著者
寺田 暁彦 中川 光弘 大島 弘光 青山 裕 神山 裕幸
出版者
東京大学地震研究所
雑誌
地震研究所彙報 (ISSN:00408972)
巻号頁・発行日
vol.79, no.1/2, pp.17-26, 2004

In this paper, the authors describe remarkable thermo-activities especially at the fumaroles B on the southwestern cliff of the summit dome on Tarumae volcano, which unusually occurred soon after the Tokachi-oki erathquake that took place on Sep. 26 2003 (MJMA 8.0). The unusual thermoactivities include (1) increase in gas flux, (2) weak glow witnessed by the high-sensitive camera in the nighttime with positions moving night by night, and (3) ash ejection of about 24m^3. Since the high-sensitive cameras can detect thermal radiation, the observed glow would be evidence for high-temperature of rock surface. It is considered that the Tokachi-oki earthquake would affect the volcano to eject a large amount of high-temperature gas, which resulted in the weak but unusual glow and ash deposits of the order of 10m^3 in volume.
著者
大窄 貴史 成 耆政 鈴木 尚通 中島 弘毅 葛西 和廣 竹内 信江 田中 正敏
出版者
学校法人松商学園松本大学
雑誌
松本大学研究紀要 = The Journal of Matsumoto University (ISSN:13480618)
巻号頁・発行日
no.10, pp.13-44, 2012-01-31

本稿は地域スポーツイベントの経済波及効果及び参加者の健康増進への影響について、明らかにすることを目的とした。経済波及効果は大会運営経費の2.01倍であった。満足度における肯定的回答が、およそ8割であった。リピーターの運動機会は、参加者全体の4割で運動機会が増加した。本大会が他の関係団体と共同し、魅力あふれる大会を創造していくことが、塩尻市を中心とする地域の活性化、地域住民への活力及び健康増進に寄与すると考える。
著者
川本 善和 檜山 礼秀 根本 美佳 島 弘光 河原 一茂 島田 和基 吉成 勝海 浅野 澄明 桟 淑行 五十嵐 孝義 齋藤 仁弘 西山 實
出版者
Japan Prosthodontic Society
雑誌
日本補綴歯科學會雜誌 = The journal of the Japan Prosthodontic Society (ISSN:03895386)
巻号頁・発行日
vol.45, no.5, pp.632-641, 2001-10-10
被引用文献数
15 3

目的: 本研究の目的は, 高フィラー型硬質レジン修復物の補修時に追加築盛を行う際の表面処理条件が曲げ接着強さに及ぼす影響を明らかにすることである.<BR>方法: 高フィラー型硬質レジンとしてエステニア (エナメル質用レジンEE, 象牙質用レジンED) を用い, 製造者指示に従い重合した被着体 (2×2×12.5mm) に, 処理なし (NT), シラン処理 (S), ボンディング処理 (B), シラン処理とボンディング処理を併用 (SB) の条件で表面処理を行った後に, 直接法 (D) ではクリアフィルAP-Xおよび間接法 (I) ではEEによる追加築盛を行って重合し, 曲げ接着試験用試験体 (2×2×25mm) を作製した. 作製した試験体は, 37℃で24時間水中保管後に3点曲げ試験を行い, 曲げ接着強さとした.<BR>結果: 被着体EEおよびEDの両者で, 直接法はD-S≒D-SB>D-B>D-NTの順に, SとSB間を除き有意 (one-way ANOVA, P<0.05) に大きな値を示し, 間接法はI-SB>I-S>IB>I-NTの順に有意に大きな値を示した. また, 破断面のSEM観察では, D-NTおよび1-NT以外のすべての処理条件で, 被着体および追加築盛体での凝集破壊が認められた.<BR>結論: 直接法および間接法の両者で, SBとSが最も効果的で, 次いでBが有効であった.
著者
花田 英夫 岩田 隆浩 菊池 冬彦 劉 慶会 松本 晃治 浅利 一善 石川 利昭 石原 吉明 野田 寛大 鶴田 誠逸 Petrova Natalia Goossens Sander 原田 雄司 佐々木 晶 並木 則行 河野 裕介 岩館 健三郎 亀谷 收 寺家 孝明 柴田 克典 田村 良明 矢作 行弘 増井 亘 田中 孝治 前島 弘則 洪 暁瑜 平 勁松 艾力 玉〓甫 Ellingsen Simon Schlüter Wolfgang
出版者
The Geodetic Society of Japan
雑誌
測地学会誌 (ISSN:00380830)
巻号頁・発行日
vol.55, no.2, pp.203-221, 2009-07-25
被引用文献数
5

The Japanese lunar explorer SELENE (KAGUYA), which has been launched on Sep. 14th, 2007, utilizes VLBI observations in lunar gravimetry investigations. This can particularly improve the accuracy of the low degree gravitational harmonics. Combination of ground based VLBI observations and Doppler measurements of the spacecrafts enable three dimensional orbit determinations and it can improve the knowledge of the gravity field near the limb. Differential VLBI Radio sources called VRAD experiment involves two on-board sub-satellites, Rstar (Okina) and Vstar (Ouna). These will be observed using differential VLBI to measure the trajectories of the satellites with the Japanese network named VERA (VLBI Exploration of Radio Astrometry) and an international VLBI network.<BR>Two new techniques, a multi-frequency VLBI method and the same-beam VLBI method, are used to precisely measure the angular distance between the two sub-satellite radio sources Okina and Ouna. The observations are at three frequencies in S-band, 2212, 2218 and 2287 MHz, and one in X-band, 8456 MHz. We have succeeded in making VLBI observations of Okina/Ouna with VERA and the international network, and have also succeeded in correlating of signals from Okina/Ouna, and obtained phase delays with an accuracy of several pico-seconds in S-band.
著者
辻 裕之 宮川 めぐみ 有元 佐多雄 謝 勲東 中島 弘 原 茂子
出版者
公益社団法人 日本人間ドック学会
雑誌
人間ドック (Ningen Dock) (ISSN:18801021)
巻号頁・発行日
vol.22, no.3, pp.383-388, 2007-09-28 (Released:2012-08-20)
参考文献数
3
被引用文献数
1

目的:血清尿酸値(UA)および尿pHと,メタボリック症候群(MetS)との関連について検討する.方法:虎の門病院人間ドックでの21年間の受診者のべ225,826名(男性168,042名,女性57,784名)を対象として,UAおよび尿pHと,MetSとの関連について多角的に分析した.また本研究でのMetSの判定基準は,ウエスト周囲径のかわりに肥満指数(body mass index:BMI)25以上を使用した.結果:21年の経過で男女ともにUAの上昇,尿pHの低下およびMetS発現率の上昇が見られ,UAおよび尿pHは,MetS関連諸因子(血圧・空腹時血糖・中性脂肪・HDL cholesterolおよびBMI),さらに自己申告による疾患有病率の大部分と関連していた.さらに初診時BM正常者のその後のMetS発現率を初診時の尿酸値および尿pHとの関連でみると,初診時に高尿酸血症(UA:7.1mg/dl以上),または酸性尿(pH:5.5未満)があると,その後のMetS発現率は有意に高値であった。結論:UAと尿pHは,MetSと関連する因子や疾患有病率と有意な関連性があり,MetSおよび関連疾患発症のリスク因子であることが示された.さらに初回受診時のUAと尿pHが,その後のMetS発症に関連していることから,これらはMetSの先行指標となりうるものと考えられた.
著者
三木 哲郎 上島 弘嗣 梅村 敏 小原 克彦 田原 康玄
出版者
愛媛大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

多因子疾患の感受性遺伝子に関する長期縦断疫学研究を行った。これまでの断面的解析から同定された肥満、2型糖尿病、高尿酸血症の感受性遺伝子が、これら疾患の新規発症とも関連することを明示した。断面解析からは、ATP2B1が高血圧感受性遺伝子であることを突き止めた。ノックアウトマウスを用いた検討から、ATP2B1は細胞内カルシウム濃度および血管収縮性の亢進を介して血圧上昇を来していることが明らかとなった。
著者
岡田 弘 筒井 智樹 大島 弘光 宇井 忠英
出版者
北海道大学
雑誌
総合研究(A)
巻号頁・発行日
1992

フィリッピン・マヨン火山で1993年2月2日に発生した火砕流噴火は、事前の警告もなく70余名の犠牲者を出した。また、火山から6kmの永久居住禁止地区に加え、南東側では半径10km迄の数万人の地域住民が避難している。本研究班では、平成5年2月26日から3月5日の期間にフィリッピン火山地震研究所の協力を得て調査研究を実施した。地震記録、噴出物、過去の噴火記録などを手がかりに2月2日の火砕流の特性を解析した。爆発型で始まり、南東ガリーを崩落直進し屈曲点での破砕が、激しいサージと多数の死者の原因らしい。地震や空振の共同観測資料では、3月1〜4日にかけての火山灰噴出や小規模火砕流の実体を明らかにすることができた。マヨン火山はフィリッピンで最も活発な火山として噴火前から手引書の作成、観測所の整備、災害予測図の作成等注目する取り組みがなされていた。にもかかわらず、2月2日の噴火に先立ち直前前兆としての群発地震や徴動を時間・日単位で認めることは出来なかった。長期的には数ケ月単位の地震活動の衰勢、また顕著な前兆として周辺での井戸水位の低下があった。火山地震研究所は、二酸化硫黄放出量や地震徴動等の数値情報が盛り込まれた火山情報を発表し、5段階の警戒レベルを用いている。学ぶべき点も多い。避難所や大学での火山活動説明会や国際火山学会の映像ビデオの活用、更にマスメディアとの対応などに接する機会もあった。また、噴火直後から1ケ月間駐在し調査研究を行っていた米国の火山学者と、緊密な連絡をとると共に、調査における多大な授助を受けた。運転手付きの外交官車両や人工衛星通信設備の利用など、災害時の緊急調査研究の内容について、今後の教訓として得るものも多かった。
著者
副島 弘文
出版者
熊本大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2002

本研究では炎症において中心的役割を果たすT細胞に注目し、虚血性心疾患患者における活性化について調べた。活性化されたT helper cellとしてTh1 cellとTh2 cellがある。Th1 cellが産生するinterferon-gammaとTh2 cellが産生するinterleukin-4といった細胞内サイトカインを染色することでT helper cellがTh1 cellまたはTh2 cellのいずれへ活性化しているのかがわかる。虚血性心疾患患者から採血を行い、そのhelper T cell内のinterferon-gammaとinterleukin-4を染色した。interferon-gammaとinterleukin-4の細胞内発現の程度を不安定狭心症患者、冠攣縮性狭心症患者、安定狭心症患者および健常者で比較した。その結果、不安定狭心症と冠攣縮性狭心症の患者のT細胞では健常者に比べinterleukin-4の産生亢進はなくinterferon-gammaの産生亢進が認められ、これらの患者ではT細胞のTh1 cellへの活性化が生じていることが分かった(Circulation 2003)。また、血清中のTh1系の蛋白質としてCD 40 ligandおよびinterleukin-18について調べた結果、不安定狭心症や冠攣縮性狭心症患者では血中蛋白質もTh1系の蛋白質が健常人に比べ多くなる傾向が認められた。また、膠原病患者ではリュウマチ性関節炎のようにTh1に活性化されているものとsystemic lupus erythematosusのようにTh2に活性化されているものとがあり注目して同様の検討をしてみた。その結果、膠原病患者で虚血性心疾患を有するものと有さないものとで比べてみると、虚血性心疾患を有する患者ではTh1へ活性化されやすく、虚血性心疾患のうちでは冠攣縮性狭心症患者が多いことが分かった(Circulation Journal 2004 in press)。さらに、経皮的冠動脈インターベンションにより患者のhelper T cellはTh1 cellへ活性化してしまうこと、事前にstatinを投与することでその活性化を抑制できることも分かった(American Joural of Cardiology 2004 in press)。
著者
江上 廣一 廣瀬 昌博 津田 佳彦 大濱 京子 本田 順一 島 弘志 中林 愛恵 福田 治久 今中 雄一 小林 祥泰
出版者
一般社団法人 日本医療・病院管理学会
雑誌
日本医療・病院管理学会誌 (ISSN:1882594X)
巻号頁・発行日
vol.49, no.4, pp.205-215, 2012 (Released:2012-11-30)
参考文献数
32

2007∼09年度に収集された転倒・転落のインシデントレポート1,764件を対象に,転倒率(件/1,000患者・日)を用いて転倒・転落に関する疫学的側面を検討した。患者の平均年齢は男66.6±18.8歳(950件),女69.9±19.2歳(814件)であった。全体の転倒率は1.84件/1,000患者・日,性別では男2.06および女1.87であった。年齢別では,70歳代が2.82件/1,000患者・日(555件)でもっとも高く,高齢者ほど高い傾向にあった。診療科別において,外科系では整形外科が最低で1.14件/1,000患者・日,内科系では循環器内科および呼吸器内科が最低で1.97を示し,外科系より内科系診療科が高い傾向にあった。また,入院から転倒発生までの日数における転倒率(転倒件数)について,入院翌日が0.16件/1,000患者・日(118件)でもっとも高く,ついで入院3日目が0.12(84件),入院当日が0.11(78件)で以降漸減していた。転倒発生の平均値は12.4日であった。 転倒率からみた転倒の疫学的側面から,入院診療科や入院からの日数に応じた防止策を講じることが必要である。
著者
西嶋 修 福原 直道 平方 寛之 米津 明生 箕島 弘二
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
M&M材料力学カンファレンス
巻号頁・発行日
vol.2010, pp.10-11, 2010-10-09

This study aims to elucidate the mechanics of crack propagation in a freestanding Cu thin film deposited by electron beam evaporation We developed the method for fabricating nano or submicron meter-thick freestanding metallic films with width and length of the miffimeter order. Focused ion beam (FIB) was employed to introduce a pre-crack in an about 500 nm-thick Cu film. It is found that the crack stably propagated by uniaxial tensile loading, and then the crack propagation rate rapidly increased, resulting in unstable fracture. The fracture surface suggested that the local area near the crack tip undergoes large plastic deformation, resulting in crack propagation in ductile manner. In parallel, the elastic-plastic stress distribution around the crack tip was analyzed by finite element method (FEM). The mechanics of crack propagation and fracture toughness were investigated on the basis of the R-curve concept.