著者
秋田谷 英次 成田 英器 小林 俊一 和泉 薫 対馬 勝年 石坂 雅昭 楽 鵬飛
出版者
北海道大学
雑誌
低温科学. 物理篇 (ISSN:04393538)
巻号頁・発行日
vol.52, pp.51-61, 1994-03
被引用文献数
2

中国黒竜江省は冬期の降水は少なく寒冷な気候帯にある。現地で冬期間の気象観測,さらに3月には積雪調査と道路状況を視察した。その結果次の事が明かとなった。積雪が少なく寒冷なため,積雪はしもざらめ雪の発達が著しい。また,しもざらめ雪は結合力が弱いため,いったん堆積した雪が強風下で大陸性地吹雪と呼ばれる吹雪となる。この吹雪が堆積すると寒冷な気象の下で硬しもざらめ雪を形成する。近年,中国では道路交通の重要性が増したが,道路の維持管理や車の性能が冬道には不十分である。そのため,道路上の吹き溜りは量が少なくて大きな交通障害となったり,大事故の恐れがある。その対策には吹き溜り防止工,道路の維持管理および車の冬期装備を考慮しなければならない。
著者
磯部 由香 森岡 めぐみ 成田 美代
出版者
三重大学教育学部
雑誌
三重大学教育学部研究紀要 (ISSN:18802419)
巻号頁・発行日
vol.58, pp.1-4, 2007

アントシアニン系色素のシアニジン-3-グルコシド(Cy-3-Glc)およびタンニンの二種類以上の色素を有する有色米である「赤混黒米(あかまじりくろまい)」から色素を抽出し、その安定性について検討を行った。赤混黒米から抽出した色素は、pHが低く、加熱時間が短く、加熱温度が低いほど安定であった。酸、糖、金属イオンの色調に対する影響を調べたところ、金属イオン添加時の色調の変化が最も大きかった。また、紫外線5時間照射に対しては変化が見られなかった。
著者
磯部 由香 森岡 めぐみ 寺原 典彦 小宮 孝志 成田 美代
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.39, no.4, pp.247-250, 2006

Yuka Isobe Megumi Morioka Norihiko Terahara Takashi Komiya Miyo Narita The antioxidative activity of the crude pigment extracted from akamajiri-kuromai colored rice was measured by its suppressive activity toward the oxidation of linoleic acid, DPPH radical-scavenging activity, and OH radicalscavenging activity. The pigment extracted from akamajiri-kuromai exhibited higher antioxidative activity than the pigment extracted from red rice and black rice. The pigment of akamajiri-kuromai contained two components: the one fractionated from butanol was identified as Cy 3-Glc by HPLC and <sup>1</sup>H-NMR analyses, and the one fractionated from ethyl acetate seemed to be tannin.
著者
上垣 隆一 殷 煕洙 桑原 雅彦 石井 康雄 小原 裕三 上路 雅子 中村 幸二 成田 伊都美
出版者
[日本食品衛生学会]
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.42, no.2, pp.154-158, 2001-04-25
被引用文献数
2 2

生茶葉と荒茶,及び荒茶の湯抽出液中から検出されるダイオキシン類の濃度を明らかにした.生茶から荒茶を製造する過程で乾物率は4倍増加したが,茶葉中のダイオキシン類の濃度(生葉で 0.048~0.48 pg-TEQ/g,荒茶で 0.14~0.82 pg-TEQ/g)は約2~3倍の増加で,茶葉の乾物率の増加よりも低い値を示した.また,荒茶の湯抽出液中でのダイオキシン類濃度はN.D.~0.00006 pg-TEQ/g であった.生茶と荒茶のダイオキシン類異性体の組成を比較すると,荒茶ではO<sub>8</sub>CDDを除く全異性体が減少した.
著者
成田 拓也 鈴木 良平 石渡 利奈 井上 剛伸 鎌田 実 矢尾板 仁
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第22回全国大会(2008)
巻号頁・発行日
pp.398, 2008 (Released:2009-07-31)

認知症者は,短期記憶障害のために予定を覚えておくことができず,同じ質問を頻回に繰り返す場合がある.本研究では,グループホームでの参与観察により,スケジュールに関わる記憶の問題を分析し,支援機器開発の課題(ニーズ,理解・注意の制約)を抽出した.機器のプロトタイプを作成し,発話・行動分析から,記憶を補うスケジュール呈示手法を探索した結果,提案手法により,頻回な質問が減少し,行動決定が可能になった.
著者
仲野 正博 松嵜 理登 成田 伸太郎 渡辺 淳一 森川 弘史 村田 浩克 小田 裕之 小松 秀樹
出版者
社団法人日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科學會雜誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.96, no.1, pp.11-16, 2005-01-20
被引用文献数
1 3

(目的)恥骨後式前立腺全摘除術における硬膜外麻酔併用腰椎麻酔(硬麻併用腰椎麻酔)の有用性を検討した.(対象と方法)2003年7月より2004年2月までの間に硬麻併用腰椎麻酔下恥骨後式前立腺全摘除術を施行した連続した20例を対象とした. 2002年4月より同年12月までの間に硬膜外麻酔併用全身麻酔(硬麻併用全身麻酔)下恥骨後式前立腺全摘除術を施行した連続した20例と比較した.純粋な麻酔による影響のみを検討するために,術中合併症のあった症例が含まれない様に期間を設定した.手術は全例,同一術者が行った.(結果)出血量は,硬麻併用腰椎麻酔下群の方が有意に少なかった(p=0.024).術後平均飲水開始日は,硬麻併用腰椎麻酔下群は0.4日,硬麻併用全身麻酔下群は1.1日であった(p<0.0001).術後平均食事開始日は,硬麻併用腰椎麻酔下群はO.7日,硬麻併用全身麻酔下群は1.5日であった(p<0.0001).術中平均血圧の最高値は硬麻併用腰椎麻酔下群の方が有意に低かった(p=0.002).(結論)硬麻併用腰椎麻酔下前立腺全摘除術は,硬麻併用全身麻酔下前立腺全摘除術と比較して術中の出血量が少なく,血圧変動が小さかった.また,術後腸蠕動の回復が早かった.硬麻併用腰椎麻酔下前立腺全摘除術は,術中出血量の減少と術後早期回復が期待でき,全身麻酔関連の合併症が予防できることなどから硬麻併用全身麻酔下前立腺全摘徐術より利点が多いと考える.
著者
藤井 理行 本山 秀明 成田 英器 新堀 邦夫 東 信彦 田中 洋一 宮原 盛厚 高橋 昭好 渡辺 興亜 Yoshiyuki Fujii Hideaki Motoyama Hideki Narita Kunio Shinbori Nobuhiko Azuma Yoiti Tanaka Moriatsu Miyahara Akiyoshi Takahashi Okitsugu Watanabe
雑誌
南極資料 = Antarctic Record (ISSN:00857289)
巻号頁・発行日
vol.34, no.3, pp.303-345, 1990-11

南極氷床のドーム頂上での深層コア掘削計画(ドーム計画)の準備の一環として, 1988年から掘削装置の開発を進めている。本報告は, 2年間の基礎開発段階における研究と実験の結果をまとめたもので, 今後の実用機開発段階を前にした深層掘削機開発の中間報告である。掘削方式としては, 消費電力が少なく, 装置の規模が小さいエレクトロメカニカル方式を採用することとし, 効率の良いドリルをめざし, 切削チップの輸送・処理・回収機構, 切削機構, アンチトルク機構, センサー信号処理と掘削制御機構など各部の検討, 実験を進めた。特に, 液封型のメカニカルドリルの最も重要な切削チップの処理機構では, A型からE型までの方式を比較実験し, A型とC型が優れた方式であることが分かった。国内および南極での実験を通じ, ドリル主要機構の諸課題が解決され, 実用機開発にめどが立った。A deep ice coring system, which is to be used a top the Queen Maud Land ice sheet in 1994-1995 with a plan named "Dome Project", has been developed since 1988. A mechanical system was adopted because of its less power consumption and smaller size compared with a thermal system. Experiments were done for mechanisms of ice cutting, chip transportation, chip storage, antitorque, monitoring sensors, and winch control with a 20-m drill experiment tower. Experiments were also done in Antarctica. This is an interim report of the development of the JARE deep ice coring system.
著者
齋藤 いずみ 遠藤 紀美恵 笹木 葉子 坂梨 薫 成田 伸 水流 聡子
出版者
北海道医療大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2004

目的:分娩時の看護人員配置の現状を把握し、根拠に基づく安全と質の保証された看護人員配置にするために、以下の4病院の分娩基礎データを収集した。地方の複数病院の分娩を集約化した公立病院の産科、専門特化した大規模産科病院2施設、混合科が進む産科の計4病院において、2003年1年間の全分娩事例約2500事例を調査した。文部科学省疫学研究の倫理指針に基づき実施した。方法:カルテ、分娩記録、助産録などからデータべースを作成し、月別・曜日別分娩数、曜日別入院数、曜日別異常分娩数、曜日別母体搬送数、曜日別緊急帝王切開数、曜日別児の体重別出生数、曜日別妊娠集数別出生数など、24時間分布としては分娩数、入院数、緊急帝王切開数、母体搬送数などを調査した。結果:月別分娩数は特に有意な差は見られなかった。曜日別分析:曜日別分娩数はハッピーマンデイ政策などにより、週の中盤に分娩が集中し、有意に人手の少ない週末は少なかった。妊娠週数の早い32週以前の分娩、出生体重1500g未満の異常分娩では、母体と児の安全のために週末に意思決定するためか金曜日に分娩が有意に高かった。特に母体搬送、緊急帝王切開では金曜日に高かった。曜日別時刻別分析では金曜日の午後から夕方までの時間帯に緊急帝王切開や分娩のリスクが高い分娩が多いことが明らかになった。24時間分布別分析:時刻別分析では、管理分娩の傾向が高い施設では日勤帯の分娩が多く、自然分娩が多く介入の少ない施設では24時間に分布していることが、統計的にも明らかになった。緊急帝王切開は人手のいない夜間帯にも少なくない現状である。考察及び課題科学的根拠に基づく分娩時の看護人員配置のデータとして非常に有益と思われる。また金曜日の午後から緊急性の高い児の出生や帝王切開が行われることは産科のみならず、NICUにも本情報を共有することが重要である。NICU の実態調査も必要性が高いと思われる。
著者
森山 正和 宮崎 ひろ志 吉田 篤正 竹林 英樹 足永 靖信 成田 健一 依田 浩敏 土井 正一
出版者
一般社団法人日本建築学会
雑誌
日本建築学会技術報告集 (ISSN:13419463)
巻号頁・発行日
no.15, pp.199-202, 2002-06-20
被引用文献数
2

The thermal environments of the three types of urban blocks were observed on the street in Osaka in the summer season. Air temperature and surface temperature of each urban block were high in comparison with Osaka Castle Park. Temperature differences of urban blocks in the daytime were bigger than those in the early morning. MRT was influenced by the sky and green cover ratio strongly, and in the street whose sky cover ratio was small that it was surrounded by a high-rise building MRT became small. And in the street whose green cover ratio was big by the street trees MRT was small compared with other streets. SET each urban block takes the influence of MRT strongly, SET of small, and it was improved as a thermal environment because the comparatively big amount of ventilation was secured in the street whose width was big like OBP (Osaka Business Park) in the daytime.
著者
前田 光一 喜多 英二 澤木 政好 三笠 桂一 古西 満 森 啓 坂本 正洋 辻本 正之 竹内 章治 濱田 薫 国松 幹和 奥 大介 樫葉 周三 成田 亘啓
出版者
The Japanese Association for Infectious Diseases
雑誌
感染症学雑誌 (ISSN:03875911)
巻号頁・発行日
vol.68, no.10, pp.1223-1228, 1994

ムチン様glycoproteinを産生するIshikawa細胞の培養系を用いて緑膿菌の温度感受性 (Ts) 変異株によるバイオフィルムモデルを作成し, エリスロマイシン (EM) のバイオフィルム形成抑制効果を検討した.本細胞培養系において緑膿菌Ts変異株は培養開始10日目で通常約40個/well前後のmicrocolony (バイオフィルム) を形成したが, EMは0.2μg/mlの濃度から細胞への菌付着およびバイオフィルム形成を抑制し得た.この系の培養上清中のglycoprotein量は1μg/ml以上のEM濃度で, またelastase, exoenzymeA量は2μg/ml以上のEM濃度で抑制された.以上から細胞培養系での緑膿菌によるバイオフィルム形成抑制効果がEMに存在することが示唆された.また菌体外酵素産生を抑制するEM濃度以下でバイオフィルム形成抑制およびIshikawa細胞からのglycoprotein産生抑制がみられたことから, EMのバイオフィルム抑制効果は細胞側因子への作用の関与がより大きいものと考えられた.
著者
三上 岳彦 成田 健一
出版者
首都大学東京
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

緑地規模や土地被覆構成と緑地内の気温低下量との関係を明らかにするために、2006年夏季に都内11箇所の公園緑地(対象の緑地は皇居、明治神宮と代々木公園、新宿御苑、自然教育園、小石川植物園、小石川後楽園、芝公園、戸山公園、六義園、新宿区立甘泉園公園、港区立有栖川宮記念公園)にて気温の長期連続観測を行った。その結果、以下の成果が得られた。1.都内の主要な緑地における連続的な気温観測記録を得た。それにより、夏季の緑地内外の気温差は最大で5℃に達するほどであることなど、都市内緑地の熱環境緩和効果が明らかになった。2.緑地内外の気温差は、緑地総面積や樹林面積の対数に近似される曲線で近似できることが分かった。このことは、都市内緑地の熱環境緩和効果を論じるうえで近年課題となっているSLOSS(Single large or several small)問題に答えたことになる。また、緑地内の樹林面積と樹林率からなる、公園緑地における気温低下量を説明できる指標を提案した。3.高時間分解能での観測を生かし、時刻ごとに公園の土地被覆構成と気温低下量との関係を表す重回帰式から、どのような土地被覆構成要素がどの時間帯にどの程度の熱的効果(気温低下量への寄与の大きさ)を持っているのかを明らかにした。
著者
成田 正夫
出版者
[出版者不明]
巻号頁・発行日
2008-02

制度:新 ; 文部省報告番号:乙2149号 ; 学位の種類:博士(工学) ; 授与年月日:2008/2/25 ; 早大学位記番号:新4715
著者
成田 智哉
出版者
利府町立菅谷台小学校
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2014-04-01

○研究目的2012年度に開発した簡易で持ち運び可能な鉢等を利用したバタフライガーデン学校キット(以下BGSK)」は, 勤務町内の全小学校及び県内の小中学校計16校で活用された。企図する時期に卵付き苗を配布可能にすることで, 実物を用いた児童の観察機会を更に多くしたり, ICTを活用して児童の精密な観察眼を育成する授業プログラムを開発したりすることが本研究の目的であった。○研究方法1 BGSKを活用してチョウの蛹を前年度に確保し, 次年度羽化させた成虫を飼育し, 効率的に産卵させる方法を検討した。実物の活用とICTの活用を融合させながら, 児童にチョウの生活環や形態・生態等をとらえさせ, 精密な観察眼を育成する授業プログラムを開発し, 実践を通してその有効性を検討した。○研究成果1 BGSKを活用して, 前年度の晩秋にモンシロチョウの蛹を確保した。翌春羽化した成虫を飼育し, 産卵させる方法を検討した結果, 狭小な網製の飼育容器内で, モンシロチョウが交尾し, 食草に多数産卵させることができた。このことにより卵付き苗の配付が可能になるとともに, BGSKの周年活用のサイクルが出来上がった。2 児童の自然への関心を高め, 精密な観察眼が育成されることを期待して, 教員を対象としたBGSKの植栽方法や活用法の伝達を目的とした研修会を開催した。このことにより, 多くの児童に卵や幼虫等の実物, 及び羽化の瞬間を観察させることができた。また, 生物や自然への関心を高めることができた。3 モンシロチョウでの産卵方法をオオムラサキにも適用し, 複数産卵させることに成功した。そこで得た幼虫を用い, タブレッド端末や画像の無線転送装置を活用しながら, 互いの観察結果を共有する授業プログラムを開発した。