著者
小野 尚之 堀江 薫 上原 聡 ハイコ ナロック 中本 武志
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

本研究は、語彙意味論モデルと構文研究を基に語彙情報と事象構造の融合に関する日英語の比較対照研究を行うものである。中心課題は次の3つに集約される。(1)生成語彙意味論によるレキシコン研究の推進。生成語彙意味論モデルのクオリア(語彙情報)が事象構造の解釈をどのように決定するかという問題の解決を目指す。(2)言語における主観性(subjectivity)問題の解明。主観性が事象構造の解釈(例えば、心理状態述語など)にどのように影響するか。そして、構文選択にどのように影響するか。(3)語彙化・文法化における語彙情報と構文の融合についての新たな提案。語彙情報が構文に融合しさらに文法化していく過程には、類型論的に捉えるべき普遍性があることを示す。
著者
有森 直子 堀内 成子
出版者
聖路加看護大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

人工妊娠中絶につながる出生前検査や母乳を介して病気が感染する可能性のあるヒトT細胞白血病ウィルスI型(以後HTLV-1)の栄養方法選択は、当事者にとって苦渋の選択となる。本研究は、患者やその家族がよりよい決定ができるように支援する看護職のための教育プログラムを検証した。本プログラムは情報提供のみではなく、患者の価値観を考慮した支援のあり方を重視している。受講した看護職は支援について理解が深まり、今後このプログラムがより広く活用されるための示唆が得られた。
著者
堀江 聡 Nicolao ex Castellaniis Petro
出版者
慶應義塾大学日吉紀要刊行委員会
雑誌
人文科学 (ISSN:09117210)
巻号頁・発行日
no.21, pp.1-22, 2006

ここに邦訳する世界初訳のテキストは,1519年にファウェンツァ出身ピエール・ニコラ・カステッラーニによってラテン語に訳された『アリストテレスの神学』全14章のうちの第十章十三節までである。この書は錯綜した素性をもつ。紀元3世紀後半,プロティノスによってギリシア語で記された『エンネアデス』の後半部分,第4 ~ 6 『エンネアス』の翻案であるが,これとは別の, 9世紀前半バグダードで成立した「流布版『アリストテレスの神学』」と呼び慣わされるアラビア語の翻案もある。後者の出自にすら定説はなく,世界的に議論が喧しい現状であるが,前者の素性はそれに輪をかけて謎に包まれている。研究が進捗しない原因として,このラテン語版の近現代語訳が一つもないことが挙げられる。さらに近現代語訳がない理由は,ラテン語版に先行し,全体の約3/4残存するいわゆるユダヤ・アラビア語(ヘブライ文字表記のアラビア語)版の校訂(プラス翻訳?)をフェントンがかなり以前に予告したにもかかわらず,未だ完了していないことによる。流布版は全10章であるのに対し,ラテン語版は14章からなるので,『アリストテレスの神学』の「長大版」(longerversion)と称されている。とはいえ,流布版から省略された箇所も多々あるので,単純な拡大版でないことは注意を要する。第一章から第八章までは,両版が一対一対応であったのに対し,長大版第九章も第十章も,相変わらず流布版第八章のパラフレーズの続きであることが判明した。 ラヴェンナのフランチェスコ・ローズィがダマスクスの図書館で発見したアラビア語写本を,キプロス出身のユダヤ人医師モーセス・ロヴァスを雇ってイタリア語,ないしは粗雑なラテン語に訳させたものを,ニコラが彫琢することによってラテン語版が成立した。それをさらに洗練されたラテン語に移したジャック・シャルパンティエの訳もある。流布版が長大版に先行するという説が優勢ではあるが,長大版から流布版に移行したという主張が消えたわけではない。長大版の研究はまだ緒に就いたばかりなのである。 底本には,Sapientissimi philosophi Aristotelis stagiritae. Theologia sive misticaphilosophia secundum Aegyptios noviter reperta et in Latinum castigatissimeredacta, ecphraste Petro Nicolao ex Castellaniis, Roma, 1519 を用い,常時 Libriquattordecim qui Aristotelis esse dicuntur, de secretiore parte divinae sapientiaesecundum Aegyptios, per Iacobum Carpentarium, Paris, 1571 を参照した⑽。底本のニコラ版は句読点が不正確で誤植も散見されるので,シャルパンティエ版を援用しつつ文脈を解釈しなければならなかった。流布版『アリストテレスの神学』に対応箇所がない部分は太字で明示した。ただし,解釈者の視点の差によって,太字部分の確定は議論の余地のないものとはなりえないことをお断りしておきたい。私の立場は,哲学的に重要で長大版に特有な思想を識別できれば,それで充分というものである。その思想の独自性をことさら強調したい箇所には下線を施してみた。[ ]内はフォリオ数である。言うまでもないが,見開きにすれば,rは右頁,vは次の紙の左頁になるのは注意を要する。{ }内は文意を明確にするための訳者による補足である。原文における名詞の複数形は,和訳でも愚直に保存するよう努めたが,意味が通じる箇所では,もちろん日本語表現の審美的観点から,そのかぎりではない。 今回訳出した長大版第十章第一節から十三節まででは,流布版のパラフレーズというよりも,ほとんどが脱線というか,新たな教説の挿入である。その意味で,長大版独自の思想を探るには絶好の箇所であると言えよう。とりわけ,形而上学的体系全体が提示されているので,その全体を素描してみることにする。 まず頂点には,「神」である「第一の創始者」が位置し,それは「第一の存在者」,「第一能動者」,「真の能動者」,「両世界の創始者」,「第一位の創始者」,「神的知性」といった,さまざまな名称によって言い換えられている。 次の階層は,長大版独自の展開として,かねてより注目してきた「神の言葉」,「神的な言葉」の階層である。神と知性の間に別の存立を仮設しない点では,流布版は『エンネアデス』から逸脱していなかったが,『エンネアデス』にも流布版にも対応箇所をもたない特有の思想として,創造主と知性の間に措定される言葉(kalimah, λόγος)の教説がボリソフ以来夙に指摘されてきた。これは,万物を命令形「在れ!」(kun)の一言で創造する神の言葉であり,神の意志,命令と関連する。事実,[52r]には,「意志」「命令」「知恵の指図」の語が現れている。「創造する言葉」「懐胎された言葉」「最も完全な言葉」という表現も見られる。「第一の形相」という言い換えからは,その形相の担い手である基体が要請されるらしい。それが[46v]では「精神」とされる。「第一位の精神」「首位の精神」のように形容される場合もある。 その次には,「能動知性」が来る。「第一位の能動知性」「第一能動知性」「第一知性」「首位の高貴な知性」「高所の知性」「純粋で絶対的な知性」,さらに「存在者そのもの」「第一の被造物」も同じものを指し示していると思われる。 次は,「可能知性」であり,「第二知性」「第二位の知性」「自然的知性」「質料的知性」などとも呼ばれるが,いわゆる「われわれの知性」「知性的魂」である。これがさらに,思考の座であり推論的探求を行う「理性的魂」と同一視されているようである。 この下に,表象し評価する能力をもつ「感覚的魂」があり,これはおそらく「前進する力」「呼吸する力」をも含む動物の魂に相当するのだろう。そして, 増殖力をもつ「植物的魂」, それから, 天の円環運動を司る「自然」,最後に「下位の自然」として,多様な運動と形態を備え生成する「複合物体」と「構成要素」が続くのである。 これら階層間の連関は,上から下へ下降するに伴い,次第に暗く弱まる「光」,「生命」,「力」の「照明・発出・流入」と「物体的粗雑さ」の増大,その裏返しである下位のものの上位のものへ還帰への希求という新プラトン主義的常套句で説明される。しかも,「産出したものを愛し完成させる」という表現から察するに,創造は一度では成就せず,少なくとも論理的には二段階の過程を経るというプロティノス流の二相性の原理が貫徹していると予想される。階層から階層へと転送されてゆく力の連鎖は,途切れることなく上から下まで連なり,「神の言葉の隠然たる影響」により,すべてが「霊的な色で塗られている」世界が現出する。とはいえ,「霊的世界」から隔たった理性的魂は,つねに「無知,過誤,忘却,不確実,逸脱,腐敗」の可能性に晒されているゆえ「学問による教科」が必要であり,その目指すべく魂の完成とは,「自己自身へと還帰し」,「ダイモーン的霊に類同化し」,「光り輝く世界」たる能動知性と「愛し愛されるように」一つの実体へと結合し,「光で沸き立ち燃え立つ」「諸真理」を観照することにあると言えよう。
著者
田中 信雄 辻田 純三 堀 清記 千賀 康利 大槻 寅之助
出版者
日本体力医学会
雑誌
体力科學 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.47-55, 1979-03-01

1)男子大学生の1年生一般学生126名,3年生の一般学生178名および運動選手114名について身体計測を行って,次のような結果を得た。2)3年生の一般学生は1年生の一般学生と比較すると身長はわずかに高く,体重,胸囲,腹囲,上腕囲,大腿囲の平均値もわずかに大きく,皮下脂肪および体脂肪含有量は著しく増加していた。3)3年生の運動選手は一般学生と比較して,身長,体重,胸囲,腹囲,上腕囲,大腿囲の平均値ははるかに大きく,比胸囲およびローレル指数も有意に大きかった。皮下脂肪および体脂肪含有量については同学年一般学生より著しく少なく,1年生の一般学生とほとんど変わっていない。運動選手の身体的特徴は運動鍛練によって加令による体脂肪の増加傾向が抑えられ,秀れた呼吸循環機能をもつに至ったことに対する身体的な変化をよく現わしている。4)身長および体重の統計より身長(Hcm)に対する体重(Wkg)の過不足を評価するために,身長より予知される標準体重直線をそのグループの個人の測定値が不明であっても,身長の平均値(H^^-),体重の平均値(W^^-),およびそれらの標準偏差σH,σWから W=3W^^-/H^^-H-2W^^- 又は W=(σW)/(σH)H-(σW)/(σH)・H^^-+W^^- を用いる方がBrocaの標準体重を基準とするより秀れていることを示した。5)縦軸に体重と体脂肪含有量,横軸に身長の3年生の一般学生を基準とした標準測度で表わした図で運動選手と一般学生の体構成と体型を比較した。
著者
今井 晴雄 岡田 章 渡邊 直樹 堀 一三
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

協力ゲーム分析の中心概念である提携について、多様な制約下での提携契約のあり方を比較検討し、これが非協力ゲームとのギャップを埋める上で重要であることを、理論を中心に実験や現実的な観察も交えて例証した。とくに、配分や行動についての提携機能の制限やその有効期間、不完備情報、動学的問題が影響することを一連の研究によって確認した。
著者
堀 知行
出版者
独立行政法人産業技術総合研究所
雑誌
若手研究(スタートアップ)
巻号頁・発行日
2008

近年、実環境での微生物代謝生理を決定する同位体追跡技術の進展・適用により、陸上地下圏においてメタンの産生抑制や分解に関与する微生物の存在が明らかになってきている。本研究では、嫌気土壌圏メタンフラックスに中心的に関わる未知細菌群を分子生態学的手法によって探索し、さらに分離培養することを目的とした。まず初めに、分離培養の微生物接種源である美唄湿原土壌の分子生態解析を行った。pmoA,mcrA,16S rRNA遺伝子のクローンライブラリ解析の結果、美唄湿原ではType Iメタン酸化細菌やFen clusterに分類される新規なメタン生成古細菌群が優占化していることが明らかとなった。現在、水素資化性メタン生成菌の基質競合細菌(還元的酢酸生成菌)に関する生態学的知見を得ることを目的として、アセチルCoA経路の鍵酵素遺伝子,fhsを標的としたクローン解析を進めている。また酢酸資化性メタン生成菌と基質競合する鉄還元細菌を分離培養すべく、難分解性の結晶性酸化鉄(GoethiteやHematiteなど)を電子受容体とした集積培養実験を開始した。しかし、これまでのところ新規な鉄還元細菌の純粋分離には至っていない。さらに嫌気環境のメタン動態に直接的に関与する嫌気メタン酸化微生物の取得を目指したバイオリアクターを考案・設計した。今後は、本連続培養システムを用いて目的微生物群の集積培養を行う予定である。

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著者
堀 研 HORI Ken ホリ ケン
出版者
広島市立大学芸術学部
雑誌
広島市立大学芸術学部紀要
巻号頁・発行日
no.4, pp.18-19, 1999-03

「神原垂れ桜」
著者
伊香賀 俊治 堀 進悟 鈴木 昌
出版者
慶應義塾大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2010

被験者実験を行い、入浴時の高齢者に対応した体温予測モデルを開発した。そして本モデルが高齢者の入浴時の体温が精度良く再現されていることを検証した。またインターネットアンケート調査と入浴事故に関する症例データを基に、体温と熱中症リスクの関係の定量化を行った。さらに住宅仕様の改善による熱中症リスク低減効果を明確にすることを目的とし、"住宅仕様"、"入浴方法"、"体温上昇"、"熱中症リスク"の各関係を定量的に把握し、高齢者の入浴時の熱中症リスクを評価した。
著者
児玉 雅治 板野 聡 寺田 紀彦 堀木 貞幸 後藤田 直人
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.31, no.11, pp.2288-2291, 1998-11-01
被引用文献数
5

患者は62歳の男性.60歳のとき両側鼠径部ヘルニアの手術を受けたが, 術後1か月目より右鼠径部から右陰嚢に腫瘤の脱出を認め, 排尿異常も出現した.CTでは右陰嚢内に腫瘤陰影が認められ, 脱出したものは膀胱と腸管が考えられた.術中, 右鼠径部内側に小さなヘルニア嚢を認め, 術前に触れた手挙大の腫瘤はヘルニア内容とは別のものと判断し, 膀胱内留置カテーテルに生食を注入したところ, 腫瘤は膨張したため腫瘤が膀胱であると判断し, 切除することなく還納した.鼠径ヘルニア, もしくは大腿ヘルニアの手術に際して本症の存在を念頭におくことも必要と考えられる.また, 術中にヘルニア嚢以外の腫瘤を認めた場合, 安易に切除せず, 膀胱などの可能性を考慮すべきで, 確認は膀胱内カテーテルへの注入法が容易で有用であると考えられた.
著者
堀川 洋 大西 裕次郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLP, 非線形問題 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.452, pp.5-10, 2007-01-11

カーネル主成分分析(kPCA)とカーネル正準相関分析(kCCA)における相関カーネルの組合せ方法について調べた.3種類の組合せ方法:相関カーネルの和,主成分および正準変量の直積,kPCAおよびkCCAの識別結果の投票,の性能について,テクスチャ画像の識別実験によって評価した.また,アンケートによって収集した感性情報をkCCAに取り入れ,その有効性について調べた.
著者
堀内 裕晃 淺間 正通 桐山 伸也 杉山 岳弘 竹林 洋一
出版者
静岡大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

本研究では、英語のスピーチと会話の中から聴衆や聞き手を説得する際に用いられる表現・構文の語彙的・構文的特徴、韻律的特徴、身体言語的特徴、さらには、話し手、聞き手の属性、社会的身分・地位に伴う相対的上下関係、心的態度の特徴を抽出・蓄積し、知識データベース化を行った。これにより、話し手と聞き手の発話状況時における相対的身分・地位関係を基準とした表現の抽出が可能になり、身分・地位の異なる者同士あるいは対等な者同士が会話をする際にどのような状況でどのような心的態度である場合に、どのような表現を用いて相手を説得しているかを明示化することが可能になった。また、このマルチモーダル知識データベースを用いた英語説得術獲得のための学習支援システムの構築を行った。
著者
堀 恵子 江田 すみれ 李 在鎬
出版者
東洋大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

日本語教師支援のために文法項目の用例文を,話し言葉と書き言葉の複数のコーパスから抽出し,データベースを構築し,web上で公開する。文法項目は,日本語教育で教えられ,評価基準に用いられているものを1,884項目選んだ。文法項目に対し,日本語教育経験者による主観判定実験を行い,6段階レベルづけを行った。用例文は,5種の書き言葉コーパス,4種の話し言葉コーパスから抽出した。文解析システム「学習項目分析システム」と用例文データベースを公開する。
著者
萬宮 健策 堀 一成 松本 健二 石島 悌 平松 初珠 片桐 真子 米田 信子 藤家 洋昭 山根 聡 宮本 マラシー 竹原 新 竹村 景子 高橋 明 近藤 久美子 長谷川 信弥
出版者
東京外国語大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

言語横断的な会話文および語彙データベース作成が、本研究の最大の目的であった。言語によってデータベースの大きさにばらつきは出たものの、多言語間での語彙や短文の簡易検索や、一部の言語における映像資料との連携などが可能となった。日本では商業ベースで注目されることが少ない、いわゆるLCTL(LessCommonlyTaughtLanguages)の外国語教育への応用も含め、これまでにあまり例を見ない使用に耐えるデータベースが構築され、当初の目的は概ね達成できたと考える。
著者
神津 武男 黒石 陽子 井上 勝志 久堀 裕朗 鈴木 博子
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010-04-01

江戸時代・近世期の「人形浄瑠璃文楽」(義太夫節成立以後の人形芝居)の上演記録は、『義太夫年表 近世篇』(八木書店。1979~1990年)の成果を最新とする。しかしその完結から20年余を経て、少なくとも四次の補正更新情報が別々に報告されている点が、利用上の障壁となりつつあった。本研究課題としては最も基本的な資料である「番付 ばんづけ」についてデータベース化を進め、一元的な情報検索を可能とすることに努めた。
著者
牛山 素行 里深 好文 海堀 正博
出版者
日本自然災害学会
雑誌
自然災害科学 (ISSN:02866021)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.165-175, 1999-08-31
被引用文献数
2

The heavy rainfall disasters occurred mainly in Hiroshima Prefecture on June 29th, 1999. The death toll in the whole country was 41. This damage is the biggest after the typhoon disasters in September 1993. The maximum daily precipitation around Hiroshima City was about 260 mm and the maximum hourly precipitation was about 70 mm. These records became one of the highest records around Hiroshima City. The heavy rainfall area was local; the area with more than 200 mm daily precipitation was about 10 km (east - west), 30 km (north - south). Most of the dead persons were killed by the sediment disasters. There are 5,960 hazardous place for steep slope failure and 4,930 dangerous streams of debris flows in Hiroshima Prefecture, which are the highest in Japan. Based on this event, it is necessary to construct warning and evacuation system, to examine a way of land use and so on in the future.