著者
池田 玲子
出版者
日本医真菌学会
雑誌
Medical Mycology Journal (ISSN:21856486)
巻号頁・発行日
vol.52, no.3, pp.199-203, 2011 (Released:2011-08-31)
参考文献数
26
被引用文献数
1
著者
池田 光良 三浦 均也 操上 広志
出版者
Japan Society of Engineering Geology
雑誌
応用地質 (ISSN:02867737)
巻号頁・発行日
vol.40, no.2, pp.70-85, 1999-06-10 (Released:2010-02-23)
参考文献数
24
被引用文献数
2 2

地下水温は最も有効な環境トレーサーの1つとされており, 地下水の涵養域では平均値よりも低温, 流出域では高温となる. この原理を用いて, これまで地下水流域が明らかにされていなかった北海道美々川地下水域の範囲を次のように推定することができた. (a) 隣接する遠浅川上流域のうち馬追丘陵を除く流域は美々川地下水域に属する. (b) 遠浅川中流域では美々川と遠浅川の地下水分水界が存在する. (c) 西側の境界は西方火山灰台地の90mピークであり, かって漠然と考えられていた支笏湖から美々川流域への漏水は考えにくい. (d) 地下水温から推定された地下水分水界は有限要素法による熱移流拡散解析, 地下水面の位置, および水収支による結果と整合する.近年, 地下水温は地球温暖化の指標として注目されている. 本調査地でも, 都市化に伴う地下水温の上昇が見出された. また, 土木工事の大型化に伴い, 地下水流動系規模の環境影響評価が必要となってきている. 今回の調査結果は以上のような目的に対しても, 地下水温調査が有効であることを示唆している.
著者
池田 千登勢
出版者
Japan Society of Kansei Engineering
雑誌
日本感性工学会論文誌 (ISSN:18840833)
巻号頁・発行日
pp.TJSKE-D-18-00033, (Released:2018-07-27)
参考文献数
18
被引用文献数
1

In 2006 the Services and Supports for Persons with Disabilities Act came into effect, and Type B Continuous Vocational Aid Centers (VACs) were required to support persons with disabilities, design and develop merchandising products to be sold, and improve user wages. This study clarifies the issues regarding development and sales of vocational aid products and necessary support based on (1) questionnaires with 580 local governments and intermediate support organizations throughout the country and (2) visit surveys of local governments and welfare shops actively conducting development and sales support activities for vocational aid products. As a result, in order to solve issues, it is suggested that support for 1: improvement in product value added, 2: enhancement of marketing functions in product planning and sales, 3: efforts to strengthen collaborative activities among VACs are indispensable.
著者
塩田 琴美 細田 昌孝 高梨 晃 松田 雅弘 宮島 恵樹 相澤 純也 池田 誠
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.23, no.6, pp.817-821, 2008 (Released:2009-01-28)
参考文献数
21
被引用文献数
3 3

[目的]本研究は,静的・動的なバランス能力と筋力の相関性および静的・動的バランステストの特異性について,検討することを目的として行った。[対象]対象者は21名(21-82歳)であった。方法:はじめに,静的バランス能力として,開眼および閉眼での30秒間の静止立位での重心動揺面積を測定した。次に,動的バランス能力として,Equi-testを用いてAdaptation testを施行した。更に,筋力テストとして,膝関節伸展筋力,足関節底屈および背屈筋力を測定し,静的・動的バランス能力との相関関係を明らかにした。[結果]今回の研究結果から,静止立位での重心動揺面積と筋力には相関は認められなかった。一方で,動的バランス能力と筋力においては,有意な相関関係が認められた(p<0.05)。[結語]これらの結果より,静止立位で重心動揺面積などを単に測定することは,姿勢定位のみに対する評価であり,対象者の動作課題に対する身体能力を反映しえないと考えられた。しかしながら,動的バランス能力の測定は,下肢筋力などと相関が高く,日常生活に即した有用な姿勢制御の安定性の評価となりえると考えられた。
著者
藤田 信子 仙波 恵美子 行岡 正雄 寒 重之 柴田 政彦 高井 範子 堀 竜次 池田 耕二 高橋 紀代
出版者
大阪行岡医療大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2016-04-01

本研究の目的は、線維筋痛症患者を対象とした短期集中型運動プログラムが、身体、認知、心理に与える影響を調査するとともに、脳内ネットワークの変化との関連性を検証することにある。平成31年3月までに合計13名の患者の運動療法、評価、計測を終了し、分析を行っている。2018年の第23回日本ペインリハビリテーション学会学術学会では、2演題を報告した。発表では高齢FM患者に対する短期集中型運動プログラムが疼痛、抑うつ、QOLの改善につながり、背外側前頭前野(DLPFC)の血流量の質的、量的な脳活動変化を伴ったこと、理学療法士が患者の不安傾向を踏まえ、運動内容を漸増的に行っていたことや規則正しい生活を守らせたことが運動療法の導入と継続につながったことを報告した。慢性痛改善に対する運動療法の効果(EIH)については、慢性痛患者の広範な脳領域の機能障害の発生機序と運動介入効果の機序を解明していくことが重要である。今年度、慢性痛における脳内ネットワークとEIHの機序について、第40回日本疼痛学会(仙波)、Nep Academy、17th World Congress on Pain(仙波)、第11回痛み研究会(仙波)で講演を行った。また、EIHに関する総説を大阪行岡医療大学紀要(仙波)、ペインクリニック(仙波)、Clinical Neuroscience(仙波)、日本臨床(藤田、仙波)、モダンフィジシャン(仙波)で執筆した。本研究のMRI画像の分析結果については、本研究の研究者間で情報共有のために研修会を開き、「線筋痛症に対する運動療法の効果のrs-fMRIによる検討」(寒)で運動プログラム介入前後の機能的結合について健康成人との比較、また患者の運動プログラム介入前後の比較でみられた頭頂葉や側頭葉の機能的結合の変化などが報告された。
著者
黒木 英充 鈴木 茂 眞島 一郎 飯塚 正人 飯島 みどり 鵜戸 聡 池田 昭光 大場 樹精 山本 薫
出版者
東京外国語大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2013-04-01

1世紀以上に及ぶレバノン・シリア移民の顕著な世界的活躍を支えるのは、異文化の社会に対する適応力とネットワーク形成力・拡張力の高さである。移動する自己と親族・友人等との間で、常に複数の社会における財の価値の違い等に関する情報が交換され、様々なビジネスが展開し、時には出身国と現住国の政治にすら大きな影響を及ぼす。そこでは自己の構成要素の複数性(たとえば言語など)、他者との関係構築ツール(帰属する宗教組織のネットワークから信用再強化のためのカネの貸借といった財の交換関係にいたるまで)が意識的に維持・展開される。その歴史的起源はレバノン・シリア地域の非ムスリム商人や通訳といった類型に求められる。
著者
大坪 寛子 宇都宮 保典 池田 雅人 海渡 健 川村 哲也 細谷 龍男
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.87, no.8, pp.1560-1562, 1998-08-10
参考文献数
4

症例は高カルシウム血症と腎障害を主訴に入院し, IgD-k型多発性骨髄腫と診断された35歳男性.初回腎生検ではTamm-Horsfall蛋白陽性円柱を含む多数の蛋白円柱と広範かつ高度の尿細管間質障害を認めたが,治療後骨髄形質細胞数が減少し,腎障害が改善した時点で再度行った生検では前記腎病変の改善が認められた.本例では骨髄腫の治療後に腎組織病変の改善が確認され,骨髄腫腎の形成機序を推察する上で興味深い症例と思われた.
著者
佐藤 直之 藤木 翼 池田 心
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.57, no.11, pp.2337-2353, 2016-11-15

本稿は「戦術的ターン制ストラテジ」という,チェスや将棋と似た形式でアプローチしやすく,また同時に3つの興味深い課題を含むAI設計の問題クラスを記述する.その課題とは,1つ目は行動数の組合せ爆発で,同ゲームでは1手番ごとのbranching factorがしばしば億のオーダに達する.2つ目は局面評価に関するもので,毎回異なる初期局面から生じる多様な局面群に対し,駒間の循環的相性も考慮して駒価値を適切に与えなければならない.3つ目は攻撃行動組合せの扱いが要する繊細さで,同ゲームでは攻撃行動の適切な組合せで数十体の駒ものがたった1手番で消滅することがあり,そうした影響力の行使および相手からの行使の予防が重要になる.我々はこれらの課題を,具体的状況と既存のAI手法を例に用いて論じた.複数のアプローチを提案しそれぞれの長所と短所を整理して,同問題においてAI設計者が考慮すべき課題の特徴を明らかにした.
著者
中沢 一雄 原口 亮 芦原 貴司 難波 経豊 戸田 直 山口 豪 井尻 敬 高山 健志 五十嵐 健夫 倉智 嘉久 池田 隆徳
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.42, no.SUPPL.4, pp.S4_208-S4_215, 2010 (Released:2012-08-21)
参考文献数
27

実世界に起きる現象はきわめて複雑であり, 理論的にその振る舞いを解析したり, あるいは記述したりするのは容易なことではない. 特に, 心室細動に代表される致死性不整脈のような複雑な心電現象を, 単純なモデル化や数式化により理解することは困難である. コンピュータシミュレーションおよび可視化は, その複雑なメカニズムの整理や直感的な理解のためには有効な手段である. 心臓の電気的特性は, 多種のイオンチャネルが複雑に関連しながら機能して決定される心筋細胞の電気活動, さらにそれらの心筋細胞が3次元的に配列し有機的に協調・連携した臓器というように階層性を持ったシステムの特性として決定される. したがって, 不整脈現象をより正確に理解するには, 心臓をシステムとして捉える工学的視点が要求され, 心臓の電気現象の各階層(イオンチャネル/心筋細胞/心臓)を統合して考える必要がある. 国立循環器病研究センターを中心に進められているプロジェクトでは, スーパーコンピュータを用いた高速大規模計算技術, コンピュータグラフィックスによる表示, 医用画像処理など, さまざまな工学的技術が含まれている. 心臓モデルを用いたコンピュータシミュレーションを中心に, われわれの研究グループにおける一連の不整脈研究を示す.
著者
平石 界 池田 功毅 中西 大輔 横田 晋大
出版者
慶應義塾大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2016-04-01

2017年度は、「評価的条件付けによる風評被害の導出」実験、「確率見積りバイアスの検討」実験を進めつつ、本研究プロジェクトの基盤となった前プロジェクトによって収集したWeb調査データに継続させる形で本プロジェクトで収集したWeb調査データを合わせた分析を行った。「評価的条件付けによる風評被害の導出」実験については、分担研究者の池田(学振/中京大学)のもと、ネガティブな評価条件づけと脳波測定を組み合わせた実験のセッティングを進めた。「確率見積りバイアスの検討」実験について、前年度に作成した実験プログラムを用いて、クラウドソーシングを用いて一般サンプルからのデータ収集の予備実験を行った。大学生を対象とした実験室実験の場合と異なり、クラウドソーシングならではの問題点が浮かび上がる一方、より優れた実験デザインでの実施が可能となることが示されたため、実験プログラムのアップデートを進めた。2013年度より継続して、福島第一原発事故に関連して、放射能リスク認知にかんするWeb調査を行ってきた。2014年3月以来、2017年2月まで。放射能を含む様々な種類のリスク認知にかんして、同一サンプルからの、福島第一原発事故の3年後、4年後、6年後の継続データを取得してきたが、6年を経てもなお放射能へのリスク認知にほとんど変化は生じていないことが示された(池田・平石・中西・横田, 2017)。この知見の頑健さを確認するために、異なるサンプルに対して同一項目のWeb調査を2018年3月に実施した。一方、放射能リスク認知への科学リテラシーの影響については、3度のWeb調査を経て、一貫してリテラシーの高さが偏ったリスク認知を低減させないという結果が得られている(中西・横田・井川, 2017)。本知見については論文を投稿中である。
著者
川島 菫 池田 譲
出版者
日本動物心理学会
雑誌
動物心理学研究 (ISSN:09168419)
巻号頁・発行日
vol.69, no.2, pp.91-99, 2019

<p>Octopuses, a member of molluscan class, possess well-developed nervous system such as lens eyes that is anatomically similar to our own, and the relative proportion of brain to body is equivalent to vertebrates. Octopuses are also characterized with their muscular highly sensitive sensory receptors, namely, suckers on their arms. Due to these biological uniqueness, octopuses have been a target for psychological studies and were reported their advanced abilities for learning and memory, which are achieved via visual and tactile perceptions. All of these findings have come from experiments that tested single sensory perception (i.e., visual or tactile). On the other hand, it is known in vertebrates that they can integrate multiple sensory information, by which they can vividly image their environments. In this review, we will briefly introduce our knowledge for biology of octopuses with special reference to their cognition, and we will shed light on an idea for cross-modal perception in octopuses, which is based on our on-going projects for visual and tactile learning, and manipulation of arms in tropical octopuses inhabiting the coastal waters of the Ryukyu Archipelago.</p>
著者
池田 貴儀
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.58, no.3, pp.193-203, 2015

インターネット時代における灰色文献の動向について,灰色文献の定義の変容,灰色文献資源の政策策定に関するピサ宣言の2つの視点を中心に,さまざまな角度から考察する。まず,灰色文献の定義について整理する。次に,定義に関連して,インターネット時代における灰色文献の現状や課題について触れる。最後に,2014年に公表された,灰色文献資源の政策策定に関するピサ宣言を取り上げ,灰色文献をめぐる最新の動向について紹介する。
著者
池田 吉堯 坂井 六三郎 浅野 一明 坂本 隆行
出版者
The Institute of Electrical Engineers of Japan
雑誌
電気学会論文誌D(産業応用部門誌) (ISSN:09136339)
巻号頁・発行日
vol.115, no.4, pp.379-386, 1995-03-20 (Released:2008-12-19)
参考文献数
7

The resonant DC link invertors have been developed these years for avoiding the switching loss of the conventional multi-pulse PWM invertors. This paper proposes a three phase VVVF power invertor using resonant pulse density modulation for induction motor speed-control. The invertor is composed of a cascade connection of a resonant DC-DC convertor and a multi-pulse PWM invertor. The output waveform depends on the gate pulse patterns of the invertor valves. This paper proposes three kinds of pulse patterns for obtaining the outputs of trapezoidal waveform and of sinusoidal waveform, and describes also the experimental results. The V/f characteristics for induction motor speed-control and the regenerative braking operation will be examined and the circuit behaviors will be discussed.
著者
池田 拓史
出版者
日本結晶学会
雑誌
日本結晶学会誌 (ISSN:03694585)
巻号頁・発行日
vol.61, no.4, pp.215-223, 2019-12-15 (Released:2019-12-15)
参考文献数
41

Zeolites having various properties such as molecular adsorption, molecular sieves and solid-acids are widely used industrially as one of the major inorganic nanoporous materials. Powder X-ray diffraction is the most powerful structural analysis method because most porous materials can only be synthesized as polycrystalline powder. This article briefly describes some of our structural studies on novel zeolites, layered silicates, organic-inorganic hybrid porous materials determined by ab-initio structure analysis using powder X-ray diffraction data. In addition, improvement of the function of Rietveld analysis software was indispensable for the determination of these complex crystal structures. In the past development of multipurpose program RIETAN, we have incorporated many functions such as split-type profile functions, composite background function, MEM-based pattern fitting, and Le Bail method. This enables the highest level of pattern fitting for all angular dispersion powder diffraction patterns and enables efficient ab-initio structure analysis.
著者
大澤 実 高山 雄貴 恩田 幹久 浅川 遼 池田 清宏
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.74, no.1, pp.50-63, 2018 (Released:2018-02-20)
参考文献数
36

本研究では,我が国の人口分布の大域的特徴とその変遷を明らかにし,多地域空間経済モデルによる理論的予測と実現象との対応付けを試みる.具体的には,パワー・スペクトルに基づく簡便な空間周波数解析によって,1次元空間における理論的予測である (i) 集積の周期性と (ii) 輸送費用の低下に伴う集積数の減少を検出する.国勢調査をもとに,我が国の人口分布を1次元空間上に射影した人口分布データを1920年まで遡る複数年度にわたって作成し,提案手法を適用する.そして,我が国の人口分布の基本的特徴・時系列変化を明らかにし,理論予測との整合性を議論する.