著者
矢口 裕明 溝花 弘登 堀 慎太郎 笹渕 一宏 長濱 虎太郎 齋木 拓也 椎木 靖人 稲葉 雅幸
出版者
一般社団法人 日本ロボット学会
雑誌
日本ロボット学会誌 (ISSN:02891824)
巻号頁・発行日
vol.37, no.4, pp.319-329, 2019 (Released:2019-05-23)
参考文献数
40
被引用文献数
1

In this paper we describe a continuous development and evaluation of multi purpose platform robot AERO via robot competitions. We participated to 4 robot competitions requiring different task with human size semi humanoid robot AERO, has same basic structure. For many types of competition tasks, the robot was designed as simple, robust, small and lightweight, furthermore it can be change parts for another situation of task. The versatility of the robot platform was increased from continuation of task analyisis, consideration of requirements, and implementation. In this paper we describe a continuous integration of robot design, cycle of task analysis, implemetation and integration, via robot competition.
著者
斎藤進也 稲葉 光行
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告人文科学とコンピュータ(CH) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.47, pp.61-68, 2008-05-16

本研究では、地域の視点からボトムアップ的に日本文化を捉える枠組みとして、Valsiner (2007) が提唱する「コレクティブ・カルチャー」という概念を採用し、それらを共有するための道具作りに取り組んでいる。そして、このコレクティブ・カルチャーに関わる情報の中でも、特に地域についての「ナラティヴ」(Wertsch,1998) を対象とし、地域住民やその地域に詳しい研究者が Web 上のデータベースを介して共有することで、特定地域の文化についてより深い理解を得るための新しい媒介的道具の作成に取り組んでいる。本稿で紹介する現在開発中のユーザ参加型ナラティヴ追記・共有支援機能を備えた協調的アーカイブ構築ツール「KACHINA CUBE システム」がそれである。本稿では、まず、地域にまつわる断片的な話題とナラティヴの概念について整理する。次に、KACHINA CUBE システムのアーキテクチャと、ユーザインタフェースについて述べる。最後に、このシステムを使って我々が現在取り組んでいる、京都洛西地域における映画文化のアーカイブ構築の事例を紹介する。This research aims at constructing Japanese cultural digital archives based on the concept of "collective culture" proposed by Valsiner. We are currently developing the KACHINA CUBE system, which enables the members of a local community to share historical episodes and folklores, or narratives in a region.This Web-baed system represents a region as a virtual 3D space that consists of a 2D map with a time axis.The users post and discuss narratives about their region on the 3D space.At the end of this paper, we introduce the Narrative Archives system that focuses on collective culture regarding movie industries in Rakusai area of Kyoto.
著者
松岡 理 安藤 久隆 小沢 正基 高橋 千太郎 小木曽 洋一 稲葉 次郎 二之宮 和重 久松 俊一
出版者
一般社団法人 日本原子力学会
雑誌
日本原子力学会誌 (ISSN:00047120)
巻号頁・発行日
vol.36, no.11, pp.997-1020, 1994-11-30 (Released:2010-03-08)
参考文献数
102

Puに対する社会的関心が高い。たしかにPuの幾つかの同位体は核分裂性であり,また放射線毒性の高い物質の一つである。しかし,その実態に対する理解は必ずしも十分ではなく,そのことのゆえ,ときに一部から意図的に部分的誇張を含む説明がなされたりすることさえある。 本「特集」では,Puの安全性を考える基礎として,生体に対する影響を中心に,放射線毒性学の観点からPuの実像を概観する。
著者
稲葉 通将 鳥海 不二夫 大澤 博隆 片上 大輔 篠田 孝祐 西野 順二
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.28, 2014

我々は,コミュニケーションゲーム「人狼ゲーム」を行う人狼ゲームエージェントの実現を目指している.人狼ゲームでは,プレイヤーは自分の真の意図を隠しつつ意見を述べる必要がある.本研究では,人間らしく振る舞う人狼ゲームエージェントの実現に有用な知識獲得を目指し,出された意見に対するプレイヤーの行動を同調・反駁という観点から分析を行う.
著者
稲葉 大輔 釜阪 寛 南 健太郎 西村 隆久 栗木 隆 今井 奨 米満 正美
出版者
有限責任中間法人日本口腔衛生学会
雑誌
口腔衛生学会雑誌 (ISSN:00232831)
巻号頁・発行日
vol.52, no.2, pp.112-118, 2002-04-30
被引用文献数
10

馬鈴薯澱粉由来のリン酸化オリゴ糖(カルシウム塩;POs)が,溶液中ミネラルの不溶化と沈澱形成を阻害することが確認されている。本研究では,リン酸化オリゴ糖を配合したシュガーレスガムがエナメル質の再石灰化に及ぼす効果を口腔内実験により検討した。健常成人12名(男6名,女6名;平均年齢:21歳)を被検者とし,ランダムに3群に分け(n=4/群),二重盲検デザインの口腔内実験を行った。各被検者は,3個の脱灰エナメル質試料を接着した口蓋プレートを装着して,キシリトールガム, 2.5%POs配合キシリトールガム,ショ糖ガムのいずれかのガムを1日4回組閣した。実験期間中,フッ化物は使用せず,また試料の乾燥を防止した。エナメル質試料は1,2および4週間後に順次回収し,マイクロラジオグラフィで脱灰深部ld(μm)を評価した。2週間後,POsガム群の脱灰深度は40±3μmで,ショ糖ガム群(58±13μm)およびキシリトールガム群(61±6μm)よりも有意に低い値を示した(pく0.05)。また,4週間後では,POsガム群の説灰深度は29±3μmで,ショ糖ガム群(72±16μm)の60%,またキシリトールガム群(56±14μm)の48%へと有意に減少していた(p<0.01,p<0.05)。 2.5%POs配合シュガーレスガムを毎日利用することは,エナメル質の再石灰化を著しく促進することが示唆された。
著者
菱沼 勲 三好 徹哉 稲葉 直彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. A, 基礎・境界 (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.84, no.9, pp.1157-1166, 2001-09-01
被引用文献数
5

極めて簡単な微分方程式において, 一つの系パラメータに例えば10^<-4>のような極めて微小な変化を与えるだけで, 系に生じるlimit cycleの振幅が大きく変化する場合がある.このような現象はlost solutionと呼ばれ, その中間の振幅をもつ解はあひる解と呼ばれている.本論文では, レイリー方程式に生じるあひる解が, 微小周期外力の印加に対してどのような振舞いをするかを数値実験によって調べた.振幅1.0×10^<-4>の正弦波外力の注入によっていとも簡単に周期解が崩壊し, 周期倍分岐によってカオスが発生することが明らかとなった.また, 興味深い3種類の周期アトラクタの発生が確認された.
著者
稲葉 翔吾 川村 淳 奥山 知子 小川 将樹
出版者
一般社団法人 日本人間工学会
雑誌
人間工学 (ISSN:05494974)
巻号頁・発行日
vol.59, no.5, pp.193-200, 2023-10-15 (Released:2023-11-03)
参考文献数
18

ミントガムの香りおよび咀嚼行動が乗り物酔いにおいて軽減作用を及ぼすかを評価するため,健康な47名の成人の被験者について,ミントガム咀嚼または無咀嚼の状態で,マイクロバス乗車中の20分間の主観的な気持ち悪さ評価値の比較を行った.その結果,ミントガム咀嚼条件にて有意に主観的気持ち悪さが軽減したことが分かった.また,SSQ(Simulator Sickness Questionnaire)の結果から,眼連動性,ふらつき感,および総合の各スコアにおいて,ミントガム咀嚼条件における有意な軽減が確認された.
著者
加藤 駿一 井谷 修 松本 悠貴 大塚 雄一郎 兼板 佳孝 成田 岳 羽田 泰晃 根木 謙 稲葉 理 松村 穣 八坂 剛一 田口 茂正 清田 和也
出版者
日本大学医学会
雑誌
日大医学雑誌 (ISSN:00290424)
巻号頁・発行日
vol.82, no.3, pp.155-159, 2023-06-01 (Released:2023-08-23)
参考文献数
22

心停止蘇生後患者の中でも,目撃の無いものについて,その予後を規定する要因について行われた先行研究は極めて少ない.そこで,目撃の無い心停止蘇生後患者の予後を規定する要因について調査した.2015 年 1 月~2019 年 5 月に入院した病院外心停止蘇生後患者のうち目撃例のない症例の生命学的・神経学的予後を規定する予測要因について,後ろ向きに調査した.解析対象例は 857 例であった.解析の結果,目撃の無い院外心停止蘇生後患者の生命学的・神経学的予後を良好にする予測因子として,年齢が若いこと,搬送中の心拍再開があること,発見者による胸骨圧迫が行われていること,初期波形ショックの適応があることであった.以上の結果を考慮し,救命率向上のための方策を検討すべきと考える.
著者
田中 夏樹 岡西 尚人 稲葉 将史 山本 紘之 川本 鮎美 早川 智広 加藤 哲弘 山本 昌樹
出版者
東海北陸理学療法学術大会
雑誌
東海北陸理学療法学術大会誌 第24回東海北陸理学療法学術大会
巻号頁・発行日
pp.O032, 2008 (Released:2008-12-09)

【はじめに】 母趾種子骨(以下、種子骨)障害に対しては、保存療法が第一選択となるが、そのほとんどが足底挿板による免荷の有効性を報告するものである。今回、足底挿板が処方できない状況であった症例の理学療法を経験した。Dynamic Alignmentを変化させるべく運動療法を行うことで種子骨周囲の運動時痛が消失した。本症例におけるDynamic Alignmentの特徴と理学所見、荷重時における種子骨の疼痛との関係について考察を踏まえ報告する。 【症例紹介】 症例は野球、空手を行っている中学1年の男性である。2年前から両側種子骨周囲に運動時痛を訴え、本年5月に歩行時痛が憎悪したため当院を受診し、理学療法開始となった。 【初診時理学所見】 両側とも種子骨を中心に圧痛を認め、歩行時痛(右>左)を訴えた。歩行時footprintにて両側ともに凹足傾向であった。また、Thomas testが陽性/陽性(右/左)、SLRが50°/50°、大腿直筋短縮テストが10横指/5横指(殿踵部間距離)と股関節周囲筋に伸張性の低下を認めた。足関節背屈可動域は25°/25°であり、両足をそろえたしゃがみ込みでは後方に倒れる状態であった。歩容はmid stance以降、支持脚方向への骨盤回旋が過度に認められた。 【治療内容および経過】 腸腰筋、大腿直筋、hamstringsを中心にstretchingおよびself stretchingの指導を行い、距骨を押し込むためのTapingを指導した。また、3週後からはショパール関節のmobilizationを行った。5週後にはThomas testが両側とも陰性化、SLRが80°/80°、大腿直筋短縮テストが0横指/0横指と改善を認め、歩行時、ランニング時の疼痛が消失し、全力疾走時の疼痛程度が右2/10、左1/10と改善した。 【考察】 hamstringsのtightnessによる易骨盤後傾、重心の後方化に拮抗するため、股関節屈筋群の活動量が増加し、腸腰筋、大腿直筋のtightnessが出現したと推察された。そのため、股関節伸展可動域の低下が生じ、歩行ではmid stance以降に骨盤の支持脚方向への過回旋による代償動作による足角の増加に加え、凹足傾向と足関節背屈可動域の低下によりmid stance~toe offにかけて荷重が足部内側へ急激に移動することで母趾球への荷重が過剰となり歩行時痛が出現していると推察された。そのため、股関節周囲筋のtightnessを除去するとともにショパール関節のmobilization、足関節背屈可動域増加を目的としたtapingを行い、toe off時における母趾球への過剰な荷重を回避することで種子骨への荷重による機械的ストレスの減少を図ることが可能となり、運動時痛が軽減、消失したと考えた。有痛性足部障害といえども、全身の機能障害が関与しているケースもあると考えられ、足底挿板療法以外にも症状改善に足部以外の部位に対するアプローチの有効性が示唆されたものと考える。
著者
岡部 祐介 友添 秀則 吉永 武史 稲葉 佳奈子
出版者
日本スポーツ教育学会
雑誌
スポーツ教育学研究 (ISSN:09118845)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.13-23, 2010-10-30 (Released:2013-07-20)
参考文献数
25
被引用文献数
3 1

The purpose of this study is to clarify a contemporary meaning of discourse concerning the suicide of Kokichi Tsuburaya who was a marathon runner in the Olympic games in Tokyo, 1964.Tsuburaya's death was continually talked about in the newspaper and magazines, and discourse related to the suicide of Tsuburaya was reproduced.It was pointed out that the nation and the Self Defense Forces had caused “pressure” for Tsuburaya. In worldwide competitions including the Olympic games, contemporary athletes receive “pressure” as Tsuburaya.However, the difference with the generation of Tsuburaya's was clearly shown, and the conversion of the “ethos of sports” was pointed out. As a result of Tsuburaya's death it brought meaning as follows:Through Tsuburaya's, it was recognized that athletes undertake an excessive expectation from those around them, and social pressures over winning or defeat. It is thought that the death of Tsuburaya made clear the problem of identity loss for athletes. In addition, “recognition that modern athletes represent the nation”and “preferable attitude to competitive sport” is recognized. A definite link can be made between the “ethos of sport” and “Tsuburaya” which reproduces a (standard) discourse.
著者
稲葉 緑 稲葉 啓太
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.63, no.12, pp.1757-1769, 2022-12-15

高校生の多くが,インターネット利用にともなうリスクの知識を持つ一方で当事者意識が欠如しているとされる.具体的には,そのリスクが自身に発生する可能性を認識できていないとの報告がある.本研究は,この認識の改善に有効なディスカッション教材の提案を目的とする.提案する教材は,高校の情報モラルの授業で利用することを想定した.ディスカッションの中で,生徒はSNS利用時のリスクの高い行動についてのシナリオを読み,主人公としてその行動について判断する.その後,その判断やリスク,リスク対策等をディスカッションする.有用性を評価するため,提案する教材と,既存の情報モラルに関するディスカッション教材を参照したベースラインの教材を試作して比較した.第1に,高校教育経験者へのインタビューにより,提案教材がベースラインの教材と同程度に授業で利用可能であることの示唆を得た.第2に,高校生を対象とした実験を実施した.提案教材を使った生徒がベースラインの教材を使った生徒に比べ,ディスカッションで学んだリスクの自身への発生可能性を高く評価するとの仮説を検討し,これを支持する結果を得た.また,この教材間の評価の差は,SNS利用に関する被害未経験者で顕著であった.本研究は高校での情報モラル教育の補助教材に関する貢献を示すとともに,残された課題について議論した.