著者
シュトレング フランツ 薮中 悠 濱田 新 荒木 泰貴 山田 雄大 橋本 広大 橋本 広大
出版者
慶應義塾大学大学院法務研究科
雑誌
慶應法学 = Keio law journal (ISSN:18800750)
巻号頁・発行日
no.34, pp.77-155, 2016-03

翻訳I. はじめにII. 責任, 起訴裁量(Opportunität)そして刑罰III. 一般刑法の主刑 1) 罰金刑(Geldstrafe) a) 概要 b) 不払いの効果 c) 罰金刑の特殊形態 2) 自由刑(Freiheitsstrafe) a) 自由刑の諸形態と意義 b) 無期自由刑(Lebenslange Freiheitsstrafe〔終身自由刑〕) c) 自由刑の量的適用状況 d) 刑の執行猶予(Strafaussetzung zur Bewährung) aa) 概観 bb) 執行猶予に伴う諸判断 (1) 猶予期間(Bewährungszeit) (2) 負担(Auflagen) (3) 指示(Weisungen) (4) 保護観察(Bewährungshilfe) (a) 保護観察の命令 (b) 保護観察官(Bewährungshelfer) (c) 執行猶予の取消し(Widerruf)又は刑の免除(Straferlass) (d) 執行猶予の「成功」について e) 行刑(Strafvollzug) f) 仮釈放(Aussetzung des Strafrests zur Bewährung〔残刑の執行猶予〕) aa) 有期自由刑における仮釈放 bb) 無期自由刑における仮釈放 3) 罰金刑及び自由刑後の再犯(Rückfall)〔以上, 小池訳〕IV. 付加刑(Nebenstrafen)と付加的効果(Nebenfolgen) 1) 運転禁止(Fahrverbot) 2) 資産刑(Vermögensstrafe) 3) 官職就任資格(Amtsfähigkeit)と選挙権(Stimmrecht)の喪失〔以上, 橋本訳〕V. 刑法の「第2の軌道」 1) 二元主義(Zweispurigkeit) : 概要 2) 改善保安処分(Maßregeln der Besserung und Sicherung) a) 精神病院収容(Unterbringung in einem psychiatrischen Krankenhaus) b) 禁絶施設収容(Unterbringung in einer Entziehungsanstalt)〔以上, 濱田訳〕 c) 保安監置(Sicherungsverwahrung) d) 行状監督(Führungsaufsicht) e) 運転免許の取消し(Entziehung der Fahrerlaubnis)〔以上, 荒木訳〕 f) 職業禁止(Berufsverbot) 3) 利益収奪及び没収 a) 利益収奪(Verfall) b) 拡大収奪(erweiterter Verfall) c) 没収(Einziehung)〔以上, 山田訳〕VI. 量刑(Strafzumessung) 1) 一般的基礎 2) 法律上の準則 a) 中心的な量刑規定 : 刑法46条 b) 法定刑の減軽 c) 一般的な二重評価禁止(Doppelverwertungsverbot) d) 短期自由刑の例外的性格 e) 刑の代替(Strafersatz)の考慮 3) 量刑理論(Strafzumessungstheorien) 4) 数罪の量刑VII. 少年刑法の制裁 1) 概要 2) 補充性の原則(Subsidiaritätsprinzip) 3) 少年刑法の特別な制裁 a) 総説 b) 教育処分(Erziehungsmaßregeln) c) 懲戒処分(Zuchtmittel) aa) 戒告(Verwarnung) bb) 負担(Auflagen) cc) 少年拘禁(Jugendarrest) d) 少年刑(Jugendstrafe) aa) 概要 bb) 執行猶予と行刑 cc) いわゆる有罪宣告手続(Schuldspruchverfahren) 4) 少年刑法の制裁後の再犯〔以上, 薮中訳VIII. 精神諸科学(Psychowissenschaften)との協働 1) 総説 2) 責任能力(Schuldfähigkeit)の判断〔以上, 山田訳〕 3) 再犯に及ばないことの予測(Legalbewährungsprognose)〔荒木訳〕
著者
橋本 京子 子安 増生
出版者
日本パーソナリティ心理学会
雑誌
パーソナリティ研究 (ISSN:13488406)
巻号頁・発行日
vol.19, no.3, pp.233-244, 2011-04-20 (Released:2011-06-23)
参考文献数
32
被引用文献数
6 3 1

本研究は,楽観性と,ポジティブ志向(現実のポジティブな面を強調するような,必ずしも現実に基礎をおいていない認知),および主観的幸福感の関連を検討することを目的として行われた。大学生337名を対象に,楽観性尺度,主観的幸福感尺度,ポジティブ志向尺度から成る質問紙調査を実施した。因子分析の結果,楽観性,主観的幸福感は,両者とも1因子構造であること,およびポジティブ志向は,ポジティブに認知する際の基準をどこに置くかの違いによって,「上方志向」と「平静維持」の2因子に分かれることが明らかになった。楽観性がポジティブ志向の各因子を経て主観的幸福感に至るモデルを構成し,共分散構造分析によって検討したところ,楽観性は,「上方志向」および「平静維持」と正の関連がみられた。また,主観的幸福感は,楽観性および「上方志向」と正の関連がみられたが,「平静維持」との関連はみられなかった。
著者
橋本 陽介 石田 祐 三好 俊文 藤澤 由和
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.42, no.Suppl., pp.161-164, 2018-12-20 (Released:2018-12-21)
参考文献数
9

本研究では,新たな入試制度と,新たなカリキュラムに基づく基盤教育を開始した大学で,すべての学生が履修し,ICT ツールを援用したアクティブラーニング形式の講義において,AO 入試で入学した学生と他の入試で入学した学生で,学びへの取り組みに違いが存在するかを検討した.その結果,一般選抜(前期)で入学した学生よりも,特別選抜(AO 入試)で入学した学生の方が,学びへの取り組みが意欲的であることが認められた.こうした点から,AO 入試において意図した学生の確保が一定程度なされていると考えられた.その一方で今後は,AO 入試で入学した学生の理論的な学びの程度や卒後まで視野に入れた評価が必要であると考えられた.
著者
橋本 隆子 飯沢 篤志 白田 由香利
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告データベースシステム(DBS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2001, no.70, pp.359-366, 2001-07-17
被引用文献数
1

近年,PDA ,携帯電話など,携帯端末の普及がめざましい.現在試験的に運用されている次世代の携帯端末では従来のテキスト,静止画像のみならず,動画像の処理も可能となってきている.このような携帯端末に対して,野球,サッカーの試合速報等を送信する番組関連情報送出サービスが始まっている.現状のサービスでは,サービス提供者が試合の経過を文字列で生成し,それをメイルとして利用者に送信しているが,今後,携帯端末の性能向上によって,動画像や既存DB の情報,関連Web サイトのページなど,より高度でかつ構造化された番組関連情報も送信されてくると考えられる.その場合の問題点としては以下のものが挙げられる.(1) 携帯端末は,表示領域が小さく,提示可能な情報が制限される,(2)利用者は最小限のインタラクションしか行えず,情報の構造を巡回しにくい,(3)情報が高度になればなるほど,利用者ごとに必要な情報が異なってくる.これらの問題を解決するために,我々は,利用者の嗜好に応じた番組関連情報のシナリオによる提示方式を提案する.本方式では,利用者の嗜好情報に基づいて,情報の提示指標値を算出する.算出された指標値にから,番組関連情報の提示順序を決定し,携帯端末で提示するためのシナリオを生成する.シナリオに基づいた提示により,制限された表示領域において,利用者は自分の見たい情報を見たい順序で複雑なインタラクションなく視聴することが可能となる.Recently, PDAs, cellular phones, and other mobile devices have come intowide use. The next-generation mobile terminal under testing, in addition to delivering text and image data, can also deliver movie data. Digital data broadcasting can deliver additional data as contents attachments .The service has started delivering game news for baseball and soccer programs to mobile terminals. Service providers build text data of a game's progress and send it to users by e-mail in the mobile environment. Taking advantage of the improved efficiency offered by mobile terminals, the system will be able to deliver TV program-related information, such as movie data, data from sports databases, and related Web pages. This service has the following problems: (1) Display area is restricted. (2) User interaction is restricted. (3) Each user would like to get the information that reflects his or her preferences. To address these problems, we propose the presentation scenario generation method for TV program-related information. In this method, presentation priorities are calculated to reflect each user's preference .Based on the values of presentation priorities, a presentation scenario is generated for viewing on mobile terminals. For presentation by a presentation scenario, each user can watch desired information without complicated interaction.
著者
赤崎 正一 戸田 ツトム 寺門 孝之 橋本 英治 荒木 優子 Shoichi AKAZAKI Tztom TODA Takayuki TERAKADO Eiji HASHIMOTO Yuko ARAKI
出版者
神戸芸術工科大学
雑誌
芸術工学2011
巻号頁・発行日
2011-11-30

出版メディアにおけるデザイン動向は、広告など他の分野と比較して、実験的先端的な傾向が強い。組版設計をふくむ広義の「ブックデザイン」のそうした傾向には日本語固有の組版システムの複雑さがもたらす、実験的組版の広汎性も要因のひとつと考えられる。事例として2009 年度のビジュアルデザイン学科における3 回の特別講義を取り上げる。それぞれの講師は、絵本作家・イラストレーターの木内達郎氏、アートディレクター・ブックデザイナーのミルキィ・イソベ氏、グラフィックデザイナーの松田行正氏の3 氏である。ブックデザイン・組版デザインに長年携わってこられた、これらの方々の講義には、さまざまな作品紹介を通じて、多様な「ブックデザイン」の実験的試みが含まれている。 ブックデザインの戦後的動向の先端や特異点を構成する3 氏の特別講義はわれわれの研究に大きな示唆をもたらすものである。それら、事例紹介も多く盛り込まれた特別講義を単行本「デザイン・プレゼンテーションの哲学」として編纂・刊行した。そして、この単行本の制作自体がブックデザインやエディトリアルデザイン(組版デザインを含む)の実験的実践なのである。Design in publication media are inclined to be experimental and edgy compared to that in other fields such as advertising. This characteristic of "book design" in the broad sense of term is attributed in part to the prevalence of experimental typesetting caused by the complex typesetting system intrinsic to the Japanese language.This course explored three special lectures presented by Department of Visual Design in fiscal 2009. The speakers of the lectures were Mr. Tatsuro Kiuchi (an illustrator and picture book author), Ms. Milky Isobe (an art director and book designer) and Mr. Yukimasa Matsuda (a graphic designer). In these lectures, the three professionals, who had long been involved in book design and typesetting design, talked about diverse experiments in "book design" through various projects. Their special lectures, discussing the cutting-edges and uniqueness of the post-war book design trends, offered inspiring insights in our study.We compiled and published a book based on the three lectures introducing many cases of experimental book design titled Philosophy of Design Presentation.The production of this book was an experimental practice of book design and editorial design (including typesetting design).
著者
山下 一也 井山 ゆり 松本 亥智江 井上 千晶 松岡 文子 磯村 由美 飯塚 桃子 梶谷 みゆき 吾郷 美奈恵 齋藤 茂子 湯澤 雄一郎 片倉 賢紀 橋本 道男 加藤 節司 Kazuya YAMASITA Yuri IYAMA Ayako MATSUOKA Yumi ISOMURA Momoko IIZUKA Miyuki KAJITANI Minae AGO Sigeko SAITO Yoichiro FUKUZAWA Masanori KATAKURA Michio HASHIMOTO Setsuji KATO
雑誌
島根県立大学短期大学部出雲キャンパス研究紀要 (ISSN:18824382)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.25-30, 2007-12-10

高齢者の趣味の有無が認知機能と関連しているとの報告が多くなされている。今回、地域在住一般高齢者272名(平均年齢72.3歳)を対象に趣味の有無と認知機能の関連を検討した。趣味を有する群(186名)と無趣味群(86名)では、主観的幸福感、抑うつ程度、 日常生活動作には有意差は見られなかったが、認知機能においては、趣味を有する群では無趣味群に比して有意に高値であった。また、趣味を有する群では、無趣味群に比して、物事に好奇心があり、社交的な性格であった。認知症予防において、趣味を持つことを積極的に勧めることは重要と思われる。
著者
石原 康成 水池 千尋 水島 健太郎 三宅 崇史 稲葉 将史 久須美 雄矢 堀江 翔太 立原 久義 橋本 恒 山本 昌樹
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.42 Suppl. No.2 (第50回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.1028, 2015 (Released:2015-04-30)

【はじめに,目的】小・中学生の投球障害肩・肘症例の中には,棘下筋(以下,ISP)の筋力低下や筋萎縮が生じている例が存在する。これらISPの機能不全は肩甲上腕関節の不安定性に影響をもたらし,永続的な障害の一因となりうるため,早期発見の重要性が高い。しかし,投球障害肩・肘症例の中でもISPの筋力低下や筋萎縮を生じているものと,生じていないものが存在する。そこで今回,小・中学生の投球障害肩・肘症例におけるISPの状態を明らかにすることを目的として,小・中学生の野球選手を対象として調査を行った。併せて投手と投手以外のポジション(以下,野手)で比較し,ISPの状態の差が下肢タイトネスに由来している可能性を考え,これに関しても分析を行ったので,ここに報告する。【方法】対象は,少年野球団,シニアリトル,中学校野球部に所属している小・中学生の男子66名(平均年齢12.7±2.2歳)。肩もしくは肘に疼痛があり病院を受診した障害群は33名(以下S群,平均年齢12.9±2.3歳),で内訳は投手17名,捕手4名,外野手3名,内野手9名であった。投球障害のない対照群は33名(以下C群,平均年齢12.6±2.2歳)で,内訳は投手13名,捕手1名,外野手6名,内野手13名であった。方法は,対象者に対して,ISP筋萎縮の有無,下肢のタイトネスの指標として両側の下肢伸展挙上角度(以下,SLR),股関節内旋角度(以下,Hip IR)を測定した。SLR,Hip IRは投球側と非投球側に分けて検討を行った。ISP筋萎縮の有無の判定は,ISPの触診と視診により行い,投球側上肢と非投球側上肢で比較し判定を行った。統計解析には,ISP筋萎縮の有無についてはχ2検定,2群の測定値の比較には対応のないt検定を用いた。有意水準は5%未満とした。【結果】全体におけるISP筋萎縮は,S群では20名(60.6%),C群では9名(27.2%)であり,有意にS群での割合が高かった。投手におけるISP筋萎縮は,S群17名のうち11名(65%),C群13名のうち3名(23%)で,有意にS群での割合が高かった。野手におけるISP筋萎縮は,S群17名のうち6名(35%),C群13名のうち10名(77%)で,両群間に有意差は認められなかった。投手のSLRは,投球側のISP筋萎縮ありで69.3±9.2°,筋萎縮なしで72.8±8.4°,非投球側の筋萎縮ありで71.1±8.6°,筋萎縮なしで71.6±8.3°と,有意差を認めなかった。Hip IRは投球側の筋萎縮ありで17.9±11.6°,筋萎縮なしで26.3±9.8°,非投球側の筋萎縮ありで17.9±11.9°,筋萎縮なしで26.3±10.1°と,両側Hip IRともに筋萎縮あり群が有意に低値を示した。野手のSLRは,投球側の筋萎縮ありで65.7±11.2°,筋萎縮なしで63.6±11.8°,非投球側の筋萎縮ありで64.3±10.8°,筋萎縮なしで64.2±10.6°と,有意差を認めなかった。Hip IR(投球側)は筋萎縮ありで19.7±7.1°,筋萎縮なし20.1±8.7°,非投球側は筋萎縮ありで20.3±9.7,筋萎縮なしで21.9±9.6°と,有意差を認めなかった。【考察】本調査の結果,小・中学生の投球障害肩・肘症例において,ISP筋萎縮は投手に多いことが明らかとなった。次に,筋萎縮のある選手の下肢のタイトネスは,SLRにおいて投手と野手とで両群間に有意差を認めなかったが,Hip IRにおいて投手が有意に低値を示した。投球動作は全身の運動連鎖から成り立つため,上肢帯だけでなく下肢の柔軟性が必要とされる。投手は野手に比べて投球数が多い。ISPはフォロースルー時に加速された上肢の減速のために遠心性収縮を強いられることが要因として考えられた。ISPの負担を軽減するには,フォロースルー時の上肢の減速に非投球側のHip IRが関わる可能性が考えられる。したがって,股関節の内旋制限のある投手は,投球動作の中で生じるISPへの負担が大きい可能性が示唆された。【理学療法学研究としての意義】小・中学生の野球選手に対して潜在的に投球障害肩・肘を評価する方法としてISPの筋萎縮の有無が有用である可能性がある。SLRとHip IRは投球障害の機能的検査法である原テストの検査項目でもある。本研究により小・中学生の投手における投球障害肩・肘症例に関してはSLRよりHip IRを優先的に改善する機能強化やアプローチが投球障害をより早期に改善させる一助になる可能性がある。
著者
橋本 圭輔 牛木一成 中村 誠 渡邉 岳彦 小河原成哲
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.3, pp.75-81, 2006-01-13
被引用文献数
1

IP配信による動画視聴が普及の兆しをみせ インターネット広告が一層の注目を集めている. 動画の再生中に視線の性質を利用した広告を提示できれば 有効な広告表示技術が確立出来ると考えられる. そこで 動画再生と同時に周囲で色刺激を提示した場合に 視線が向きやすい性質である誘目性の高い色による影響を調査する. また 自然な方向への視線移動の起こりやすさを 動画視聴中の視線計測を用いて調査した結果を報告する.There is a character of eye catching in the color, it knows the warm color and the individual, and the tendency that the glance is suitable for a favorite color is known. Moreover, the arrangement of stimulation influences the movement of person's glance. It is known to cause the movement of the glance easily from above to the lower direction or from the left side to the right side. The symptom is shown that the motion picture streaming by the internet and the Internet advertisement attracts further attention. It is thought to be able to establish an effective advertising display technology if the advertisement using the character of the glance can be presented during motion picture playback. This paper reports on the result of the glance measurement considering the influence that arrangement and the color give glance when various stimulation is presented.
著者
橋本 学
出版者
公益社団法人 日本地震学会
雑誌
地震 第2輯 (ISSN:00371114)
巻号頁・発行日
vol.34, no.2, pp.197-211, 1981-08-25 (Released:2010-03-11)
参考文献数
18
被引用文献数
1 1

A three-dimensional finite element method is used to simulate the observed stress state in the Southwestern Japan, which has been inferred by SHIONO (1977). Two different types of model are presented here, one is a locked model and the other is a decoupled model, where the former preserves a tight contact between the subducting Philippine Sea plate and the overriding continental plate, while the latter has a weak zone between them. In these models three different types of force are applied;(1) a negative buoyancy due to the density contrast between the subducting plate and surrounding mantle, (2) a northwestward compressional force generated by the movement of the Philippine Sea plate, (3) a westward compressional force due to the subducting Pacific plate.It is found that the observed extensional stress parallel to the leading edge of the subducting Philippine Sea plate may be caused mainly by a negative buoyancy, suggesting that the plate seems to sink down into the mantle by its own weight. The observed E-W compressional stress field prevailing in the Inner zone appears to be closely associated with the subduction of the Pacific plate. The northwestward horizontal compressional force may be smaller than the westward compressional force, and seems to be less than 500bars. The present calculations suggest that a low velocity layer between the oceanic and continental plates gives appreciable effects on low-angled thrust faulting off the Kii peninsula and the Shikoku island.
著者
原 美由紀 橋本 美樹 本多 律子 野村 潤
出版者
社団法人 日本理学療法士協会関東甲信越ブロック協議会
雑誌
関東甲信越ブロック理学療法士学会
巻号頁・発行日
vol.29, pp.192, 2010

【目的】我々は「理学療法士の啓蒙と広報」「障害への理解」を目的に、平成19年度から小学生に対し車椅子体験授業を実施している。初年度は5年生を対象に理学療法士が主体となり、バリアフリーの利便性やマンパワーサポートの必要性を体感した。しかし体験後の児童の感想で「車椅子の人は何も出来ない、可哀そう」と偏見を持った児童もおり、障害理解や身近に障害を感じる事について課題が残った。そこで「障害について考える機会を作る」「共に生きていく仲間であることを学ぶきっかけを作る」という目的で、児童が6年生になる年に、実際に車椅子生活をされている方と触れ合い身近に障害を感じる手段として、楽しんで出来て我々のネットワークにより繋がりのある車椅子バスケを選択した。【方法】対象は栃木県那須塩原市立青木小学校の6年生23人。ツインバスケットボールチームの選手3人、理学療法士4人で行った。午後の授業2時限分使用し、車椅子バスケの練習後に選手と児童を交えたチームを作り試合をした。【結果】授業後の児童の感想文では「車椅子バスケは楽しかった(15人)」「また青木小に来てほしい(7人)」「車椅子バスケ体験が出来て良かった、勉強になった(5人)」と車椅子バスケや選手との交流を楽しんだ感想や「車椅子生活は大変、可哀そうだと思っていたがいろんな事が自分で出来る(9人)」と障害に対する印象が変化した感想が多かった。また「車椅子の人を見かけたら優しく声をかけようと思った(1人)」と障害者に対して距離が縮まったと思われる感想や「どこが悪いのか分からなかった(1人)」と選手が障害を持っている事を実感しない児童もいた。【考察】5年生の授業では初めての車椅子操作や介助が大変だった故、障害=不幸というマイナスの印象を持った児童もいたが、実際に障害者と触れ合い自身で出来る事も沢山あることを知り、障害を身近に感じるとともに印象が変化したと思われる。しかし、階段昇降以外は介助がいらず華麗にバスケ車を乗りこなす様を見て、障害像をイメージ出来ない児童もおり、障害理解に関しては5・6年生の授業を通して課題が残った。この点を考慮し、次回は給食を一緒に食べたり1日を通して車椅子バスケ以外の日常生活に触れ合うなど、理学療法士の専門性を活かし障害像をどのように児童に伝えていくか、授業内容の再検討が必要である。【まとめ】物事を柔軟に捉える事が出来る学童期に障害に関してのさまざまな刺激を与えることで、障害を身近に感じ偏見や誤った固定観念を持つことなく障害者と接することが出来ると考える。そのために、我々理学療法士が専門性やネットワークを活かし媒体となっていく意義はあると考える。
著者
正角 彰朗 東 智朗 矢部 悟 伏見 祥子 橋本 正義
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.67, no.7, pp.377-382, 2017-07-01 (Released:2017-07-01)

「高齢者」をテーマとして,新規課題抽出の手法および経営者向け商品開発提案の手法を提案した。本手法の狙いは,特許と非特許情報の件数対比によって未開拓市場(ブルーオーシャン)における課題を見つけることである。「特許件数が少なく非特許文献が多い分野は,社会的関心が高い分野でありながら開発が未成熟なブルーオーシャンに属する」という考えに基づき検討を行った。抽出された新規課題に基づく商品開発提案では,「①顧客,②顧客ニーズ,③目標売価,④市場規模,⑤参入障壁構築」に基づいて検討されるべきであり,その方針のもと,歩行補助装置を事例として取り上げ,商品開発提案のフォーマット化を試みた。