著者
吉田 堯躬
出版者
新潟青陵大学・新潟青陵大学短期大学部
雑誌
新潟青陵大学紀要 (ISSN:13461737)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.1-15, 2005-03-10

日本の公的年金のうち,厚生年金及び国民年金はそれぞれ厚生年金特別会計及び国民年金特別会計の中にある年金勘定及び関連勘定において管理されているが,その年金資金の管理は単年度予算主義に基づく年度予算(事務費及び事業費)の執行と分離されておらず,年金資金の長期及び中期の資産運用において本来必要な自主性を失っている.そのため生じている問題点として1.年金の積立金と年金の将来債務との対比の無視2.年金資金運用と年度予算の混同 3.年金資金の運用利回り不足の未処理4.年金勘定と業務勘定間の不合理な資金整理 5.年金勘定の出資と特別保健福祉事業資金繰入れ6.厚生年金基金の解散及び共済年金の統合にともなう債務増加の非掲示改訂を指摘した。
著者
吉田 雅裕 大坐畠 智 川島 幸之助
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.31, pp.49-54, 2008-05-08
被引用文献数
3

P2Pファイル共有ネットワークは,プロトコルにファイル流通制御機能を備えていない場合がある.そのような場合は,ポイゾニング手法を用いることが有効である.P2Pネットワークにおけるポイゾニング手法とは,制御用に加工したファイル情報,またはファイル本体をネットワーク上に拡散し,制御対象ファイルのダウンロードを困難にする方法である.しかし,国内で広く利用されているWinnyやShare等のP2Pファイル共有ネットワークは,ポイゾニング手法への対抗策となるように,ファイルIDによる検索が可能となっている.そこで本稿では, Winnyネットワークを対象にファイルID検索に対しても有効なポイゾニング手法を実装し,評価実験により効果を確認する.
著者
小林 憲正 遠西 寿子 坪井 大樹 酒井 貴博 金子 竹男 吉田 聡 高野 淑識 高橋 淳一
出版者
北海道大学低温科学研究所
雑誌
低温科学 (ISSN:18807593)
巻号頁・発行日
vol.66, pp.39-46, 2008-03-31

炭素質コンドライトや彗星中に種々の複雑有機物が検出されていることから,地球外有機物が生命の誕生に重要な役割を果たした可能性が議論されている.隕石・彗星中有機物の起源としては,分子雲中の星間塵アイスマントル中で宇宙線・紫外線エネルギーにより生成したとするモデルが提案されて いる.われわれは模擬星間物質に重粒子線を照射することにより高分子状の複雑有機物に結合したアミノ酸前駆体が生成することを見いだした.このような高分子状結合型アミノ酸は遊離アミノ酸と比較して宇宙環境で安定であること,円偏光照射によりアミノ酸エナンチオ過剰を生じうることなどが わかった.これらの知見をもとに生命の起源にいたる新たな化学進化シナリオを提案する.
著者
吉田 宇一
出版者
日本評論社
雑誌
数学文化
巻号頁・発行日
no.13, pp.3-5, 2010-01
著者
小山 裕貴 畑 淳 吉田 孝博 増井 典明
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EA, 応用音響 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.367, pp.77-82, 2011-01-13

音響機器の特性や音質評価は,開発現場と実使用環境では一致しないことがあり,問題となることがある.また,機器に供給する電源の特性の違いにより,人が知覚する音質や音像が異なる現象が生ずるといわれている.よって,このような現象の測定や解析,発生メカニズムの解明が必要である.本研究では,電源環境がDAIのジッタに及ぼす影響ならびにディジタル音響機器の電源投入からの時間経過がDAIのジッタに及ぼす影響を調査した.その結果,電源の高調波電圧により,TIEの標準偏差では差が2.3%生じ,電源環境がジッタ特性に影響を与えていることが確認できた.また,ディジタル音響機器の通電時間により,RMS値やディジタル音声信号の波形が変化することも確認できた.
著者
曽根 広哲 吉田 泰明 平手 勇宇 山名 早人
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.94, pp.89-94, 2008-06-12
被引用文献数
1

検索エンジンはインターネットで情報を探す手段として欠くことができない.また,ユーザは検索エンジンの検索結果から得られる情報はテレビからの情報とほぼ同等の信頼性があると認知しているという調査報告がある.すなわち,検索エンジンのランキングを調べることによって,あるサイトが社会に与える影響力の一端を把握できると考えられる.本稿では,今やインターネット上の百科事典の代名詞ともなったウィキペディアが社会に与える影響力を調べることを目的として,日本語版ウィキペディアの検索エンジンにおけるランキング解析を行った.実験の結果,全記事のうち,上位10位以内にランキングされた記事はYahoo! JAPANとGoogleでは約9割,MSNでは約7割となった.また,Yahoo! JAPAN,MSNともに,ウィキペディアの新規記事は「はてなダイアリーキーワード」と比べ,最初から上位10位以内に現れる傾向が強く,上位のランキングを維持する傾向があることが分かった.以上のようにウィキペディアの影響力は大きいものであるということが実験結果から確認できた.
著者
長縄 弘親 熊沢 紀之 斉藤 浩 柳瀬 信之 三田村 久吉 永野 哲志 鹿嶋 薫 福田 達也 吉田 善行 田中 俊一
出版者
Atomic Energy Society of Japan
雑誌
日本原子力学会和文論文誌 (ISSN:13472879)
巻号頁・発行日
vol.10, no.4, pp.227-234, 2011 (Released:2011-11-30)
参考文献数
7
被引用文献数
4 6

We tried the decontamination of surface soils for three types of agricultural land at Nagadoro district of Iitate-mura (village) in Fukushima Prefecture, which is highly contaminated by deposits of radionuclides from the plume released from the Fukushima Daiichi nuclear power plant. The decontamination method consisted of the peeling of surface soils solidified using a polyion complex, which was formed from a salt solution of polycations and polyanions. Two types of polyion complex solution were applied to an upland field in a plastic greenhouse, a pasture, and a paddy field. The decontamination efficiency of the surface soils reached 90%, and dust release was effectively suppressed during the removal of surface soils.
著者
吉田 慶章 柿崎 淑郎 辻 秀一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告情報学基礎(FI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2009, no.35, pp.23-30, 2009-03-18

政治家の発言情報を提供することで,ユーザのニュース記事理解を支援する方式を既に提案しているが,発言情報の収集を人手で行っていた点と,発言情報の表示手法に課題が残されていた.本研究では,発言情報の抽出手法と重要度算出手法から構成される自動収集手法を提案する.さらに,発言情報の表示手法も提案する.最後に,試作システムを用いた実験より,抽出手法の精度や重要度算出手法の妥当性等に関して評価を行う.We proposed a method to support for news understanding using politician's quotes. However, the method has two issues that extracting quote by hand and presentation method of quote. In this paper, we propose automatic methods to extract quotes and to calculate quote importance. In extract method, quotes are extracted using representation dictionary of quote, surface pattern rule and news ontology. In calculate method, quotes are calculated by elements of quote. Finally, we evaluate accuracy of the extract method and adequacy of the calculate method.
著者
吉田 正典 養父 志乃夫 山田 宏之
出版者
日本緑化工学会
雑誌
日本緑化工学会誌 (ISSN:09167439)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.284-287, 2007-08-31
参考文献数
19
被引用文献数
2

慣行農業がカエル類の個体群に与える影響を把握するため、行政資料調査や栽培方法のヒアリングとカエルの生息実態調査を行ったところ、近年の稲作水田ではニホンアマガエルの個体群を維持できるが、トノサマガエル、ヤマアカガエルの個体群を維持できないことが示唆された。
著者
矢野 健二 小林 直彦 堀田 順平 清水 明生 松崎 泰裕 谷沢 智史 山下 静雨 吉田 幸二 鈴木 雅人 市村 洋
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.703, pp.1-5, 2005-02-26

インターネットの普及と相俟って遠隔教育は, 企業社員教育や学校教育の場において, 試用から実用の段階に入ろうとしている. これらの教育の対象は論理・科学技術分野である. 学問・教育には, 論理や科学分野以外に芸術・体育・技能等の分野がある. この分野の遠隔教育は現在実用期に入ろうとしている論理・科学分野の次にくる次世代遠隔教育と言えよう. これらでは感覚的な事柄が重要視されるため, その遠隔教育においては, 質問事項のメモ及びその意思伝達が困難である. そこで筆者は, 質問事項のメモ及びその意思伝達を容易にするために, 疑問や質問を思いついたときの前後の環境を保存し, 学習者のコンピュータにアイコン画像を表示, 後にその環境を復元・共有し, 質問・疑問の連想を支援するシステムの設計と実装方法を報告する.
著者
吉田 紘二郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SSS, 安全性 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.279, pp.9-12, 2002-08-20
参考文献数
4

航空機や医療現場などでいち早く問題化していEMC(Electromagnetic Compatibility)について、高度な電子機器の搭載が進みつつある船舶現場での実情を調べた。航行中の船舶が外部からの電界にさらされるのは陸岸に接近した場合であり、例として大阪湾岸の電磁波環境を調査した結果、搭載電気機器に求められる耐性限度に迫る電磁界の存在を確認した。また船内においても、特に生産年度の古い機器などに、IECの規定を越える電磁輻射が測定された。特に、金属壁に囲まれた船室内では、各機器から漏れる電磁波が反射し重畳する結果、思わぬ電界強度分布を示すことも確認した。
著者
吉田 文久
出版者
日本福祉大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

現在英国の17箇所の町、村に残存する民俗フットボールのうち、14箇所のゲームの実態をできる限り正確に記録し、それらのゲームを類似性、多様性の視点から整理した。また、それらが近代化せず、存続した意味について考察した。ゲームが残存する根底には、それを近代スポーツの発展史上に位置づけるのではない、固有の意味、つまり強い伝統維持の意識、地域のアイデンティティー形成のための有効的手段という意味があった。特に儀式化されているゲームは地元の名士や長老、かつての勝者をメンバーとする独自の委員会によって組織的に運営されている。民俗フットボールは、近代スポーツからそぎ落とされていったスポーツ本来の楽しみ方を教えてくれる。
著者
篠原 ひとみ 兒玉 英也 吉田 倫子 成田 好美
出版者
秋田大学
雑誌
秋田大学医学部保健学科紀要 (ISSN:13478664)
巻号頁・発行日
vol.16, no.2, pp.9-15, 2008-10

乳児期の夜泣きに関して母親211人に対しアンケート調査を行い, 児の夜泣き経験をもつとの回答のあった64人を対象として, 本研究では夜泣きの重症度に関わる要因を検討した. 夜泣きの重症度を測る尺度として「一週間の夜泣きの総時間数」を設定した. 夜泣きの重症度は, 平均6.8±10.1時間(0.09〜42.0時間) で, 10時間を越えると, 母親の「寝不足感が常にある」, 「疲労感が常にある」との回答が多くみられた. 夜泣きの重症度は出生体重と関連があり, 10時間を越える児の出生体重は有意に少なかった(p<0.05). また, 10時間を越える児では, 日中に30分以上持続する泣きがみられる頻度の高い傾向があり(p=0.08), 昼寝の回数が有意に少なかった(p<0.01). 本研究から, 夜泣きの重症度が10時間を越える場合は, 何らかの看護介入を考慮する必要があると思われる. 夜泣きの重症度は児の出生体重や日中の睡眠パターンとの関連が認められる.
著者
吉田 晋一
出版者
(独)農研機構
雑誌
若手研究(スタートアップ)
巻号頁・発行日
2008

本研究では、農産物直売所における需給ミスマッチを改善するため、定量的に需給の動向を把握し、需要予測を行うことを試みた。結果として、1.対象とした直売所では出荷点数の45%が残品となる一方で、平均25%の品目が欠品していた。2.欠品時の需要量は時間帯別販売点数に着目することで推測できる。3.需要量の日次変動は、(1)曜日などその日の特徴、(2)天候、(3)品目数、(4)経済指標などによって、ある程度説明可能であるといえる。
著者
黒川 雅幸 三島 浩路 吉田 俊和
出版者
The Japanese Group Dynamics Association
雑誌
実験社会心理学研究 (ISSN:03877973)
巻号頁・発行日
vol.48, no.1, pp.32-39, 2008
被引用文献数
1

本研究の主な目的は,小学校高学年児童を対象に,異性への寛容性尺度を作成することであった。小学生を対象とするので,できる限り少ない項目数で実施できるように,6項目からなる尺度を作成した。休み時間や昼休みによく一緒に過ごす仲間の人数を性別ごとに回答してもらったところ,同性の仲間が1人以上いて,異性の仲間も1人以上いる児童の方が,同性の仲間が1人以上いて,異性の仲間がいない児童よりも,異性への寛容性尺度得点は有意に高く,妥当性が示された。また,異性への寛容性尺度得点には性差がないことも示された。同性の仲間が1人以上いて,異性の仲間も1人以上いる児童の方が,同性の仲間が1人以上いて,異性の仲間がいない児童よりも,級友適応得点は有意に高く,異性との仲間関係が級友適応に影響する可能性が示された。<br>