著者
矢内 勇生 東島 雅昌 清水 直樹 鷲田 任邦
出版者
高知工科大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2019-04-01

本研究は、選挙タイミングの決定要因とその帰結について、民主制だけでなく、独裁制も対象にして分析する。選挙タイミングの変更が制度的に予定されている議院内閣制の国々だけでなく、選挙タイミングが固定されているはずの大統領制諸国も合わせて分析し、選挙タイミングを包括的に理解することを目指す。具体的には、(1) 選挙タイミングの決定要因、(2) 選挙タイミングが選挙結果などのマクロな政治的結果に与える影響、(3) 選挙タイミングが有権者の態度や行動などのミクロな政治的結果に及ぼす影響の3点を明らかにする。
著者
坊野 聡子 清水 康行 黒木 幹男 藤田 睦博 吉田 義一
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.2000, no.656, pp.61-72, 2000-08-21 (Released:2010-08-24)
参考文献数
13

本研究は土砂輸送を伴う沖積地河川の中流部にダムが建設された場合の土砂輸送環境の変化を検討したものである. 北海道の沙流川河口部から約20km地点に建設された二風谷ダムを例として, その貯水池を含む上下流約30km区間の出水時の連続土砂観測, 河床形状および河床材料の調査, および流れと流砂・河床変動の数値計算モデルなどを用いてダムを含む河川の土砂輸送環境の実態を定量的に明らかにした. この結果, ダム上流, 貯水池, ダム下流の河川における土砂の収支が質的・量的に明らかにされ, ダムおよび河川の長期的な維持管理対して極めて有効な知見を得ることが出来た.
著者
関 陽一 清水 栄司
出版者
日本不安症学会
雑誌
不安症研究 (ISSN:21887578)
巻号頁・発行日
vol.7, no.Special_issue, pp.94-154, 2016-05-31 (Released:2016-06-02)
参考文献数
13
被引用文献数
3

本マニュアルおよび付録資料は,社交不安障害の認知行動療法:治療者用マニュアル(吉永尚紀(執筆・編集) 清水栄司(監修))をもとに,厚生労働省科学研究費補助金 障害者対策総合研究事業「認知行動療法等の精神療法の科学的エビデンスに基づいた標準治療の開発と普及に関する研究(代表:大野裕)」(平成25~27年度,平成26年度報告書にて概要版を公表)の助成を受け,千葉大学大学院医学研究院・子どものこころの発達教育研究センターパニック障害研究(PD)チーム(澁谷孝之,永田忍ら)および日本不安症学会不安障害認知行動療法研究班の協力のもと,作成されました。
著者
松井 彰彦 金子 能宏 川越 敏司 関口 洋平 田中 恵美子 西倉 実季 福島 智 森 壮也 両角 良子 山下 麻衣 澤田 康幸 遠山 真世 井伊 雅子 石川 竜一郎 岡崎 哲二 澤田 康幸 清水 崇 遠山 真世 長江 亮 星加 良司 山下 麻衣 臼井 久実子 加納 和子 川島 聡 河村 真千子 倉本 智明 栗原 房江 坂原 樹麗 佐藤 崇 瀬山 紀子 長瀬 修 山森 哲雄
出版者
東京大学
雑誌
学術創成研究費
巻号頁・発行日
2007

いわゆる「障害者」のみならず、長期疾病者や顔にあざのあるユニークフェイス等、制度と制度の狭間に落ち込んでいる人々にも焦点を当て、彼らが直面する社会的障害の共通項を探った。ゲーム理論や障害学を用いた理論研究に加え、障害者団体や地方自治体を通じた障害当事者およびその家族への調査、企業を対象とした調査、長期疾病者を対象とした調査、ネパールやフィリピンでの海外調査を展開し、報告書にまとめた。
著者
清水 裕士 大坊 郁夫
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
pp.85.13225, (Released:2014-10-01)
参考文献数
15
被引用文献数
2 1

The latent rank structure of the General Health Questionnaire (GHQ) was examined and a methodology for “ranking assessment” for use in clinical screening was suggested. Clinical screening is conducted by using dichotomous methods, which is problematic. Recent research has introduced the concept of ranking assessment, which is conducted by dividing clients into ordinal groups according to the Latent Rank Theory (LRT). Participants (N = 949, including 80 neurotic patients) completed the GHQ. They were then divided into four ordinal groups according to LRT. The usual cut-off point of the GHQ (16/17 points) distinguished the third and fourth rank group as the clinical group and the first-rank group as the healthy group. However, the second rank group was classified as neither a healthy or clinical group. These results indicate that the LRT has the potential to facilitate practical and flexible clinical screening.
著者
三浦 健 図子 浩二 鈴木 章介 松田 三笠 清水 信行
出版者
社団法人日本体育学会
雑誌
体育學研究 (ISSN:04846710)
巻号頁・発行日
vol.47, no.2, pp.141-154, 2002-03-10
被引用文献数
1

本研究では,もらったパスをできるだけ短時間に反動的に出すチェストパス能力を高めるトレーニング手段を明らかにするために,大学男子バスケットボール選手25名を対象にして,胸部上に落下したボールを受け止め即座に投げ上げる反動付きチェストパス(RCP)と反動を伴わないチェストパス(PCP)を,4種類の重さのボールで実施させ,その際の接手時間(RCPtc)と投げ上げ高(RCPh,PCPh)について検討した.さらに,このチェストパス能力とベンチプレスにおける最大挙上重量(BPmax)との関係についても検討した.本研究の結果は次の通りである.(1)バスケットボール(0.6kg)・1kg・3kg・5kgとボールの重量が重くなるほど,RCPhおよびPCPhは,いずれも有意に低くなる傾向が認められた.一方,RCPtcは有意に長くなる傾向が認められた.(2)RCPhとRCPtcの関係は,いずれのボール重量においても,有意な相関関係は認められなかった.これらのことは,短時間に投げる能力と大きな仕事をして高いボール速度を獲得する能力は独立した二つの能力であることを示すものである.(3)この二つの要因(RCPhとRCPtc)からみたポジションの特性について検討すると,ガードポジションの選手(Guard Player)が他の選手(Non Guard Player)に比較して,RCPhに有意な差はないが,RCPtcは有意に短いことが認められた.これらのことは,Guard Playerは,上肢におけるバリスティックなパワーが高く,短時間にパスを遂行する能力に優れていることを示すものである.(4)RCPにおいては,RCPhとRCPtcのいずれにおいても,バスケットボールを用いた場合と,1kg・3kg・5kgのボールを用いた場合との間のいずれにおいても有意な相関関係が認められた.しかし,上肢の筋力を評価するBPmaxとの間には,いずれにおいても有意な相関関係は認められなかった.これらのことは,バスケットボールにおけるチェストパス能力を高めるためには,1kg・3kg・5kgのボールを用いたトレーニング手段が,ベンチプレスなどの手段よりも直接的には効果のある可能性を示すものである.これらの結果は,バスケットボール選手のためのチェストパス能力を高めるためのトレーニング法を考える場合に有益であるとともに,上肢のプライオメトリックスに関する原則を考える場合の一助になると思われる.
著者
今栄 国晴 平田 賢一 清水 秀美 北岡 武 中津 楢男 西之園 晴夫
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学雑誌 (ISSN:03855236)
巻号頁・発行日
vol.8, no.3, pp.107-115, 1984-01-20

教育工学専門家に要求される能力(コンピテンス)を調べるために,日本科学教育学会など4学会の会員に,能力に関する質問90項目を主体とする調査票を郵送し,563名の有効回答を得た.因子分析の結果,5因子が抽出されたが,小・中・高の学校や教育センターに勤務する教育工学教師には,授業設計・授業研究能力因子とメディア制作・機器操作能力因子が重視され,大学・研究所勤務の専門家には,それらとともに,とくに研究能力が重視され,さらに,教育システム開発運営能力因子や教育に関する基礎知識因子も比較的重視されていることがわかった.このことは,教育工学専門家を養成する場合,その将来の勤務先によって養成すべき能力に大きな差があることを示唆している.なお,米国AECTのスペシャリストに要求される能力表との比較検討も行われた.
著者
濱野 聖菜 杉田 達哉 川戸 仁 戸石 悟司 清水 久美子 小幡 新太郎
出版者
一般社団法人 日本周産期・新生児医学会
雑誌
日本周産期・新生児医学会雑誌 (ISSN:1348964X)
巻号頁・発行日
vol.56, no.1, pp.64-70, 2020 (Released:2020-05-13)
参考文献数
14

目的:不妊症に悩む夫婦は増加し,本邦におけるAssisted Reproductive Technology(以下ART)後妊娠の割合は増加している.当院の分娩症例を通じて,高次施設における不妊治療後妊娠の周産期合併症を検討する. 方法:当院における2015〜18年の全分娩2, 242例を,自然妊娠群,一般治療後妊娠群,ART後妊娠群に3群化し,13項目の周産期合併症を検討した.χ2検定または一元配置分散分析を用いた二変量解析の後,調整因子を補正し多重ロジスティック回帰分析を行った. 結果:多変量解析では,胎盤位置異常が一般治療後妊娠群およびART後妊娠群で自然妊娠群より有意に高率であり,分娩時大量出血とApgarスコア1分値7点未満がART後妊娠群で自然妊娠群より有意に高率であった. 結論:今後は合併症を意識した周産期管理が重要であり,多施設で症例数を増やした検討も期待される.
著者
清水 香基
出版者
北海道社会学会
雑誌
現代社会学研究 (ISSN:09151214)
巻号頁・発行日
vol.33, pp.1-21, 2020 (Released:2021-08-01)
参考文献数
25

欧米のキリスト教を中心とした宗教社会学研究において,宗教団体への所属が幸福感にとって望ましいものであることは,すでにある程度確立された知識とされている。しかし,日本ではその宗教文化的状況の特殊性から,一言に宗 教団体への所属といっても,その意味するところは研究者にとっても調査対象者にとっても曖昧なものとなってしまうという問題がある。そのため,欧米で開発された理論を日本にあてはめて検討していくにあたって,欧米と同一の質 問項目を用いて分析を行うことは適切でない。したがって,本稿ではまず,氏子・檀家といった特殊日本的な宗教団体所属のあり方を射程に含めた上で,調査主体側の「所属」の定義と調査対象者側とのそれを,できる限り擦り合わせ ていくような新しい質問項目を考案し,その有効性を検討する。その上で,日本における宗教団体所属と幸福感の関係について検討を行った。所属が幸福感に影響する仕組みとしては,次のような2つを想定した。(1)所属すること で宗教心が育まれるか,あるいは(2)所属によって地域共同体における人間関係が取りもたれることで,結果として幸福感に寄与するというものである。分析の結果,前者については部分的に支持されるものの,宗教心を伴わない所 属はかえって幸福感を低下させる可能性があることが示唆された。後者については,それを支持する有意な結果は認められなかった。
著者
大坪 健太 春日 晃章 清水 紀宏 中野 貴博
出版者
日本体育測定評価学会
雑誌
体育測定評価研究 (ISSN:13471309)
巻号頁・発行日
pp.jjtehpe.HPM202301, (Released:2023-01-31)

The purpose of this study was to identify contributors that are beneficial for both physical fitness and academic achievement in children. To achieve this, multiple factors were investigated in the home environment. The study participants consisted of 437 children in the sixth grade of elementary school. Results from their physical fitness and academic tests were obtained. In addition to physical fitness and academic achievement, the average of physical fitness and academic achievement by T-score was calculated and used as the High physical fitness and high academic achievement score. A 68-item questionnaire on home environment was completed by the children's parents or caregivers, and the results were linked to data obtained for physical fitness and academic performance. Single-correlation analysis was conducted with physical fitness, academic achievement, high physical fitness and academic achievement scores. Factors in the home environment that were significantly correlated were also extracted. Multiple regression analysis was conducted with home factors set as the independent variables and the three ability ratings set as dependent variables. Results from the analysis suggested that parent-child involvement in exercise and sport as well as the father's physical competence strongly correlated with an improvement in physical fitness. Factors relating to socioeconomic status, such as the parents educational level as well as expectations for the child to perform well academically, was strongly correlated with academic performance. In addition, in terms of both physical fitness and academic achievement, the parents' educational background, the father's physical competence, and the frequency of parent-child conversations about athletic sports have a strong influence on the child's ability to perform well.
著者
清水 習 Shu Shimizu
出版者
同志社大学政策学会
雑誌
同志社政策科学研究 = Doshisha University policy & management review (ISSN:18808336)
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, pp.245-259, 2017-10-10

2007年から始まる未曽有の金融危機を契機に、新自由主義の批判的な見直しが欧米政治経済研究において、一つの潮流をなしている。学界・一般を問わず、新自由主義を論じる際、「新自由主義 = 市場原理主義」という一つの公式として捉われがちであるが、実際の議論・研究における「新自由主義」の意味は非単一的であり、複雑である。本稿では、新自由主義の定義の多様性を、系譜的に見直し、最終的に、新自由主義研究の発展の可能性を批判的に考察する。
著者
清水 将吾
出版者
日本哲学会
雑誌
哲学 (ISSN:03873358)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.58, pp.191-202,24, 2007-04-01 (Released:2009-07-23)
参考文献数
9

The body is a subject in the sense that it is that which perceives. But, at the same time, it is also an object. In this paper, I hope to take a step towards understanding this peculiar twofold character of the body.The question I will consider is : are bodily sensations able to locate the body in space? I take up this question because arguments have already been advanced for an affirmative answer. If they are found persuasive, that would seem to support the claim that bodily sensations afford an objective aspect to the subjective body.Such arguments, however, are not at the level relevant to my interest, since they appear to deal not with the intrinsic or indipendent affect of such sensations.The first aim of this paper is to therefore secure the relevant level through making critical examination of the existing arguments. The second aim is to answer the question articulated at that level. The answer I give will be a negative one.