著者
佐藤 枝里 渡邉 素子 北岡 智子 鈴木 雅子 谷口 洋子 和合 香織 和田 浩平 稲山 かおり 願興寺 礼子
出版者
中部大学, 大学企画室高等教育推進部
雑誌
中部大学教育研究 (ISSN:13497316)
巻号頁・発行日
no.21, pp.41-49, 2021-12

新型コロナウイルスの蔓延により、学生達の生活様式は大きな影響を受けた。大学生活が従来包摂してきたフェース・トゥ・フェースで対面することの豊かさ、直接性や身体性が有していた価値、身体移動に伴う距離や時間が封印されることとなった。これまで学生相談・学生支援は、対面相談を基本とした個人カウンセリングと予防的心理教育を行ってきたが、コロナ禍を機に、対面と遠隔のハイブリッドによる支援が必要とされるようになった。本論文では、パンデミック発生後18か月間の取組を主に予防的心理教育の視点から概観し、今後の学生支援の可能性と留意点について取り上げた。初年次科目の出前授業では、授業形態の切換えに関わる適応支援や学部・学科への帰属意識を高める工夫が望ましいこと、新入生アンケートは、宿泊研修中のウェブ実施が学生への迅速な支援につながること、心理教育的グループ活動については対象学生により開催方法を選択することが重要であることが考察された。
著者
大和田 尚孝
出版者
日経BP社
雑誌
日経コンピュ-タ (ISSN:02854619)
巻号頁・発行日
no.714, pp.108-115, 2008-10-01

「数は力だ」。京都銀行の北山裕治執行役員システム部長はこう断言する。同行は13地銀が参加する最大陣営「地銀共同センター」の第1号ユーザー。複数の地銀が集まることでシステムの維持コストを下げられた。各行が知恵と開発費を出し合い豊富な機能を実現。ベンダーへの発言力も増した。
著者
和田 哲也 関澤 愛
出版者
Japan Association for Fire Science and Engineering
雑誌
日本火災学会論文集 (ISSN:05460794)
巻号頁・発行日
vol.66, no.3, pp.31-40, 2016 (Released:2018-02-09)
参考文献数
6
被引用文献数
1

高層ビルで大規模火災が発生した場合には,原則として全館避難が必要とされる。その全館避難の手法は,一斉避難と順次避難の二通りに大別される。 本研究では,高層ビルの避難誘導計画担当者および避難訓練参加者を対象に全館避難に関する二つのアンケート調査を実施した。その結果,避難階段内の混雑軽減および避難者の心理的負荷軽減の観点から,順次避難は一斉避難よりも有用な避難手法であることがわかった。また,高層ビルで順次避難を実施する際の避難フェーズ毎の最適な待機時間および避難対象階を算出する手法を開発した。この手法により,階段内の混雑を軽減できるばかりでなく,火災危険の高い階にいる在館者を優先的に避難させることができる。
著者
和田 直樹 山本 澄子
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.36, no.1, pp.21-28, 2021 (Released:2021-02-24)
参考文献数
35

〔目的〕座位から歩行までの動作において胸郭・骨盤角度の特徴を運動学的に分析し,若年者と高齢者の違いを明らかにすることを目的とした.〔対象と方法〕若年者14名と高齢者12名を対象に,3軸傾斜計・荷重スイッチシステム・ビデオカメラレコーダーにて座位からの歩行動作を計測した.〔結果〕高齢者は若年者と比較して一歩目離地時(foot off: FO)に胸郭・骨盤前傾角度が小さく,離殿からFOまでの時間が長かった.高齢者のFO時胸郭前傾角度・FOまでの骨盤前傾角度変化量とFunctional Reach Testに正の相関があった.〔結語〕両群ともに胸郭・骨盤前傾位で離殿するが,高齢者は前傾位を保持できずFOに至る.起立から歩行に短時間で移行するには胸郭の前傾に加え,骨盤の前傾が必要であることが新たにわかり,バランス機能の低下により若年者と異なる動作戦略に至ったと考えられる.
著者
五嶋 実波 和田 幹生 松島 和樹 大阿久 達郎 中川 晃輔 北川 景都 木村 沙江 金井 伸行
出版者
一般社団法人 日本プライマリ・ケア連合学会
雑誌
日本プライマリ・ケア連合学会誌 (ISSN:21852928)
巻号頁・発行日
vol.45, no.1, pp.2-9, 2022-03-20 (Released:2022-03-23)
参考文献数
33

目的:COVID-19流行による外来受診の変化を評価する.方法:2019年と2020年の4・5月における家庭医療センター初診患者の診療録を,後方視的に参照した.人数,年齢及びプライマリ・ケア国際分類で分類した臓器別健康問題と受診理由を全患者,小児と成人領域患者に分け2019年と2020年で比較した.結果:2019年と2020年で,対象者は1159人と859人(男性は48%と53%),1日平均患者数は25.2人と17.9人(p<0.001),平均年齢は48.4歳と52.4歳(p=0.010).主な臓器別健康問題(2019年:2020年)は,小児で呼吸器45%:32%(p=0.026),消化器18%:5%(p=0.003),成人で呼吸器23%:16%(p<0.001),皮膚20%:15%(p=0.011).結論:COVID-19流行下で外来患者数は減少し,臓器別健康問題の内訳が変化した.
著者
笠原 隆行 藤巻 理沙 治部袋 佐知代 和田 純子 佐藤 麻子 稙田 太郎
出版者
一般社団法人 日本糖尿病学会
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.51, no.1, pp.27-31, 2008

37歳,罹病期間8年の2型糖尿病女性.治療中断後に再開した強化インスリン療法により体重が5 kg増加し,全身浮腫,胸水,肺うっ血を伴う心不全をきたした.入院第5病日,いまだ胸水,下肢浮腫の残存時に行った心超音波検査では,左室壁運動に異常なく,EFは71%と正常であり,拡張機能障害による心不全が疑われた.利尿剤のみで自覚症状,全身浮腫,胸水は約2週間で消失した.血中BNPは第1病日130 pg/m<i>l</i>, 第2病日82.4 pg/m<i>l</i>, 第15病日には4.3 pg/m<i>l</i>と漸次改善した.本例は長期にわたる血糖コントロール不良下に,強化インスリン療法により血糖是正が比較的急速に行われた結果,心不全が誘発されたと想定された.機序としてインスリンのNa貯留作用による循環血液量の増加に加え,潜在する心拡張機能障害が一因となった可能性が示唆される.強化インスリン療法が普及した今日,留意すべき症例と考え報告する.
著者
広田 健一 勝尾 伸一 小島 尚人 大和田 勇人 山下 剛史
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集F3(土木情報学)
巻号頁・発行日
vol.71, no.2, pp.II_66-II_77, 2015

本研究は, コンクリート表面のひび割れ点検精度の向上を目的として,ビデオカメラを接続したリアルタイム動画視認性評価システム(VISシステム:VISibility evaluation system of feature composite moving image inducing visual illusion)を拡充し,現場適用効果を示したものである.VISシステムは, FC動画(ネガ,ポジ)とそれに対する視認性評価図をリアルタイムでPC(ノート・タブレット型)画面上に表示し,ひび割れ点検支援を担う.ボックスカルバート, トンネル覆工,橋梁床版等の点検を試みた結果,点検対象から10m離れても幅0.2mm(管理境界)のひび割れを探索・発見でき,さらに,高所作業台からのチョークによる描画記録時のひび割れ見落とし対策としても寄与できることが判った.
著者
倉賀野 妙子 木村 宏樹 和田 淑子
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.42, no.1, pp.45-52, 1991-01-15 (Released:2010-03-10)
参考文献数
26
被引用文献数
3

薄力系の小麦粉よりグリアジン画分, グルテニン画分を分画して, それぞれ小麦澱粉に8%混合添加したものを小麦粉の代わりとし, これに油脂および水を混合してクッキーを調製して, ドウおよびクッキーの物性に与える両タンパク質画分の影響を調べた.ドウのクリープ試験による粘弾性係数ならびに定速圧縮試験による最大応力, 最大エネルギー値の結果によると, グリアジン画分のドウはやわらかくて変形しやすく, 滑らかに伸展するのに対し, グルテニン画分のドウは弾性に富んで硬く, 圧縮に抵抗する力が大となる傾向を示した.グリアジン画分のクッキーは焼成時に上方への膨張が大きく, みかけの膨化率は173%であった.電顕観察の結果から, 膨張は吸水したタンパク質によると思われる膜様の存在により, 内部組織に気泡が安定に保たれたためと推察された.一方, グルテニン画分クッキーのみかけの膨化率は102%であり, 焼成による膨化はほとんど生じなかった.電顕観察でも気泡のあとはほとんどみられず, ところどころにタンパク質によると思われる相互につながりのない小さな集合体が認められた.クッキーの圧縮破断試験によると, グリアジン画分クッキーはみかけの破断応力, 破断エネルギーが小さく, やわらかくて砕けやすいが, みかけの破断時間, 破断ひずみは大きく, 荷重一時間曲線には小さなピークが多数生じた.一方, グルテニン画分はみかけの破断応力, 破断エネルギーが大きい, 硬いクッキーとなるが, 破断時間, 破断ひずみが小さく, 荷重一時間曲線はピークの少ないシャープなパターンとなった.酸可溶性グルテン画分のドウおよびクッキーの物性はグリアジン, グルテニン両画分の影響を受けていると推察される場合と, グルテニン画分の特性による依存が大きい場合がみられた.酸不溶性タンパク質画分のドウおよびクッキーの物性は酸可溶性グルテン画分とは異なる傾向を示した.
著者
前川 素子 和田 唯奈
出版者
日本生物学的精神医学会
雑誌
日本生物学的精神医学会誌 (ISSN:21866619)
巻号頁・発行日
vol.32, no.3, pp.144-148, 2021 (Released:2021-09-25)
参考文献数
5

統合失調症の発症メカニズムについては,脳の発達期におけるさまざまな侵襲が発症脆弱性形成の基盤になる「神経発達障害仮説」が知られている。筆者らは特に,「妊娠中の母親が飢餓にさらされると,子どもの将来の統合失調症発症率が約2倍に高まる」という大規模疫学事象に着目し,脳発達期の栄養欠乏が成長後の統合失調症発症リスクに影響する可能性について解析を進めてきた。筆者らが,脳発達期栄養欠乏を模倣するモデルマウスを作製して解析したところ,脳発達期栄養欠乏マウスは,統合失調症様の表現型を示すこと,その上流には多価不飽和脂肪酸をリガンドとする核内受容体RXRα,PPARαが働いている可能性を見いだした。さらに,ヒトおよびマウスを対象に解析を行い,核内受容体PPARαの機能不全が統合失調症の発症リスクに関わる可能性,核内受容体PPARαが統合失調症の新しい治療ターゲットになる可能性を見いだした。
著者
渡邊 千尋 大和田 聡子 伊藤 吏 村上 信五 欠畑 誠治
出版者
一般社団法人 日本めまい平衡医学会
雑誌
Equilibrium Research (ISSN:03855716)
巻号頁・発行日
vol.78, no.3, pp.178-184, 2019-06-30 (Released:2019-08-02)
参考文献数
15

Herein, we present a patient with superior semicircular canal dehiscence syndrome (SCDS) manifesting as convergence spasms, which were alleviated by canal plugging surgery. SCDS is described in the literature by Minor as “a condition characterized by vertigo and oscillopsia induced by loud sounds or changes in the pressure of the external auditory canal or middle ear due to the dehiscence of the bone overlying the superior semicircular canal.” Convergence spasms are characterized by intermittent sustained convergence, accommodative spasms and miosis, and are likely to be caused by a functional disease, although in some cases, it is a manifestation of an organic disease. A 49-year-old male patient visited our department with a 2-year history of intermittent sudden vertigo and cloudy vision. The vertigo attacks had gradually increased in frequency and could last all day. Pure-tone audiometry showed bilateral conductive hearing impairment with air-bone gap at low frequencies from 125Hz to 500Hz. A head CT showed bone dehiscence above the bilateral superior semicircular canals and tegmen of the epitympani. Initial equilibrium testing did not reveal any abnormal findings. Initial sono-ocular testing of the right ear indicated upbeat nystagmus. However, after multiple outpatient visits, the upbeat nystagmus disappeared during the sono-ocular test and was replaced by paradoxical convergence. The eye tracking test also revealed paradoxical convergence, which became frequent and was accompanied by pupillary miosis. This paradoxical convergence was ultimately diagnosed as convergence spasms. No improvement of symptoms was achieved through non-surgical treatments over an extended period of time, therefore, canal plugging surgery was recommended. The surgery was performed through a middle fossa approach, and it completely eliminated the cochlear and vestibular symptoms associated with SCDS and the convergence spasms. Finally, we suspected that the convergence spasms were caused by ocular dysfunction as well as neurological factors related to the SCDS.
著者
和田 博夫 伊藤 潔 大見 士朗 平野 憲雄
出版者
京都大学防災研究所
雑誌
京都大学防災研究所年報 (ISSN:0386412X)
巻号頁・発行日
no.46, pp.671-680, 2002
被引用文献数
1

上宝観測所では観測網の充実によって,多点のデータの収録解析が可能になったので,2001年10月以降,M0.5以下の極微小地震の震源を多数決定してきた。このことによって,跡津川断層や飛騨山脈での地震活動の様子がこれまでより短期間で明らかにできるようになってきた。M0.5以下の地震によって,飛騨山脈ではこれまでわからなかった多数の群発地震が見いだされるようになった。しかし,それ以外の地域では,空間分布は,深さ分布も含めてこれまで長期間に得られたものとほぼ同じであることがわかった。一方,時間変化については,検知率の問題はあるが,御岳付近の地震の減少と同時に焼岳以北の地震の増加が見られるなど,飛騨山脈で指摘されてきた地震発生の移動が検出された。また,M1.5程度の地震の発震機構を求めることが可能になり,跡津川断層付近の詳細な応力の地域的変化が得られた。
著者
大和田 一雄
出版者
Japanese Association for Laboratory Animal Science
雑誌
Experimental Animals (ISSN:00075124)
巻号頁・発行日
vol.41, no.2, pp.221-224, 1992-04-01 (Released:2010-08-25)
参考文献数
13
被引用文献数
12 13

直接法により, 30頭のゴールデンハムスターの体表面積を測定し, その値を基に2つの計算式における恒数 (K値) を求めると共にその有効性について検討した。Dubois and Duboisの式における恒数は5.31, Meeh-Rubnerの式では11.89であった。これらの値は動物の体重や性別に関係なく一定の値を示した。求めた恒数の有効性を確認するために, 別の20頭の動物について実測値と計算値との比較を行ったところ, 両者に有意な差は認められなかった。従って, 今回求めたそれぞれの恒数は, 実際に体表面積を計算する場合に使用可能であることが確認された。
著者
安本 亮二 田中 重入 浅川 正純 柿木 宏介 田部 茂 西阪 誠泰 森 勝志 井関 達男 和田 誠次 前川 正信
出版者
泌尿器科紀要刊行会
雑誌
泌尿器科紀要 (ISSN:00181994)
巻号頁・発行日
vol.35, no.4, pp.571-575, 1989-04

通常行われている尿路造影法に非イオン性造影剤(iohexol)を用い, 検査前後で尿中逸脱酵素・蛋白がどのような変化を示すかにつき検討した.正常な腎機能を有する9例を対象とし, DIPにて注入スピード10 ml/min, 総投与量100 ml (2.5 ml以下/kg)で静注した.投与前後の尿を採取し, 糸球体濾過能の指標としてアルブミンを, brush-border酵素としてγ-GTPを, lysosomal酵素としてNAGを, 尿細管性蛋白尿の指標としてα1MGおよびβ2MGを測定し, 各酵素と蛋白の尿中排泄量を尿中クレアチニン量と比較検定した.DIP後γ-GTPとNAGの尿中排泄量は有意(p<0.001, 0.02)に増加した.α1MGおよびβ2MGは有意に変化せず, アルブミンの変化は少量であった.今回の検討から, 非イオン性, 低浸透圧性造影剤であるiohexolは尿細管障害が少なく, brush-border酵素であるγ-GTPとlysosomal酵素のNAGは尿細管障害の良い指標となると考えられた
著者
小野 田武 和田 啓輔
出版者
The Society of Synthetic Organic Chemistry, Japan
雑誌
有機合成化学協会誌 (ISSN:00379980)
巻号頁・発行日
vol.41, no.6, pp.515-523, 1983-06-01 (Released:2009-11-13)
参考文献数
17

The growing scope of homogeneous metal catalyst in C1 chemistry is briefly reviewed. The matal catalyzed C1 reactions, important from industrical point of views, are classified, first, into several groups, in words of the starting material or the reaction pattern. Then, the relationships, between the elemental reaction path and the characteristic feature of the metal center, are discussed. Finally, some comments are added for application of the homogeneous catalyst to the actual commercial plant.
著者
小畠 厳貴 和田 雄高 徳重 克彦 辻村 学 當間 康 鈴木 作 小寺 章
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会関東支部総会講演会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2008, pp.407-408, 2008

In this paper, polishing performance of ECP-C, which is a kind of ECMP(Electro-Chemical Mechanical Polishing), at Cu clear process is discribed. After Cu clear, it was found that erosion was below 10nm and Cu residue was not observed. However, it was also found that dishing was over 100nm and it significantly increased with over polish time. This increase is assumed of electrochemical ething due to low electrical insulation property of Cu complex formed in ECP-C. Therefore, it is considered that the improvement in electrical insulation property is necessary for applying ECP-C to Cu clear process.