著者
森嶋 彌重 古賀 妙子 河合 廣 本田 嘉秀 桂山 幸典
出版者
公益社団法人 日本アイソトープ協会
雑誌
RADIOISOTOPES (ISSN:00338303)
巻号頁・発行日
vol.25, no.12, pp.773-778, 1976-12-15 (Released:2010-09-07)
参考文献数
13
被引用文献数
5 5

奈良県室生地区で採取した高ウラン土壌を用い, ポット法によって温室内で野菜を栽培して土壌中のウランの野菜への移行, 分布を検討した。1) ハツカダイコンにおける部位別のウランの生物学的吸収比は子葉, 上位葉において, もっとも高かったが植物に必須の栄養素である土壌中の窒素, リン, カリウムなどの存在量によって影響をうけ, 欠乏肥料区において収穫したハツカダイコンのウランの生物学的吸収比は三要素区に比較して高かった。また植物体内のウランの分布はその部位の灰分重量の割合に, ほぼ比例していた。ピーマン, きゅうりのウラン分布についても同様であった。2) ハツカダイコンにおいては, 植物の生長に伴い葉部のウラン濃度はむしろ増加し, 根部においては減少の傾向が見られた。3) ハツカダイコンの葉部のウラン濃度と栽培土壌中のウラン濃度との間には正の相関が見られた。
著者
竹久 和志 本田 真也 日比 隆太郎 杉丸 毅 樋口 智也 松井 智子 井上 真智子 大磯 義一郎
出版者
一般社団法人 日本プライマリ・ケア連合学会
雑誌
日本プライマリ・ケア連合学会誌 (ISSN:21852928)
巻号頁・発行日
vol.46, no.1, pp.2-11, 2023-03-20 (Released:2023-03-24)
参考文献数
30

目的:患者は医療機関選択の際にインターネット上の情報を参考にしている.本研究ではGoogleレビュー上の医療機関に対する評価内容を分析した.方法:静岡県の医療機関のGoogleレビューの評点とクチコミを用いた.クチコミはあらかじめ設定した12の評価項目でコード化した上で,ポジティブ,ネガティブ,分類不能,記述なしに分類し,修正ポアソン回帰分析で評点との関連を分析した.結果:対象の医療機関は2,044施設,クチコミ数は13,769件であった.「医師の応対」に触れたクチコミが最も多く(5,035件),ポジティブなクチコミは高評価(偏回帰係数:0.76,95%信頼区間:0.70~0.82)と,ネガティブなクチコミは低評価(-4.65,-5.24~-4.06)と有意な関連があった.結論:Googleレビューにおいては,医師の応対に関するクチコミが評点に影響を与えていた.
著者
本田 謙一 田口 智大 室井 翔太 佐藤 匠 佐藤 史崇 小口 貴雄
出版者
一般社団法人 日本リモートセンシング学会
雑誌
日本リモートセンシング学会誌 (ISSN:02897911)
巻号頁・発行日
vol.42, no.3, pp.185-189, 2022-08-10 (Released:2022-11-26)
参考文献数
6

In this paper, an example of displacement monitoring of landslides using interferometric SAR analysis is reported. The displacement of the mountain landslides was separated into vertical displacement and east-west displacement by 2.5-dimensional analysis using ALOS-2 with multi-temporal and multi-orbital data. The direction and the boundary of displacement were consistent with the results of displacement measured by airborne laser profiler between 4 years and also with the field survey.
著者
山崎 英文 北村 慎一 長尾 正一 平田 哲也 本田 幸治 片山 知之
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.19, no.6, pp.699-704, 1987-06-15 (Released:2013-05-24)
参考文献数
22

血清亜鉛(Zn)の急性心筋梗塞(AMI)における意義を知る目的で,特に重症度・合併症・予後などとの関係を検討した.方法: 発症24時間以内のAMI 31例で,Zn・酵素の採血を経時的に行った.Znは原子吸光分析法で測定した(正常値61~121μg/dl).結果:Znは肺炎・腎不全を合併した2例を除く29例中25例で発症後低下し,第2病日(45.4±14.7)~第3病日(43.8±12.8)に最低となり,6病日に正常化した.24時間以内死亡の4例を除いた25例で以下の検討を行った.梗塞部位,年齢でZn最低値(Zn値)に有意差はなかった.Zn値はCPK最高値(r=-0.481, P<0.05),LDH最高値(r=-0.521,p<0.01)と負の相関を認めた.重症度との関係では,Killip I・II群(45.6±12.0)に比し,III・IV群(32.9±4.1)でZn値は有意に(p<0.01)低かった.Lown不整脈分類 0~3群(44.7±12.7)に比し4・5群(37.2±9.1)でZn値は低い傾向を示した.心エコー法による左室壁運動の初回発作例19例の検討では,Zn値はakinesia・dyskinesia君羊(34.3±7.3)がhypokinesia・正常群(46.8±11.8)より有意に(p<0.05)低かった.AMI以外でも肺癌,肝硬変などでZnが低下する例があった.開腹手術では術後1・2日に低値を示し,3日目に正常化しAMIとはやや異なった推移を示した.結論:AMI経過中のZnの推移は,その診断上有用であるのみならず,重症度・合併症・予後などの判定に参考になると考えられた.
著者
本田 正美
出版者
日本社会情報学会
雑誌
日本社会情報学会全国大会研究発表論文集 日本社会情報学会 第22回全国大会
巻号頁・発行日
pp.276-281, 2007 (Released:2010-01-22)

行政と市民の連携が叫ばれている昨今、その両者が日ごろから情報を共有し、自治体経営に関して同じ問題意識を持つ必要性が高まっている。それゆえに、行政と市民を繋ぐ広報広聴制度の重要性が増している。本研究では、特に行政の広聴制度に着目し、この制度を参加者流動型と参加者固定型の二つに分類して、その現状について報告する。そして、今回は横浜市の実列を紹介しながら、広聴制度とICT の関係や今後の課題について考察する。
著者
本田 博巳 吉武 直哉 山本 修治 芦田 貴史 川本 友久 辻 隆司 轟木 俊男
出版者
石油技術協会
雑誌
石油技術協会誌 (ISSN:03709868)
巻号頁・発行日
vol.78, no.1, pp.61-67, 2013 (Released:2015-04-03)
参考文献数
8
被引用文献数
2 2

The On'nagawa Formation in Akita Sedimentary Basin is composed of siliceous mudstone and volcaniclastics. The volocaniclastic facies have been productive reservoirs of oil and gas fields in the Neogene Akita Basin, North Japan. The mudstone facies have been recognized to be potential source rocks for hydrocarbons pools in the reservoirs. After a long period of oil and gas production in the basin, a potential exploration concept of a new play in the siliceous rocks is required to keep the productivity of the basin.This study reports a basic description of physical properties of the siliceous mudstone facies in order to provide a basis for the idea of shale play in the On'nagawa Formation. Wireline logs (GR, Δt, ρb) are basic data for our description of the physical rock properties as well as descriptions of cutting lithology.
著者
竹林 洋一 本田 美和子 Yves Gineste
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第29回 (2015)
巻号頁・発行日
pp.2M3NFC04a1, 2015 (Released:2018-07-30)

『ユマニチュード』は、「人と何か、ケアする人とは何か」という哲学をベースに開発された認知症ケア技法であり、「見る」「話す」「触れる」「立つ」「歩く」を基本とする具体的テクニックから構成されている。ユマニチュードは既存のケア技法との共通点も多いが、「人間尊重」を徹底して、マルチモーダルな介入(インタラクション)を行うことが特徴であり、心と脳に刺激を与え、認知症の人の心身の回復が促進することが実証されている。本報告では、MinskyとDamasioの感情・思考・身体に関わる研究の観点から、ユマニチュードの有効性と可能性について論じる。
著者
大田 えりか 本田 由佳 須藤 茉衣子 新野 由子
出版者
聖路加国際大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2022-04-01

本研究では、主に妊娠前の働く女性に焦点を当て、健康行動の実態やニーズを把握し、ウィズ/ポストコロナ時代に利用できる携帯のアプリケーションソフト(以下アプリ)を利用した栄養と運動を中心とした健康に対する介入プログラムを開発、検証する。主な目的は以下の通りである。1)妊娠前の働く女性を対象とした、モバイルアプリとFitbitなどを使ったInternet of Things(以下IoT)の科学的根拠に基づく健康支援プログラムを開発する2)ランダム化比較試験によって、健康支援プログラムの有効性を検証する
著者
角田 正健 喜多 成价 久保 伸夫 角田 博之 福田 光男 本田 俊一
出版者
社団法人 におい・かおり環境協会
雑誌
におい・かおり環境学会誌 (ISSN:13482904)
巻号頁・発行日
vol.44, no.4, pp.230-237, 2013-11-25 (Released:2017-10-11)
参考文献数
26
被引用文献数
2 4

口臭は古くから人々の悩みの種となっている.誰であっても“におい”のない口(呼気)はあり得ないにもかかわらず,他人の反応が気になる.生理的なにおいであっても,時には体調の変化・ストレス・緊張などで強くなることもある.あるいは,自覚症状のないまま進行した疾病が原因で,強い口臭が認められることもある.しかし嗅覚の特殊性から,自分自身でその臭気レベルを知ることは困難である.したがって思い悩むことになる.このような臭気である口臭への対応と,心の病である口臭症に関する日本口臭学会の治療指針を紹介する.
著者
鈴木 麻奈三 本田 剛
出版者
生態工学会
雑誌
Eco-Engineering (ISSN:13470485)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.47-53, 2005 (Released:2006-11-28)
参考文献数
32

Low frequency noise has been recognized as an environmental noise problem. It has been reported that low frequency noise would adversely affect human mental performance and interfere with the normal immune response to infection. The purpose of this study was to evaluate the frequency that served as a stressor to Shiba goats and the response to sound in different species. Shiba goats and Donryu rats were used for the experiment. Sound waves from 50 to 4000 Hz were generated for 1 minute at increments of 10 Hz at 50, 70, and 90 dB, respectively. Also, sound waves from 4000 to 50 Hz were generated at decrements of 10 Hz at 50, 70, and 90 dB, respectively. While animals were exposed to these sounds, we observed their responses and counted the number of such reactions. The concentration of cortisol in saliva, heart rate and brain oxyecoia saturation of the goats were measured. In the goats, marked stress behavior was observed in the frequency band of 100-500 Hz. The presence of stress was supported by the results of measurement of cortisol concentration, heart rate and brain oxyecoia saturation. On the other hand, in the rats, no frequency band was identified that produced a remarkable response. The frequency band of 100-500 Hz seems to serve as a stressor to the goats.
著者
嶋田 修平 川崎 治 本田 さゆり 鈴木 宏和
出版者
The Japan Society of Applied Electromagnetics and Mechanics
雑誌
日本AEM学会誌 (ISSN:09194452)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.39-44, 2022 (Released:2022-04-20)
参考文献数
7

Wireless Power Transfer (WPT) for spacecraft can be contributed various merits, such as workload reduction, safety improvement, high heat insulation, long lifetime. Our team developed WPT prototype for space drone. WPT used mag-netic field resonance, and class E inverter (switching frequency = 6.78MHz). We performed some critical tests (electrical and EMI). As a result of the electric test, the secondary circuit was the highest, which reached thermal equilibrium at about 50 ° C (< Tj). As a result of EMI test, WPT confirmed the range of MIL-STD-461C RE02(excluding switching frequency and its harmonics).
著者
竹村 諒太 本田 真己 深谷 哲也
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.52, no.2, pp.57-66, 2019-04-05 (Released:2019-04-26)
参考文献数
29

トマトやその加工品に豊富に含まれるリコピンは強力な抗酸化能を有している 。しかし,植物中のリコピンはtrans体として存在し,trans体リコピンは体内吸収性が低いことが知られている。一方で,トマト加工品には,cis体リコピンが豊富に存在し,体内に吸収されやすいことが報告されている。また,最近の研究では,リコピンはオリーブオイル,たまねぎと一緒に加熱されると,trans体からcis体への熱異性化が促進されることが報告されている。そこで我々は,家庭において一般にトマトと一緒に調理されている野菜からリコピンの熱異性化を促進する野菜を調査したところ,たまねぎに加えてにんにく,ブロッコリー,キャベツがリコピンの熱異性化を促進することを明らかにした。さらに,たまねぎ,またはブロッコリーを使用した一般的なトマト料理の加熱調理がリコピンの熱異性化に及ぼす影響を調査した。その結果,トマト料理の加熱調理においてもたまねぎ,またはブロッコリーの使用は,リコピンの熱異性化を促進した。
著者
本田 昭四 山下 良二
出版者
一般社団法人 日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文報告集 (ISSN:09108017)
巻号頁・発行日
vol.375, pp.76-87, 1987-05-30 (Released:2017-12-25)
被引用文献数
1

In Japan, many houses for mine workers were built from the 1880's to the 1960's. However, since the goverment changed its energy policies in the sixties, the coal mining industries declined and mine workers who lost their jobs left the coal mining districts. In the 1970's, rehabilitation programs of the district were emphasized. Since the coal mine is located on the site where the coal is found, workers forced to live closed to the mines. Also to facilitate labor manmagement, workers have been made to live collectively. In our country this type of collective housings were called NAYA or HANBA before the 1900's. With the improvement of labor-management relations, the name have been changed to KOFU-SHATAKU, KOFU-SHUKUSHA or TANKO-ROMUSHA-JUTAKU. As the dialogue labor and management increased after the second War, the name was shortened to TANKO-JUTAKU, as it is commonly referred to in administrative circles. This paper is divided into three chapters. In the first chapter, the authors studied the historically changing process of housing for miners, then we made a chronological table and divided it into six periods. In the second and third chapter, we examine the origin and evolution of NAYA and KOFU-SHATAKU that were built for coal miners between the 1880's and the 1920's.
著者
本田 孝雄
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
MEDCHEM NEWS (ISSN:24328618)
巻号頁・発行日
vol.31, no.3, pp.116-121, 2021-08-01 (Released:2021-08-01)

約7、8年前から始まったグローバルファーマの本邦における本格的なオープンイノベーション活動は、ますます勢いを増している。各社とも外部案件評価のための陣容を整え、国内外を問わず新規技術を含めた候補案件獲得に全力を注いでいる。最近では、自社創薬成功確率の大幅な低下に加えて、医薬品市場では、同一作用機序において世界の2、3番手に入らないかぎり、たとえ上市しても十分な売上げが見込めないことから、弊社(イーライリリー)では、案件評価にはビジネス担当者のみならず自社研究者を交えて、質の高い多角的な評価を行い、早期の意思決定を可能にしている。イノベーションは世界中のどこにでも起こるので、それを早期かつタイムリーに獲得することが重要である。本稿では、弊社がこれまで実施してきたこと、また、筆者自身が常日頃、業務を通して経験し、感じていることを、特に医科学分野の研究に従事している若手研究者に伝えたい。