著者
樫田 美雄 岡田 光弘 五十嵐 素子 宮崎 彩子 出口 寛文 真鍋 陸太郎 藤崎 和彦 北村 隆憲 高山 智子 太田 能 玉置 俊晃 寺嶋 吉保 阿部 智恵子 島田 昭仁 小泉 秀樹
出版者
徳島大学
雑誌
大学教育研究ジャーナル (ISSN:18811256)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.93-104, 2008-03

ビデオエスノグラフィーは、当事者的知識を十分に摂取しながら行うビデオ分析であり、我々はこの方法で、高等教育改革の現場を研究した。生涯学習社会の到来を受けて、日本の高等教育は現在第2 次世界大戦直後以来の改革期にある。すなわち、「知識」より「生涯学習能力」の獲得を志向した、自発性を尊重するような様々な取り組みがなされ始めている。この高等教育の現場に対し、ワークプレース研究を行った。B大学工学部都市工学演習α班を分析対象とした調査の結果、①演習の課題解釈には「従来の指標の相対化の要求の程度」を巡って2つの解釈があり得たこと、②班内にはその2種類の解釈に対応した葛藤・対立的相互行為が存在したこと、③にもかかわらず、班内葛藤を生きる当事者がともに専門性(「都市工学」)を志向していたこと、④したがって、課題理解のいかんにかかわらず、班活動の全体が「都市工学演習」と呼び得るものになっていたこと、⑤その一方で、最終審査会場(ジュリー)ではこの2重性が十分レリバントなものとして浮かび上がって来ていなかったこと、これらのことがわかった。諸結果を総合すると、学生の自主的活動を尊重するタイプの、新しい学習方法の吟味・評価のためには、学生によるその方法の実践状況の分析が有意義であるだろうこと、また、それは、場合によっては教員の評価のパラダイムを変える力を持つだろうことなどが予測された。なお、本報告は、文科省科学研究費補助金「高等教育改革のコミュニケーション分析-現場における文化変容の質的検討-」(基盤研究(B)、 課題番号 18330105、研究代表者:樫田美雄)ほかによる研究成果の一部である。
著者
島田 拓 臺丸谷 政志 小林 秀敏 藤木 裕行 シレガル ラクマド・アリフ
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
年次大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2004, pp.193-194, 2004

This paper is concerned with the tensile strength and strain rate of concrete materials by means of the experimental method of reflected tensile stress waves. The experiment is conducted by the Hopkinson bar technique and it is based on the superposition and concentration of tensile stress waves reflected both from the free ends of a striking bar and a specimen bar. The impact tensile experiment for concrete materials was carried out and the tensile strength of concrete under impact loadings was discussed as well as the effect of strain rates. This study is focused on the measurement of strain rates using both strain gages and crack gages. It is found that the impact tensile strength of concrete is remarkably influenced by strain rates ranging from 10^0 to 10^2 sec^<-1>.
著者
森山 浩志 島田 和幸
雑誌
Facial nerve research (ISSN:0914790X)
巻号頁・発行日
vol.29, pp.31-33, 2010-01-18
参考文献数
5
被引用文献数
1
著者
島田 和幸
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータビジョンとイメージメディア(CVIM) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.66, pp.129-131, 2003-07-03
被引用文献数
1

顔に関するその関心度は近年急激に高まってきていて,今後はさらに医学,工学系および人文社会学系の研究者による総合的でかつ学際的な研究がなされる分野であると思われる。今回,もう一度原点に戻りヒトの表情筋の形態,機能について解説する。Description of the each human facial muscles and its expression.
著者
島田 一雄 若林 良二 鈴木 弘 武藤 憲司 浅井 紀久夫 結城 皖曠 近藤 喜美夫 田中 健二 渡辺 正子 美濃 導彦
出版者
東京都立航空工業高等専門学校
雑誌
研究紀要 (ISSN:03871355)
巻号頁・発行日
vol.35, pp.47-69, 1998-09

現在, 国内の大学, 高専等の高等教育機関が教育・研究に利用しているディジタル衛星通信システムは, 自主的に組織されたUnSAT(University's Joint Study Group for Digital Satellite Communications)と文部省が推進しているSCS(Space Collaboration System)の2つに分けられる.本論文では, 平成9年5月と10月に航空高専で開催された「高等技術教育フォーラム'97」と「第5回衛星設計コンテスト最終審査会」をUnSATとSCSの接続により, 終日, 全国の高等教育機関に配信する実験を行った結果をまとめたものである.最初にUnSATとSCSの概要を述べ, 続いてフォーラムの内容, 予備実験と本実験について述べる.さらに, コンテストの内容ならびに配信実験について述べる.次いで, 両実験の参加者へのアンケート調査で得られた主観評価結果を示す.さらに, 1ホップと2ホップの場合の画像劣化の比較を行うために試みたフォーラムの際に得られた画像の客観評価の結果についても言及する.最後に考察を行い, 問題点の分析ならびに解決の指針を示し, 衛星通信の教育利用に対する知見を示す.
著者
安藤 芳明 亀山 邦夫 唐島田 隆
出版者
Japanese Society for Food Hygiene and Safety
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.16, no.4, pp.258-263_1, 1975
被引用文献数
4

グリシンは5%の高濃度においてもボツリヌスA, B, E各型菌芽胞の発芽を完全に阻害することはできないが, 発芽後の outgrowth をE型に対しては2%で, AおよびB型に対しては5%で完全に阻止した. 複雑な培地 (BHIおよびTPG) における培養実験の結果では, 生育を完全に抑制するグリシンの濃度は, E型菌ではpH 6.0において0.5%, pH 7.2において2%であるが, AおよびB型菌では培地のpHに関係なく5%であった. グリシンと市販許可濃度以下の亜硝酸ナトリウムまたはソルビン酸との併用による相乗効果はほとんど認められなかった.
著者
藤木 大介 若杉 佳彦 楞野 祥子 岩本 理沙 島田 英昭
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
vol.88, no.4, pp.390-395, 2017
被引用文献数
2

<p>When reading narratives, readers infer the emotions of characters and empathize with them. Emphathic responses can be parallel or reactive. This study, based on the dual-process theory, investigated which emotional responses (i.e., emotion inference, parallel response, or reactive response) in reading are caused by system 1 (unconscious, implicit, automatic, low-effort process) and which depend on system 2 (conscious, explicit, controlled, high-effort process). As cognitive load affects responses influenced by system 2, the effects of working memory load on reading were examined. Participants were divided into two groups based on working memory capacity, and instructed to read narratives under a dual-tasks situation similar to the reading span test. The results revealed no effect of cognitive load on inference of characters' emotions. However, additional load did affect both types of empathic responses in the low-capacity group. Further, when cognitive load was low, emotion inference correlated with both empathic responses. These results indicate that emotion inference is an automatic process, whereas empathic responses are controlled processes.</p>
著者
蒲生 容仁 島田 彌
出版者
Japanese Society for Engineering Education
雑誌
工業教育 (ISSN:18839002)
巻号頁・発行日
vol.40, no.4, pp.124-131, 1992

近年,企業は技術革新による産業構造・社会構造の急激な変化への対応,および環境保全を始めとする,社会の地球規模での調和と永続への貢献を強く求められている。これに対応するため,各企業とも,高度かつ広範な技術と,広い視野を持った技術者の育成に注力しており,また教育の産学協力のあり方についても,官民共同で検討が進められている。<BR>本稿では,筆者等の企業内教育,および大学での非常勤講師の経験から見た,若者の特徴の把握をべースにして,企業における技術者教育の現状と,とくに技術者の自発的意欲の喚起に注目した今後の課題について記述する。併せて,大学等による技術者教育に対する期待についても述べることにする。
著者
島田三恵子
雑誌
小児科臨床
巻号頁・発行日
vol.46, no.4, pp.246-270, 1993
被引用文献数
1
著者
深井 原 島田 慎吾 若山 顕治 嶋村 剛 山下 健一郎 藤堂 省 武冨 紹信
出版者
一般社団法人 日本臓器保存生物医学会
雑誌
Organ Biology (ISSN:13405152)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.176-180, 2013-07-10 (Released:2014-11-26)
参考文献数
17
被引用文献数
1

Extended criteria donor(ECD)グラフトの安全な利用のために,新しい臓器修復,保存法の実用化が求められている.単純冷保存に対する臓器灌流の優位性は腎移植,肝移植で示された.心停止グラフトは,摘出後ただちに酸素化灌流すれば灌流温度によらず修復されるが,灌流前に冷保存が加わると修復されがたい.本稿では,腎臓,肝臓の単純冷保存と臓器灌流の知見を整理し,実用性の高い方法論を確立するために克服しなければならない課題を明らかにすることを目的とする.
著者
太田 智 遠藤 朋子 島田 武彦 藤井 浩 清水 徳朗 國賀 武 吉岡 照高 根角 博久 吉田 俊雄 大村 三男
出版者
一般社団法人 園芸学会
雑誌
Journal of the Japanese Society for Horticultural Science (ISSN:18823351)
巻号頁・発行日
vol.80, no.3, pp.295-307, 2011
被引用文献数
9

カンキツトリステザウイルス(CTV)は,カンキツに重大な被害を引き起こす重要病害の一つである.カンキツ属との交雑が可能であるカラタチ[<i>Poncirus trifoliata</i>(L.)Raf.]は,広範な CTV の系統に対して抵抗性を示す.これまでに,カラタチの CTV 抵抗性をカンキツ属に導入するために育種計画が実行され,中間母本が育成されたことで,経済品種の作出に道が開かれてきた.本研究では,マーカー選抜により効率的に CTV 抵抗性をカンキツ属に導入できるように,CTV 抵抗性に連鎖した 4 つの DNA 選抜マーカーおよび各連鎖群上のカラタチの対立遺伝子を識別する 46 のマーカーを開発した.CTV 抵抗性連鎖マーカー 4 つのうち,1 つは共優性マーカーである Single Nucleotide Polymorphism マーカーで,3 つは優性マーカーの Sequence Tagged Site マーカーであった.これら全てのマーカーで,2.8%の例外を除き,後代における CTV 抵抗性・感受性とマーカーの有無とが一致した.さらに,これらのマーカーは高度にカラタチ特異的であり,検定したカンキツ属 35 の全品種・系統に対して適応可能であった.カラタチ由来の対立遺伝子を排除するための判別マーカーでは,46 のうち 9 マーカーが CTV 抵抗性の座乗する第 2 連鎖群に位置した.また,他の 31 マーカーを残りの 8 連鎖群におくことができた.これらのマーカーは,カンキツ属 35 品種・系統のうち少なくとも 1 つ以上の品種・系統に対し,カラタチ由来の対立遺伝子を識別することができた.本研究で開発されたプライマーセットは,戻し交雑により CTV 抵抗性を様々なカンキツ属系統に導入するためのマーカー選抜に利用可能と考えられた.<br>
著者
髙原 由衣 佐藤 公美 竹山 孝明 坂本 幸 青木 俊仁 伊藤 美幸 池田 美穂 田上 真希 吉田 充嬉 岡田 規秀 宇高 二良 島田 亜紀 武田 憲昭
出版者
日本音声言語医学会
雑誌
音声言語医学 (ISSN:00302813)
巻号頁・発行日
vol.58, no.4, pp.326-332, 2017 (Released:2017-10-20)
参考文献数
12
被引用文献数
1

小中学校の耳鼻咽喉科定期健康診断を受診した1384名について,嗄声の出現率とスポーツ活動との関連を検討した.嗄声の出現率は,女児(5.2%)に比べて男児(17.7%)が高く,男児は小学校3年生まで高く4年生以降に減少し,女児は小学校2年生まで高く以降減少したが中学校2,3年生では高かった.小学校の高学年ではスポーツ活動を行っていない児童(男児4.9%,女児0.6%)に比べて,スポーツ活動を行っている児童(男児21.2%,女児5.8%)は嗄声の出現率が有意に高かった.スポーツの種類と嗄声とのオッズ比は,男児の小学校低学年の野球が2.88,小学校高学年でサッカー2.29,野球2.92で高く,強い声門閉鎖を伴う屋外の団体スポーツであることが要因と考えられた.小学校の男児に野球やサッカーを行わせる場合には,声の衛生を行い嗄声の予防が必要である.中学生は,対象者を増やして再検討が必要である.
著者
井上 聡大 羅 武輝 森山 紗好 平島 剛 島田 英樹 笹木 圭子
出版者
一般社団法人 資源・素材学会
雑誌
Journal of MMIJ (ISSN:18816118)
巻号頁・発行日
vol.133, no.10, pp.235-240, 2017-10-01 (Released:2017-10-14)
参考文献数
28

Fukushima Dai-ichi Nuclear Power Plant (FDNPP) accident produced much amount of radioactively contaminated water at the Great East Japan Earthquake. 137Cs and 90Sr have been focused to remove from the contaminated water using zeolite types of adsorbents. Other radionuclides have been treated and removed separately by Advanced Liquid Processing System (ALPS), where resin is used to immobilize anions. However, these kinds of spent-adsorbents are not suitable for long-terms burying because of its instability, and the representative anionic radionuclides (129I, 36Cl, 99mTc and 79Se) have quite long half-life (105-107 years). Montmorillonite (Mt) is an useful adsorbent because of its high chemical stability and large cationic exchange capacity. In the present work, surfactant modified Mt (OMt) has been developed using hexadecylpyridium chloride for adsorption of ClO4-, which is a surrogate of 99mTcO4-. For stabilization of spent-OMt, cement solidification was examined with varying the ratio of spent-OMt content. To evaluate its chemical and physical stability, soaking and compressive strength tests were conducted. As a result, it was revealed by FTIR and 29Si-NMR that with increase in OMt contents, the linkage of calcium silicate hydrate was more developed.