著者
藤井 忠志 稲葉 正和 湯浅 俊行 横山 恵一
出版者
Association of Wildlife and Human Society
雑誌
野生生物と社会 (ISSN:24240877)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.33-40, 2019 (Released:2019-12-29)
参考文献数
48

Mt. Hayachine, which is the famous mountain of Iwate, has had reported sightings of the Rock Ptarmigan Lagopus muta since ancient times, but there was never any evidence to support it. However, in a school collection in Ehime Prefecture, a stuffed specimen suspected of being a Rock Ptarmigan from Mt. Hayachine in Iwate Prefecture was analyzed, and the authenticity of the production area was examined.
著者
小島 邦生 唐澤 達史 上月 豊隆 黒岩 英則 柚木崎 創 岩石 智志 石川 達矢 小山 遼 野田 晋太朗 植田 亮平 菅井 文仁 野沢 峻一 垣内 洋平 岡田 慧 稲葉 雅幸
出版者
一般社団法人 日本ロボット学会
雑誌
日本ロボット学会誌 (ISSN:02891824)
巻号頁・発行日
vol.34, no.7, pp.458-467, 2016 (Released:2016-10-01)
参考文献数
37
被引用文献数
2 2

This paper presents the development of high-speed and high-power humanoid robot research platform JAXON. Researchers have studied humanoid robots widely and people expect humanoid robots to help various tasks such as housework, entertainment, and disaster-relief. Therefore it is important to develop humanoid research platform available in various fields. We considered the following as design requirements necessary to utilize humanoids for various uses. 1) Robots have humanlike body proportion to work in infrastructure matched to human body structure. 2) Robots have the same degree of physical performance as humans. 3) Robots have energy sources such as batteries and act without tethers. 4) Robots walk with two legs or four limbs and continue to work without fatal damage in unexpected rollover. JAXON satisfied these requirements. Then we demonstrates the performance of JAXON through the experiment of getting out of a vehicle, stepping over walls, squatting with heavy barbels, walking with four limbs, and operating on batteries. Further more, we assesses the performance of the strong armor and the shock absorbing structure through a backward over-turning accident.
著者
稲葉 清毅
出版者
群馬大学
雑誌
群馬大学社会情報学部研究論集 (ISSN:13468812)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.231-233, 1998-03-20

1936年生まれの私は,これまで世の中の価値観の大きな変動に二度巡り会いました。初めは第二次大戦の敗戦に伴う激動で丸この時私たちは毎日慣れ親しんできた教科書に墨を塗ることによって,日本が選ばれた神の国であるという虚構を捨て,欧米的な価値観を受け入れました。その次は国論を二分した左翼的理想主義に対する反省です。戦後の日本は,政治的には西側陣営の一員として一途に経済成長をめざしてきましたが,思想・言論の上ではいわゆる進歩的文化人をリーダーとして,社会主義への憧れを基盤に市場経済体制の矛盾を指摘する立場から,ひたすら体制を批判する論調が主流となってきました。ソ連等の社会主義陣営の腐敗と自壊によって,そうした世界への憧れも色あせ,今日では経済的には市場メカニズム,政治的には民主主義に全幅の信頼をおかれているように見えます。しかし,このように激しく変化する時代の風潮にもかかわらず,常に時流に乗って国民をリードしてきたのはマスコミです。そして,彼らの影響の下に国民の意識や主義主張は大きく変わって来ましたが,その底に横たわる深層心理や行動原理はあまり変わっていないように見えます。ここから,話はぐっと小さくなりますが,今度は,私の後半の30年の社会体験から,マスコミのニュースというものがどのように作られ,どのように政治や行政に影響を与えて来たか,いいかえれば政治や行政がマスコミの活字にどのように躍らされてきたかを振り返ってみましょう。そして,その上で新聞の読み方というものを,中身が単純で分かりやすい競馬の予想新聞と比較しながら,お話して見たいと考えています。たとえば,行革に大きな影響を及ぼした第二次臨時行政調査会は,別名土光臨調といわれるように,経団連会長だった土光敏夫さんの影響が強かったのですが,土光さんが比較的簡単にこの難しいポストを引き受けられた裏には,会計検査報告を巡る大新聞の虚報があります。また,私が臨時行政調査会事務局に勤務していた際も,自分自身が関係していた特殊法人の整理合理化を巡って,大小様々な虚報が飛び交うのを目の当たりにしました。そして,そのようなニュースがどのように作られるかのメカニズムを理解する,つまりどのようなリークをすれば,どのような記事になるかを知ってからは,その習性を逆用し,自分では嘘をつくことなく,オーバーな見出しの記事を書いてもらうことに成功したこともあります。このような経験を踏まえてみると,新聞の記事には,その新聞社の政策が,世間の風潮に迎合することを含めて色濃く反映している,特に大きな見出しがつけられる記事ほどその傾向が強いことがわかります。これに対していわゆるベタ記事は,少なくとも何らかの事実を基盤にしていることが多く,地味ではあっても情報価値が高いものが含まれています。これは,ちょうど競馬新聞などで,大見出しになっている記事は,世間の風潮への迎合か受けをねらったハッタリである場合が多く,馬券を買う立場から見るとあまり参考にならないことが多いのに対し,小さな署名記事の中にはキラリと光るヒントが隠されていることと良く似ています。問題は,競馬の素人が予想紙の見出しをそのまま信じてしまうように,一般大衆が大新聞の見出しをそのまま事実,真実と誤認してしまうことです。鬼畜米英・神国日本といった戦前の風潮,社会主義賛美・体制批判を基調とする戦後の風潮が,いずれも大新聞の政策的主張にリードされていたことをもう一度思い出す必要がありますし,そういう観点から見れば,今日,時流に乗っている,市場経済体制と民主主義の無条件な礼讚についても,改めて批判の目を向ける必要があると思います。社会情報学部は,情報化の進展を背景に,社会と情報との関係を追求して行くために誕生した学部ですが,このような矛盾を直視し,社会的意志決定のメカニズムやそのうちに潜むカラクリを明らかにすることによって,より現実的な社会システムの実現に寄与するという役割を負っていると考えています。いまこそ社会情報学部の出番です。
著者
稲葉 振一郎
出版者
文芸春秋
雑誌
諸君 (ISSN:09173005)
巻号頁・発行日
vol.37, no.4, pp.198-207, 2005-04
著者
中村 晃一 野瀬 貴史 稲葉 真理 平木 敬
雑誌
研究報告ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)
巻号頁・発行日
vol.2011, no.63, pp.1-10, 2011-07-20

高性能計算分野では他の分野では使われる事の少なくなってきた Fortran・C 言語が使われ続けている.これらの言語はその生産性の低さと並列計算機向けの最適化の困難さが問題であり,高級なプログラミング言語を使用可能とする事は今後の重要な研究課題である.その様な目的の研究では並列構文を備えた専用の言語の研究・静的型付けの関数型言語の研究が主流であるが,これらが計算科学者にとって使い易いものであるとは言い難い.我々は Ruby を用いて高性能計算を行う試みを行っている.Ruby はその記述の容易さ・高機能さから広く使われており,本言語に高性能計算に使用可能な性能を与える事の恩恵は大きい.本稿では我々の試みの第一歩として,Ruby の為の型解析手法の提案を行う.動的言語である Ruby は静的言語に比べ解析が困難であると考えられているが,部分評価手法と抽象解釈手法を組み合わせることにより十分な精度での解析を行う事が可能である.また,我々は開発した解析手法に基づいて,Ruby の実行前最適化コンパイラ HPC Ruby を開発した.本稿時点では単一プロセッサ向けの基本的な最適化を実装している.NAS Parallel Benchmark を用いた性能評価では最新の Ruby 処理系と比べ 100 倍以上の高速化を達成し,C 言語の性能の約 90% を実現する事が出来た.Computational scientists have been using Fortran and C which are being used less than before in other fields. Because these languages have low productivity and optimization of them for massively parallel computers is difficult, it is important to make high performance computation using high-level languages possible. Although, for this purpose, study of dedicated parallel languages and study of statically-typed functional languages are mainstream, these languages are not easy to use for computational scientists. We have been studying high performance computation with Ruby. Giving high performance to Ruby brings significant benefits since Ruby is widely used because of its rich functionality and flexibly. This paper proposes a versatile method of static type analysis that is sufficiently efficient for Ruby. It combines partial evaluation framework and abstract interpretation framework to make analysis of dynamic language possible. We have implemented an ahead-of-time optimizing compiler, HPC Ruby, which performs classical optimization techniques based on the analysis targeting single core processors. HPC Ruby has achieved hundred times of speed-up against to latest Ruby interpreter in experimentation with Nas Parallel Benchmarks. Its performance has reached almost 90% of performance of C.
著者
下稲葉 かおり
出版者
大分県立看護科学大学看護研究交流センター
雑誌
看護科学研究 (ISSN:24240052)
巻号頁・発行日
vol.16, no.3, pp.90-95, 2018 (Released:2018-12-25)
参考文献数
14
被引用文献数
1

医療者はケア提供を通して、患者・家族のさまざまな喪失体験や死と向き合うことになる。それらを通して、医療者も喪失・悲嘆を経験する可能性がある。本稿では、医療者の経験する喪失・悲嘆の特徴とそのケアについて述べる。喪失経験のあとに悲嘆を経験することは自然なことであっても、それが仕事を通して蓄積すると大きな影響がでたりバーンアウトの原因なるといわれている。同時に、ケア提供を通して医療者としてのやりがいや達成感を感じたり、専門職・人としての成長を感じることができている。この内なる強さはresilience(レジリエンス)と呼ばれる。レジリエンスを育て強めていくには、大きく2つの要素があり、サポートを受けること(外からの要素)と自己認知とセルフケア(内からの要素)が含まれる。ケアを通して経験する喪失・悲嘆について知り、医療者が十分なサポートを受け、さらにセルフケア実施していくことは、良いケアを提供していくためのひとつの鍵となるのではないだろうか。
著者
稲葉 寿
出版者
昭和大学学士会
雑誌
昭和学士会雑誌 (ISSN:2187719X)
巻号頁・発行日
vol.74, no.5, pp.535-542, 2014 (Released:2015-03-06)
参考文献数
14
著者
稲葉 通将 大澤 博隆 片上 大輔 篠田 孝祐 鳥海 不二夫
雑誌
ゲームプログラミングワークショップ2014論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, pp.61-66, 2014-10-31

人狼ゲームのプレイヤーは,相手から自分がどう見られるのかを考慮しつつ,他のプレイヤーの思惑を推理し,交渉・説得を行っていく必要がある.本研究では,人間らしく振る舞う人狼ゲームエージェント実現に役立つ知識の獲得のため,実際に人間同士で行われた人狼ゲームにおける議論の構造に着目した分析を行う.議論の構造を踏まえた分析を行うため,まず各発話に対してタグ付与を行う.次に,そのタグ間の関係を捉えることで,提示された意見に対する「同調」と「反駁」という観点から議論の分析を行う.
著者
田宮 幸春 稲葉 雅幸 井上 博允
出版者
日本ロボット学会
雑誌
日本ロボット学会誌 (ISSN:02891824)
巻号頁・発行日
vol.17, no.2, pp.268-274, 1999-03-15 (Released:2010-08-10)
参考文献数
12
被引用文献数
2 19

We have developed a balance compansating method for dynamic motions of a full-body humanoid standing on one leg. This method could compensate tri-axial moments in any motions, using all joints of body in real-time. In this method, costraint conditions for stable motion were calculated by using physical 3D model of the robot, and the output motion was determined by solving an optimization problem so that the output should be closest to the input under the constraints. The proposed method had high generality because of independence of joints arrangement of robot. This paper describes the algorithm of the method and an experiments applied on the 16D. O. F. humanoid in kick motion.
著者
稲葉 通将 大畠 菜央実 高橋 健一 鳥海 不二夫
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.57, no.11, pp.2392-2402, 2016-11-15

本研究では,人狼ゲームにおけるプレイヤの発話内容を表現するタグを設計し,それらのタグを人狼BBSにおけるプレイヤの発話に付与し分析を行った.分析では,襲撃対象,および処刑対象の決定にプレイヤごとの発話の傾向がどのように影響するのか,また,ゲーム全体のコミュニケーションの傾向とゲームの勝敗の関係について調査した.分析の結果,人間側,人狼側の各プレイヤが自陣営の勝利のために効果的なコミュニケーション戦略,および特定のコミュニケーションとプレイヤの行動の関係が明らかとなった.
著者
鈴木 大地 松葉 剛 稲葉 裕 白石 安男
出版者
順天堂医学会
雑誌
順天堂医学 (ISSN:00226769)
巻号頁・発行日
vol.52, no.3, pp.415-426, 2006-09-30 (Released:2014-11-12)
参考文献数
44

目的: 近年プールを設置する自治体が増えており, 水泳や水中運動を健康づくり事業に取り入れるケースも増えている. 当研究は水泳や水中運動がどのように住民の生活習慣や健康状態に影響しているかを調べることを目的に行った. 方法: 2004年K市において健康関連イベントおよびこれまで水泳. 水中運動事業に参加している257名を対象に質問紙による調査および血圧, 内臓周囲脂肪, 血液生化学データ (血算, 肝機能, 血清脂質, 血糖) の測定を行った. 結果と考察: 対象者を運動習慣により〈水中運動群〉〈水中運動以外の運動群〉〈運動習慣のない群〉の3群に分け, 心理的要因, 食事, 血液生化学検査を含む身体的要因について分布の差について調べた. 心理的要因については, 健康状態や生活満足度, 幸福感をたずねた質問では良好であるとの回答が水中運動群および水中運動以外の運動群に多く統計学的有意差が認められた (p<0.01). また食習慣的要因では水中運動群および水中運動以外の運動群で〈塩辛い食事〉を好まない傾向が認められた (p<0.05). 血液生化学データのうちHDLコレステロールの値について水中運動群と水中運動以外の運動群, および水中運動群と運動習慣のない群の間に有意差を認め, いずれも水中運動群が高値を示した (水中運動群73.2mg/dl, 水中運動以外の運動群63.2mg/dl, 運動習慣のない群63.2mg/dl, いずれもp<0.01). その他, 収縮期血圧において同様に水中運動群と水中運動以外の運動群, および水中運動群と運動習慣のない群の間に有意差を認め, いずれも水中運動群が低値を示した (水中運動群73.3mmHg, 水中運動以外の運動群78.1mmHg, 運動習慣のない群79.4mmHg, いずれもP<0.01). また健康な生活に与える影響について他の生活習慣との関わりを知るために, 因果モデルを作成し共分散構造分析にて分析を行った. その結果, 定期的な運動習慣のなかでも水中運動が, 健康な生活との間により強い関連があることが示された.
著者
宇佐美 毅 稲葉 明穂 吉田 宏 五十里 明 富永 祐民
出版者
Japanese Society of Public Health
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.59, no.7, pp.440-446, 2012

<b>目的</b> 本研究の目的は,飲食店における受動喫煙防止対策の現状とともに,飲食店禁煙化が経営に与える影響について明らかにすることである。<br/><b>方法</b> 愛知県全域(ただし,名古屋市,豊橋市,豊田市,岡崎市を除く)の飲食店8,558店舗を対象として,調査員の訪問調査により,受動喫煙対策の実施状況,禁煙後の来客数と売り上げの変化等を調べた。調査期間は,平成21年11月 1 日から平成22年 2 月末までとした。<br/><b>結果</b> 質問に回答した店舗は7,080店舗(82.7%)で,受動喫煙対策の実施状況は禁煙店舗が16.4%,分煙店舗が20.2%であり,残りの63.4%の店舗では受動喫煙対策は未実施であった。<br/>  飲食店の業種別にみると,カレー専門店,ファストフード店,などでは禁煙が進んでおり,バー,焼肉店,居酒屋,お好み焼き店などではほとんど禁煙化が進んでおらず,飲食店の受動喫煙対策は二極化していることが判明した。また,禁煙店舗については禁煙化後の来客数と売り上げは約95%の店舗で変化がなく,来客数と売り上げが増えた店舗が1.5%,減った店舗が3.9%であった。<br/><b>結論</b> 愛知県で行われた大規模な,飲食店における受動喫煙対策の実態と禁煙化による経営に関する調査によると,禁煙化による顧客数や売り上げの減少など影響は少ないと考えられた。
著者
浦田 順一 中西 雄飛 岡田 慧 稲葉 雅幸
出版者
一般社団法人 日本ロボット学会
雑誌
日本ロボット学会誌 (ISSN:02891824)
巻号頁・発行日
vol.28, no.7, pp.865-871, 2010 (Released:2012-01-25)
参考文献数
9
被引用文献数
2 3

In this paper, we show a high power prototype biped robot for application of nursing or running or jumping motions. Light and powerful actuators are required to realize the high-power performance. We propose a method to bring out maximum performance of electric motors aggressively. The technique of motor core temperature estimation and control improves the motor power performance dramatically but safely without motor burnout. High power acctuator system and robust interbody network are depeloped for high power robot. Fundamental demonstrations of high power motion are shown.
著者
山﨑 晃司 稲葉 修
出版者
日本哺乳類学会
雑誌
哺乳類科学 (ISSN:0385437X)
巻号頁・発行日
vol.49, no.2, pp.257-261, 2009 (Released:2010-01-14)
参考文献数
13
被引用文献数
1

ニホンツキノワグマの分布域の拡大が,東北地域などで認められている.阿武隈山地も例外ではなく,これまでに北部地域で分布が確認されている.今回,阿武隈山地の南部地域においても,14件のツキノワグマの生息情報を得た.子連れのメスの目撃や,幼獣の死体確認があることから,同地への定着も示唆された.世紀に渡って阿武隈山地南部でのツキノワグマの出現は途絶えていたことから,同地での至急の生息状況の把握と,その結果に基づく分布域管理が求められる.