8 0 0 0 OA バナナの澱粉

著者
野呂 哲 葛西 麻紀子 山田 綾子 大中 徹 加藤 陽治
出版者
弘前大学教育学部
雑誌
弘前大学教育学部紀要 (ISSN:04391713)
巻号頁・発行日
no.105, pp.75-79, 2011-03-23

生産地別のバナナ可食部の追熟に伴う澱粉の変化を調べた。単糖・オリゴ糖と細胞壁・澱粉の含有量から、台湾産は貯蔵8日目では過熟状態、エクアドル産は8日目では未熟、15日目では過熟、フィリピン産は8日目では未熟、15日目では適熟であると示された。すなわち熟成速度は台湾産が最も早く、エグアドル、フィリピンの順であった。 熟成過程におけるバナナ澱粉粒の変化を走査型電子顕微鏡観察および散乱式粒度分布測定装置により分析した。形状は長粒型で、追熟0日目では表面が滑らかな状態であったが、3日目では層のような溝ができ、5日目では層状になった。粒子径は追熟0日目で粒度分布3~88μm、平均径29.699μm、3日目で粒度分布3~77μm、平均径23.213μm、5日目で粒度分布2.5~22μm、平均径8.651μm であった。熟成に伴い、澱粉粒の表面形状が変化し、微細化することがわかった。
著者
住谷 昌彦 宮内 哲 前田 倫 四津 有人 大竹 祐子 山田 芳嗣
出版者
一般社団法人 日本ペインクリニック学会
雑誌
日本ペインクリニック学会誌 (ISSN:13404903)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.1-10, 2010-01-25 (Released:2010-08-04)
参考文献数
53
被引用文献数
3

四肢切断後に現れる幻肢痛をはじめとする神経障害性疼痛の発症には末梢神経系と脊髄での神経系の異常興奮とその可塑性に加え,大脳を中心とした中枢神経系の可塑性が関与していることが,最近の脳機能画像研究から確立しつつある.本稿では,幻肢痛を含む病的疼痛全般は脊髄よりも上位の中枢神経系に由来するというわれわれの持論から,まず幻肢の感覚表象について概説し,続いて幻肢の随意運動の中枢神経系における制御機構から「幻肢が中枢神経系にとって健常肢として存在すれば幻肢痛が寛解する」という仮説を提案する.この仮説を,われわれが行っている鏡を用いて幻肢の随意運動を獲得させることによる臨床治療(鏡療法)から検証し,鏡療法の有効性と限界,そして今後の幻肢痛および神経障害性疼痛に対する新規神経リハビリテーション治療の可能性について概説する.
著者
山田 鑑照 尾崎 朋文 坂口 俊二 森川 和宥
出版者
社団法人 全日本鍼灸学会
雑誌
全日本鍼灸学会雑誌 (ISSN:02859955)
巻号頁・発行日
vol.52, no.5, pp.529-552, 2002-11-01 (Released:2011-03-18)
参考文献数
41

経穴委員会 (委員長山田鑑照) は米山博久が1952年に発表した「経絡否定論」の意義の大きさに注目した。賛成・反対のいわゆる「経絡論争」が約2年にわたり繰り広げられた。この論争関連と同時期の経絡・経穴についての基礎研究に関する文献を収集して整理・検討し、平成14年6月に開催された第51回全日本鍼灸学会学術大会 (つくば) のワークショップIIIにおいて発表した。これを集約して報告する。
著者
伊佐次 優一 乾 淳幸 廣瀬 健太 山田 拓実
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.37, no.2, pp.165-169, 2022 (Released:2022-04-20)
参考文献数
21

〔目的〕変形性膝関節症患者の膝蓋骨周囲へ筋膜リリースを実施し,膝関節屈曲可動域,膝関節伸展筋力,筋硬度,筋滑走の変化を検討した.〔対象と方法〕対象は,内側型変形性膝関節症患者26名(介入群14名,偽介入群12名)とした.評価方法は,介入前後に上記評価項目を測定した.介入方法は,介入群が膝蓋骨離開リリース,膝蓋骨上方・下方リリースを各3分間実施し,偽介入群は同様の動作で触れるのみの操作を行った.〔結果〕膝関節屈曲可動域に関してのみ4.47°の介入効果を認めた.しかし,臨床的に有効な差を認めなかった.〔結語〕変形性膝関節症に対する筋膜リリースの即時効果は,臨床的には効果が乏しい.
著者
山田 健二 須藤 明治
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.33, no.6, pp.905-909, 2018 (Released:2018-12-21)
参考文献数
23
被引用文献数
1

〔目的〕本研究の目的は,足把持トレーニングの足関節周囲筋の筋活動量について明らかにすることとした.〔対象および方法〕健康な大学生14名を対象とした.足把持力の計測は,足指筋力測定器を用いて任意の片足とした.最大把持時および足把持トレーニング動作における前脛骨筋,腓腹筋外側頭,母趾外転筋,短趾屈筋の筋活動量を計測した.〔結果〕足把持力と筋活動量との関係において,前脛骨筋,母趾外転筋,短趾屈筋との間に正の相関関係が認められた.また, タオルギャザー時の筋活動量が高い値を示した.〔結語〕足把持力のトレーニングには, 足関節周囲筋が使われる運動が有効であると考えられた.
著者
永井 貴士 石井 良和 市田 博子 小森 愛子 山田 孝
出版者
一般社団法人 日本作業療法士協会
雑誌
作業療法 (ISSN:02894920)
巻号頁・発行日
vol.39, no.1, pp.26-37, 2020-02-15 (Released:2020-02-15)
参考文献数
29

本研究の目的は,家族介護者の従事する「介護」という作業の構成概念を生成することである.要介護者と在宅介護生活を1年以上経験している家族介護者16名を対象に非構造化面接を実施し,SCAT(Step for Cording and Theorization)を用いて分析した.その結果,構成概念は102の意味コードが生成され,家族介護者の想い,介護する生活,介護と環境の3つの大カテゴリーが得られた.作業療法士は家族介護者の作業適応への支援として,これらの視点で検討する必要性が示唆された.
著者
濱嵜 朋子 酒井 理恵 出分 菜々衣 山田 志麻 二摩 結子 巴 美樹 安細 敏弘
出版者
特定非営利活動法人 日本栄養改善学会
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.72, no.3, pp.156-165, 2014 (Released:2014-07-19)
参考文献数
25
被引用文献数
2 1

【目的】栄養状態と口腔内因子の関連については,多くの報告がみられる。これまでの報告は口腔機能との関連について検討したものが多い。本研究では舌の状態など,器質的な口腔内因子に着目し,栄養状態との関連について明らかにすることを目的とした。【方法】対象者は通所高齢者82名とした(男性29名,女性53名,年齢81.5±7.2歳(平均±標準偏差))。栄養状態,生活および食習慣の状況,栄養素等摂取量,食事摂取時状況および口腔内の状況について調査を行い,口腔内状況と栄養状態評価との関連について比較検討を行った。【結果】栄養状態と関連のあった口腔内因子は,“食事中の食べこぼし”と“舌苔の厚み”であった。食習慣では,“間食としてパンを摂取する”,“加工食品を使用する”,“大豆製品摂取頻度が少ない”および“漬け物摂取頻度が少ない”もので,いくつかの口腔内因子との関連がみられた。“食べこぼし有り”の者は,“たんぱく質エネルギー比率”が低いという特徴がみられた。【結論】食事状況や器質的な口腔内因子が栄養状態,食習慣さらには摂取栄養素と関連が認められた。そのため,食習慣についての把握,食事状況や口腔についての十分な観察,食事介助の改善および口腔ケアの実施に取り組むことの重要性が示唆された。
著者
大槻 秀樹 五月女 隆男 松村 一弘 藤野 和典 古川 智之 江ロ 豊 山田 尚登
出版者
一般社団法人 日本救急医学会
雑誌
日本救急医学会雑誌 (ISSN:0915924X)
巻号頁・発行日
vol.20, no.9, pp.763-771, 2009-09-15 (Released:2009-11-09)
参考文献数
19

精神疾患のいくつかは,季節性に寛解・増悪することが指摘されており,とくに気分障害における季節性がよく知られている。自殺企図患者や入院患者における季節性の変動を示すデータは散見されるものの,一般救急外来を受診する患者に関するデータは少ない。我々は平成17年 9 月から 1 年間,滋賀医科大学附属病院救急・集中治療部を受診した3,877例(救急車により搬送された患者2,066例を含む)を調査した。精神科疾患は299例(7.7%)であり,その中でF4(神経症性障害,ストレス関連障害および身体表現性障害)が158例と最多であった。精神科疾患で受診する患者数は, 6 ~ 7 月と 9 ~10月にピークがあり, 1 月に最も減少していた。精神科疾患で受診する患者数は,日照時間や降水量との間に関連性は認められなかったが,気温が上昇すると精神科疾患により来院する患者数が増加することが示された。これらの結果は,救急外来を受診する精神科疾患の特徴を示すと共に,今後,救急外来において精神科疾患を早期に発見する手助けの一つとなりうると思われる。
著者
横山 芳春 安藤 寿男 大井 信三 山田 美隆
出版者
The Sedimentological Society of Japan
雑誌
堆積学研究 (ISSN:1342310X)
巻号頁・発行日
vol.54, no.54, pp.9-20, 2001-12-25 (Released:2010-05-27)
参考文献数
25
被引用文献数
2

茨城県石岡-鉾田地域における下総層群“見和層”を対象に詳細な堆積相解析, 侵食面・火山灰鍵層の追跡を行った結果, 2回の堆積サイクルの存在が確認できた. 下位のサイクル1は西部の大規模な谷地形を充填する開析谷埋積システムと, これを覆って調査地域全域に分布する外浜-海浜システムの堆積物からなる. サイクル2ではバリアー島・潟システムの堆積物が特徴的に発達し西部で厚く保存されているが, 東部では外浜-海浜システムの堆積物がこれを覆って分布している. 常総層は主に河川システムの堆積物からなるが, 調査地域東部では下部に海成層が認められた. シーケンス層序学的解釈を行った結果, サイクル1にはシーケンス境界 (SB1), 内湾ラビンメント面 (BRS1), 波浪ラビンメント面 (WRS1) の3枚の侵食面が認められ, サイクル2にはSB2, BRS2, WRS2, SB3の4枚の侵食面が認められた. それぞれの堆積サイクルにはTST, HSTが認められ, 2回の相対海水準変動に伴う堆積シーケンスを構成していることが判明した.
著者
山田 徹
出版者
公益財団法人 史学会
雑誌
史学雑誌 (ISSN:00182478)
巻号頁・発行日
vol.123, no.9, pp.1644-1669, 2014

Goryosho 御料所, which are thought to have been the feudal estates under the direct jurisdiction of the Muromachi Bakufu shoguns, have been the focus of historians interested in medieval affairs beginning from regime of Ashikaga Yoshimasa on and have been characterized as being placed in the charge of the Bakufu's direct military vassals (hokoshu 奉公衆) and managed by its Bureau of Household Affairs (Mandokoro 政所). Due to this rather unbalanced image, it has become difficult to proactively evaluate various important aspects of Goryosho, such as its fiscal revenues. To begin with, if we focus on Goryosho during the Muromachi period as estates entirely prioritized as feudal holdings totally exempt from taxes and duties, the conventional characterization of them all having been placed in the hands of hokoshu becomes too limited, for such holdings had also been bestowed on kinsfolk of the Muromachi Shogunate Family, the patriarch of which the author of this paper refers to as Muromachi-dono 室町殿. Moreover, not only the Bakufu's hokoshu, but also its military provincial governors (shugo 守護) were the recipients of Goryosho holdings; and when we consider the Bakufu's golden age from the regime of Ashikaga Yoshimitsu, through that of Yoshinori, focusing exclusively on the estates managed by the Mandokoro becomes very problematic. Bringing into view such inconsistencies in the research to date, the author of this article attempts to reexamine what is known factually about Goryosho during the Bakufu's Yoshimatsu-Yoshinori golden age, in order to show that among Goryosho, there existed estates that were huge in terms of both capacity and the revenue they generated. The author also argues that the importance of Goryosho among the provinces should be reevaluated, indicating that the large scale revenues from its estates (shoen 荘園) were also generated in even the remotest regions, making the Ashikaga Shogun Family one of the elite among all shoen proprietors. Finally, turning to the fact that Goryosho estates were also bestowed upon kinsfolk of the Ashikaga Family, and often replaced and redistributed by each Muromachi-dono, the author again points to the importance of the Ashikaga Shogunate Family as a full-fledged shoen proprietor, a characteristic that has not been given sufficient attention in the research to date.
著者
鵜飼 和浩 山本 恭子 森本 七重 松下 紀美子 山田 みゆき 尾崎 富美代 田中 美代子 谷垣 友子
出版者
一般社団法人 日本看護研究学会
雑誌
日本看護研究学会雑誌 (ISSN:21883599)
巻号頁・発行日
vol.26, no.4, pp.4_59-4_66, 2003-09-01 (Released:2016-03-31)
参考文献数
26

看護職の石鹸と流水による手洗いの有用な方法について,石鹸泡立て時間,流水すすぎ時間,手拭き乾燥方法を種々に設定し除菌効果より検討を加えた。 その結果,流水時間を15秒間とした場合,石鹸泡立て時間8秒間群と15秒間群で手洗いによる有意な細菌数の減少を認めたが,30秒間群では減少は認められなかった。 石鹸泡立て時間を15秒間とした場合,流水すすぎ時間は15秒間,30秒間,60秒間群共に手洗いによる細菌数の有意な減少を認め,60秒間群の除菌効果が最も高かった。 ペーパータオル使用枚数は2枚以上で除菌効果があり,特に3枚使用群が最も高く,1枚では除菌効果は認められなかった。 布タオルの連続使用ではタオルに付着した細菌数は漸次増加し,手洗いによる除菌効果を認めたのは1人目のみであった。 以上より石鹸と流水による手洗いでは石鹸泡立てを8~15秒間行い,泡とともに存在する細菌を時間をかけ十分に洗い流し,ペーパータオル2枚以上,出来れば3枚を使用し十分に手指を乾燥させることが重要である。 また,共用タオルは使用する毎に手洗いによる除菌効果が低下するので,その使用は厳に慎むべきである。
著者
山田 真希子 須原 哲也
出版者
日本生物学的精神医学会
雑誌
日本生物学的精神医学会誌 (ISSN:21866619)
巻号頁・発行日
vol.28, no.4, pp.191-195, 2017 (Released:2019-07-30)
参考文献数
16

うつ病の認知心理モデルによると,うつ病患者において,健常人で認めるポジティブな認知バイアスが消失することや(抑うつの現実主義と呼ばれる),否定的に捉える負の認知バイアスが生じることが,抑うつ症状の悪化や治療抵抗性に関与している可能性が指摘されている。本稿では,自己と他者の評価に対する認知バイアスが脳内で生じる仕組みについて,機能的脳画像(functional magnetic resonance imaging:fMRI)と陽電子放射断層撮影装置(positron emission tomography:PET)を用いた研究を紹介し,うつ病症候に関わる認知バイアスの脳機能ネットワークとドーパミン神経伝達機能との関連について考察する。
著者
山田 弘司
出版者
THE JAPANESE SOCIETY FOR ANIMAL PSYCHOLOGY
雑誌
動物心理学研究 (ISSN:09168419)
巻号頁・発行日
vol.48, no.2, pp.217-232, 1998-12-15 (Released:2009-10-13)
参考文献数
78
被引用文献数
1