動である「みどりっ子クラブ」において,教育用プログラミング言語「ビスケット」を使用したプログラミング教育の事例について報告している.この活動は,1人ないし2人の非専門家の地域ボランティアによって,各回数名~数十名の児童を集めて3年半にわたり実施されているが,本稿で報告する教え方に関する多様な工夫やそれをサポートするビスケットシステムの工夫のおかげで,うまく機能している.評価として,参加児童の数名に対してインタビューを実施した結果,(1)子どもたちはコンピュータをブラックボックスではなくそのうえで自力で面白いものが作れるようなものだと認識するようになったこと,(2)プログラミング上のさまざまな「技」を進んで教え合っており,協同学習がうまく行われていることが示された.Recently, computer programming is being recognized as an important topic in elementary schools of the next decade. Even in Japan, various activities which teach programming to elementary school children are in progress. However, most of those activities are taught by professionals (of programming education), with supoort of many assistants; such activities cannot be ported as-is to public schools. In this paper, we introduce our experiences with "Viscuit" educational programming language on Midorikko-club, after-school activities held in Midori elementary school, Sumida-city, Tokyo. The activities, in which ten to several tens of children have attended, are led by small number (one or two) of local non-professional volunteers for more than three years. Thanks to the novel teaching method and supporting funcionalities of the Viscuit system, both described in this paper, the activity turned out to be very successful. As an evaluation, we have conducted interviews to some of the attended children, which has shown that (1) children have become to recognize that computers are not the blax boxes, but something on which they can create interesting things, and (2) they have become to enjoy teaching various programming techniques each other, thus realizing cooperative learning.
著者
森 雅秀 永ノ尾 信悟 高島 淳 冨島 義幸 原田 正俊 山部 能宜 松本 郁代 鷹巣 純 矢口 直道 西本 陽一
出版者
金沢大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2011-04-01

本研究は、アジアにおける仏教儀礼の形成と展開、変容をテーマに、さまざまな領域の研究者による共同研究の形式で進められた。参加した研究者はインド学、仏教学、歴史学、人類学、美術史、建築史、宗教学等の分野で、多角的な視点から研究をおこなった。そのための枠組みとして王権論、表象論、空間論、技術論、身体論という5つの研究領域を設定した。とくに顕著な研究成果として灌頂に関する論文集があげられる。代表的な仏教儀礼のひとつである灌頂を取り上げ、その全体像を示すことに成功し、儀礼研究の新たな水平を開いた。また研究の総括として、儀礼と視覚イメージとの関係についての国際シンポジウムを開催した。
著者
伊藤 克治 宮崎 義信 原田 雅章 長澤 五十六
出版者
福岡教育大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2012-04-01

新学習指導要領の化学的領域では,微視的である粒子の挙動と巨視的である物質の状態や化学変化を結びつけた理解が一層重要となった。そこで本研究は,児童生徒の物質概念育成を図るために,物質を微視的に捉えた上でイメージ化し,巨視的現象として理解するための教材開発を行った。このために,有機化学分野,物理化学分野,分析化学分野,無機化学分野において粒子をイメージ化しやすい教材の開発を行うとともに,児童生徒向けの実験講座や教員研修,本学の大学生対象の化学実験の授業において実践し,評価を行った。
著者
林田 健一郎 金子 俊朗 竹内 崇 清水 洋彦 安藤 邦雄 原田 悦守
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
The journal of veterinary medical science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.66, no.2, pp.149-154, 2004-02-25

ラクトフェリン(LF)は,ミルク,血液など体液中に広く存在する鉄結合性タンパク質で,多様な生理機能を待つことが知られている.本実験では,経口投与したLFが,リウマチ性関節炎のモデルであるラットアジュバント関節炎モデルにおいて,抗炎症及び鎮痛効果を示すか否か検討した.加えて,LFの免疫調節機能の特徴を調べる目的で,同モデルにおいて,LPS刺激によるTNF-α及びIL-10産生に対するLFの効果も検討した.LFを関節炎惹起3時間前から1日1回予防的に投与した場合,あるいは関節炎惹起後19日目から7日間治療的に投与した場合のいずれにおいても,LFは関節の腫脹と疼痛を抑制した.関節炎惹起25日目のラットに,LFを単回投与したところ,用量依存的に鎮痛効果が観察され,この効果はナロキソンによって消失した.また,LFは,連続投与した場合だけでなく,単回投与でも,LPS刺激によるTNF-αの産生を抑制しIL-10の産生を増加させた.以上の結果から,経口投与したLFは,関節炎の炎症と疼痛に対し予防的及び治療的効果を待つことが明らかとなった.更に,LFは,TNF-αの産生を抑制しIL-10の産生を増加させるという性質の免疫調節機能を待つことが示唆された.これらのことから,LFが関節炎に対する天然の治療薬になることが期待される.