著者
森 偉明 鈴木 智 安野 貴之 堀越 力
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.78, no.3, pp.409-419, 1995-03-25
被引用文献数
8

3次元物体を認識する際,階層的にマッチングしていくのが最も効率的である.従来,詳細な3次元構造を抽出した後,わざわざそれを粗くすることによって階層的な構造を作ることがよく行われている.しかし,最初に詳細な3次元構造を得るのは非常に困難であり,かつ大量な計算が必要であるため,このようなアプローチは極めて非効率である.本論文では,まず,直接に粗い3次元構造から順次に多重スケール3次元構造を抽出できる手法を提案する.物体が存在する空間を最初に粗いボクセルに分割し,カメラのレンズ中心と画像上の特徴点を結んだ逆投影線の通るボクセルに対してある値を加算するという3Dボーティングを行う.加算値の高いボクセルは実際に3次元特徴点が存在する領域として抽出する.更に,3次元特徴点が存在するボクセルを再分割し,3Dボーティングを行うことを繰り返すことによって,効率的に粗いボクセルから細かいボクセルまでの物体の階層的な構造を抽出できる.次に,本論文では,画像上の特徴点の位置ずれとカメラレンズ中心の位置ずれによる3Dボーティングへの影響を解析する.そして,これらの誤差の影響を抑えるために,3Dボーティング後のボクセル空間に対して◸^2Gフィルタを掛けることが有効であることを示す.提案した手法を実画像に適用した結果では,複雑なシーンの6枚の画像から正確に階層的な3次元構造を抽出できた.
著者
呉 秀賢 常森 寛行 杉元 幹史 乾 政志 筧 善行
出版者
香川大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

難治性・進行性腎癌、膀胱癌、前立腺癌に対する抗TRAIL受容体抗体併用抗癌化学療法の開発研究を行った。その結果、(1)抗TRAILデスレセプター2に対するモノクロナール抗体であるLexatumumabと臨床的投与可能な低濃度のアドリアマイシン、シスプラチン、エピルビシン、テラルビシンなどとの併用抗癌化学療法による相乗効果を発見した。(2)カスパーゼを阻害することにより相乗効果が抑制されることからカスパーゼカスケード、特にカスパーゼ8の活性化がこの相乗効果に重要であることを証明した。(3)PCR array解析で26個のアポトーシス関連遺伝子の発現変化を発見するなどの成果を得た。
著者
西森 雄一 狩野 均 西原 清一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.38, no.6, pp.1094-1102, 1997-06-15
被引用文献数
4 1

時間割編成問題は,制約条件を満たすように,科目を時間帯に割り当てる探索問題である.従来のシステムでは,カリキュラムが単純な高校の時間割編成が対象であったが,本論文では,より複雑な大学の時間割を制約充足パラダイムにより編成する方法を提案する.大学の時間割編成問題は,課せられる制約条件が多種多様であり,また探索空間が膨大である,という問題点がある.そこで本論文では,制約を,個別に科目への制約,2科目間の関係に関する制約,時間割表全体の整合性に関する制約に分類整理することにより,前者の問題点を解決する.また,後者に対しては,制約に違反点数を与え,その違反点数の最小化を規範とする山登り法を導入し,さらに対話によってユーザと協調して探索を進めることにした.本システムは,編成の基になる時間割を作成する初期割当作成と,その時間割から不具合のある割当を反復改善する割当改善の2段階より成る.本システムを筆者らの大学の実際の時間割編成に適用した結果,人手による編成では数時間かかるところを,数十分で編成ができることを確認した.Timetabling is a search problem to assign the subjects to the time-slots so that various constraints are satisfied.Conventional timetabling systems are applicable to comparatively simple problems such as high school timetabling.In this paper,we propose a method for scheduling univerisity timetables,which have two major problems:first,it is hard to represent concretely all various kinds of constraints,and,second,the search space is extremely large.To resolve the first problem,we classify all the constraints into three groups:the constraints claimed per each subject,the binary constraints to be satisfied between two subjects,and the constraints concerning the total consistency of the timetables for the second problem,we introduce penalty per constraint to make the min-conflicts hill-climbing strategy try to minimize the total penalty.Further,our system interacts with the user to exchange suggestions each other.Timetabling is performed in two steps:generation of an initial assignment and iterative improvement of the total penalty to optimize the timetable.Applying our interactive method,we actually constructed timetables for our university,where the planning time is considerably reduced.
著者
森山 郁子 植田 充治 赤崎 正佳 一條 元彦
出版者
社団法人日本産科婦人科学会
雑誌
日本産科婦人科學會雜誌 (ISSN:03009165)
巻号頁・発行日
vol.34, no.6, pp.769-775, 1982-06-01

ヒトの妊娠22週および分娩時における臍帯血を採取し,また,それらの新生児血液を採取し,総アミノ酸量(FAA)を測定し,また,タウリン(T)に注目してその量を測定したところ,胎生期においてはFAAは母体血より高く分娩時に低くなり,以後新生児では一定の値を示したが,Tのみは他のアミノ酸に比べて高い値を示した.臍帯血のT重は胎生期に高く分娩時に次第に低くなり,新生児では日数と共に低下し,出生9日目でほぼ正常値に近づいた.他のアミノ酸と異なる動態が明らかとなった.この事実を解析するために正常およびStarvationの妊娠ラットについて比較を行つたところ,正常妊娠では臍帯静脈血および胎児動脈血では17,18および19日の間でFAA5,800〜7,O00μg/dlおよび5,700〜6,250μg/dlの範囲値で母体血の2,500〜3,150μg/dlのほぼ2倍の値を維持していた.羊水は18日で4,150μg/dlであり,20日では8,850μg/dlと上昇していた.これに対してTは母体血では18日目に最も高く360μg/dlとなり20日目にほぼ半分の正常値に近づいていた.しかし臍帯静脈血では18日目に最も高く680μg/dlで以後20日目に320μg/dlと減少しており胎児動脈血では18日目に1,150μg/dlと異常に高く,20日目には280μg/dlとたった.羊水中では380〜400ug/dlの間にあり,ぽぽ一定の値を示した.この動物にStarvationを行うと母体血ではStarvationの程度がつよいとFAAの値は上昇し,また,臍帯血値も上昇した.羊水中ではほぼ一定であった.しかし,Tのみは母体ならびに胎仔血中では著しく上昇していることが認められた.但し,羊水のみはStarvationの影響は認められず対照とほぼ等しい値であった.これらの実験事実から,著者らはFAAの変動の意義とT生成量の増加について若干の考察を行つだ.
著者
森 雅樹 高畠 博嗣 笹岡 彰一 名取 博 阿部 庄作
出版者
日本肺癌学会
雑誌
肺癌 (ISSN:03869628)
巻号頁・発行日
vol.33, no.3, pp.357-362, 1993-06-20
被引用文献数
1

肺腫瘤影の検出を目的とした読影実験を行い,読影者の読形成績と読影経験年数の関係について検討した.27名の医師に胸部単純像310枚(肺癌192例,対照118例)を無作為順に読影させ,腫瘤影を検出させた.回答は,腫瘤影の存在性とその部位について,確信度(確実にあり,ぽぽ確実にあり,可能性あり,腫瘤影なし)を付して記入させた.読影結果を確信度によってスコア化し,読影医を読影経験年数によって4群(A,B,C,D)に分けて検討した.腫瘤影の検出について,経験の浅いD群と他の3群の読影者問に読影ス コアに有意差を認めた(p<0.0001).ROC解析を行い,A〜Dの各群間でROC曲線の下の面積に有意差を認め,読影経験年数と読影精度の関連性が示唆された.また,確信度が「可能性あり」までのレベルの有病正診卒および陽性的中卒は読影経験年数により増す傾向が見られたが,無病正診率については一定の傾向は見られなかった.
著者
藤本 悦子 安藤 詳子 寳珠山 稔 菊森 豊根 福山 篤司 有田 広美 大島 千佳 永谷 幸子 竹野 ゆかり 間脇 彩奈 佐伯 街子 今井 常夫 阿部 まゆみ
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010-04-01

リンパ浮腫を来した患肢のリンパ動態とCDTの効果を明らかにし、その成果に基づいて効果的なケアプログラムを開発する。動物とリンパ浮腫患者を対象とした2つのアプローチで行った。前者ではICG-PDEシステムを用い、in vivoでリンパを追跡した。後者ではMR画像から水分の貯留部位を同定した。両者共にCDTを施行し、CDTの効果を明らかにした。両アプローチから、リンパは特異的な分布を示すこと、CDTには浮腫を軽減する効果があることが明らかになった。さらにラットでは、正常時にはないリンパの排出ルートが出現し、これが浮腫の軽減に寄与していることが示唆された。これまでとは違ったケアが考えられた。
著者
森 幸夫
出版者
国史学会
雑誌
国史学 (ISSN:03869156)
巻号頁・発行日
no.210, pp.37-59, 2013-06

1 0 0 0 看護教育学

著者
杉森みど里 舟島なをみ著
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
2014
著者
山森 邦夫
出版者
北里大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2002

岩手県越喜来湾には夏〜秋に毒性の高いフグ科魚類稚魚が出現する。そこでフグの毒化原因は天然餌生物中にあると仮定し、無毒の養殖クサフグ稚魚を籠に収容して同湾の海中に吊るし、籠目から入る天然餌生物を同稚魚に摂食させて飼育し、毒化が起こるかどうかを調べた。実験は同湾内の鬼沢漁港と袖の沢沖の2ヶ所で、2001年〜2003年に実施した。体重0.1〜1.6gの稚魚数十尾をプラスチック製魚籠(80×56×37cm)に収容して上記2ヶ所の水面下1mに吊るし、7月頃〜11月頃まで2週間〜1ヶ月間の飼育実験を繰り返した。回収後の供試魚の毒性はマウス試験で調べた。袖の沢沖では3年間、計14回の飼育実験で1回も毒化しなかった。一方、鬼沢漁港では計14回中、年により異なるが8月11日から10月3日までの期間内の5回の飼育実験で毒化した。毒化個体の毒性は、4.0〜76.5MU/gであった。以上から養殖クサフグ稚魚は特定の時期に特定の場所で海中籠飼育することにより毒化することが分かった。上述の海中籠飼育実験で無毒の養殖クサフグ稚魚を毒化させる原因となった餌生物を特定する目的で次ぎの実験を行なった。鬼沢漁港の陸上に養殖クサフグ稚魚飼育水槽2個を設置した。水中ポンプを使用して汲み上げた海水(流量120l/m)を0.335mmおよび0.1mmの2段階のプランクトンネットで濾し、大型および小型のプランクトン部分に分けて濃縮し、それぞれを稚魚飼育水槽に流した。2003年7月から11月まで両水槽に各数十尾の養殖クサフグ稚魚を収容して2週間-1ヶ月間飼育し、飼育終了後の稚魚の毒性を調べた。両水槽中のプランクトンの一部は毎日採集・保存した。大型プランクトン水槽では10月1日-10月15日飼育の9検体中2検体が毒化した。小型プランクトン水槽では8月12日から10月15日までの期間内の4回の飼育実験で25検体中13検体が毒化した。毒性は4.3〜7.3MU/gであった。以上はプランクトン摂食による養殖フグの毒化を示唆する。毒化原因プランクトン種の絞り込みは進行中である。
著者
植田 智 吉森 護
出版者
広島大学教育学部
雑誌
広島大学教育学部紀要 第一部 (ISSN:04408705)
巻号頁・発行日
no.39, pp.p151-156, 1990
被引用文献数
1 2
著者
峰松 健夫 真田 弘美 森 武俊 仲上 豪二朗 野口 博史 玉井 奈緒
出版者
東京大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2014-04-01

(1)スキンブロッティングの原理:角質細胞間脂質のラメラ構造の電子顕微鏡観察が必要であるが、従来の試料作製法では不可能である。そこで新たな試料作製法を考案し、通常電顕で観察ができることを明らかにした。また、タイトジャンクションについては、Claudin1の組織染色性が変化することからスキンブロッティングによる一時的な開裂が示唆された。(2)褥瘡の超早期発見を実現するためのスキンブロッティングに用いるバイオマーカーの選択を動物実験で行い、虚血・リンパ還流障害・虚血再灌流障害・組織変形を示すバイオマーカーとしてそれぞれPAI1、VEGF-C、IL1α、HSP90αを同定した。
著者
森 万純
出版者
愛媛大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2011

術後4日以内の急性期患者に対する身体抑制の実施に至る看護師の判断要因を明らかにした。その結果、チューブ類に触れるあるいは触れないに関わらず、ベッド上でそわそわと寝たり起きたりを繰り返すなどの動作がみられる場合や、過去に術後せん妄を発症したり、何らかのルート類を自己抜去したことがあることや転倒・転落の既往が身体抑制の実施の判断の鍵となっていた。また、いつもより多重業務を行わなければいけないという医療者側の人的環境も抑制実施の判断要因の一つであることが明らかとなった。看護師が少しでもジレンマを感じることなくケアできるように、身体抑制実施の判断基準の構築および環境面の整備の必要性が示唆された。
著者
千里 政文 黒澤 直子 森井 綾 松澤 衛 佐藤 克之
出版者
北翔大学
雑誌
人間福祉研究 (ISSN:13440039)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.187-194, 2008

The elderly population ratio exceeded 22.7% in Hokkaido. Furthermore, the super-elderly population ratio exceeded 25% in 137 cities, towns and villages. This research is inquired on the state of the high Quality of life for the elderly with dementia. Eight units of the elderly with dementia in the group homes From Otaru, Sapporo, Asahikawa, and Rumoi were Formed to be the subject of this research. This inquiry is focused on the flow planning of living room and kitchen from the construction side. There is a deep relationship between a living dining room and a kitchen for the Tenant's daily life. It also became clear that these spare have significant meanings for staff, visitors, and especially Family members. It became clear that the Form of a passage affects the Flow plan of entire group home including tenants' daily life. The physical burden of a resident and the staff increases, as the number of passages increase. More passages increase the dead space, which decrease the residential atmosphere.
著者
森 茂男 レザーイーバーグビィーディー ハサン 藤元 優子 竹原 新 藤元 優子 竹原 新 アーベディーシャール カームヤール
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

本研究は、現代のイラン人が保持する伝統的な祭祀・信仰に関する資料をデータベース化することにより,これまで断片的にしか提示されてこなかった当分野の研究資料を一元化し、研究の効率を格段に向上させることを目指したものである。その結果、イラン国内でのイスラム以前の遺跡をはじめとする資料収集、データベース構築に係る作業、文学論への応用研究に係る研究活動を実施した。