著者
小野村林藏著
出版者
長崎書店
巻号頁・発行日
1928
著者
小野展嗣編著
出版者
東海大学出版会
巻号頁・発行日
2009
著者
小野寺 美智子
出版者
拓殖大学人文科学研究所
雑誌
拓殖大学論集. 人文・自然・人間科学研究 = The journal of humanities and sciences (ISSN:13446622)
巻号頁・発行日
vol.39, pp.16-31, 2018-03-25

本論では,空間を指示対象とする言語表現が時間を指示対象として用いられる概念メタファーにおいてLakoff & JohsonとMooreの分類では説明しきれない事例を取り上げ,Langackerの主体性という観点から分析することの有効性を論じた。特に日本語の時間メタファーである「まえ(前)」と「さき(先)」の用法をもとにMooreの議論を検証した。その結果,主体性の観点から日本語の時間メタファーの特性を説明することの意義が示唆された。
著者
竹中 真紀子 三宅 紀子 三好 恵子 長田 早苗 小野 裕嗣
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集 平成29年度大会(一社)日本調理科学会
巻号頁・発行日
pp.14, 2017 (Released:2017-08-31)

【目的】アクリルアミド(AA)は、食品を120℃以上で加熱したときにメイラード反応によって非意図的に生成する有害化学物質である。これまでに、炊飯時のAAの生成については、玄米や発芽玄米は精白米よりもAAを生成しやすいことなどが報告されているが炊飯条件による影響等の詳細は不明であった。そこで本研究では、玄米について加圧調理を含む様々な条件で炊飯し、炊飯後のAA濃度に関係する要因を見出すとともに、AAの低減に資する知見を得ることを目的とした。【方法】各種調理器具(圧力鍋(146、80、0 kPaG(常圧)の異なる加圧条件が可能、内鍋を使用可能)、炊飯器(マイコン式、IH加圧式)、土鍋)を用いて、4℃で16時間以上浸漬した玄米を炊飯した(n=4)。炊飯時に鍋内側底面および米(飯)中央部の温度を測定した。炊飯後、飯全体を攪拌し、一部を採取してAA濃度を測定した(検出限界 0.2 μg/kg、定量下限 0.5 μg/kg)。【結果】炊飯玄米中のAA濃度範囲は2~8 μg/kg、各種炊飯中の中央部の最高温度範囲は100~125℃であったが、AA濃度と最高温度の間に明確な相関は認められなかった。内鍋を使用した圧力鍋での炊飯を比較すると、加圧(146 kPaG)条件では常圧条件よりも炊飯玄米中のAA濃度が有意に高くなり、加圧による高温がAAの生成に与える影響が確認された。また、調理器具の種類や炊飯時の水量など、鍋肌でのおこげの出来やすさとも関連する複数の要因がAAの生成に少なからぬ影響を与えていることも示唆された。炊飯の際の加水量を増やすと、検討した全ての圧力条件においてAAの生成量は有意に減少したことから、玄米の炊飯でAA生成量を低減させるポイントとなりうることが示唆された。※農林水産省の委託研究事業を活用して本研究を実施した。
著者
佐々木 雄一 山下 達郎 柿澤 雅史 石合 純夫 本望 修 佐々木 祐典 岡 真一 中崎 公仁 佐々木 優子 浪岡 隆洋 浪岡 愛 小野寺 理恵 奥山 航平
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2015, 2016

【はじめに,目的】近年,脳梗塞に対する急性期治療の進歩に伴い,死亡率は低下している。しかし,後遺症は日常生活を困難にし,我が国における要介護者の原因疾患第一位となっており,新しい治療の開発が望まれている。脳梗塞に対する骨髄間葉系幹細胞(MSC)の経静脈的移植は,後遺症を改善する新しい治療法として注目されており,前臨床試験と自主臨床研究(12例の脳梗塞亜急性期患者を対象)での良好な結果に基づき,2013年から,札幌医科大学ではMSCを使用した再生医療の医師主導治験を行っている(第三相)。本治験は二つの治験から構成されており,まず,治験①として,"亜急性期の脳梗塞患者を対象とした二重盲検無作為化比較試験"(発症60日±14日に治験薬を投与)を行っている。そして,治験①終了後,プラセボ群だった患者には,治験②として,"慢性期の脳梗塞患者を対象とした単群非盲検試験"(発症150日±14日に細胞が入った実薬を投与)を行い,安全性と有効性の評価をしている。今回,治験②(慢性期の脳梗塞患者を対象とした単群非盲検試験)においてMSC移植を受けた脳梗塞患者1名の身体機能の経時的変化を,Fugl-Meyer assessment(FMA)に注目して報告する。【方法】対象は30代,男性で,治験②において発症166日目に治験薬の投与を受けた脳梗塞患者である。身体機能は,FMAを使用し,転院時,治験①での投与直前,投与1週後,1ヶ月後,3ヶ月後,治験②での投与1週後,1ヶ月後,3ヶ月後の計8時点に経時的評価を行った。【結果】上肢機能に注目したFMAでは,治験②での治験薬の投与を境にして,大きく改善した。さらに,上肢機能におけるサブ解析では,手関節機能,手指機能,協調性・速度の項目で著しい改善を示していた。【結論】本症例では,発症後5ヶ月以上経過した慢性期においても,MSC移植を契機にして身体機能の更なる改善を示した。特に,MSC移植によって運動・感覚などの神経機能が回復するメカニズムには,移植直後からの神経栄養・保護作用,血液脳関門の安定化,血管新生作用,再有髄化などに加えて,リハビリテーションとの組み合わせによって惹起される脳の可塑性の変化が大きく関わっていることが示唆されており,今後は,症例数を増加するとともに,本治療に適した評価方法の確立やリハビリテーションプログラムの再構築,さらには診療報酬体系を含めたリハビリテーション全体の変革が必要と考えられる。
著者
小野 啓一 井上 賢 広井 禎
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育 (ISSN:03856992)
巻号頁・発行日
vol.48, no.4, pp.343-345, 2000

本年も5月27日(土)に東大駒場で13大学の参加を得て,今春の入試問題の懇談会が行われた。東京でのこの会は1991年に始まり,本年は9回目になる。この会の実務にあたった高校に属する3人で,いくつかのことを報告する。
著者
須永 修通 小野寺 宏子 熊倉 永子 荻野 司
出版者
一般財団法人 住総研
雑誌
住総研研究論文集・実践研究報告集 (ISSN:2433801X)
巻号頁・発行日
vol.45, pp.83-94, 2019

現在,集合住宅はわが国の都市居住形態の中心をなす存在となっているが,その室内温熱環境に関する研究例は戸建住宅に比べて少なく,さらに,蒸暑地域(気候区分7,8地域)における調査例はごく僅かである。一方,筆者等の研究で東京多摩地域の集合住宅において熱中症の危険度が高いことが明らかになり,東京以西の集合住宅における危険性が危惧された。本研究では,高知,沖縄の集合住宅を対象として調査を行い,夏季冬季の室内温熱環境の実態データ(室内温湿度や居住者の意識・温熱感覚など)を得,既往研究のデータも合わせてその特徴や熱中症の危険性について明らかにした。また,各地域の気候に適した改善手法について検討・提案した。
著者
福島 正明 伊部 英紀 若井 慶治 杉山 英一 安部 裕宣 呉 倍莉 北川 希代彦 鶴賀 重徳 志村 勝美 小野 栄一
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物資源循環学会論文誌 = Journal of the Japan Society of Material Cycles and Waste Management (ISSN:18835856)
巻号頁・発行日
vol.22, no.3, pp.178-189, 2011-05-31
参考文献数
19
被引用文献数
2

一般市民から資源ごみとして出される使用済みプラスチック製容器包装の熱分解油化技術において,ポリ塩化ビニル (PVC) 等の塩素含有プラスチックの熱分解によって脱離する塩素の効率的処理が,再生製品の品質改善の課題となっている。本研究では二軸押出機方式による脱塩素の滞留時間が短いことに着目し,一軸押出機を使用した脱塩装置の開発を行い,一軸押出機は二軸押出機と同様に脱塩素率が高く,脱塩素時間 (滞留時間) も短いという結果を得た。<BR>本実験結果を基に10倍にスケールアップした一軸押出機 (脱塩装置) を使用した商用熱分解油化プラントを2000年北海道札幌市東区中沼町に建設し,2009年度で運転10年目を迎えている。使用済みプラスチック製容器包装油化リサイクルにおける脱塩素技術の開発成果を報告する。
著者
中部 博雄 竹前 俊昭 小野 縁 Nakabe Hiroo Takemae Tosihaki Ono Yukari
出版者
宇宙航空研究開発機構宇宙科学研究所(JAXA)(ISAS)
雑誌
平成28年度宇宙輸送シンポジウム: 講演集録 = Proceedings of Space Transportation Symposium FY2016
巻号頁・発行日
2017-01

平成28年度宇宙輸送シンポジウム(2017年1月19日-20日. 宇宙航空研究開発機構宇宙科学研究所(JAXA)(ISAS)), 相模原市, 神奈川県
著者
岩渕 聡 熊野 雅仁 亀井 貴行 小野 景子 木村 昌弘
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会第二種研究会資料 (ISSN:24365556)
巻号頁・発行日
vol.2012, no.AM-02, pp.09, 2012-11-15 (Released:2021-08-28)

近年,ソーシャルメディアの繁栄により,インターネット・ユーザによる大量の意見を集約し,応用する研究が注目され,観光へ応用する試みも始まっている.見知らぬ土地への観光計画支援を想定した場合,検索システムや推薦システムでは,いくつかの想定される問題が考えられる.本研究では,インターネットに潜在するメタバースの一面を3D情報空間として可視化し,空間に没入することで,この問題に取り組む観光支援システムを提案する.
著者
小野 恭靖
出版者
大阪教育大学
雑誌
大阪教育大学紀要 1 人文科学 (ISSN:03893448)
巻号頁・発行日
vol.59, no.2, pp.141-145, 2011-02

『当麻中将姫和讃』は現在大阪教育大学小野恭靖研究室所蔵の和讃資料一冊である。この和讃は大和国当麻寺伝来の曼荼羅の縁起にかかわるもので、中将姫伝説に基づいて創作されている。この和讚が注目されるのは、従来紹介されていた中将姫関連の和讃とは内容を異にしている点である。本文には中将姫伝説を収録した一部の江戸期文献と共通する登場人物名が見え、この和讃の成立時期や成立背景をおよそ推定することが可能である。 本稿では従来未紹介の『当麻中将姫和讃』一冊を翻刻し、位置付けを行うことを目的とする。Wasan is the songs that praise Buddism. Among those wasan there are the songs which theme is the legend of Chujou-hime. Five kinds of wasan related to Chujou-hime have been known so far."Taima Chujou-hime Wasan(当麻中将姫和讃)"is introduced in this report. This wasan, which treats the legend of Chujou-hime, was not found.
著者
三成 美保 粟屋 利江 村上 薫 小浜 正子 鈴木 則子 小野 仁美 長 志珠絵 山崎 明子 桃木 至朗 河上 麻由子 野村 鮎子 久留島 典子 井野瀬 久美惠 姫岡 とし子 永原 陽子 落合 恵美子
出版者
奈良女子大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2020-04-01

「アジア・ジェンダー史」の構築に向けて、次の3つの課題を設定して共同研究を行う。①「アジア≪で≫問うジェンダー史」に関する史資料の収集・整理、②高校「歴史総合」のための「アジア≪を≫問うジェンダー史」教材の作成、③アジア諸国の研究者と協力して「アジア≪から≫問うジェンダー史」研究を発展させることである。研究成果は書籍として刊行するほか、比較ジェンダー史研究会HP(https://ch-gender.jp/wp/)を通じて広く国際社会に成果を公表する。とくに②については、高校教員との対話や共同作業を通じて、ジェンダー視点から歴史教育の発展をはかるためのテキスト・資料を作成・提供する。
著者
小野寺 毅 渡邊 一仁 芳賀 圭悟 伊藤 大介 伊藤 博 及川 浩人
出版者
宮城県水産研究開発センター
巻号頁・発行日
no.13, pp.7-14, 2013 (Released:2015-06-24)

宮城県北部に位置する志津川湾において,平均全長65mmのホシガレイ種苗を6月下旬から7月上旬に放流し,平均全長100mmで9月上旬から中旬に放流し,両者の回収状況を比較した。1) 6月下旬から7月上旬に放流した小型種苗の回収状況は,9月上旬から中旬に放流した大型種苗のそれと同等あるいは上回った。2) 従来の放流方法で実施した大型種苗の経済回収率は0.66であったのに対し,小型種苗のそれは1以上であった。3) 志津川湾では6月中旬から7月上旬に湾奥の河口付近の波打ち際から平均65mmで放流するのが経済的である可能性が示唆された。
著者
田島 聖士 小野寺 勉 阿部 公喜 海老沢 政人 飯塚 浩道
出版者
一般社団法人 口腔衛生学会
雑誌
口腔衛生学会雑誌 (ISSN:00232831)
巻号頁・発行日
vol.63, no.4, pp.344-350, 2013
参考文献数
12

2011年3月11日,東日本大震災が発生し甚大な災害となったが,海上自衛隊(海自)は災害派遣命令により宮城県沖に多数の自衛艦を派出した.被災地では歯科医療機関の被害もあったため,海自移動歯科班を歯科診療支援要請に基づき,3月26日から4月21日まで宮城県本吉郡南三陸町および気仙沼市大島において歯科診療支援を実施した.一方,現地歯科医師会歯科班は3月20日から4月25日まで各避難所を往診車にて巡回診療を行った.現地歯科班と海自歯科班は協働して歯科診療支援を行い,避難所等における診療実績および質問紙調査から,震災直後の歯科診療ニーズ,口腔清掃状況ならびに現地歯科班と海自歯科班の診療連携について調査した.調査対象は初診患者数455名,延べ患者数584名,疾患内訳はう蝕31%,歯周疾患23%,脱離17%,義歯不適10%,根尖性歯周炎9%,義歯紛失2%であった.災害対策本部があった志津川ベイサイドアリーナにおける経時的な受診調査では,震災直後から最多疾患であったう蝕は調査期間中増加傾向を示し,歯周疾患は2〜3週以降減少傾向を示した.主訴発現に関する調査では震災直後から震災後1週の主訴発現は全体の12%であったが,その内75%は急性症状を伴っていた.本調査から震災直後における歯科診療ニーズが確認できたが,現地歯科班による避難所等の情報収集能力と海自歯科班の機動性や装備を生かすことにより相互補完的な支援が可能であることが示唆された.
著者
高木 俊行 守屋 秀夫 清水 裕之 小野田 泰明
出版者
Japan Association for Cultural Economics
雑誌
文化経済学 (ISSN:13441442)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.37-45, 2000

本研究は、有価証券報告書を活用して民間の劇場の経営実態を明らかにすることを主な目的とする。損益計算書の営業損益の部に着目し、歌舞伎座、コマ・スタジアム、松竹、新橋演舞場、東宝、御園座、明治座の7社に関する売上高と経費の内訳を分析した。新橋演舞場と明治座を除く5社については、開銀企業財務データバンクを使用して売上高と経費の時系列変化を検証した。分析の結果、わが国の商業劇場の経営実態を大まかに把握することができた。
著者
岡崎 武二郎 大橋 誠 一言 広 石上 武 町田 豊平 小野寺 昭一
出版者
一般社団法人 日本感染症学会
雑誌
感染症学雑誌 (ISSN:03875911)
巻号頁・発行日
vol.64, no.3, pp.280-283, 1990

1988年に都立台東病院泌尿器科の男子淋菌性尿道炎患者から分離されたPPNG22株について, プラスミドDNAの測定を行った.<BR>PPNG22株のうち3株 (14%) は3.3メガダルトンのプラスミドを有し, しかも3株全部が同時に24.5メガダルトンの耐性伝達プラスミドをも有する新アフリカ型PPNGであった. また, 22株のうち19株 (86%) は4.4メガダルトンのプラスミドを有するアジア型であり, この19株のうち5株 (26%) は24.5メガダルトンのフプラスミドを有していた.<BR>新アフリカ型PPNG3症例の感染源は, 1例はフィリピンであったが, 2例は都内のソープランドであり, 新アフリカ型PPNGがすでに国内に定着していることが示唆された.
著者
小野 真由美 恵美 千鶴子
雑誌
美術研究 = The bijutsu kenkiu : the journal of art studies
巻号頁・発行日
no.425, pp.21-23, 2018-07-02

The Dô no onkura okakemono outasho kiwame daitsukeno chô(銅御蔵御掛物御歌書極代付之帳)is one of the rare documents in the Tokyo National Research Institute for Cultural Properties collection, and is part of the Nakagawa Bunko library of Nakagawa Tadayori (1873-1928) that this institute purchased in 1929, the year before its opening. The overleaf of the inner cover and the back cover bear the bookplates of Suzaka daimyô Hori Naotada (1806- 1880), indicating that it was formerly part of Naotada's Hananoya Bunko library. Naotada is renowned for his Fusô meiga den(扶桑名画伝)biographies of Japanese painters. The Dô no onkura okakemono outasho kiwame daitsukeno chô is a copy of the original record of kiwame (connoisseurship statements) and daitsuke (appraised values) made in 1691 (Genroku 4) of the Tokugawa shogunal collection, known as the Ryûei Gomotsu, by Kanô Masunobu (Tôun, 1625-1694), Kanô Tsunenobu (Yôboku, 1636-1713), Kohitsu Ryômin (1645-1701), Kohitsu Ryôchû (1656-1736) and others. The Dô no onkura okakemono outasho kiwame daitsukeno chô thus shows that the shogunate had its officially appointed Kohitsu and Kanô family members evaluate and price the calligraphy and paintings in its collection as of 1691. The earliest Ryûei gomotsushû volumes are said to have been compiled in 1644 (Kan'ei 21) by Matsudaira Nobutsuna (1596-1662), who was then the shogunate's osukiya shihai, officer in charge of the management of shogunal collection. Later the Ryûei Gomotsu items held by the shogunate were caught in the Great Fire of Meireki in 1657 with the majority destroyed. The collection was then rebuilt through gifts presented by various daimyô to the shogunate. This Dô no onkura okakemono outasho kiwame daitsukeno chô confirms that the collection had been fully rebuilt in terms of both quality and quantity by 1691. While there are some additional notations inherent to a copy of an original document, this Dô no onkura okakemono outasho kiwame daitsukeno chô is a rare extant document that faithfully conveys the original's connoisseurship content. We thus present in this article both a reprint of the entire document and a discussion of some of its most noteworthy appraisal cases.
著者
松下 秀介 高橋 克也 小野 洋
出版者
農業情報学会
雑誌
農業情報研究 (ISSN:09169482)
巻号頁・発行日
vol.14, no.3, pp.195-206, 2005

本研究の課題は,果樹経営安定対策を対象に,温州みかん産地行動の視点からみた対策参加の経済性について数量的に検討することである.具体的には,対策下の産地行動を寡占市場における戦略的情報利用を前提とした非協力ゲームの枠組みにより表現し,限界収入・限界費用推定モデルの分析結果から産地行動の経済性を数量的に検討する.<br>分析の結果,明らかになった点は,以下の3点に要約できる.<br>1) 表年については,すべての産地にとって対策への参加が最適反応戦略となる.また,この場合,政策当局が「適正出荷量」をさらに縮小する必要があることが示された.<br>2) 裏年については,果樹経営安定対策への不参加が最適反応戦略となる産地が存在する.しかし,この産地行動の経済性ついては,対策不参加に起因する機会費用等を考慮する必要があることが示された.<br>3) 以上の結果,本対策が,生産段階において不可避の課題となっている豊作年(表年)の市場価格低迷(いわゆる豊作貧乏)への対応を目的とした2年を単位とした対策であることを考慮すると,温州みかん産地が本対策へ参加するという行動は合理的であると考えられる.<br>他方,果樹経営安定対策に参加しない場合には本対策以外の施策の対象とならないことなどの機会費用,すなわち対策不参加の社会的・政治的・制度的な外部性についても,産地の意思決定行動を分析するための重要な視点であることが指摘された.