著者
坂本 正志 奥田 晴夫 二又 秀雄 坂井 章人 飯田 正紀
出版者
一般社団法人 色材協会
雑誌
色材協会誌 (ISSN:0010180X)
巻号頁・発行日
vol.68, no.4, pp.203-210, 1995-04-20 (Released:2012-11-20)
参考文献数
6
被引用文献数
5 10

酸化チタン粒子の紫外線遮蔽に関し, 粒子径 (0.019~0.24μm) の及ぼす影響について検討した。紫外線遮蔽能については, 波長により異なった挙動を示した。すなわちUV-B領域である300nm付近では, 一次粒子径が小さくなるほど一方的に大きな遮蔽能を示し, UV-A領域である350nm付近では, 遮蔽能が最大となる最適粒子径が存在することが判った。また, その最適粒子径は, 分散状態によりシフトすることも判った。
著者
鈴木 雄大 山川 樹 坂本 真士
出版者
日本グループ・ダイナミックス学会
雑誌
実験社会心理学研究 (ISSN:03877973)
巻号頁・発行日
pp.2021, (Released:2022-03-16)
参考文献数
12

本研究では,感情的視点取得(i.e., 他者の視点にたって,その人の感情を想像すること)と認知的視点取得(i.e., 他者の視点にたって,その人の考えを想像すること)を区別し,これらを他者にされたと知覚すること(i.e., 被感情的視点取得の知覚と被認知的視点取得の知覚)が被共感の知覚に及ぼす影響を検討した。参加者は自身の意見を述べるエッセイを書くよう求められ,それを読んだ別の参加者(実際には存在しなかった)が感情的視点取得および認知的視点取得をしたかどうかがフィードバックされた。その結果,被感情的視点取得の知覚および被認知的視点取得の知覚は,ともに被共感の知覚を促進することが示された。ただし,被共感の知覚を生じさせるかどうか検討したところ,被感情的視点取得の知覚のみが被共感の知覚を生じさせることが示唆された。他者に感情的視点取得および認知的視点取得をされることの効果について考察した。
著者
前田 拓也 上出 直人 戸﨑 精 柴 喜崇 坂本 美喜
出版者
一般社団法人日本理学療法学会連合
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.48, no.1, pp.29-36, 2021 (Released:2021-02-19)
参考文献数
46

【目的】本研究は地域在住高齢者の呼吸機能に対する運動機能,認知機能,体組成との関連性について検討した。【方法】対象は要介護認定のない65 歳以上の地域在住高齢者347 名とした。呼吸機能として努力性肺活量および1 秒量,運動機能として握力,下肢筋力,Chair Stand Test,Timed Up and Go Test(以下,TUGT),5 m 快適・最速歩行時間,認知機能としてTrail Making Test part A(以下,TMT-A),体組成として骨格筋指数および体脂肪率を評価した。呼吸機能と運動機能,認知機能,体組成との関連を重回帰分析にて分析した。【結果】年齢,性別,体格,喫煙などの交絡因子で調整しても,努力性肺活量は握力,TUGT,TMT-A と有意な関連を示した。同様に,1 秒量は握力,TMT-A と有意な関連を示した。【結論】地域在住高齢者の呼吸機能は運動機能,認知機能が関連することが示唆された。
著者
高橋 直己 坂本 隆 加藤 俊一
出版者
Japan Society of Kansei Engineering
雑誌
日本感性工学会論文誌 (ISSN:18845258)
巻号頁・発行日
pp.TJSKE-D-15-00027, (Released:2015-12-22)
参考文献数
26
被引用文献数
3 4

Websites of interior brands display many photographs of products that include walls, floor, and other furniture. Such photographs, known as image photographs, have much information about the brand image because the colors of walls, floor, and furniture in a photograph influence the brand image. This paper proposes a method of extracting representative colors of interior photographs in the L*u*v* color space by using a hierarchical clustering algorithm and analyzes the characteristics and differences of interior brands with color features by using model-based clustering. Our proposed method can be used to describe the common characteristics of interior image photographs and differences between six interior brands (arflex, Cassina, Fritz Hansen, IKEA, karimoku, and Muji). To measure similarity or difference between brand images, we constructed a brand image space with clusters of representative colors and obtained a relationship between six brand images.
著者
坂本 麻実子
出版者
富山大学人間発達科学部
雑誌
富山大学人間発達科学部紀要 (ISSN:1881316X)
巻号頁・発行日
vol.7, no.2, pp.163-172, 2013

井上ひさし(1934-2010)の『太鼓たたいて笛ふいて』(2002年7月こまつ座初演)は女流作家林芙美子(1903-1951)を主人公にした音楽劇で,読売演劇大賞最優秀作品賞をはじめ数々の演劇賞を受賞し,井上の音楽劇の中でも評価が高い。芙美子を演じた大竹しのぶも読売演劇大賞の大賞,最優秀女優賞を受賞した。『太鼓たたいて笛ふいて』はこまつ座のための作品としては1984年4月の旗揚げ公演『頭痛肩こり樋口一葉』以来,井上が好んで書いた6人の役者による音楽劇の系譜に連なる。しかし,内容的には『太鼓たたいて笛ふいて』はその前作,すなわち新国立劇場のために書いた『夢の裂け目』(2001年5月初演)の延長上にあり,この2作品で井上はオペラの翻案を試みたと筆者は考えている。
著者
石澤 恵美子 坂本 恵
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.18, pp.167, 2006

【目的】女性の社会進出と核家族化により食の外部化が進み、家庭の味や食文化の伝承が難しくなっている。現代の食環境で成長してきた若者たちが、どのような料理を受け継ぎ、次世代へ伝えたいと考えているのかを目的として、大学生を対象に調査を行ったので報告する。<br>【方法】調査対象者は本学管理栄養士課程の1年生118名とし、平成18年4月から5月に実施した。内容は次世代に伝えたい料理2品を選び料理を作成し、材料・調理方法・出来上がりの盛り付け図(写真可)を提出してもらい、併せて作成時の様子や料理する時に大切なことなどについて自由に記入してもらった。<br>【結果】作成した料理では、肉じゃが8.5%、ハンバーグ3.8%、餃子3.0%、オムライス3.0%、ロールキャベツ2.1%の順であった。また、特徴としてエスカロップ、くるみ餅、ほうろく焼きなどの地域性に富んだ料理も作られていた。調理するときに指導を受けながら作ったの回答は72.0%であった。指導は母親から受けたが64.4%と圧倒的に多く、次いで祖母5.1%、父3.4%の順であった。指導を受けながら一緒に調理をしたのは35.6%、しなかったの回答は33.1%であった。一緒に調理をしなかった者は、TVで見たのを自分流にアレンジした、電話で指導を受けた、料理本を参考にした等の回答が多かった。今回作成した時に一番大変だったことについては、味の再現(味付け)、材料・調味料の計量、じゃがいもの皮剥き等が多かった。調理する時に大切なことは、食べる側のことを考えて作る、衛生面に気をつける、心を込め丁寧に作るの回答が多かった。料理を作成した感想は、母が簡単に作っている味と同じにするのは難しいと思った。母と一緒に料理ができて楽しかった。大変ではあったが、少しでも母の味を覚えられてよかったなどであった。
著者
川口 貴正 久保 信明 谷川原 誠 坂本 義弘 菅野 重樹 藤井 健二郎
出版者
一般社団法人 日本写真測量学会
雑誌
写真測量とリモートセンシング (ISSN:02855844)
巻号頁・発行日
vol.55, no.4, pp.240-244, 2016 (Released:2017-09-01)
参考文献数
6

Indoor Messaging System (IMES) is an indoor positioning technology. This paper introduce a case of smartphones with IMES, snooping measures for IMES, and trend of High-accuracy IMES.
著者
岩永 光巨 亀崎 秀宏 黒杉 茜 妹尾 純一 坂本 大
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.110, no.2, pp.282-288, 2021-02-10 (Released:2022-02-10)
参考文献数
16

54歳,女性.26歳時より,3カ月に1回程度の頻度で発作的に腹痛及び発熱を繰り返していた.精査を行うも原因不明であった.長男が家族性地中海熱(familial Mediterranean fever:FMF)の診断を受けたことを契機に,本人も28年越しにFMFと診断されるに至った.治療介入(コルヒチン内服)を行い,QOL(quality of life)は飛躍的に上昇した.本疾患の認知度が上がるにつれて,診断される症例数も増えている.周期的な発熱及び腹痛の鑑別疾患として,FMFを念頭に置くことは重要である.

2 0 0 0 OA 胃梅毒の1例

著者
中山 真緒 勝部 隆男 加藤 博之 坂本 輝彦 山田 理恵子 芳賀 駿介 久原 浩太郎 今野 宗一 村山 実 臼田 敦子 塩澤 俊一 吉松 和彦 島川 武 成高 義彦 小川 健治
出版者
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部
雑誌
Progress of Digestive Endoscopy (ISSN:13489844)
巻号頁・発行日
vol.70, no.2, pp.68-69, 2007-06-07 (Released:2013-08-21)
参考文献数
7
被引用文献数
1

症例は47歳,男性。3型胃癌の診断で紹介されたが,上部消化管内視鏡検査で幽門前庭部から胃体部にかけて易出血性の不整な多発潰瘍を認め,胃梅毒を疑った。生検組織でTreponema pallidumを確認し,Benzylpenicillin benzathineによる駆梅療法を施行した。症状は速やかに改善し,潰瘍も瘢痕化,治癒した。 胃梅毒の内視鏡所見は特徴的で,本症の存在を念頭において内視鏡検査を行うことが重要と考えられる。
著者
坂本 優紀
出版者
地理科学学会
雑誌
地理科学 (ISSN:02864886)
巻号頁・発行日
vol.73, no.4, pp.197-211, 2018-12-28 (Released:2020-03-29)
参考文献数
20

本稿では,石川県金沢市の用水路の水音を対象に,地域住民が音をどのように聞き取り,特徴づけているのかを明らかにした。まず,対象とする音を定量的に把握するため,音圧レベル測定と音聞き調査を行った。その結果,環境省の定める騒音レベルを超える大きな音が堰から鳴っていることが明らかとなった。また,街路や建物など,街の形状によって音の聞こえる範囲が異なっていること,流量の変化により季節で音の範囲が変わることが示された。次に,住民の音環境の認識を明らかにするため,アンケート調査とグループインタビュー調査を行った。その結果,住民らは意識的に用水路の音は聞いていないが,無意識下で評価をくだしていた。これは,住民らにとって用水路の音が基調音となっていることを示唆している。また,音の評価は,住民の生活との関わりの中で行われていることが明らかとなった。