著者
川本 勝
雑誌
尚美学園大学総合政策研究紀要 = Bulletin of policy and management, Shobi University (ISSN:13463802)
巻号頁・発行日
vol.25, pp.23-35, 2014-10-31

東京証券取引所が公表しているTOPIX Core30の2013年のデータに限ったものではあるが、株式を、「局所的な極小値で買い、極大値で売る」事を繰り返せば、特別に株式投資の専門的知識を持たず、情報リテラシーの知識しかないような「素人」でも十分に利益を出せる事が解った。特に、このような売買を60回程度繰り返せば、その利益は投資した原資の2倍程度になる。また、取引手数料が無料なNISA業者を選んでNISA口座を作る事が、この手法の重要なポイントである。しかし、この調査結果が、東京証券取引所に上場している全ての企業について同様に当てはまるかどうかは、別途、検証が必要である。
著者
橋口 俊太 川本 裕子 城村 裕司 岡田 雅仁 田中 章景
出版者
一般社団法人 日本脳卒中学会
雑誌
脳卒中 (ISSN:09120726)
巻号頁・発行日
vol.38, no.4, pp.272-275, 2016 (Released:2016-07-25)
参考文献数
10
被引用文献数
1 1

症例は41 歳男性.亜急性に進行した頭痛と行動異常が認められ緊急入院となった.入院時は,意識清明だが高揚感があり,軽度認知機能障害と項部硬直を認めた.脳MRI で硬膜が肥厚しており,上矢状静脈洞にdelta sign も認めていたため,MRV を追加したところ上矢状静脈洞と右横静脈洞が描出不良であった.肥厚性硬膜炎に脳静脈洞血栓症を合併した病態と考え,ヘパリンを併用しながら大量ステロイド療法を施行した.臨床症状が改善したため,ステロイド剤と抗凝固薬の内服に切り替え,自宅退院となった.肥厚性硬膜炎の原因として明らかなものは認められず,特発性と診断した.脳静脈洞血栓症については,凝固亢進状態を来しうる先天性もしくは後天性の素因も認めず,硬膜肥厚により二次的な静脈洞の閉塞と還流障害が生じたものと考えた.両者の合併は稀であるが,脳静脈洞血栓症の原因として肥厚性硬膜炎も鑑別に挙げておく必要がある.
著者
脇本 宏平 川本 峻頌 張 培楠
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第34回全国大会(2020)
巻号頁・発行日
pp.4Rin170, 2020 (Released:2020-06-19)

インターネット広告領域では、広告制作物の大量生産の需要が高まっている。広告画像と広告文から構成されるバナー広告において、広告文はユーザーの興味を引き、商品の情報を伝え、商品のランディングページ(以下LP)へと誘導する重要な役割を担っている。現在、クリエイターは、LPの情報を元に広告文を制作しているが、これを大量に行うことは非常にコストが高い。そこで我々は、広告文生成の自動化を試みる。生成される広告文には、LPに記載されている商品に関する説明を反映させる必要がある。しかし、LPに記載されている説明文は、質、量共にばらつきが大きく、そのまま学習に用いるのは困難である。そこで本研究では、商品に関連する複数の重要な単語(キーワード)に基づき広告文を生成する手法を提案する。実際に配信された広告データを用いた実験を行い、適切な広告文が生成できることを確認した。
著者
川本 重雄
出版者
吉川弘文館
雑誌
日本歴史 (ISSN:03869164)
巻号頁・発行日
no.473, pp.p19-35, 1987-10
被引用文献数
3
著者
桑原 直巳 黒住 眞 川村 信三 夏秋 英房 川本 隆史 根占 献一 高祖 敏明 ウセレル アントニ 島村 絵里子
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2015-04-01

イエズス会の修道会としての特質は国家の枠を超える国際的視点にある。また、その人文主義的な教育、就中修辞学教育の伝統は、直面する社会的現実に対して柔軟に対応する体質をもたらしている。本研究の結果、こうしたイエズス会の特徴が多様な文化と対話する基本姿勢をもたらしていることが明らかになった。第二バチカン公会議以降の今日、イエズス会を中心とするカトリック系人文主義教育は、社会正義の強調という方向を打ち出している。この方向は、グローバル化が進展しつつあり、移民の増加、地球レベルでの経済格差の拡大といった問題に直面している現代社会に対して様々な示唆を与えることが明らかになった。
著者
竹島 俊一 清水 章 川本 豊 藤村 正哲
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.1089-1095, 1988-10-15

血清Ca濃度は臍帯血10.4〜11.0mg/dlと母体血より高い濃度を示すが,生後は母体からの供給が中止し,腸管での吸収がまだ不安定であり,腎での活性型ビタミンDの産生も低く,そのためCa濃度が低下し24〜48時間で最低となる.特に未熟児ではこの期間に病的に低下しやすい.また生後1〜2か月の間に低Caによって骨成長が障害される危険性が高い. Mgについて,まれな吸収不全の自験例を示すとともに,低Mgの原因,症状についてつけ加えた.
著者
浜田 隆士 奥谷 喬司 棚部 一成 出口 吉昭 福田 芳生 波部 忠重 平野 弘道 蟹江 康光 川本 信之 三上 進 小畠 郁生
出版者
日本貝類学会
雑誌
貝類学雑誌 (ISSN:00423580)
巻号頁・発行日
vol.37, no.3, pp.131-136, 1978

Progress and some results of the second rearing experiment of Nautilus macromphalus in Tokyo are described. The temperature controlling experiment is still applying to three extant individuals, that were supplied from New Caledonia last year through the courtesy of the ORSTOM in Noumea, and they are surviving for 222 days in captivity (May 14, 1978). Copulating behaviors are observed mostly in the waters of 17-19℃ in temperature but not in the cooler conditions. Shell growth at the apertural periphery was first measured to find that some individuals probably in a gerontic stage show no remarkable increment on one hand, the young specimens show 10-12 mm elongation per 100 days on the other. Recently the JECOLN also takes care of a living Nautilus pompilius that had been floated possibly from the Philippines along the Kuroshio Current over 2, 000 km and was captured by a fishing net set off Kawajiri, Kagoshima Prefecture in Kyushu, Southwest Japan.
著者
鈴木 克治 川本 思心
出版者
科学技術コミュニケーション教育研究部門 : CoSTEP
雑誌
CoSTEP研修科 年次報告書
巻号頁・発行日
vol.1, no.2, pp.1-9, 2017-03

「出生前診断を受けますか?」「原子力発電所は必要だと思いますか?」「遺伝子組み換えを導入した食品を購入しますか?」義務教育を終え、自立した個人として社会へ歩み出す15 歳の生徒たちは、これらの問題にどう答えるだろう。筆者は中学校の理科教師として、発展し続ける科学技術とそれに付随する社会問題について系統的に授業で扱い、トランスサイエンスに関する知識・思考力・判断力を育成する必要があると考えた。そこで本活動では、中学校の理科でトランスサイエンスをテーマにした授業を実際に行い、どのような内容や時数・時期・配慮事項などが必要かを検討した。結果として、取り上げたいテーマに関わりの深い教科書の内容を学習した直後に、ト ランスサイエンスの授業(トランスサイエンス授業)を行うことが生徒にとって課題の理解が容易であることが分かった。一方で、授業テーマによっては、生徒のプライバシーに関わる可能性があり、内容や使用する言葉について十分な検討が必要となった。そのため、授業準備に多くの時間が割かれ、頻繁にトランスサイエンス授業を行うことはできなかった。今後はより簡便にトランスサイエンス授業を行う方法を検討する必要がある。
著者
康 峪梅 川本 純 金田 幸 有留 究 櫻井 克年
出版者
DEEP OCEAN WATER APPLICATION SOCIETY
雑誌
海洋深層水研究 (ISSN:13458477)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.43-52, 2004-10-29 (Released:2010-06-28)
参考文献数
20

海洋深層水は新しい機能性資源として注目を集めている.今では, 水産物の養殖, 食品製造, 化粧品開発, 医療・健康や農業など様々な分野で利用されるようになり, 多くの成果が報告されている.しかし, その機能メカニズムは必ずしも十分に解明されていない.その原因の一つは微量元素を含む海洋深層水の基礎的性質の解明が欠如していることである.それゆえ, 本研究では生体中で過酸化を防止し, 免疫能力を高める微量元素セレンを取り上げ, 室戸海洋深層水のセレン特性にっいて検討を行なった.室戸海洋深層水の全セレン含量 (2.3±0.19nM) は表層水 (1.6±0.31nM) や河川水 (1.0-1.3nM) に比べて顕著に高いことが判った.溶存形態別にみると, 表層水や河川水でセレン酸イオンの割合 (>50%) が高いのに対して, 深層水ではセレン酸イオン, 亜セレン酸イオンと有機態セレンの割合がほぼ同レベルであった.表層水や河川水と比較して, 深層水の亜セレン酸イオンと有機態セレンの割合が高かった.海洋表層では亜セレン酸イオンが生物に選択的に吸収されるとの報告があり, そのために深層水で亜セレン酸イオン濃度が相対的に高くなっているのではないかと考えられる.また, 有機態セレンは分解されずに深層に沈降してくる生物遺体などに由来するものと推察される.1年間の変動を調べたところ, 深層水の全セレン濃度の変動 (変動係数, 8.6%) は表層水 (19.7%) より小さく, 比較的安定であった.深層水のセレンを粒径別にみると, 溶存態セレンが最も多く (64%), 続いて粒径>0.45μm (24%) と0.22-0.45μmの懸濁態 (12%) の順となり, 懸濁態の割合がかなり高いことが分かった.また, 粒径が大きくなるにつれて有機態画分のセレン含量が高くなるのに対し, セレン酸と亜セレン酸イオン含量はほとんど変化が認められなかった.これは深層水のpHが7.8と高いために, 無機態セレンが粒子に吸着されることなく, 溶存態で存在するためと考えられた.懸濁態の内訳は生物破片に含まれるセレンが55%, 無機粒子に含まれるセレンが45%を占め, いずれも細かい粒子に多く含まれていた.また, 溶存有機態セレンの約70%が遊離アミノ酸あるいはペプチドに含まれることが明らかになった.以上の結果より, 室戸海洋深層水のセレン特性は表層水や河川水と大きく異なることが明らかとなった.しかし, 他の海域の深層水と比較すると, セレンの濃度と形態は同様な傾向を示した.
著者
幸原 伸夫 川本 未知 石井 淳子 村瀬 翔
出版者
一般社団法人 日本臨床神経生理学会
雑誌
臨床神経生理学 (ISSN:13457101)
巻号頁・発行日
vol.44, no.1, pp.28-35, 2016-02-01 (Released:2017-03-01)
参考文献数
17

LEMSは非特異的な疲労感が主訴となることが多いが, 近位筋の筋力低下と腱反射の低下, 口渇を認める患者をみたときにはLEMSを疑う必要がある。診断は手筋のCMAP振幅低下を確認し, 筋収縮後のCMAP振幅の増大をみることで容易に行える。10秒間の筋収縮終了直後に電気刺激を加え, 60%以上の振幅増大を認めたときにはLEMSの可能性がきわめて高い。神経末端のP/Q型電位依存性Caイオンチャンネルに対する抗体の存在が本症候群の原因であり, 陽性率は約90%である。対症療法として抗コリンエステラーゼ剤のほか3,4ジアミノピリジン (3,4 DAP) が有用である。悪性腫瘍を伴う場合は原因治療および免疫治療が, 伴わない場合は対症療法を中心として長期のフォローアップが重要である。
著者
中山 康博 川本 文彦 須藤 千春 中嶋 暉躬 安原 義 藤岡 寿 熊田 信夫
出版者
The Japan Society of Medical Entomology and Zoology
雑誌
衛生動物 (ISSN:04247086)
巻号頁・発行日
vol.36, no.4, pp.315-326, 1985-12-15 (Released:2016-09-02)
被引用文献数
8 10

蚊刺咬による皮膚反応の機構を解明する試みのひとつとして, 蚊の唾液腺に含まれる成分について分析した。アカイエカCulex pipiens pallensの唾液腺の粗抽出物およびその低分子画分(mol. wt. <6,000)は, 蚊に無感作のモルモット皮内で血管透過性を亢進した。O-phthalaldehyde法によりhistamine染色を行うと, Cx.pipiens pallensおよびAedes togoiの唾液腺全体に強い陽性反応が観察された。αおよびβナフチルアセテートを基質としてエステラーゼ染色を行ったところ, Cx. pipiens pallensの唾液全体に強い陽性反応が認められ, 一方, Ae. togoiおよびAe. albopictusでは比較的弱い反応が観察されたのみであった。Cx. pipiens pallensの唾液腺抽出物を用いたin vitro実験では, TAME, BTEEおよびATEEの加水分解, 血液凝固阻止活性および溶血活性は検出されなかった。イオン交換高速液体クロマトグラフィー分析では, Cx. pipiens pallensの唾液腺抽出物中にhistamine, putrescine, spermine, およびspermidineが検出されたが, serotoninは検出されなかった。
著者
辻本 暁正 鈴木 崇之 佐藤 愛子 寺井 里沙 高橋 史典 川本 諒 坪田 圭司 高見澤 俊樹 宮崎 真至
出版者
特定非営利活動法人 日本歯科保存学会
雑誌
日本歯科保存学雑誌 (ISSN:03872343)
巻号頁・発行日
vol.57, no.2, pp.162-169, 2014 (Released:2014-05-07)
参考文献数
26

目的 : 光重合型コンポジットレジン (光重合型レジン) 修復の臨床応用範囲の拡大に伴って, 大型窩洞に対して一括で充塡できるバルクフィルコンポジットレジンが開発され, 臨床応用されている. しかし, このカテゴリーに属するコンポジットレジンの市販から間もないこともあり, これらの機械的諸性質に関する情報は少ないのが現状である. そこで, バルクフィルコンポジットレジンの機械的諸性質について, 市販されているコンポジットレジンと比較, 検討した. 材料と方法 : 供試した光重合型レジンは, バルクフィルレジンとしてTetric N-Ceram Bulk Fill (Ivoclar Vivadent) およびSDR (Dentsply DeTrey), ユニバーサルコンポジットレジンとしてTetric N-Ceram (Ivoclar Vivadent) およびEsthet・X HD (Dentsply DeTrey), フロアブルコンポジットレジンとしてTetric N-Flow (Ivoclar Vivadent) の合計5製品を用いた. これらの光重合型レジンについて, 硬化深さ, 無機フィラー含有量, 曲げ強さおよび曲げ弾性率および体積重合収縮率を, 通法に従って測定した. また, 供試した光重合型レジンのフィラー性状について, フィールドエミッション型SEMを用いて加速電圧10kVの条件で観察した. 成績 : バルクフィルレジンの硬化深さは, 3.42~4.27mmであり, その値は製品により異なるものの, 市販の光重合型レジンと比較して有意に高い値を示した. 供試した光重合型レジンの無機質フィラー含有量は60.3~77.5wt%であり, ペーストタイプの光重合型レジンがフロアブルタイプのものと比較して有意に高い値を示した. バルクフィルレジンの曲げ強さは123.3~127.5MPaおよび曲げ弾性率は7.0~8.0GPaであり, その値は製品により異なるものであった. バルクフィルコンポジットレジンの照射開始180秒後の体積重合収縮率は, 2.12~2.23vol%であり, ユニバーサルコンポジットレジンより大きく, フロアブルコンポジットレジンより小さい値を示した. 結論 : 本実験の結果から, バルクフィルコンポジットレジンは, 市販の光重合型レジンと比較して, その硬化深さの値が大きくなっているとともに機械的強度も同等あるいはそれ以上であった. したがって, これらのバルクフィルコンポジットレジンは, 今後の光重合型レジン開発の一つの方向性になるものと考えられた.
著者
川本 芳 白井 啓 荒木 伸一 前野 恭子
出版者
Primate Society of Japan
雑誌
霊長類研究 (ISSN:09124047)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.53-60, 1999 (Released:2009-09-07)
参考文献数
18
被引用文献数
11 11

An adult male captured at Nakatsu village, Wakayama Prefecture, was identified as an interspecific hybrid between the Japanese and Taiwan macaques. Electrophoretic analysis of diagnostic blood proteins (adenosine deaminase, ADA; NADH-dependent diaphorase, DIA; transferrin TF) strongly supported the occurrence of hybridization between native Japanese macaques and artificially introduced Taiwan macaques in the prefecture. The male had a Taiwanese-like mitochondrial DNA. This suggested that the hybrid resulted from a mating between an immigrant male of Japanese macaque and a group-member, female Taiwanese macaque in the northern area of the Arida River.
著者
篠原 隆 川本 康裕 柳田 藤寿
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.93, no.3, pp.215-223, 1998-03-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
22

1.ワイン酵母(S.cerevisiae)の有する三種のグリコシダーゼ活性をYM培地,ブドウ果汁培地および栄養源補添ブドウ果汁培地により培養して測定した。供試酵母は25℃で2日間培養した後,あるいは対数増殖期と定常期に集菌し,pH5,0およびpH3.5にて合成基質と反応させて活性を求めた。2.YM培地による培養の場合,供試105株のβ-グルコシダーゼ活性は,pH5.0において159-1539nmolであったが,pH3.5の場合に70-817nmolであり,本酵素活性の低下が示された。供試20株におけるα-アラビノシダーゼおよびα-ラムノシダーゼ活性は,それぞれユ2-53(pH5.0), 9-80(pH3.5)nmolおよび2-24(pH5.0), 1-29(pH3.5)nmolであった。これらのグリコシダーゼ活性は菌株およびpHにより変動が認められたが,いずれも低活性であった。3.ブドウ果汁で培養した場合,βブルコシダーゼ活性は,対数増殖期の菌体が定常期の場合より高活性の傾向であった。しかし,その対数増殖期の活性は, 66-318nmol,pH5.0および19-307nmol,pH3.5であり,低活性であった。また,培養上清液のβ-グルコシダーゼ活性について,対数増殖期および定常期において4-35μU/mlおよび1-10μU/mlと極めて低活性であった。4.ブドウ果汁培地への栄養源補添の効果が,一部の菌株について示されたが,そのグリコシダーゼ活性は低いレベルにとどまった。5.ネオマスカットブドウを用いた試験醸造を1995年度および1996年度に実施した。酵母区について,そのワイン中のテルペノール濃度は果汁より0.2-0.4mg/l増加したが,菌株間の差異が0.1mg/l以下であり,供試ワイン酵母のグリコシダーゼがテルペノール生成に及ぼす効果は小さいと推定した。一方,酵素区ではテルペノールが明確に増加しており,その増加量が0.7-1.6mg/lであった。また,供試ブドウ果汁中には有意のテルペノール配糖体の存在することが示された。最後に,本研究遂行に当たりご助言を賜りました本研究施設高柳勉博士に感謝いたします。また,酵素標品をご提供下さいました明治製菓(株)生物科学研究所高野敏明氏に感謝いたします。
著者
川本 進也 陳 莉薇 祝田 靖 古川 智洋
出版者
一般社団法人 日本透析医学会
雑誌
日本透析医学会雑誌 (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.40, no.5, pp.429-433, 2007-05-28 (Released:2008-11-07)
参考文献数
12
被引用文献数
1

症例 : 82歳, 女性. 現病歴 : 1998年に当院で血液透析を導入され他院にて通院透析中であった. 2006年4月17日より右眼瞼に発疹, 疼痛が出現し近医皮膚科で帯状疱疹と診断. 透析患者であるためアシクロビル軟膏で対処されるも疼痛我慢できず21日再診. 透析担当医と相談の上バラシクロビル1,000mg毎透析終了時で処方され内服. 翌日午前より歩行障害, 呂律障害, せん妄を認め当院救急外来受診. 血圧168/62mmHg, 体重30kg, 意識障害, せん妄を認めた. 頭部CT・MRI, 髄液検査, SPECT, 脳波などで脳血管障害, ヘルペス脳炎などを鑑別, 除外した上で, アシクロビル脳症と診断. 直ちにバラシクロビルを中止し血液透析を施行. 計4回の透析で症状は完全に消失し退院した. 結語 : バラシクロビルは透析患者推奨投与量においても小柄な高齢患者では神経症状を呈しうる. 体格, 年齢も考慮した上での薬物投与が必要と考えられた. 日本人透析患者への推奨投与量はこれまでの添付文書記載量よりさらに減量した量 (250mg/日) が妥当と考えられた.