著者
成田 健造 中島 求 仙石 泰雄 本間 三和子 椿本 昇三 高木 英樹
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
体育学研究 (ISSN:04846710)
巻号頁・発行日
pp.17051, (Released:2018-06-15)
参考文献数
32
被引用文献数
2

The purpose of this study was to compare active drag during front-crawl swimming performed by competitive swimmers with passive drag acting on the same group of swimmers with a streamlined position at various velocities. Seven male competitive swimmers participated in this study, and the testing was conducted in a swimming flume. Active drag was evaluated for front-crawl swimming with upper and lower limb motion using a methodology that estimates the drag in swimming using measured residual thrust values (MRT method). Passive drag was measured by a load cell connected to the swimmers with a streamlined position using a stainless-steel wire. In each case, drag was estimated at six staged velocities ranging from 1.0 to 1.5 m/s. To compare the drags at various velocities, we calculated coefficients a and b by applying the measured force value at each velocity to the equation D = a vb (D: drag, v: velocity). The active drag estimated from the MRT method (a = 35.7 ± 5.3, b = 2.80 ± 0.22) was larger than passive drag (a = 23.6 ± 3.1, b = 2.08 ± 0.23). Furthermore, the difference between active and passive drag was large at high velocities. Therefore, it is possible that the effects of factors other than posture and/or body shape have a large influence on active drag, especially at high velocity.
著者
中村 光宏 成田 雄一郎 宮部 結城 松尾 幸憲 溝脇 尚志 則久 佳毅 高山 賢二 永田 靖 平岡 眞寛
出版者
一般社団法人 日本放射線腫瘍学会
雑誌
The Journal of JASTRO (ISSN:10409564)
巻号頁・発行日
vol.19, no.4, pp.263-271, 2007-12-25 (Released:2008-03-28)
参考文献数
27

【目的】本研究の目的は,四次元イメージング手法の 1 つで,放射線治療分野におけるターゲット動体評価で期待されている 4D-CTの物理学的評価を行うことである.【方法】4D-CTは外部から取得した撮影対象の呼吸信号と各寝台位置で連続的に取得したCT画像を関連付けることで構成される.呼吸信号はRPMシステム(Varian Medical Systems, Inc., Palo Alto, CA, USA)で取得し,模擬腫瘍ファントムを周期的に運動させるために三次元動体ファントムシステムを使用した.4D-CT画像解析を行うためのファントム実験を行い,画像上の体積,重心,形状及び平均CT値を測定した.CT画像上で模擬腫瘍ファントムを自動的に抽出するために,CT値で閾値を設定した.【結果】三次元動体ファントムシステムの周期やCT閾値をさまざまに変化させて解析を行った結果,画像上で測定される模擬腫瘍ファントムの体積や平均CT値はこれらのパラメータに大きく依存したが,重心変位や球形度への影響は非常に小さかった.4D-CT画像には,位相ずれが含まれていたが,そのずれは3D-CT画像よりも大きく軽減されていた.【結論】 4D-CT画像解析を行うためのファントム実験を行った.4D-CTを用いることで,放射線治療計画時における臓器の輪郭入力がより正確にできるだけでなく,これらの移動範囲も定量的に評価できるようになるため,その臨床的意義は大きい.
著者
石田 久美子 石田 裕 山縣 邦弘 小山 哲夫 成田 光陽
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.90, no.7, pp.1199-1206, 2001-07-10 (Released:2008-06-12)
参考文献数
10

成人では職域,地域で健診が実施されているが,学童と異なり,暫定診断,結果の集計まで含めたシステム化は行われていない.茨城県の健診結果では,血清クレアチニン(S-Cr)異常者は尿蛋白陽性者に多く,また,年代が高いほど多い.一方, S-Cr異常者の6割以上が尿検査で異常を認めない.腎機能予後は尿蛋白陽性群,高血圧群で悪い.軽度腎機能異常者は腎障害としての治療を受けていない者が多く,成人領域における管理システムの構築が望まれる.
著者
成田 暁 中谷 直樹 中村 智洋 土屋 菜歩 小暮 真奈 辻 一郎 寳澤 篤 富田 博秋
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.65, no.4, pp.157-163, 2018 (Released:2018-05-03)
参考文献数
18

目的 自然災害による身体的外傷がメンタルヘルスに与える影響に関する研究はこれまでにも報告されているが,軽度の身体的外傷においてもメンタルヘルスと関連するかはほとんど検証されていない。本研究は,東日本大震災に起因する軽度身体的外傷と心理的苦痛の関連を横断研究デザインにて検討することを目的とした。方法 宮城県七ヶ浜町と東北大学は,共同事業「七ヶ浜健康増進プロジェクト」において,東日本大震災後の町民の健康状態や生活状況を把握するための調査を実施している。本研究では,七ヶ浜健康増進プロジェクトが大震災から約1年後に行った調査に参加し,大震災に起因する外傷およびKessler 6項目心理的苦痛尺度(以下,K6)の全設問に回答した対象者のうち,20歳以上の男女3,844人(男性1,821人/女性2,023人)を解析対象とした。心理的苦痛(K6で24点満点中13点以上を「あり」,12点以下を「なし」と定義)を目的変数,身体的外傷の有無を説明変数とし,性,年齢,社会的要因,生活習慣を調整した多変量ロジスティック回帰分析を行った。軽度身体的外傷と心理的苦痛の関連について,震災被害(近親者の喪失,人の死の目撃,家屋損壊程度)のそれぞれで層別化した解析も併せて実施した。結果 身体的外傷なしの群に対し,ありの群における心理的苦痛の多変量調整済みオッズ比は2.05(1.26-3.34)と有意な正の関連を示した。また,軽度身体的外傷(「擦り傷」,「切り傷・刺し傷」,「打撲・捻挫」)なしの群に対し,ありの群における心理的苦痛の多変量調整済みオッズ比は2.18(1.32-3.59)と有意な正の関連を示した。家屋損壊程度に基づく層別化解析において,家屋が半壊以下であった群では4.01(2.03-7.93)と有意な関連を示したが,大規模半壊以上の群では両者の関連は有意でなく,家屋損壊程度と軽度身体的外傷の間に有意な交互作用が示された(P for interaction=0.03)。結論 東日本大震災の甚大な被害を受けた地域住民約4,000人を対象に,大震災に起因する身体的外傷と心理的苦痛の関連を検討した。その結果,大震災に起因する軽度身体的外傷と心理的苦痛の間に有意な正の関連が認められた。心理的苦痛のハイリスク者を同定する上で,軽度身体外傷を有する者についても考慮する必要がある。
著者
山田 悦 沖田 秀之 山田 武 平野 宗克 成田 貞夫
出版者
公益社団法人 日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.49, no.6, pp.419-422, 2000 (Released:2001-06-29)
参考文献数
18

銀はイオン状態のとき,大腸菌や細菌等を10μgl-1(10ppb)という極微量濃度で死滅させる効果があるため,プールや温泉では塩素系薬剤に代わって利用を拡大しつつあり,また銀系抗菌製品も開発されてきている。日本ではまだ銀の法規制はないが,適正な濃度での使用が必須であり,定量下限数ppbの銀の高感度簡易定量法が求められている。本研究では,ペルオキソ二硫酸カリウムによるMn(II)→Mn(VII)の酸化における銀の触媒作用を利用した高感度定量法を開発し,水道水,井戸水及び温泉水などの銀イオンの測定に適用した。本法の定量限界は1ppbと高感度で,銀80ng,5回測定の相対標準偏差が0.9%と再現性も良く,共存イオンの影響もなく銀の迅速で簡易な定量として有効な方法であることが明らかとなった。また,簡易法(目視)でも標準色表との比較により2ppbまでの分析が可能である。
著者
斎木 敏治 成田 貴人
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.70, no.6, pp.653-659, 2001-06-10 (Released:2009-02-05)
参考文献数
58
被引用文献数
2

近接場光学顕微鏡システムとそれを利用した空聞分解分光技術の最近の進展を概観する,特に,近接場プ日一ブ作製技術の進歩に伴い,高分解能化と高感度化の両立が実現し,分光計測への応用が以前よりも容易になりつつある.ここでは,最も基本的な発光分光に始まり,パルスレーザーとの組み舎わせによる時間分解分光や非線形分光,偏光惰報の取得,感度の観点から最も難しいラマン分光などの測定例を紹介する.これらは,近接場分光技術が利用価値の高い計測技術として,まさに成熟しつつあることを承している.
著者
成田 正明 宮本 信也
出版者
三重大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

研究代表者は自閉症患者の血中に存在存在する神経栄養因子(BDNF,brain-derived neurotrophic factor脳由来神経栄養因子,NT-4 neurotrophin-4)の異常について報告し、初年度(平成19年度)は研究分担者とともにその異常値とサブタイプとの関連について臨床プロフィールから検討を重ねてきた。これら血中因子の異常は生下時からすでに認められることから、自閉症の発症は胎生期に起因すると考えられる。この考えに基づいて研究代表者は妊娠ラットを用いた実験で自閉症モデル動物を作成しその胎仔期からの異常、即ちセロトニン神経系の発生分化異常を明らかにしてきた。上記神経栄養因子はセロトニン神経の正常な発生分化に必須であることは分かっている。当該年度は自閉症モデル動物において、セロトニン神経の発生分化を司っている因子の異常について、検討した。胎生12日目の自閉症モデルラット胎仔では、セロトニンシグナルの上流に位置するソニックヘッジホッグ(shh)の発現が頭部で低下していることを、ホールマウントin situ hybridization法で明らかにした。またセロトニン発現関連の遺伝子をリアルタイムPCR法で調べたところ自閉症モデルラットで発現が低下していた。これらの異常は研究代表者が以前ES細胞を用いて行った実験結果と一致する。今後はES細胞で見られたshhによるレスキュー効果、即ち発生段階でのセロトニン神経細胞に対し、shh添加によるセロトニン神経の再生を見据え、自閉症治療法を模索したい。

1 0 0 0 都市と民衆

著者
成田龍一編
出版者
吉川弘文館
巻号頁・発行日
1993
著者
飯尾 美沙 竹中 晃二 成田 雅美 二村 昌樹 濱口 真奈 福島 加奈子 山野 織江 原口 純 阪井 裕一 石黒 精 大矢 幸弘
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.63, no.2, pp.187-203, 2014-03-01 (Released:2017-02-10)

【背景・目的】小児喘息患者の行動変容を促す患者教育を提供するために,行動科学の理論・モデルに基づくテイラー化教育プログラムを開発した.本研究は,乳幼児喘息患児の保護者を対象に,開発したプログラムの有効性を検証した.【方法】2012年9月〜12月に外来を受診した乳幼児喘息患児を養育する保護者のうち,児の喘息コントロール状態が完全コントロールでない者をリクルートし,介入群および対照群に無作為に割り付けた.初回調査実施後において,割付けた患者教育(介入群:プログラム+個別面談,対照群:喘息パンフレットの配布)を1回実施した.そして,教育介入約1カ月後において,教育後調査を実施した.【結果】保護者47名(介入群22名,対照群25名)を分析対象とし,割付群を独立変数,教育前後の各評価得点を従属変数とした分散分析を実施した.その結果,教育後における介入群の喘息コントロール状態および知識得点は,対照群と比較して有意に改善・増加した.【結語】乳幼児喘息患児の保護者に対するテイラー化教育プログラムの効果が示唆された.
著者
成田 豊
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1042, pp.60-63, 2000-05-22

問 電通は今年、米レオバーネットと米マクマナスが合併して設立されるビーコムスリーグループの筆頭株主に納まり、電通本体とビーコムスリーの売上総利益を合わせた世界市場におけるシェアは14%(1998年)に達します。これで米オムニコム、米インターパブリック、英WPPの3大広告会社グループの規模に肩を並べます。海外展開については十分な布石を打たれたという認識ですか。
著者
親松 裕典 鈴木 晴子 大畑 賀央 成田 久仁夫
出版者
特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会
雑誌
日本呼吸器外科学会雑誌 (ISSN:09190945)
巻号頁・発行日
vol.31, no.5, pp.586-592, 2017-07-15 (Released:2017-07-15)
参考文献数
16

目的)開胸術後鎮痛において,アセトアミノフェン定時点滴注入(点注)併用フェンタニル持続静脈内注射(静注)が硬膜外麻酔を代替する可能性を探求した.方法)アセトアミノフェン定時点注併用フェンタニル持続静注群(AF群)と硬膜外麻酔群(Epi群)の2群に分類し,後方視的に比較検討した.結果)患者数はAF群が19例,Epi群が25例であった.術後鎮痛効果は第1病日の咳嗽時のみでAF群が劣っていたが,それ以外では両群間に有意差を認めなかった.離床の遅れに差はなかったが,Epi群でリハビリ時の血圧低下が,AF群で悪心嘔吐が多く,それぞれの要因でリハビリに若干の支障を生じた症例があった.結論)アセトアミノフェン定時点注併用フェンタニル持続静注は,悪心嘔吐や咳嗽時の疼痛に対策する余地があるが,比較的良好な鎮痛効果があり,硬膜外麻酔の合併症を回避できる等の利点もあるため,開胸術後鎮痛法の一選択肢となり得る.
著者
成田 雅樹 NARITA Masaki
出版者
秋田大学教育文化学部附属教育実践研究支援センター
雑誌
秋田大学教育文化学部教育実践研究紀要 = BULLETIN OF THE CENTER FOR EDUCATIONAL RESEARCH AND PRACTICE FACULTY OF EDUCATION AND HUMAN STUDIES AKITA UNIVERSITY (ISSN:24328871)
巻号頁・発行日
vol.39, pp.15-24, 2017-03-31

この論文は小学生の言葉の使い間違いを収集し,分析した結果を述べるものである.収集した間違いは158事例であった.分析は学年ごと,間違いが表れている言語単位ごと,間違いの種類ごと,原因の推定ごとに行った.顕著に言えることは概ね以下の通りである.言語単位では,「音・文字」に表れる間違いが最多であり,特に「長音」に関するものが多い.この「音・文字」に表れた間違いの種類は,ほとんどが「欠落」と「錯誤・不使用・不足」である.しかも「錯誤・不使用・不足」は,誤りの種類のなかで最多であった. 原因推定では,「意識希薄」が最多であり,「音・文字」や「語」で「口語表現」になっている誤りが過半数を占めている.この場合の誤りの種類も,すべて「錯誤・不使用・不足」であった.学年別に見ると,すべての学年で「聞き違い」や「不注意」による「音・文字」の誤りが多かった.