著者
森 傑 舟橋 國男 鈴木 毅 木多 道宏
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.66, no.540, pp.181-187, 2001
被引用文献数
8 1 2

From the point of view of environment behavior studies, this paper proposes an alternative approach in housing environment design drawn from recent ethnomethodological developments in sociology, social science, anthropology and cognitive science. The orientation in design action led by an architect is constituted through the sequence construction of conversation between the architect and the client, and the contents of housing environment design develop through the customary regulation and restriction in conversation. It becomes clear that we must re-study the premise which communication can build a consensus because the orientation acts on the client as force or power and controls his independence.
著者
筒井 貴士 我満 拓弥 大城 卓 菅原 晃平 永井 隆広 渋木 英潔 木村 泰知 森 辰則
出版者
一般社団法人 言語処理学会
雑誌
自然言語処理 (ISSN:13407619)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.125-155, 2014
被引用文献数
1

近年,国会や地方議会などの会議録が Web 上に公開されている.会議録は,首長や議員の議論が書き起こされた話し言葉のデータであり,長い年月の議論が記録された通時的なデータであることから,政治学,経済学,言語学,情報工学等の様々な分野において研究の対象とされている.国会会議録を利用した研究は会議録の整備が進んでいることから,多くの分野で行われている.その一方で,地方議会会議録を利用した研究については,各分野で研究が行われているものの,自治体によりWeb上で公開されている形式が異なることが多いため,収集作業や整形作業に労力がかかっている.また,各研究者が重複するデータの電子化作業を個別に行っているといった非効率な状況も招いている.このような背景から,我々は多くの研究者が利用することを目的として,地方議会会議録を収集し,地方議会会議録コーパスを構築した.本稿では,我々が構築した地方議会会議録コーパスについて論ずる.同コーパスは,Web上で公開されている全国の地方議会会議録を対象として,「いつ」「どの会議で」「どの議員が」「何を発言したのか」などの各種情報を付与し,検索可能な形式で収録した.また,我々は会議録における発言を基に利用者と政治的に近い考えをもつ議員を判断して提示するシステムを最終的な目的としており,その開発に向けて,分析,評価用のデータ作成のために会議録中の議員の政治的課題に対する賛否とその積極性に関する注釈付けをコーパスの一部に対して行った.本稿では,注釈付けを行った結果についても報告する.
著者
森 理恵
出版者
京都府立大学
雑誌
京都府立大学学術報告. 人間環境学・農学 (ISSN:13433954)
巻号頁・発行日
vol.58, pp.19-28, 2006-12-25

1889年の創刊以来現在まで日本美術史研究の権威とされる,美術誌『国華』において,その研究を支えた思想の変遷と戦争との関係を明らかにすることを目的とし,日露戦争期,第一次世界大戦期,日中戦争期・太平洋戦争期における,誌上の論説の分析をおこなった。その結果,『国華』の思想は,戦争と深くかかわり,戦争を賛美し,戦争の進展にともなってその思想を発展さ,常に日本帝国主義と歩調を合わせて展開してきたことが明らかになった。
著者
森山 園子
出版者
東北大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2011

線形計画問題(LP)を解くアプローチの1つに,単体法[Dantzig(1947)]に始まるピボットアルゴリズムがある。多項式時間ピボットアルゴリズムの存在の解明はLPにおける重要な未解決問題である。本研究では,多項式時間達成の可能性があるピボット規則として近年注目を集めている最小訪問規則[Zadeh(1980)]に着目し,以下目標を通じてこの未解決問題の解決に挑んだ。(1) ピボットアルゴリズムの振る舞いを記述するLPグラフの列挙法を構築;(2) 最小訪問規則から着想した履歴依存型ピボット規則の振る舞いをLPグラフ上で解析;(3) ピボット規則の適用回数に関する予想の成立・不成立を検証
著者
森永 千佳子 平見 恭彦 浦尾 充子 日高 庸晴 高橋 政代
出版者
公益財団法人先端医療振興財団
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究は、現在のところ治療法が確立されておらず、治療研究の進歩の過渡期にある網膜色素変性(RP)の患者の状況に即した支援の検討を目的としている。①RPの患者対象の個別半構造化面接と②RPの医療や患者支援に関わる専門家・医療者へのヒアリングを実施した。①②で得られた情報を元に、③より広くRPの患者の実態を知るために質問調査項目の設定とWEB調査実施のための検討を重ね、WEB調査システムを構築し、④RPの患者対象にWEBによる質問調査を行った。患者の視点に配慮した支援体制と情報提供のあり方の検討の土台となるデータが得られたことは、RPを取り巻く医療の発展において、患者‐医療者双方に有用である。
著者
竹島 久志 金森 克浩
出版者
仙台高等専門学校
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

本研究は、障害児・者を含めた多様な運動・知的特性を有する学習者が利用できる学習ソフトを増やすことを目的に、スキャン入力等のアクセシビリティ機能を容易に学習ソフトに組み込むための「アクセシビリティ機能ライブラリの開発」と、学習ソフトが備えるべき「アクセシビリティ適用指針の検討」を実施した。開発したアクセシビリティ機能ライブラリには、多様な入力方式および多様な視覚・聴覚フォーカスを備えることができた。本ライブラリをWebで公開すると共に、サンプル学習ソフトの制作、利用講習会を実施しその有用性が確認した。加えて、アクセシビリティ適用指針の案を提案した。
著者
田島 充士 森田 和良
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.57, no.4, pp.478-490, 2009 (Released:2012-02-29)
参考文献数
28
被引用文献数
5 2

本研究では, 日常経験知の意味を取り込まないまま概念を暗記する生徒達の, 「分かったつもり」と呼ばれる学習傾向を改善するための教育実践である「説明活動(森田, 2004)」の効果について検討した。本実践では, 生徒達が教師役を担い, 課題概念について発表会で説明を行うことになっていた。また残りの生徒達は聞き手役として, 日常経験知しか知らない「他者」の立場を想定して, 教師役に質問するよう求められた。この手続きを通し, 日常経験知の観点を取り入れた概念解釈の促進が目指されていた。小学5年生を対象に実施された説明活動に基づく授業を分析した結果, 以下のことが明らかになった。1)本授業の1回目に実施された発表会よりも, 2回目に実施された発表会において, 教師役の生徒達は, 日常経験知を取り入れた概念解釈を行うようになった。2)聞き手役からの質問に対し, 1回目の発表会では拒否的な応答を行っていた生徒達が, 2回目の発表会では, 相手の意見を取り入れた応答を行うようになった。これらの結果に基づき, 本実践における, 日常経験知との関係を考慮に入れながら概念の意味を解釈しようとする, バフチン理論のいう概念理解へ向かう対話傾向を促進する効果について考察がなされた。
著者
森高 久恵 木村 光孝 中村 嘉明 松山 道孝 住本 和隆 篠崎 英一
出版者
一般財団法人 日本小児歯科学会
雑誌
小児歯科学雑誌 (ISSN:05831199)
巻号頁・発行日
vol.21, no.3, pp.515-522, 1983-09-25 (Released:2013-01-18)
参考文献数
18

著者らは,初診時4歳9ヵ月,Hellman's Dental Age II Aの女児において,既に4歯芽の早期萌出と,動揺による咀嚼障害を主訴として来院した症例に遭遇した。歯芽は舞踏状に動揺し,脱落寸前であった。電気診(一),X線診査で歯根形成が認められないため,保存不可能と判断し歯芽を除去した。歯芽のエナメル質表面は一部褐色を呈している部分があり,エナメル質形成不全であると思われた。除去した歯芽を2分割し,一方は未脱灰研磨切片を作製し光顕的観察に,もう一方は走査電顕的観察に用いた。光顕的にはエナメル質,象牙質ともに形成不全像を呈し,電顕的には肉眼像で褐色を呈する部分にpitsが散在し,構造は粗造でエナメル質低石灰化像を呈していた。低石灰化部と健全部のエナメル質をX線マイクロアナライザーで分析すると,定性的には全く差異を認めなかった。歯芽と同時に歯芽直下の歯槽内より摘出した軟組織の病理組織所見は慢性肉芽性炎症であった。本症例の発生原因を文献的考察と合わせて探ってみた結果,先行乳歯への影響が永久歯歯芽に及び,歯芽が壊死に陥ったため異物排除機転が働いたものと考えられる。
著者
武井 秀夫 北森 絵理 ANDRES Felipe Ramirez MARIA Teresa Ramirez SAMUEL Melinao GREGORIO Perez EDUARDO Sarue 工藤 由美 内藤 順子
出版者
千葉大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2006

途上国の対社会的弱者政策は標準化されたものになりつつあるが、各国の固有の歴史を背景に、そうした政策が社会的弱者に与える影響は異なってくる。本研究では、チリ、パナマ、ブラジルの大都市に居住する先住民、障害者、貧困層について調査を行った。過去の強制を伴う政策は人々に今も負の影響を及ぼし続けているが、現在の政策を利用して集団的としての力を強めている集団もあり、そうした集団では自己組織化を可能とする基盤の存在が重要な役割を果たしていた。
著者
大森 匡 Wisut Sae-Tung 星 守
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.52, pp.237-238, 1996-03-06
被引用文献数
2

最近のコンピュータネットワークではWWWなど様々な情報資源を提供するサーバ(情報ベース)が自然発生的に点在しており、ユーザか移動計算機からこうした情報資源を自由に検索・加工したい、という要求が大きい。しかし、これら情報ベースはユーザが望む利用手段や情報構造をあらかじめ用意していないことが多く、結果としてほぼ全ての情報を移動計算機側からブラウズしがちである。この問題を解決するためには一般に仲介者と呼ばれる補助機構が必要である。我々はスクリプト言語による遠隔プログラムを使ってこの機構を提案してきた。図1が提案した仲介者機構による検索手順である。すなわち、ユーザは未知な情報ベースに対し、(1)始めに、ユーザは情報ベースへそのクラス定義を問い合わせ、その仕様(i.e. 情報構造と利用手段)を教えてもらう。(2)次に、移動計算機欄で自分がやりたい検索スクリプトを合成し、(3)情報ベースに送って実行させる。この手法では、個々のユーザに依存した情報検索・加工手続き自体(「関心がある情報を探す」など)は移動計算機に載ってネットワーク内を移動し、必要な時に情報ベースへ送られる。従って情報ベース側ではそれ固有の検索手段以外はスクリプト言語の処理系だけを用意すれば良い。 我々はこの機構をPerlに永続オブジェクト操作機能をいれたスクリプト言語Persistent Perlを用いて試作している。しかし、移動計算機上にあらかじめ持っていた検索スクリプトと、情報ベース固有の情報との二つを合わせて使うようなスクリプトをユーザが直接Persistent Perlを使って記述するのは難しい。本稿ではオブジェクト指向SQLを使ってこうした検索スクリプトを合成する方式を論じる。
著者
森本 洋太 青木 直史
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EA, 応用音響 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.125, pp.29-33, 2012-07-12

本稿ではソニフィケーション・ツールとしてのSupercolliderの可能性について述べる.Supercolliderは多種のユニット・ジェネレータを備えた、リアルタイム音響合成のためのプログラミング環境である.本環境を用いたデータ可聴化プログラミングの方法をデモを通して考察する.
著者
千森 幹子 BEER Dame Gillian SCOTT Clive
出版者
帝京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究は、ポストコロニアル的観点から、1860年代から1920年代にいたる英版文学図像におけるオリエント表象を、政治社会文化美術的背景から、西洋と日本(東洋)の交差として、考察する学際研究であり、カルチュラルスタディズである。本研究では、ケーススタディとして取り上げた文学作品図像に見るオリエント表象を、中東・中国・日本イメージの混在・分化・変容の過程から考察し、この時期、英国がなぜオリエントに魅惑され、何を受容表象しようとしたのか、その現実との乖離を、政治(植民地政策等)文化美術社会ジェンダーなど多領域から検証し、西洋的価値体系におけるオリエント表象の位相を解明することを、目的とする。