著者
高橋 薫 村松 浩幸 椿本 弥生 金 隆子 金 俊次 村岡 明 堀田 龍也
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.33, pp.97-100, 2009

本稿では,総合的な学習の時間にアントレプレナー教育(起業家教育)に取り組んでいる山形県米沢市立南原中学校の実践を,言語力育成の観点から評価した結果を報告する.同校の実践では,一連のビジネスのプロセスの中に,言語力育成に配慮した授業デザインがなされている.生徒の言語力の変容を,実践の前後に生徒が書いた意見文の質(客観的評価)と,実践後のアンケート(主観的評価)から評価した.その結果,実践後は産出する文章の質を向上させており,より高度な論証を行っていることが明らかになった.また,実践後のアンケートから,生徒は自らの言語力の伸張に自信を深めていることが確認された.以上のことから,客観的評価と主観的評価の双方から,言語力の伸張が確認され,授業デザインの効果が推察された.
著者
村松 喬 斎藤 政樹 高崎 誠一 平林 義雄 堀田 恭子 山科 郁男 成松 久 鈴木 明身 永井 克孝 牧田 章 遠藤 正彦 長谷 純宏 鈴木 旺 川嵜 敏祐 松本 勲武 山下 克子 小川 智也 稲垣 冬彦 入村 達郎
巻号頁・発行日
1994-03 (Released:2010-03-26)

科学研究費補助金 研究種目:総合研究(A) 課題番号:03304050 研究代表者:村松 喬 研究期間:1991-1993年度
著者
金 漢龍 堀江 武 中川 博視 和田 晋征
出版者
日本作物学会
雑誌
日本作物學會紀事 (ISSN:00111848)
巻号頁・発行日
vol.65, no.4, pp.644-651, 1996-12-05
被引用文献数
17

温度傾斜型CO_2濃度制御チャンバー(TGC)を用い, 2段階のCO_2濃度(&cong;350μLL^<-1>, 690μLL^<-1>)と4段階の温度条件とを組み合わせて生育させた水稲(アキヒカリ)個体群の収量およびその構成要素器官の生長反応を1991年と1992年の2作期について検討した. 実験に供した温度範囲は, 全生育期間の平均気温として1991年は27.2〜31.1℃, 1992年は26.0〜29.3℃であった. 約2倍増のCO_2濃度(690μLL^<-1>)処理による水稲の最大増収率は最も低温, すなわち現行の外気温もしくはそれに近い温度条件下で得られ, 1991年と1992年にそれぞれ40%と22%であった. この収量増加は, 主としてCO_2濃度倍増処理による単位面積当たりの穎花数の増加に帰せられ, 登熟歩合や粒重に対するCO_2濃度の効果は相対的に小さかった. CO_2濃度倍増処理による穎花数の増加率, ひいては増収率の年次間差異は, N施肥量の年次間の違い(1991年: 24 gN m^<-2>, 1992年: 12 gN m^<-2>)を反映した結果と考えられる. 一方, 現行の気温より高温条件下における収量は, CO_2濃度にかかわらず, 気温上昇に伴って急激に低下した. 気温上昇にともなう減収程度はCO_2濃度倍増区で大きい傾向にあり, 高温条件下では収量に対するCO_2濃度の効果がみられなくなった. 高温条件下での収量低下の原因はまず高温による不稔穎花の増加に求められ, 次に不完全登熟籾の増加にあった. 不稔穎花の発生は開花期の日最高気温の平均値と最も密接に関係していることが認められた.
著者
堀 正岳
巻号頁・発行日
2006

Thesis (Ph. D. in Science)--University of Tsukuba, (B), no. 2218, 2006.6.30
著者
高見 博 花谷 勇治 堀江 文俊 根本 明久 城戸岡 謙一 浅越 辰男 四方 淳一
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.23, no.11, pp.2629-2633, 1990-11-01
被引用文献数
1

著者らは脾動脈瘤と非機能性副腎皮質腫瘍が併存した1手術例を経験したので報告するとともに, 手術適応を中心に両疾患の診断と治療について検討した. 症例は74歳, 女性で, 1986年3月IIc+III型早期胃癌と診断された. 選択的腹腔動脈造影と CT検査にて脾門部に石灰化した脾動脈瘤と左腎上極に副腎腫瘍陰影を認めた. 3月17日に胃全摘と脾動脈瘤切除, 脾摘, 左副腎摘出を行った. 脾動脈瘤は径10mmで動脈硬化性であり, 副腎腫瘍は径16mmで非機能性副腎皮質腺腫であった. 現在, 再発の兆候なく元気である. 本症例の脾動脈瘤は石灰化があり, 径10mmの癌であり, 破裂の可能性は少なく, また非機能性副腎腫瘍も径16mmで悪性の可能性が少ないとされているが, 胃癌の副腎転移も時にみられること, 再手術は容易でないことを考慮し手術を施行した. 本症例での両疾患の併存は偶発的なものと考えられるが, これらの手術適応を検討する上では意義のある症例といえる.
著者
堀江 周三
出版者
広島文化学園大学
雑誌
広島文化短期大学紀要 (ISSN:13483587)
巻号頁・発行日
vol.36, pp.7-11, 2003-07-31

英語のスペリング体系が持つ不規則な特性から,これまで400年以上にわたってその体系をより合理的な内容に改めようと数々の提言や試みがなされてきたが,未だにその不規則性は存在したままとなっている。その理由をこれまでの歴史的なときの流れの中で考えてみると,1650年頃には既に本の出版者の間には今日と同じように確りとしたスペリングについての規範ができていた。そして,1770年以降には「ミススペリング」という概念も生まれてきたのであるが,個人の書く手書きの文章にはかなりの多様性が見られたようであった。しかし,それらのスペリングについての規範は次第に社会に定着し,今日に至っているのである。今日,我々が使っている英語のスペリング体系の中に存在する不規則な部分は主に二つの原因から発生していることが,数々の文献で述べられている。その一つは,1400年から1600年を中心にして起こった「大母音変換」(Jespersonによる名称)で,これによって,母音字とその発音の関係が非常に複雑になってしまったのである。そして,もう一つ原因はヨーロッパ言語を源とする外来語によるものであり,その語源を示すためにあえて不規則なスペリング体系を残しているのである。これらの原因を考えて今日の英語のスペリング体系をみてみると,その不規則性に存在するかなりの部分を理解できるといえる。
著者
奈良間 美保 堀 妙子 山内 尚子 塚本 雅子
出版者
一般社団法人日本小児看護学会
雑誌
日本小児看護学会誌 (ISSN:13449923)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.1-8, 2001-02-28
被引用文献数
4

本研究は、先天性の疾患により排泄管理を必要とする幼児の日常生活の自立の特徴を、健康児との比較から明らかにすること、また排泄行動の自立の関連要因を明らかにすることを目的とした。排泄管理を必要とする幼児の母親、保育園に通園する健康児の母親を対象に質問紙調査を行い、患児の母親58名、健康児の母親107名の回答から以下の結果を見いだした。1)排泄管理を必要とする患児は、健康児に比較して排泄の自立に明らかな遅れが認められたが、必ずしも生活全般の自立に遅れはなかった。2)導尿などの特殊な処置を行っている患児は、排泄行動の自立の遅れが顕著であった。3)患児が規則的な排便習慣を達成していないことは、排泄行動の自立が遅れることと関係が認められた。4)患児の家族は健康児の家族より、食事内容の調整を積極的に行っていた。家族が食事内容や生活時間を調整することは、患児が規則的な排便習慣を確立することと関係が認められた。
著者
立石 潤 高久 史麿 今堀 和友 辻 省次 井原 康夫 畠中 寛 山口 晴保 貫名 信行 石浦 章一 勝沼 信彦 中村 重信
出版者
九州大学
雑誌
重点領域研究
巻号頁・発行日
1992

当研究班では脳老化に伴う神経変性とくにアルツハイマー型老年痴呆を中心課題としてとり挙げ、その発症機序を分子生物学的ならびに分子遺伝学的手法により追求した。まず神経系細胞の生存維持に直接関与する神経栄養因子に関しては神経成長因子(NGF)およびそのファミリー蛋白質であるBDNF,NT-3,4,5を中心に特異抗体の作成とそれによる鋭敏な測定方法の確立、受容体のTrkA,B,Cなどの核酸、蛋白レベルでの検索で成果を挙げた。さらに神経突起進展作用を持つ新しい細胞接着因子ギセリンを発見し、逆に成長を遅らす因子GIFについてそのcDNAのクローニングから発現状態までを明らかにした。アルツハイマー病の2大病変である老人斑と神経原線維変化(PHF)については、主な構成成分であるβ蛋白とタウ蛋白を中心に検討を進めた。β蛋白に関してはびまん性老人斑は1-42(43)ペプチドから成り、アミロイド芯と血管アミロイドは1-40ペプチドから成ることを発見した。タウ蛋白に関しては、そのリン酸化酵素TPKI,IIを抽出し,それがGSK3とCDK5であることをつきとめた。さらには基礎的な業績として神経細胞突起の構成と機能、とくに細胞内モーター分子についての広川らの業績は世界に誇るものである。アルツハイマー病の分子遺伝学上の重要点は第14,19,21染色体にある。第14染色体の異常は若年発症家系で問題となり、わが国の家系で14q24.3領域のS289からS53の間約8センチモルガンに絞り込んでいた。最近シエリントンらによりpresenilin I(S182)遺伝子が発見され、その変異が上記のわが国の家系でも検出された。第19染色体のアポリポ蛋白E4が、遅発性アルツハイマー病のみならず早発性の場合にも危険因子となることを、わが国の多数の症例から明らかにした。第21染色体ではダウン症関連遺伝子とともにAPP遺伝子があり、そのコドン717の点変異をわが国のアルツハイマー家系でも確認した。さらに第21染色体長腕部全域の物理地図を完成した大木らの業績は今後、学界への貢献度が大であろう。これらの研究成果を中心に、単行本として「アルツハイマー病の最先端」を羊土社より平成7年4月10日に発行し、また週刊「医学のあゆみ」の土曜特集号として平成7年8月5日号に「Alzheimer病-up date」を出版した。
著者
大島 英子 樋上 純子 山口 美代子 殿畑 操子 山本 悦子 石村 哲代 大喜多 祥子 加藤 佐千子 阪上 愛子 佐々木 廣子 中山 伊紗子 福本 タミ子 安田 直子 米田 泰子 渡辺 豊子 山田 光江 堀越 フサエ 木咲 弘
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.32, no.4, pp.338-345, 1999-11-20
被引用文献数
9

本実験では,焼成条件の違いがハンバーグの内部温度に及ぼす影響について検討し,次の結果を得た。 1.ハンバーグ内部の最低温度を示す点は,焼き始めはオーブン皿に接している底面の近くにあるが,生地の焼成とともに,底面から上の方に移動し,約10分経過の後からは厚さのほぼ中心付近にあることが明らかとなった。2. ガスオーブンの庫内温度を180℃,200C,230℃と変えてハンバーグを焼成した場合,焼成温度の違いは75℃到達時間の違いにあらわれるだけでなく,余熱にも影響を及ぼした。焼成温度が230℃の場合では,75℃到達後すぐに取りだしてもなお内部温度上昇が顕著に起こるので,75℃以上1分の条件を満たすことは十分可能であり,焼成時間の短縮も期待できる。 3.焼成開始時のハンバーグ生地品温が0℃,10℃,20℃と異なる場合,75℃到達時間は0℃では22分,10℃と20℃では16分となり,有意差が認められた。このことから,チルドなどの0℃付近の品温のハンバーグは,焼成の時間設定を長めにする必要があるが,焼成後オーブンから取りだしてからの内部温度の推移に差はなかった。 4.電気オーブンとガスオーブンでの焼成を比較すると,庫内を230℃に予熱して焼成した場合,ガスオーブンの方が75℃到達時間は0.9分早く,余熱最高温度も6.5℃高くなり,75℃以上保持時間も5.7分長かった。これらの差はガスと電気の熱量の違いによるものと思われる。 5.70℃まで焼成したハンバーグと,75℃まで焼成したハンバーグとを官能検査したところ,両者の間に有意差は認められず,75℃まで焼成しても焼き過ぎとは判定されなかった。厚生省指導による75℃以上1分間加熱は,ハンバーグの焼き色,香り,触感,味などの点で十分賞味できるものであることが認められた。
著者
杉山 登志郎 猪子 香代 小堀 健次
出版者
静岡大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1998

黄柳野高校に入学した生徒に対する6年間にわたる調査の集計を行った。その結果、調査が可能であった796名の生徒のうち不登校の既往者は73%、いじめの既往者は48%にのぼった。不登校と相関が認められた要因は、生育歴上の家庭の混乱、いじめ、家庭内暴力、教師との葛藤、などの項目であり、非行行為の既往をもつ62%もまた不登校を伴っていた。早期に集団教育でトラブルが生じたものの方が、不登校の開始年齢が若く、また学力の問題を抱えるものの方が、不登校の開始年齢が優位に早いことが示された。軽度発達障害をもつ生徒は、全体の15%程度であるが、このグループでは多動傾向の既往と非行と、言葉の遅れと学力の問題が高い相関をもつことが示された。また症例検討からは、対人的過敏性や強迫性、低学力を抱える生徒において不登校からの回復が不良となる可能性が高いことが示された。また生徒の20%は精神科的な治療を要する問題を抱えており、不登校への対応に対する医療との連携の必要性が示された。
著者
安本 亮二 浅川 正純 尾崎 祐吉 堀井 明範 梅田 優 田中 重人 森 勝志 西島 高明 山口 哲男 川喜多 順二 西尾 正一 前川 正信
出版者
社団法人日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科學會雜誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.79, no.11, pp.1765-1768, 1988-11-20
被引用文献数
2

最終濃度3,000μg/mlになるように作成したHPC-PEPを8例に,Saline-PEPを3例に投与し,両群における,1)尿中PEP濃度の経時的推移,2)PEPの血液内への移行,さらに,3)尿中PEP濃度を用いた薬物動態力学的パラメーターの違いを検討した.HPC-PEP法では,尿中PEPの時間的推移は投与後6時間後では61.0μg/ml(15〜90μg/ml),12時間後では16.4μg/ml(0.09〜73μg/ml),1日目では18.3μg/ml(0.3〜105μg/ml),2日目では13.1μg/ml(0.24〜50μg/ml),3日目では6.25μg/ml(0.07〜53μg/ml),4日目以降は平均値0.03μg/ml以下でいずれも測定限界以下であった.一方,Saline-PEPを膀胱内へ注入した場合,投与後3時間後では0.05μg/ml(0.04〜0.06μg/ml)を示したが,それ以降3日目まですべて測定限界値以下であった.薬物動態力学理論で解析すると,Saline-PEP法では半減期が平均4.18時間であるのに対し,HPC-PEP法では平均51.0時間と有意に延長しており,PEPの膀胱内での貯留性が示唆された.以上より,HPC-PEPの膀胱内注入療法は薬物動態の検討より,従来のSaline-PEP法より優れている臨床的に有用な膀胱内注入療法と考える.
著者
赤堀 侃司
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学雑誌 (ISSN:03855236)
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.57-71, 1991-09-20
被引用文献数
9

本論文は,数学の教科を事例として,教授方略を数理モデルで表現し,その教授方略を反映する学習課題系列を生成し,かつ学習課題系列が与えられたときにその教授方略が何であるかを推定する方法を提案している.その教授方略のモデルとは,学習課題の下位性,基礎性,関連性の組合せで表現されるが,これを数量化することにより,学習課題系列の自動生成や,教授方略の推定をすることができる.中学校数学の学習課題に適用した結果,教授方略の中でも関連性の要因が大きいことがわかった.また本手法は,教育現場で広く利用されている論理分析のコースアウトラインの決定法の考え方を基礎にしており,その拡張になっている.
著者
若松 宣一 後藤 隆泰 足立 正徳 井村 清一 林 憲司 亀水 秀男 飯島 まゆみ 行徳 智義 柴田 俊一 堀口 敬司 金 昇考 土井 豊 森脇 豊
出版者
一般社団法人日本歯科理工学会
雑誌
歯科材料・器械 (ISSN:02865858)
巻号頁・発行日
vol.9, no.2, pp.165-177, 1990-03-25
被引用文献数
2

金属表面にコーティングする場合と同様な方法で作製したハイドロキシアパタイト(HAP)セラミックスの破壊応力に与える水の効果を評価するために, 四点曲げ試験を0.5mm/minの条件で空気中(20℃, 相対湿度73%)と蒸留水中(37℃)で行った。そして得られた強度データを2-パラメータワイブル統計を用いて解析した。各条件において, 曲げ強さのデータは単一モードのワイブル分布に従った.このデータの表面欠陥モデルを仮定したワイブル解析は, 空気中でワイブルパラメータm=7.8, σ_0=26.2MPaと蒸留水中でm=8.1, σ_0=18.5MPaを与えた.曲げ強さの平均値は空気中で27.3MPaと蒸留水中で18.2MPaであった.この結果より, 水のような腐食性環境が定応力速度で測定される破壊応力に影響を与えることは明らかである.この影響は試料が破壊するよりも低い応力レベルで起こるサブクリィティカルなクラックの成長が原因であると考えられる.また, 本研究で推定したワイブル分布関数を用いて, 試料の寸法と試料中の応力分布が破壊応力の平均値に与える影響を予測した.
著者
堀 郁夫 川端 鋭憲
出版者
Sociotechnology Research Network
雑誌
社会技術研究論文集 (ISSN:13490184)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.414-424, 2004
被引用文献数
1

2003年9月26日に北海道十勝沖でマグニチュード8の巨大地震が発生した. この地震により北海道苫小牧市にある石油精製の製油所で原油タンクおよびナフサタンクで火災が発生した. 内容物のナフサは約44時間にわたって炎上しタンクは全焼した. 地域住民は燃え盛る火炎を見て恐怖感に襲われるとともに企業に対する不信感を抱いた.<br>本報では, 地震による危険物タンクの火災事故の事実関係, 耐震設計, 地震動と社会問題について技術的および社会的視点から考察し, 特殊領域の専門知識と一般住民知識の乖離が生ずる中での情報開示のあり方を社会問題として考察した.
著者
水谷 郷一 幕内 博康 町村 貴郎 島田 英雄 菅野 公司 森屋 秀樹 堀江 修 宋 吉男 杉原 隆 花上 仁 佐々木 哲二 田島 知郎 三富 利夫
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.82-86, 1993-01-01
被引用文献数
12

われわれは4例の特発性食道破裂を経験しその臨床的検討を加えたので報告する.年齢は40〜63歳ですべて男性であり,4例ともに飲酒後の嘔吐を契機にして発症した.初診時に診断できたものは4例中1例のみであり,他の3例は正診できなかった.治療は1例が保存的に他の3例は手術を施行した.手術を施行した1例が敗血症で死亡したが他の3例は軽快退院となった.診断に際しては本疾患の認識が最も重要であり,胸部X線写真,胸部computed tomography(以下:胸部CTと略す),ガストログラフィンを用いた食道造影を早期に行うことが大切である.また治療は,1)破裂孔が比較的小さい.2)破裂が縦隔内にとどまっている.3)縦隔内の汚染が軽度である.4.胃内容が持続的に逆流しない4つを満たすものは保存的治療とし,それ以外の症例は手術により穿孔部の閉鎖,胸腔および縦隔内の洗浄,確実なドレナージを行うことが原則と考えられた.
著者
平野 拓一 杉山 哲也 広川 二郎 安藤 真 永堀 仁 齋藤 和男 谷口 徹 小山 佳也 黒澤 泉
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. A・P, アンテナ・伝播 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.117, pp.101-105, 2009-07-01

準ミリ波およびミリ波固定無線アクセス(FWA)の伝搬特性、PHSとの異種ネットワーク接続性などを調べるために、東京工業大学大岡山キャンパス内にモデルネットワークを構築した。キャンパス内の7つの建物の屋上に25GHz帯無線機を用いたFWA基地局を設置し、それらを結ぶ最長1km、最短80mの10回線の準ミリ波ネットワークを構築した。基地局の基幹回線応用を想定して、それら7つの建物のうち3つの建物にPHSの基地局を設置た。本報告では構築した準ミリ波モデルネットワークを用いて25GHz帯の伝搬特性を調べた。5秒毎に降雨強度、受信強度、ビット誤り率(BER)を記録している。記録したデータを処理して、25GHzにおける降雨減衰、レドーム表面に付着した雨滴による減衰、垂直(V)偏波と水平(H)偏波の降雨減衰係数の違い、月毎の降雨強度の累積時間率分布を調べた。降雨減衰は理論値と良い一致を示した。