著者
今井 正 中曽雅之
出版者
アクオス研究所
雑誌
水生動物 (ISSN:24348643)
巻号頁・発行日
vol.AA2019, pp.AA2019-8, 2019 (Released:2019-09-30)

Four specimens of the freshwater palaemonid prawn, three Macrobrachium australe and one M. lar, were collected in the Koonoura River, Nagasaki, Japan. The former is the first record in Nagasaki Prefecture. Occurrence of these species was thought to be due to larval dispersal by branched flow from the Kuroshio Current. However, these two species are unlikely to overwinter, because the samples are only subadults and the water temperature of this river drops below 10 °C in winter.
著者
安倍 幸司 小澤 賢司 鈴木 陽一 曽根 敏夫
出版者
一般社団法人 日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.54, no.5, pp.343-350, 1998-05-01 (Released:2017-06-02)
被引用文献数
12

本研究では, 環境音の知覚を探ることを目的として, 従来の研究で用いられてきた「音色を表現する評価語」に加え, 「音を聞いた際に人がいだく感情を表現する評価語」と「音の持つ情報に関する評価語」を用いた評価実験を行った。実験は, 66種類の刺激音と, 39種の評価語対を用い, SD法により行った。実験結果を因子分析した結果, 第一〜第三因子として, 「美的」, 「明るさ」, 「量的」という音色の3因子に相当する因子が得られた。また, それらとは独立に, 「音の定位情報に関する因子」, 「音源情報に関する因子」, 「音の存在意義に関する因子」, 「懐古・郷愁因子」が得られた。更に, 人が音を聞いた際にいだく感情は, 音の美的因子と相関があることが分かった。
著者
阿曽 かずき 岩田 宏美 清水 史子 小川 睦美 Kazuki ASO Hiromi IWATA Fumiko SHIMIZU Mutsumi OGAWA
雑誌
學苑 = GAKUEN (ISSN:13480103)
巻号頁・発行日
vol.818, pp.27-30, 2008-12-01

In order to examine and compare the content of resistant starch (RS) under different conditions, the amount of non-starch polysaccharides (NSP) in boiled rice (A. boiled, B. boiled and frozen and defrosted), purchased bread (A. just after purchase, B. frozen and defrosted), and retort rice (A. microwaved, B. microwaved and frozen and defrosted) were measured using the Englyst method. The results were as follows: There was no difference in the content of NSP in the boiled rice A and B. The amount of NSP content in the purchased bread A was lower than that in the purchased bread B. Therefore, we could not calculate the amount of RS. The NSP content of the retort rice B was higher than that of the retort rice A. The RS content of the retort rice was 1.0±0.8 (g/100 g). The NSP content of the purchased bread was significantly higher than that of the boiled rice and retort rice.
著者
中岡 加奈絵 田辺 里枝子 奥 裕乃 山田 麻子 野田 聖子 星野 亜由美 祓川 摩有 五関‐曽根 正江
出版者
Japan Society of Nutrition and Food Science
雑誌
日本栄養・食糧学会誌 (ISSN:02873516)
巻号頁・発行日
vol.69, no.2, pp.57-63, 2016 (Released:2016-04-15)
参考文献数
37
被引用文献数
3 6

高脂肪食におけるビタミンD制限によるアルカリホスファターゼ (ALP) 活性への影響について検討した。11週齢SD系雄ラットをコントロール食 (C) 群, ビタミンD制限食 (DR) 群, 高脂肪食 (F) 群, 高脂肪食でビタミンDを制限した食餌を与えた (FDR) 群の計4群に分けた。実験食開始28日後に, 大腿骨のALP活性は, DR群がC群と比べて有意に低値を示し, FDR群もF群と比べて有意に低値を示した。また, 十二指腸のALP活性においては, FDR群がF群と比べて有意に低値を示した。小腸ALPは, 腸内細菌由来のリポ多糖 (LPS) などを脱リン酸化して解毒していることが示唆されており, 高脂肪食摂取時におけるビタミンD制限が小腸ALP活性を低下させることにより, 腸内ホメオスタシスに影響を及ぼしている可能性が考えられた。
著者
曽和 具之 上田 信樹 上田 信行
出版者
Japanese Society for the Science of Design
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
pp.A20, 2004 (Released:2005-06-15)

パーティは人々の交流の場であるばかりではなく、人との出会いによって、自分のそれまでの経験を振り返ったり、日々の生活や仕事について再考する機会でもある。本研究の目的は参加者自身が自らのパーティーの経験を振り返り、意味づけすることができるリフレクションの装置を開発し、その効果を検討することにある。具体的には時系列にスナップショットを取り、ほぼリアルタイムでオープンテラスに貼り出すリフレクションボード、パーティーの人の動きをビデオで撮影し、パーティーの最後にリフレクション映像として映し出すための「メタカメラ」である。
著者
杉田 収 中川 泉 飯吉 令枝 斎藤 智子 小林 恵子 佐々木 美佐子 室岡 耕次 坂本 ちか子 杉田 靖子 曽田 耕一 濁川 明男
出版者
新潟県立看護大学
雑誌
看護研究交流センター年報
巻号頁・発行日
vol.17, pp.6-13, 2006-07

化学物質過敏症(CS)発症者の発症原因になった化学物質と,発症者が反応する空気中化学物質との関連性を,空気中の化学物質56項目を分析することで検証した.その結果,発症原因化学物質と思われる一般名テブコナゾール,化学名a-[2-(4-クロロフェニル)エチルトa-(1,1-ジメチルエチルト1H-1,2,4-トリアゾールートエタノールにはヒドロキシル基(-OH)と塩素(C1)が存在した.一方発症者が「入れる建物」と「入れない建物」のそれぞれの空気中化学物質の分析比較から,発症者が反応する空気中の化学物質は,ヒドロキシル基を有するブタノールと塩素を有するトリクロロエチレンであることが推定された.上越市立小学校全児童12,045名のCSに関連する症状について,無記名アンケートによる実態調査を行った.回収数は10,348名分(回収率85.9%)であった.CS診断基準では主症状5項目,副症状9項目,さらに眼球運動や化学物質の微量負荷試験などの検査が取り入れられているが,ここでは一般市民向けアンケート用であることから「検査」を省略し,診断基準に準じた症状の13項目について,それぞれ「大いにある」「ある」「少しある」「全くない」の選択肢で調査した.各項目について「大いにある」「ある」を「症状あり」とした場合は,主症状2項目・副症状4項目以上,及び主症状1項目・副症状6項目以上の児童は21名(0.2%)であった.一方「少しある」を加えて「症状あり」とした場合は618名(6.0%)であった.
著者
曽根 涼子 山崎 文夫 藤井 宣晴 鍋倉 賢治 池上 晴夫
出版者
The Japanese Society of Physical Fitness and Sports Medicine
雑誌
体力科学 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.42, no.5, pp.465-474, 1993-10-01 (Released:2010-09-30)
参考文献数
29
被引用文献数
1

激運動後における迷走神経活動の回復過程を呼吸性心周期変動の大きさの変化から検討することおよび呼吸性心周期変動の位相の変化を明らかにし1その変化の発生機構について検討することを目的として, 健康な男子大学生6名を被検者としてトレッドミルによるexhaustive走を行なわせ, 心周期および血圧の呼吸性変動の大きさおよび位相の変化を運動後5時間にわたって追跡調査した.呼吸周期および一回換気量は, それぞれ全測定を通して6秒および21に規制した.1) 呼吸性心周期変動の大きさはexhaustive走によって著しく減少するが, 運動後約2時間で前値に復した.呼吸運動を基準とした呼吸性心周期変動の位相は運動によって有意に遅れた.そして運動後2時間は急速に, それ以後は徐々に回復する傾向を示した.2) 呼吸性SBPの大きさおよび位相には運動後に顕著な変化は認められなかった.以上の結果から, 激運動によって抑制された迷走神経活動は運動終了から約2時間で回復すると考えられる.また, 運動後には呼吸性心周期変動の位相は明らかに遅れた.これは迷走神経の活動度の低下を反映している可能性がある.
著者
曽根 理嗣 梅田 実
出版者
国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2015-04-01

有人宇宙活動の長期化や拠点化が進む中では炭酸ガス有効利用は重要である。今日、炭酸ガス還元にはサバチエ反応が用いられる(CO2+4H2→CH4+2H2O)。この反応はメタンと水を生じる。水は活用されるがメタンは廃棄される為、閉鎖系物質収支はマイナスとなる。また当該反応は一般に350℃以上で平衡になる発熱反応であり、高温維持の為のエネルギー投入と熱処理に課題が多い。提案者らは炭酸ガスの酸化力と水素の還元力に着目し、両者の間で燃料電池を構築し、電力と炭酸ガス還元体の同時創出に世界で初めて成功した。当該反応は100℃以下で維持が可能であり、外部エネルギーの投入は不要であり、「発電」が可能である。本提案ではヒトの生活に有効な生成物の選択性と収率の向上を図るために反応機構を解明し、当該技術の実利用を可能にするための研究を進めている。触媒としてPt-Ruを使用し、反応メカニズム解明のための実験を展開した。反応生成物に電位依存性があるが、この電位に電極の接触抵抗が影響を及ぼすことが可能性としてあり得るため、接触抵抗が異なる複数の実験を実施した。ただし、結果としては特に影響を受けているような兆しはなく、従来の燃料電池セルの設計に、反応場に対して影響を与えるようなパラメータはないことが認識されつつある。また、特に当該反応場では、炭酸ガスと水素を反応させている。水素は炭酸ガス側に混入することは、物理的および化学的に可能であり、この混入した水素がカソード側で化学反応を起こしていることが可能性としてありうる。これは、当該反応が純粋に燃料電池反応として期待される生成物を作り出しているのか、生成物生成過程と反応場は別に存在するかを明確にするために重要な要素となる。当該実験には、カソード側に微量の混合ガスを使用して混合ガスごとの反応生成物への影響を見極める必要があり、現在も検討を進めているところである。
著者
曽我部 真裕 井上 武史 堀口 悟郎
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2016-04-01

曽我部は、研究全体のとりまとめを行うとともに、「基本的情報の提供・流通の体制のうち公共放送のあり方」に関して、報道の任務について論じ(「任務は権力監視、独立性が生命線」Journalism328号(2017年))、また、関連して判例の検討等を行った(「2017年マスコミ関係判例回顧」新聞研究799号(2018年))。また、「補完的に民意を表明・調達する手法」として、デモ規制のあり方について検討した(「市民の表現の自由」宍戸常寿・林知更(編)『総点検 日本国憲法の70年』(岩波書店、2018年))。井上は、分担テーマである「民主政に関与するアクターの規律」について、民主政に関するフランスの憲法規定の変遷を統計的、網羅的に検討し、かつ民主政のあり方を問い直す最近の改憲議論を取り上げて、その動向を探る研究を行った(「フランス第5共和政における憲法改正:最近の改憲論議も含めて」辻村みよ子編集代表、講座政治・社会の変動と憲法:フランス憲法からの展望第Ⅱ巻『社会変動と人権の現代的保障』、信山社、2017年)。堀口は、昨年度に引き続き、分担テーマである「専門的知識を創出・供出する制度」として、学術の中心をなす機関である大学に関する検討を行った。具体的には、①高等教育の無償化が大学に与える影響(斎藤一久=安原陽平=堀口悟郎「高等教育の無償化に向けての憲法改正の是非」季刊教育法195号(2017年))、②大学運営に対する学生の参加が大学教員の学問活動に与える影響(堀口悟郎「(学会報告)学生の参加と教授の独立」比較憲法学会、2017年10月28日、同志社大学)について考察した。
著者
平岩 明 内田 典佳 下原 勝憲 曽根原 登
出版者
The Society of Instrument and Control Engineers
雑誌
計測自動制御学会論文集 (ISSN:04534654)
巻号頁・発行日
vol.30, no.2, pp.216-224, 1994-02-28 (Released:2009-03-27)
参考文献数
19
被引用文献数
8 15

The cybernetic interface through which users can communicate with computers “as we may think” is the dream of human-computer interactions. Aiming at interfaces where machines adapt themselves to users' intention instead of users' adaptation to machines, we have been applying a neural network to realize electromyographic (EMG)-controlled slave hand. This paper proposes that EMG patterns can be analyzed and classified by a neural network. Through experiments and simulations, it is shown that recognition of finger movement and joint angles in dynamic finger movement can be successfully accomplished.A 3-layred back-propagation network is used for finger action recognition from 1 or 2ch surface EMG. In the case of static fingers' motions recognition, 5 categories were classified by the neural network and the recognition rate was 86%. In the case of joint angles estimation in continuous finger motion, the root mean square error was under 25 degrees for 5 fingers 10 joints angles' estimations.Cyber Finger with 5 fingers 10 joint angles was realized to be controlled by 2ch surface EMG. The slave hand was controlled smoothly and voluntarily by a neural network.
著者
小曽戸 和夫 蔀 花雄
出版者
社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
農産加工技術研究會誌 (ISSN:03695174)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.18-21, 1961

リンゴ酸,クエン酸,酒石酸の蔗糖転化率を求めた結果,この順に大きくなり,解離恒数の大きいほど転化率も大きいことが認められた。果実罐詰内においてもpHが低いほど蔗糖残存率は少なく,また同一酸濃度では酒石酸のpHがもっとも低く,リンゴ酸がもっとも高かった。罐詰製造時の加熱処理に際してかなりの量の転化糖を生成するが,それ以後貯蔵中においても転化は進行し,酸無添加でも蔗糖残存率は製造後5年経過すると白桃で17~21%,洋梨で29%に過ぎなかった。白桃および洋梨罐詰の色調は蔗糖を使用したものよりブドウ糖を用いたものの方が淡かった。また桃ジュースに蔗糖または転化糖,酸としてリンゴ酸,クエン酸,酒石酸を配合したものを加熱処理した結果,蔗糖より転化糖の方が着色し,クエン酸,リンゴ酸,酒石酸の順に着色が強くなった。以上の結果から白桃,洋梨罐詰の色調を淡く仕上げるにはできるだけ蔗糖の転化を抑えるようにし,酸を添加するときにはクエン酸がもっともよいことを認めた。<BR>実験に協力いただいた数見秀次郎氏に感謝の意を表する。本報は1959年11月28日,日本農芸化学会東北支部小集会および1960年4月4日農産加工技術研究会第7回大会にて口演した。
著者
小曽戸 和夫 蔀 花雄
出版者
社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
農産加工技術研究會誌 (ISSN:03695174)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.22-24, 1961

果実シラップ漬罐詰にクエン酸あるいは酒石酸のかわりにグルコン酸の利用を試みた。グルコン酸の蔗糖転化率はリンゴ酸,クエン酸,酒石酸に比してかなり低く,また酸濃度が薄いときにはその差はいちじるしかった。蔗糖,ブドウ糖,転化糖などとグルコン酸とのかっ変をリンゴ酸,クエン酸と比較した結果,試験管内98℃,4時間の加熱ではグルコン酸が着色の度合はもっとも少なく,またそれらにグリシンを添加したときは蔗糖,転化糖はいずれの酸もかっ変が促進されたが,やはりグルコン酸がもっとも淡く,ブドウ糖はほとんど着色が認められなかった。桃ジュースに蔗糖または転化糖,酸としてリンゴ酸,クエン酸,酒石酸,グルコン酸などを配合して罐詰を製造し,製造直後および貯蔵中の色調を比較した結果,酒石酸≧グルコン酸>クエン酸≧リンゴ酸,転化糖>蔗糖で罐詰内ではグルコン酸に着色のいちじるしいことが認められた。なおグルコン酸を使用したものはいずれの糖でもつねに罐内面の腐蝕が認められたが,これはグルコン酸が重金属をキレイトする性質が非常に強いために生ずる腐蝕が,上部空隙中の酸素により促進されるものと推察した。<BR>グルコン酸について御教示をいただいた藤沢薬品工業株式会社 市川吉夫氏,実験に協力いただいた数見秀次郎,鈴木勝芳の2氏に感謝の意を表する。本報の要旨は1960年10月1日日本農芸化学会東北支部大会にて口演した。