著者
堀 秀昭 藤本 昭 木下 寛隆 久保 憂弥 林 正岳
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2008, pp.E3P2215, 2009

【目的】高齢者の転倒による骨折は、筋骨格系の廃用症候群を生じさせ、全身の心身機能、生活機能が低下するといわれている.特に要支援、要介護1等の軽度者に、転倒骨折を予防する目的で運動器の機能向上が実施されている.前回学会で、生涯スポーツ別の身体能力を調査し、生涯スポーツ実施の有無で身体機能に有意な違いが見られ、生涯スポーツの実施による介護予防を提唱した.今回、転倒経験と生涯スポーツ、身体機能との関係について調査した.<BR>【方法】対象は、765名(平均年齢73.3±7.3、男性248名、女性517名)で、スポーツ実施高齢者366名(平均年齢69.8歳)とスポーツ非実施高齢者399名(平均年齢76.5歳)とした.スポーツの種類は、エスキーテニス、バウンドテニス、ラージボール卓球、シルバーバレーボール、グランドゴルフ、マレットゴルフ、ゲートボール、太極拳とした.身体機能評価は、片脚立位時間、握力、5m速度とし、同時に転倒経験について調査した.分析は、SPSSVer11にて、ロジスティック回帰分析、変数増加法ステップワイズ(尤度比)により分析した.またROC曲線を用いてカットオフ値を求めた.尚対象者には研究に関する説明を行い同意を得た.<BR>【結果】1、転倒経験とスポーツ実施の関係:転倒経験を従属変数としスポーツ実施、年齢、性別を共変量としてロジスティック解析を行った結果、スポーツ実施が有意な関係を示し(p<0.05)、オッズ比0.654であった.スポーツ実施者は366名中44名(12%)、非実施者は399名中69名(17.3%)に転倒経験があり、χ<SUP>2</SUP>検定で両群に有意に違いが見られた.2、転倒経験とスポーツ種目別の関係:転倒経験を従属変数としスポーツ8種目を共変量としてロジスティック解析を行った結果、太極拳が有意な関係を示し(p<0.05)、オッズ比0.217であった.3.転倒経験と身体機能の関係:5M歩行速度に有意な関係(p<0.05)を示し、オッズ比1.179であり、カットオフ値3.0秒であった.4.スポーツ実施と身体機能の関係:5M歩行速度と握力に有意な関係(p<0.01)を示し、オッズ比0.237、1.163であり、カットオフ値は、3.0秒と25.6Kgであった.<BR>【考察】今回転倒経験と生涯スポーツとの関係について調査し、生涯スポーツを実施している高齢者は、転倒経験が少なく、特に太極拳を行うと転倒の0.217倍となることが分かった.敦らによる太極拳は足関節の柔軟性の改善に有効としており、太極拳の運動要素を実施することでバランス機能が維持されるのではないかと考える.また転倒経験と身体機能の5M歩行と握力に関係が認められ、目標数値として5Mを3秒、握力25.6Kgが示されたことで、今後の介護予防事業につなげていきたい.また今回、転倒経験と年齢の関係が認められず、これはスポーツを実施することで高齢者においても転倒の危険性が軽減することが示された.
著者
林 隆嗣
出版者
こども教育宝仙大学
雑誌
こども教育宝仙大学紀要 = Bulletin of Hosen College of Childfood Education
巻号頁・発行日
vol.10, pp.21-31, 2019-03-04

Satipatthāna (establishing mindfulness) is one of the most popular practice in various Buddhist meditations, in which the meditator, being attentive to the body and the state of mind, keeps knowing how it moves and how it feels and observing how it arises and ceases. This practice comprises two mental functions, that is, sati (mindfulness) and sampajāna/sampajañña (full-awareness) in Pāli. It is reasonable that sati is the central concept in this “mindfulness” meditation and thus it has been drawn modern scholars’ attention. However, we should note that the Buddhist meditation is to be practiced with collaborative action of sati and sampajāna which could be effective on stress reduction or relief from suffering such as pain, grief and depression. In this paper, investigating what is taught with sati, with sampajāna in Pāli texts and with both words such as “satimā ・ sampajāno”, “sati ca sampajaññañ ca”, “sampajānā satīmatī ”, “sampajāno patissato” and so on, we would explore the importance of sati and sampajāna, both of which bear multiple meanings and functions, and their relation to the reduction of stress and pain.
著者
清田 陽司 椎橋 怜史 二宮 健 横山 貴央 塙 拓朗 衛藤 剛史 横山 明子 菊地 慧 小林 武蔵 亀田 朱音 瀧川 和樹 齋藤 裕介 花多山 和志
出版者
人工知能学会
雑誌
2019年度 人工知能学会全国大会(第33回)
巻号頁・発行日
2019-04-08

本発表では、人工知能(AI)技術によって不動産分野のユーザーエクスペリエンス(UX)を革新する試みについて述べる.(1) 不動産物件写真にディープラーニングを適用することにより,物件写真への自動アノテーションの実装と、「街頭にスマートフォンのカメラをかざすだけで物件を検索する」という新しいUX創出を実現した.(2) 適正な価格の推定が難しいという不動産売買取引におけるUXの問題に対して、機械学習による参考価格算出アルゴリズムにより、日本全国のマンションの参考価格を地図上に提示するサービスを開発した.
著者
小林 一章 清 裕恵
出版者
東京女子大学
雑誌
Science reports of Tokyo Woman's Christian University (ISSN:03864006)
巻号頁・発行日
vol.38, no.3, pp.907-921, 1988-03-15

We set up a computer programming to list up sequences corresponding to knot projections using Dowker-Thistlethwaite's algorism. Take a point P and a direction on a knot projection, traverse from P via the knot projection and label the crossing point in order. Since we across a crossing point twice, each crossing point has two labels. So if the knot projection has n crossing points, we get a sequence with 2n letters, i.e. a permutation (a_1, a_2...,a_<2n>) of 1, 2,...,2n, so that i and a_i are the labels corresponding to a same crossing point. So the mapping a: {1, 2,..., 2n}→{1, 2..., 2n} defined by a(i)=a_i satisfies a^2=id. and has a parity reversing. Dowker-Thistlethwaite gave necessary and sufficient conditions for a mapping a (or a permutation (a_1, a_2,..., a_<2n>)) corresponding to a knot projection. As their conditions are fitting into a computer programming, we set up a programming to list up sequences satisfying Dowker-Thistlethwaite conditions. We use N_<88>-BASIC as the programming language and a personal computer, PC9801 (NEC).
著者
倉林 しのぶ 芝山 江美子 宮崎 有紀子 李 孟蓉 尾島 喜代美 風間 順子
出版者
日本生命倫理学会
雑誌
生命倫理 (ISSN:13434063)
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, pp.76-86, 2014-09-26 (Released:2017-04-27)

本調査では、「虐待」および「虐待」のグレーゾーンともいえる「不適切な行為」の認識に影響を及ぼす因子と、その「気づき」を促すための方策を探ることを目的に介護関連施設職員240名を対象にした自記式無記名による質問紙調査を実施した。その結果、「虐待」として認識率が高いものは、"高齢者への被害が明らかな行為"であり「不適切な行為」としては、"高齢者本人に直接的な侵襲がないと思える行為"があがった。30%以上が「問題ない」と認識した行為はいずれも「安全優先」「施設都合」「家族優先」のいずれかが背景にあった。また、職種別による「虐待」の認識率は「介護福祉士」が最も高く、経験年数別では、「3年以上」が「3年未満」より高率であった。虐待や不適切行為を捉える能力は教育だけで身に付くものではなく、介護の実践経験を積むことで養われる能力の存在も示唆され、人材養成教育や職員教育の充実とともに、実践現場における事例検討等を含めた教育継続が必要である。また、対象者への直接的な侵襲がない行為でも守秘義務や自律尊重に関わる倫理的問題が含まれている場合があり、それらを見極める能力を高めることも必要と思われた。
著者
林紀 代美
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
地理学評論 Ser. A (ISSN:00167444)
巻号頁・発行日
vol.74, no.9, pp.491-511, 2001-09-01 (Released:2008-12-25)
参考文献数
37
被引用文献数
1

本研究は,下関漁港・商港において,水産物流通の空間構造を解明することを目的とする.この際水産物輸入取扱を含めて,特に集出荷活動に注目して生産から消費の空間全体を検討する.下関漁港は1970年代以降水揚が減少し,漁港市場の集荷では搬入物が増加した.買受人の活動は周辺地域への分荷供給を行う「地廻り」に中心が移った.集出荷地域は周辺地域を中心にほぼ関東以西に広がる.下関商港では,東アジアを中心に貝類やフグなど特色ある輸入水産物を扱う.中継輸送を介して全国出荷する.活動で中心的役割を果たすのは水産物輸入業者である.しかし結節点に関係業者が集積する漁港の集出荷活動の場合と異なり,彼らは必ずしも下関に所在せず,下関の業者に業務を委託する場合もある.両港の活動は一部相互関係を持っが,両港に関わる流通展開は独立している.下関は特徴の異なる港湾,活動空間を並存する水産物流通の空間構造を形成せざるを得ない.
著者
小林 寛道 八木 規夫
出版者
日本体力医学会
雑誌
体力科學 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.40, no.6, 1991-12-01

1989年8月27日、札幌市で行われた北海道マラソンに出場した日本の代表的マラソンランナーH.T選手を対象として、マラソンレース中の体表面温度を赤外線映像装置(日本アビオニクス株式会社TVS)を用いて併走車上より撮影記録した。計測点は、顔(前額部)、胸(ランニングシャツのかからない胸元部位)、腹部(ランニングシャツの表面)、大腿(大腿中央部)の4点とした。
著者
小原 雄治 加藤 和人 川嶋 実苗 豊田 敦 鈴木 穣 三井 純 林 哲也 時野 隆至 黒川 顕 中村 保一 野口 英樹 高木 利久 岩崎 渉 森下 真一 浅井 潔 笠原 雅弘 伊藤 武彦 山田 拓司 小椋 義俊 久原 哲 高橋 弘喜 瀬々 潤 榊原 康文
出版者
国立遺伝学研究所
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)『学術研究支援基盤形成』
巻号頁・発行日
2016

①総括支援活動では、支援課題の公募を行い、領域外有識者による審査委員会により選考し、支援を行った。経費上限設定など多くの採択ができるように努めた結果、応募188件、採択93件(採択率49.5%)となった。支援の成果として2017年度に54報の論文発表がなされた。②大規模配列解析拠点ネットワーク支援活動においては、最先端技術を提供するためにそれらの整備や高度化を進めた。遺伝研拠点では染色体の端から端までの連続した配列完成を目指して、ロングリードシーケンサー(PacBio Sequel)、長鎖DNA試料調製技術、さらに1分子ゲノムマッピングシステム(Irysシステム)の最適化を進め、実際の試料に応用した。東大柏拠点では、1細胞解析技術を整備し支援に供するとともに、Nanopore MinIONを用いた一連の要素技術開発を進めた。九大拠点では微生物ゲノムのNGS解析最適化を進めた。札幌医大拠点ではLiquid Biopsyによる体細胞における低頻度変異検出技術開発を進めた。③高度情報解析支援ネットワーク活動では、支援から浮かび上がった課題を解決するソフトウェアの開発を進めた。支援で特に活用されたものは、真核2倍体用denovoハプロタイプアセンブラPlatanus2(東工大)、染色体大規模構造変異高精度検出アルゴリズムCOSMOS、変異解析結果の信頼性を評価するソフトウェアEAGLE(以上、産総研)、エクソン・イントロン境界におけるスプライソソーム結合頻度の解析パイプライン(東大)、であった。また、CLIP-seqデータの解析パイプライン、高速オルソログ同定プログラムSonicParanoid、ロングリード向けアラインメントツールminialign(以上、東大)は今後の活用が予想される。高度化等の成果として48報の論文発表がなされた。
著者
城倉 正祥 ナワビ 矢麻 伝田 郁夫 渡辺 玲 小林 和樹 石井 友菜 根本 佑
出版者
早稲田大学東アジア都城・シルクロード考古学研究所
巻号頁・発行日
pp.1-23, 2016-07

早稲田大学東アジア都城・シルクロード考古学研究所 調査研究報告 第1冊
著者
会田 久仁子 角野 幸子 小林 智子 角野 猛
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
調理科学 (ISSN:09105360)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.74-77, 1989-03-20 (Released:2013-04-26)
参考文献数
13

In order to clarify the bacterial contamination and sugar contents of wet Japanese-style confectioneries on the market, we examined 84 samples by inspecting total bacterial counts, coliform group, sucrose, glucose and fructose contents.The results obtained were as follows:1. The total bacterial counts were in the range of below 3.0×102/g to 9.1×106/g.2. Detection percentage of coliform group in Mushimono, Mochimono, Yakimono and Nerimono were 5.4%,40.9%,5.9% and 0%, respectively.3. Mean contents of sucrose of Mushimono, Mochimono, Yakimono and Nerimono were 299.8mg/g,289.1mg/g,311.2mg/g and 399.4mg/g, respectively.4. Mean contents of glucose and fructose of wet Japanese-style confectioneries were 7.3mg/g and 4.5 mg/g, respectively.